教授の戯言

手品のお話とかね。

Ryan Schlutz『Super Strong Super Simple』DVD

昔から好きなんですよね、ライアン・シュルツとシンプルで不思議なマジック。シュルツはめっちゃテクニックもうまいんですが、それをあまり表に出さず、クレバーなトリック作ったり他のDVDに提供したりしている人で。私には無理、という技法もまれに使うのですが、大半は「そもそもどうやって実現したのかさっぱり」という感じで、そこがお気に入りでもあります。DVDとか多分コンプしてます。ラブです。彼のリフル・ピークがマスターしたいです。パケット超曲げるんですけど私はパワーが足りないw

さておき。Ryan Schlutz『Super Strong Super Simple』DVD でございます。名盤です。シュルツ本人の作品も複数入っていますが、要するに古今の名作オンパレードDVDであり、そりゃ面白いに決まっています。ハズレなしの16作品5ムーブの3時間が襲ってきます。しゅごい。鮮やかな現象が多いわけではないのですが、現象見て「え、まじで?」となり、解説聞いて「あああああ、まじかあああ」ってなって大変楽しかったです。昨今の「マジシャンもビックリ、クイック&ビジュアル!」というのとは方向性が違うのですが、私のように"手品しない人に手品見せて楽しんでもらえるなら、別に簡単なのでいいです"という趣向の人にはバッチリの1枚です(※個人の感想です)。備忘を兼ねてちゃんと感想を書いておこうと思います。


添付の画像はメニュー画面ですが、01.02.03、06.07.08、10.11.12はそれぞれワンセットで演じるのが好きだ、とか3と11はかりたデックでできるよ、とかあるんですが、借りたデックで出来ないやつのほうが少ない気がします。

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01_"Forget to Remember" by Ryan Schlutz
観客に1枚のカードを一旦憶えてもらうが、難しくするためにそこからカードを変えてもらう。にも関わらずそれが予言されている。

のっけから不思議です。いや分かりますよ、解説を聞いたときに、「なんでそういう手続を踏ませたのかという部分は結構謎じゃない?」というのは。こまけえこたあいいんですよ。よく出来たトリックだと思います。



02_"Emotional Reaction" by Dai Vernon
観客が思ったカードを当てる。

ヴァーノンの名作ですね。オリジナルがどうだったか憶えていませんが、あの「観客のカードを特定・確認するシーンを、完全に見てなかったことにする」というのはいいですね。ボリス・ワイルドがよく使う手法ですが、フェイスを見ないといけないマジックのときにこれを挟むとディセプティブさが増す気がします。



03_"Borrowed OOTW" by Various
借りたデック、かつシャッフルされたあとのデックを使うアウト・オブ・ディス・ワールド。

デックの半分程度しか使わないので、私のようにOOTW長くてあんまり好きじゃないです、的な人にも安心。かつ赤黒分けておくとかそういう準備も不要。途中でちらっと見せたり修正したりするところが賢いなと思います。むしろいやらしいわ!w



04_"Pulse Detection" by Ryan Schlutz
観客が思ったカードを当てる。"Emotional Reaction"のバリエーション。

違いは、すぐに当てず、もう1ステップ入るところです。まずカードを特定したあと(例えばスペードの10)、4枚のカードを裏向きで出して1枚に指を置かせます。残りをめくっていくと7が3枚(ダイヤ・クラブ・ハート)。その流れから、当然観客がいま押さえているカードはまだ表になっていない残りスペードの7じゃないですか?という理屈でいきますが、実際にはスートはあっているがバリューが違います。カードをめくると、それだけフォー・オブ・ア・カインドに関係なく、観客のカードであるスペードの10になっています。こういうワンクッション、好きです。



05_"Prior Commitment" by Simon Aronson
2人の観客にそれぞれカードを憶えてもらう。デックに戻してスプレッドするとジョーカー2枚が表向きになっている。このジョーカーが教えてくれるんだ、と言って、その枚数分配っていくとそれぞれのカードが出てくる。しかもジョーカーの裏にはその数字が元々書いてある。

これあれだ、ジョー・デンにアロンソンのトリックだと言って教えてもらったやつです。こういうタイトルだったのか。とにかく不思議です。なんで当たるんだよ感が。観客が何枚でカットしようが関係なく当たる。いやあ、キモいです。



06_"Bath Towel Mentalism" by So Sato
観客2人に、テーブルの下で1枚のカードを交換してもらう。演者は1人目のカードを手をかざしただけで当て、2人目のカードは箱に入れてもらった状態で当てる。

ちょいと前、ご本人の演技見て「おおお、不思議だ!」とか思っていましたが、ここで取り上げられるとは。あらためて、現象の不思議さに構成の美しさ、舞台の設え(シナリオ設定)の妙にため息が出ますね。シュルツも言っていましたが、あの2人目に箱に入れさせるところ、本当に頭いいです。



07_"It Cuts Deep" by Ryan Schlutz
観客が自由にカットしたところのカードを3枚テーブルに出してもらうが、演者はそれを言い当てる。

タイトルからも行動からもバルドゥッチのカット・ディーパーを使ってそう、というところまでは予想がついたのですが、1枚はともかく、3枚当てるってどういうことだよ、という感じですが、なかなかに図々しい解決。これは以前別のDVDで見たときも、その図々しさというか巧妙さが実に好きでした。手品っぽい。



08_"All Expenses Paid" by Jim Krenz
カード・アクロス。観客が確かに数えたカードが見えない飛行をする。

ジム・クレンツの名作です。これのすごいところは、観客がすべてを行い、演者は一切手を触れないのにカードが飛行するところ。世の中には、赤パケットと青パケットを使うことでビジュアルを強調したいとか、不可能性を前面に出したいとか、こざわまさゆき言うところの「こじらせちゃったひとが考えるカード・アクロス」がゴマンとあるわけですが、それを否定するものでもないのですけど、このダイレクトかつ骨太な手順は見習ってほしいと思います。なにより、『私にもできる!』これ重要ですw
去年、Penguin Magic Live Lectureでクレンツの演技見まして、これがまたどれも不思議で。TPCベースでタマリッツひっかけるとか、"Bannon Triumph"(Pray it Straight)ベースでバノンをひっかけるとか、こいつはなんだ、相手の得意技で相手を倒すとか、漫画でよく見る強敵かよ、みたいな。



09_"Upside Down Deck" by Francis Carlyle
演者と観客が選んだ1枚ずつだけ向きが変わる、ツー・カーズ・トライアンフ。

手品をしない人は、1枚ずつほぼ交互に表裏になってなくても、パケットレベルで表、裏、表、くらいで十分ごちゃまぜになっていると思ってくれるだろうか。なんにせよスプレッドした瞬間がびっくりですわ。広げる直前に裏向きのカードが見えているのがいやらしいですねw



10_“The Absent Player” by Dani DaOrtiz
観客含めて徹底的に混ぜたデックで、観客に配らせた状態でポーカーを行うが、演者にロイヤルフラッシュが来る。

これほんとダオルティスのを見たときめっちゃ驚きましたねえ。こういう構造のものは最近だとジョセフ・バリーがくっそうまいんですが、ともあれ超不思議です。演者が最初に4枚交換したことって全然記憶に残らないんだろうなあ。



11_"Gemini Location" by Liam Montier
2人の観客が選んだカードを、1人目のはカードの表を見ながら言い当て、2人目は観客自身に読み上げながら配らせるがそれでも当たる。

ジェミニ・トリックの原理を使い、観客の声の震えの調子で当てるという演出が面白い。ジェミニ・トリックはそれこそ数多くの改案があるジャンルですが、うまい使い方だなと思います。




12_"Poker Players Picnic Redux" by Ed Oschmann and Tom Dobrowolski
ちょっとしたハイ/ロー・ゲーム(数字の大きいほうが勝ち)をしようと持ち掛ける。演者と観客で全力でシャッフルをしたデックを4人で分け、ランダム性を作るためにもうひと操作行う。まずボトム・カードを見て、その枚数分下に回す(絵札のように長くなりそうなものなら、そのまま回しても、スペルのぶん配っても構わない)。それからほかの3人に1枚ずつカードを渡す。これを全員が行い、最終的に一番上に来たカードをひっくり返すと…!

変な声出た。「え、でもこれ、何枚下に回すかわかんないじゃないですか……」と思っていたのですが、ちゃんとそういう目的でセットされてるのよね。くらっときましたね。あと私これ、最初解説聞いたとき、「最後の人に、数じゃなくてスペルでやられたら困るじゃん」とか思ったのですが、よくよく聞くと、現象説明で書いたように「絵札とか、配る枚数が多くなりそうなときは、そのまま数ぶん配らせるか、それともスペルの分だけ配るか選ばせられるよ」ってちゃんとシュルツは言っていました。見事だ。あ、冒頭のピクニックの綴りがPinicになっていますぞ(どうでもいい発見)。



13_"4 Sided Gemini" by John Bannon
最初に1枚のカードを誰にも見せないようにして観客のポケットにしまってもらう。観客に1枚ずつカードを配らせ、止めたところにジョーカーを挟む、というのを2人にやらせる。ジョーカーの示す場所のカードが黒のエース2枚、配らせたカードの数の和の分配るとダイヤのエースが出てきて、最初に入れておいてもらったカードを取り出してもらうとハートのエースである。

ば、バノン先生のきたー!『Destination Zero』(本)とか、『Move Zero Vol.1』(DVD)でも解説されていたアレです。「バノンファンなら常識ですよ」と訳の人が。どんだけ好きなんだよ。ジェミニ手順がここでも、という感じです。マッチングに使うのはよくありますが、これはフォー・エース・プロダクションになっています。いや、別にそれもよくあるかw バノン先生のこの図々しく「観客の操作を観客自身の手でなかったことにさせる」系の仕組み、好き。解説中にボブ・ロスの名前が出てきてちょっとニヤリとする。



14_"Shuffle-Bored" by Simon Aronson
演者は最初に予言のメッセージを観客の一人に送っておく。デックを取り出し、表裏ごちゃごちゃに何度も混ぜさせた後、その予言を読み上げてもらう。その表向きの枚数や赤黒の枚数などがすべて正しく予言されている。

もうね、名作ですね。知っててなお、途中途中で「あれ?いや、これ、今回はさすがにもう無理じゃないですかね」としか思えない状況で多段式予言が的中していきます。アロンソンのは大きな紙に上から予言を書いておいて、それを引き出しながら見せていく、という見せ方で(たぶん)、有名な改案としてはアリ・ボンゴの"折りたたんだ紙を開いていくと次なる予言が出てくる"というのがあります(私は最初それで知りました)。シュルツは観客のスマホにテキストメッセージとして送るというかたちにはしており、現代的な感じに仕立ててはいるものの(予言の効果を高めるため、改行はたくさん入れようね、みたいな)、根幹の仕組みは同じであり、やはり原案の力強さを思い知ります。あとシュルツはロゼッタ・シャッフル(レナート・グリーンがよく使っている、デックをふたつに分けて、ぐりぐりとねじって円状にしたものを左右から押し込んでシャッフルさせるアレ)を実にカジュアルに使いまして、それがまたいいのです。あれはぐちゃぐちゃ感を見せるのに本当に適した手法なのだなと再認識しました。



15_"Silent Tansmission" by Eddie Fields
観客がデックをシャッフルしてからカードを1枚選んで憶えて戻し、パケットを表向きと裏向き半分ずつでシャッフルをする。表向きのカードを読み上げさせるが演者は観客のカードが何かを言い当てる。この間、ずっと演者は電話向こうで指示を出しているだけである。

演技の冒頭から、観客の女性2人と、その間に通話状態になった電話が置いてあるだけ。観客たちは、シュルツの指示に従ってデックをシャッフルしたりパケットに分けたりカードを覚えたり混ぜたり読み上げたりしていくが、選んだカードが当たると。当たってしまうのです。もう電話越しっていうのを抜きにしても、最初に観客がデックをシャッフルした時点で、「これ演者も現場にいないし、どうやったって当たらないだろ、というか当てる手品ではないのか?」などと思い始めましたが、まあ当たりまして、変な声出ました。ビル・ムラタのワイキキ・カード・ロケーションという私の大好きなロケーションの仕組みがあり、要するにそれを使うのですが、これ電話越しにやるとここまで気持ち悪いトリックになるのかと震えました。なお解説聞くまでWCLであることに気付かなかった盆暗、それがわたくし。



16_"Six Covers Six" by Ryan Schlutz
観客がカードを1枚憶え、自分でシャッフルするが、その上で演者がカードを当てる。それも裏向きでな!

シュルツまじかしこい。だって裏向きで、観客の脈というか勘の力で当てるんですよ。キーカードの作り方が絶妙ですよね。たまりません。サンクン・キーとかやられるとまあ分かりませんね。




BONUS: Moves Toolbox
Pinky Break, Swing Cut, Box Switch, Controlling the Top Stock, Magician's Choice

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あと、気になった、というかこれはもう昔からなのですが、シュルツは英語がかなり早いのでそこは注意です。台詞の面白みをわかれよということまでは要求されませんし、解説部分を見て手順がたどれないことはないと思うのですが、まあガチネイティブのイングリッシュはめっちゃ早いな、ということだけ覚悟しておいたほうがいいです、と。日本のショップは手順概略とかつけて売ればいいのに。いや、スクリプト・マヌーヴァが字幕付きで出せばいいのです。なんでもっと早く出してくれなかったんですかヒゲ社長!

あとトラックの切り方がヘンというか。個々、「そのトリックに関してのシュルツのコメント」→「観客相手の演技」→「解説」 という構成で、それ自体は別にいいのですが、「この現象にはひとつだけギミックを使うんだ。ダブルバックカード。これを使うだけでこの奇跡が起こせるというわけでね」みたいな、若干のネタバレ的な要素を含むんですよ、この「冒頭のコメント部」w 最初「あれ、解説?解説は演技見たあとでいいのよ。演技から見たいのに。どこかな…?」ってなってた間抜けが東京に一人いたとかいないとか私とか。

ゆうきとも「オープニング・セレクション」

monthly Magic LessonのDVDには、毎回メインメニューに入る前に30秒くらいの手元のみ無言での演技映像があり、これがまたクイックかつビジュアルな現象が多くて好きだったのですが、基本的には本編で解説はありません。古今の他の人の作品だから解説できないとかそういう感じなのかなと思っていたのですが、必ずしもそうではなかったようで。半年に一度変えているとのことなので、150号を数えるいまや25種類ものクイック&ビジュアルな手順があったということになります。重ね重ね解説がないのは惜しいなと思っていたところ、出ましたね、「オープニング・セレクション」が。


DVDが届いた日、「演技だけ見たら寝よう。あの長さ6作品だし、まあ5分もあれば終わるでしょう」と思って見始めたところ、結局ついつい解説まで全部、50分ちょい見てしまう面白さ。どれも面白いのですが、個人的には"オイル&ウォーター8.5"と"ファイブ・キングズ・ロイヤル"、"フラップ・ジャックス"が特に好きでしたね、と書いて、6個のうち3個を「特に」といっても、「特に」感がゼロなことに気付きました、いま。ああ、"EZ ハイパーツイスト"も捨てがたい。

まずあれです、ゆうきさんはカウントがうますぎます。当然そうあるべき、というのはともかく、リバースカウント、エルムズレイカウント、ツーフォーカウントあたりが区別つきません。あと久々に見ましたが、フェンテスチェンジもクソうまいの。ふわっと変わる感じ。ゆうきともほど、『キャラ色はないので「あ、これはできそう」と思わせつつ、実際やってみるとああはならない(できない)』という演技を見せるマジシャンも珍しかろうという気もします。アクロバティックなことをしているわけではないのに、かつ自分もその技法はできるはずなのに、まとめてやってみると「なんか自分、全体的に雑」のような。ガビとかキコとかは見た瞬間「ハイ無理ー。ていうかこいつ本当に同じ人類なのか?」とか思うのですが、ゆうきともは『一見ラクにトレースできそうなのに、やってみると自分の"コレジャナイ感"が見える』というのが曲者です。大変けしからんです。あ、いや、全部が全部ゆうきともみたいなクオリティでできなきゃいけないわけでもないですし、トリックとして成立するレベルくらいには自分でもできるように作られているのですけれど。ともあれ、なんだかんだ短時間でインパクトある作品が揃っている印象でございました。

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■限りなく赤に近いブルー(ノースイッチバージョン)
「瞬発力」マックスのカラーチェンジングデックの手順。以前にDVD 「ワイズワークス」 で発表された手順をアレンジして、よりセルフ‐コンテインドな形にしました。シャレの利いた台詞回しによって、色が変わる「理由」を作り出している点も注目です。(mML Vol.13-18のオープニングで使用)

■EZ ハイパーツイスト
パケットトリックのクラシックである「ハイパーツイスト」をよりライトなカード構成にして演じやすくした作品。Aから4までの4枚でツイスト現象が起こり、4枚とも同一カードに変化して、さらにクライマックスの現象がある意外性抜群のトリック。(mML Vol.43-48のオープニングで使用)

■オイル&ウォーター8.5
複数段構成のオイル&ウォーターから、最後は瞬間的な入れ替わり現象となる
ボリューム感満点の手順。大変巧妙な手順構成となっていて、おそらく感心されることでしょう。一般的なあるギミックカード(ただしO&Wに使うのはさほど一般的ではない)をを使用することで、レギュラーではできないクリーンさを実現しています。(mML Vol.55-60のオープニングで使用)

■バックグラウンド・オープナー
オープナーとして4枚のエースを鮮やかに取り出し、見るとその4枚だけ裏の色が違っています。解説をご覧になるとわかりますが、応用が利く、使い勝手の良いきわめて実践的な手順です。(mML Vol.67-71のオープニングで使用)

■ファイブ・キングズ・ロイヤル
5枚の同一カードが、あっという間にロイヤルフラッシュに変化。 ちょっとテクニカルですが、秀逸なメカニズムを持つ佳作。ブラザー・ジョン・ハーマンの作品です。(mML Vol.73-78のオープニングで使用)

■フラップ・ジャックス
ポール・ハリスが有名にしたフォーカードのレべレーション。パタパタっと、瞬間的にフォアエースが開示される見事なカラクリ。発表当時大流行しただけあって、この楽しさは別格です。セルフワーキング・フラリッシュとでもいうべき唯一無二の怪作。(mML Vol.109-114のオープニングで使用)

おおきく振りかえって2017

今年は色々なレクチャーに参加はしたので、いつもなら色々備忘録を書くところなのですが、大半において時宜を逸しました。来年はもう少しちゃんと書きたいと思います。自分のために。

◆1月
・家でゆるゆると手品を見ていました。T君は年明け早々のスタバでドイツの某氏の本の粗訳を始めていたとか。ガッツあふれる感じ。
・入稿から4か月の時を経て『Losing Control』の組版が上がってくる。
・サイクルトレーナーを買う(もほぼ使ってない有様)。
・悪ふざけ本『ASIS』の下準備をもうこの頃から始めていた模様。あほである。

→わかります。

→ミリタリー陶芸すごい。

・ボリス・ワイルド『Transparency』の日本語版が出る。マークト・デックの本とか東京堂エッジ攻めすぎだろと思いましたが、T君が満足そうなのでそれでいいとします。「その著者用の書影を上げた結果、UKのマジシャンから『俺のも訳そうぜ』とかきて、その人の本を見てみたら『62個の新作』……えっ?『275ページ!』とかあるんですよ。『死ぬから無理です』って返しましたよ」とか言ってて笑いました。

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→最近この考え方になっていてやばい。

 ・アイカツを見てもいないのに、『詳説アイカツ史』を買うリトル愚かなわし。そしてこれを呟いた直後、知り合い数人からメッセージを受け、うちのひとりから全176話が入ったDVD(たぶん30枚以上あった気がします)が後日自宅に送られてくるが、それはまた別のアイカツだね。

→とてもよく分かります。

 
→辞書ナイト3 毎回このイベント面白すぎてすごい。

→イカ、上位存在の情報収集末端説、好き。

スマホを新しくした。
・眼鏡を新しく買ったあとで、塗装ハゲについては有償で塗りなおせる、ということを知り、結局全く同じモデルの色違い眼鏡を持っているというアレな状況になる。

https://twitter.com/propateer/status/823314508235948033
https://twitter.com/propateer/status/823491756398284800
https://twitter.com/propateer/status/824282452466118658
https://twitter.com/propateer/status/824816137779044353
https://twitter.com/propateer/status/826235838279200768


◆2月

→どこでも流行っていないポーカーという有名ゲームw

けもフレ浄土真宗

ハラール。まさかこの10か月後に、自分がハラール対応とかウドゥ対応とかで胃が痛くなる日がこようとは。もうみんな日本に来たらラーメンとハンバーガーでも食べててほしい。



→最近結構多いです。「おい何ですかこの請求。不正使用か……!?」からの「わ、私だったァァァァ!」の流れw

→電子版の準備もしております。

→こざわまさゆきが大体当てはまります。
 
・『52 Lovers』の確認のために、文章チェックに加えて色々ギミックを作ったりしていましたが、この時期プロマネで死んでいた気がするので、手抜きしてたのかな、私。

→霊能力者説

→真の校正マンはこうでないとw

→ガブちゃんちと一緒w

→気をつけたい。


→私含めて多そうw

・Shearlockのバリエーションを作ってもらった。大変便利。
・カーニーのレクチャーに行く。
・ヨーキムのレクチャーに行く。ヨーキムに手品見せるのは緊張しました。
・ゆうきとものレクチャーに行く
・ダローが亡くなる。大変ショック。

→コインマジシャンは反省すべきですね。

→こざわまさゆきクソコラグランプリ

→私も人なのでしょうがないです。

https://twitter.com/propateer/status/829870128476991488
https://twitter.com/propateer/status/830307416189267971
https://twitter.com/propateer/status/830314523445727232
https://twitter.com/propateer/status/831877954212765696
https://twitter.com/propateer/status/831878062664933377



◆3月

→これはとてもいい人ですね。理想。

PDCAは大事です。

→確実に理解と説明能力が高まる勉強法ですね、これは。

→ホントに迷惑。

露伴先生いいひとだw

・堀木智也レクチャーに参加。ほんとコインは変態しかいません(含・二川滋夫)。あと、はじめてねすもあさんにお会いした。のちにRewindとして発売されるアレを生で見せて&教えて頂きましたが、現象もさることながら生で出来るということに一番驚きました。映像限定トリックかと思っていました。すみませんでした。
東京堂バーンスタイン本で、「何言ってるか、どうやるのかわからないやつがある」というツイートを見て、「おいおい最近の人は読解力が低いのか?」と勇んで読んだら自分も全く理解できず、結論として「訳文が間違っている」となりましたが、日本語文章を読んだのに意味が取れないと、自分の日本語力にまず不安を覚えることがわかりました。
・TAKAHIRO&三品優太郎レクチャー。
・ゆうきともレクチャー
・ポール・ガートナーレクチャー。同日にけもフレ最終回を見る。いい日だった。

https://twitter.com/hideroP/status/840214572984295424 けもフレ最終回


◆4月

→rule of thumb

→小林さんちの子になりたい。

・『鉄血のオルフェンズ』が「じ、時間泥棒…!」的な終わりで震える。

→決して真似しないでください は名作でした。

→ベルヌーイの一族

→エリカさんいい人だ。

・上田に遊びに行き、シナクラ先生に遊んでいただく。プロによる歯医者さんごっこ。また、朝のちょっとしたツイートから居場所が発覚した結果、園内さんにも初めてお会いする。「あの、これ…」とディスクをいただき、「あれ、お土産かな」と思ったらお仕事の依頼であり白目w なお、「メガネのブランド」と「(カーニーレクチャーの際)横にこざわまさゆきがいた」という2点で身バレするんだなということを知りました。

https://twitter.com/propateer/status/851455618296696832 悲しい。
https://twitter.com/propateer/status/853261376319442947 デルレイ不思議。
https://twitter.com/propateer/status/854542749252468737 メンタルマジックっぽいw
https://twitter.com/propateer/status/855278487984234499 イングブルムさんキュート。
https://twitter.com/propateer/status/855426309488492544 植田まさし女性キャラコスプレ用
https://twitter.com/propateer/status/856737790108749824 半分くらいの人は気づいているのだぞ。
https://twitter.com/propateer/status/858300533618073600 旅に限らずなんでもやってみるのがいいです。
https://twitter.com/propateer/status/858505581014929408 澤浩の"Pushman"を見て、これが最高のコインマジックだという思いを強くしました。
https://twitter.com/propateer/status/848838579417522177
https://twitter.com/propateer/status/849312067828027392
https://twitter.com/propateer/status/849312381679357952
https://twitter.com/propateer/status/856525226267496448



◆5月
・この頃から野崎まど作品をいっぱい読んでおりました。
アイカツを見始めました。
・ねすもあレクチャーに参加。角度厳しいとはいえねすもあさんの技法はどれも斬新な気がします。素敵。
・John Guastaferro『en route』日本語版出た。いい作品揃っております。

https://twitter.com/propateer/status/864871914874875904 ヨーロッパやばい。
https://twitter.com/propateer/status/865234773341425669 発想www
https://twitter.com/propateer/status/865900494627024896 バビロン、最高に面白いです。

ターナーレクチャー。うますぎて手品なんだかテクニックなんだかすらわからない。Geoさんのオクトーバー伝説が始まる。
・サブウーファーを買ったがその威力に震える。付けられる人は迷うことなく買うべき。そしてガルパン劇場版を見よう。

https://twitter.com/propateer/status/868837595014348800 秋山殿と同じく、良いところを見つける方向がいいですよ。うまい批評できる人なんか少ないのですし。
https://twitter.com/propateer/status/870254731641339905
https://twitter.com/propateer/status/870661843970174977 つくりたい
https://twitter.com/propateer/status/870870703599255552 便利
https://twitter.com/propateer/status/872107303779971072 売られていますよ。


https://twitter.com/propateer/status/875584875268526081 みんないっぱい作品作ろう。

・A Study In Secrets解散の報に触れ震撼する。
・ゆうきともライブレクチャーに行く。

https://twitter.com/propateer/status/879890857452634112
https://twitter.com/propateer/status/880290269312073732 ホント周りは自発的に手品をやりだす人ばかりです。


◆6月





◆7月
・パズル作家の山本先生のトークショーに行く。なぜかこざわまさゆきもいましたw

https://twitter.com/propateer/status/881535520462979073 とても良くわかります。
https://twitter.com/propateer/status/882042235331551232 ファローシャッフルの語源がファラオとは。
https://twitter.com/propateer/status/882219682488504320
https://twitter.com/propateer/status/882771607860596736
https://twitter.com/propateer/status/884413128246648832 客が喜ぶから。納得。
https://twitter.com/propateer/status/885432662168485888 正解するカドの徭さんTシャツを作る暴挙。
https://twitter.com/propateer/status/886394055491334148

・園内・こざわ両氏と飲み食いしたり手品見せてもらったりしました。

https://twitter.com/propateer/status/887308930501681152
https://twitter.com/propateer/status/887319471194423301

・ASIS本とか頑張って作っていました。1人締め切りをブッチした人を終生忘れません。

https://twitter.com/propateer/status/888995876785373186
https://twitter.com/propateer/status/890579141921169408
https://twitter.com/propateer/status/890804666367225858
https://twitter.com/propateer/status/891566010838335488 アイカツ画面チェッカー
https://twitter.com/nedikes/status/882649468637663234/photo/1
https://twitter.com/Phoalbatrus/status/890771634251890689


◆8月
・ユージン・バーガーが亡くなる。

→完全に勘違いしていました。恥ずかしい。

コミケに行き、そのまま立川のガルパンTV全話&アンツィオ一挙上映にいく。流石に後半睡魔に倒れるガルパンおじさんを散見。
・大阪に行ってスイーツとフレンチドロップ、A-omoroをはしご、アルスさんが相変わらずうますぎて吐きそう。最高です。翌日京都でgear見て観光してのべみずさんに遊んでもらって帰る。
・野島さんにのせられてあいまいみーミュージカルに行く。

→ホント、作品として、本やDVDとして出した人に対しては尊敬の念をいだきますね。

→何ーずアンドパンツァーだろうか。さておき2017は行けなかったので、2018年はまた行きたいです。

・マジックマーケット2017。悪ふざけ同人誌『ASIS』を出す。委託とはいえ、前日までに荷物を送れなかったので、結局当日自分でBeeさんのところまで運ぶ羽目に。現場ですけうゆさんとかGuyさんなど、ネットでしか知らない方にお会いしたりして、それはそれで楽しかったです。

https://twitter.com/Rei_magic_rei/status/901448714148921344 これやりたいんですけど!
https://twitter.com/propateer/status/894953307214458882


◆9月

→ポン太&アルスレクチャー in OSMAND。アルスさんがメイドインアビスネタを振ってきてビビる。彼も探窟家だったw

・こざわさんと上田に行き、シナクラ先生と園内さんに歓待していただく。初心者集団ビギナーズ・フォーを結成。
・FISM予選出る5人衆のショーを見に行く。面白かったなーって思った人が本戦出場してて、まあ妥当かなと思ったりしました。

https://twitter.com/propateer/status/903970870321864704 マクロスかよw
https://twitter.com/propateer/status/906485078976454661 桂馬
https://twitter.com/propateer/status/911565973802557445 https://twitter.com/propateer/status/911567044595802112 ステッカー作りたい
https://twitter.com/propateer/status/911567044595802112 ホント感想って来ないですからね。特に良かった話なんか。
https://twitter.com/propateer/status/912695373700800512 MMR大好き。
https://twitter.com/propateer/status/913550152098447361 サイコパス。割と当てはまって草。



◆10月
・国語辞典ナイトが相変わらず楽しい。
・二川会強化合宿。あとたっぷりとクロースアップ。
・カズカタヤマレクチャー。
・ふーさんとうぇるさんレクチャー。うぇるさんは息をするようにナチュラルにボトムパームするマンでした。もう少し詳しく教わりたい。DVDとか出してほしい。あのくらいの自然さでいけるボトムパームは本当に有用だと思いました。

https://twitter.com/propateer/status/917340404617428992 やらなきゃ…。
https://twitter.com/propateer/status/918507946715234304 この身も蓋もない感、嫌いじゃないですw
https://twitter.com/propateer/status/919184613213224962 破れ奉行シリーズ。「ナカ(村錦之助)ちゃんだよー!」に噴く。
https://twitter.com/propateer/status/920497269073436672 おさらいしておこう。
https://twitter.com/propateer/status/922724236124401664 すごい
https://www.youtube.com/watch?time_continue=2385&v=m_BsMTCLR6k Sam Angelicoの演技がいま見ても面白すぎてつらい。イヤァァァァァァ!最高です。


◆11月
・ついに『52 Lovers』の日本語版が出た。校正の記憶が遥か彼方w
・マシンを新調するがサブウーファーが使えなくなり悲しみに暮れる。ついでにHDDが2基死ぬ。より悲しみが深まる。
サンライズ(茘枝/サンタ)の公演を見てくる。
・ベベルレクチャー&ワークショップ。
ゼルダクリアしていたりしました。

https://twitter.com/propateer/status/932595722603544576 面白いです。
https://twitter.com/propateer/status/933197033338372096 踊り食いとか、まんま進撃の巨人だからなあw



◆12月
・最近オリジナルデックがいっぱい出てきていいなーって思うんですが、軒並み1,500円とか1,800円とかしてて、「おいおい、ギャフデックより高い」とか思ってしまう。もっとも、値付けというのは「それが適切であると思うような人向けである」という先に引用した言説には納得するので問題はないんですが。個人的には(使うものなら)1,000円くらいが上限ですねえ。コレクションしたいものという意味では2,000円でも5,000円でもいいんですけど。
・とある本の版権を取りました。訳もほぼ終わっています。2018年3月を目処に出したいと思います。また、同じ時期に別の方が出版許可取れなかった本も別ルートで出せることになったらしいので良かったです(ちょっとだけ校正のお手伝いをさせて頂きました)。楽しみです。
羽生善治永世七冠。えらいこっちゃ。
・『おへんろ。』香川編が出るらしい。早く予約させてほしい。
・FF30周年コンサート。

→昨今のマニアは、若い方が「youtubeで手品勉強しました」って言うと複雑な気分になるらしいのですが、私まったく気にならないんですけどねえ。

→危険な「ながら」シリーズ、これはたしかにすごく危険w

ガルパン最終章1話、聖グロの新キャラ。間違いなく戦闘力が高い。
 
https://twitter.com/propateer/status/937322636689915905 半分くらいしかわからない…。
https://twitter.com/propateer/status/937952557422469122 ガルパンおじさんいい加減にしてほしいw 私は上野に行きました。
https://twitter.com/propateer/status/938984669315346434 私もすっごく疑問。エルムズレイカウントとかダブルリフトとかも文献にあたるの必要なのかな、的な。
https://twitter.com/propateer/status/940914852263890944 もう次元が違うんですが、これを参考にすることでなんとか私も剣の試練極位をクリアしました。ありがたい動画でした。

・Secretsシリーズを見ておりましたが、Majionは早くThe Complete Works of Dr. Sawa(6枚組)を作るべきです。まじで。はやく。
・結城友奈がとてもつらくなってきました。ゆゆゆはこうでなくっちゃ(涙目)。
・ガールズアンドパンツァー博覧会にいってきました。
・年の瀬に買ったkisser『empty tone』が大変良かった。
コミケに行って散財してきました。

→相変わらず良い記事を書かれる。真面目に挑戦してる人がちゃんと評価されるイベントだといいんですが、大きくなればなるほど柵と無関係ではいられなくなるのは世の常でございますね。

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そんなこんなでツイッターで済ませてブログに書くまでに及ばずって感じで。2018年はもう少しまともに書こうかと思いました。みなさま良いお年を。

『strawberry』&『ASIS』

先日のマジックマーケット2017にて頒布されました、悪ふざけ同人誌『ASIS』の通販を開始しました。悪ふざけを見たい方、軽い気持ちのおふざけによる印刷費&ダンボールの塔を見て暗澹たる顔をしているきょうじゅに憐憫の情を抱いた方、字ばっかりの手品地獄を見たい方、表紙の南の海の綺麗さを綺麗な印刷で見たい方などはぜひ。


教授の戯言『ASIS』
http://magic.theshop.jp/items/7957867



また、園内五果さんの『strawberry』も数冊だけお預かりいたしましたので、瞬殺とは思いますがこちらに委託販売をお受けしていますショップにアップして、寝て起きたら完売しておりました(2017.0828)

園内五果『strawberry』
http://magic.theshop.jp/items/8047607

カードマジック作品集『ASIS』

ツイッター上でもたびたび出る、新商品の説明文章を見ては「こうやるんじゃないかな」「いやこうだろう」のような議論。「いっそ、商品説明文だけを所与条件として、みんなで作品集作ったらいいんじゃないですかね」というような阿呆な発言をしたのが確か2016年末だか2017初頭。阿呆な真面目な人たちがバカ正直に寄稿して逃げられなくなったのが4月。以降、締切をブッチしてひとりで6作品寄せた人までいるのが本書『A Study In Summer』通称『ASIS』です。訳すとなつやすみの自由研究ってやつです。あ、いっこだけカード使わずブレスミントを使うやつがあったことに気づきましたが、もう入稿したので直せません。やっちまったZE!



作成条件は「ネットで商品紹介文章を読んだ」「演技映像は見たことがない」「商品そのものを買ってない(実際のやり方を知らない)」ことが前提です。なお、取り上げた作品の数々を、偶然にも大体購入済みであるこっぺさんという方に判定を依頼。商品と完全一致してしまった場合は掲載を見送る、というルールとしました(さすがに偶然とはいえ、完全に一致してしまったものを出すのは、……別に何も悪くはないと思わなくもなくもなくもなくもないですが、なんか寝覚めが悪いですし)。「まあ、いうても完全一致はないでしょ」と思っていたらありました。しかも複数。凄いですね。マジックマーケット、Beeさんの「日本奇術文化研究所」にて委託頒布予定。Tくんはあそびに行くそうです。


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全作者入場!


特に理由はないッ シゲオがうまいのは当たりまえ!!
協会にはないしょだ!!! マジックハウス店主!
二川滋夫がきてくれた―――!!!(※)
(※)マジである。しかも複数作品。


パリの女子高生は生きていた!! 更なる研鑚を積み理系手品解読師が甦った!!!
長身痩躯に熊のお面!! ゆうゆうだァ――――!!!


ASISの本場は今や北の大地にある!! オレを驚かせる奴はいないのか!!
izumiだ!!!


ファンの前でなら私はいつでも全盛期だ!!(※)
燃える訳書(焚書) とみやまたつや だいたい本名で登場だ!!!
(※)中学2年頃


手品したいからここまできたッ キャリア一切不明!!!!
千葉の大豆(国産)ファイター トウフだ!!!


総字数320万文字超(※)のブロガーが今ベールを脱ぐ!! 
東京から きょうじゅだ!!!
(※)本当


テジナ暗黒地域こと「ながのちほー」で磨いた実戦テジナ!!
シナクラ会のデンジャラス・ライオンのフレンズ 園内五果だ!!!


ギミックでの殴り合いなら我々の歴史がものを言う!!
封筒とマジックワゴンLOVE! 元祖ギミック厨房 Bee男爵!!!(※)
(※)爵位本当


ルールの無いテジナがしたいからバーマジシャン(バーで手品をする人)になったのだ!!
プロのテジナを見せてやる!!ヤマギシ・ルイ




若き王者が帰ってきたッ
どこへ行っていたンだッ ASISチャンピオンッッ
俺達は君を待っていたッッッ こっぺの登場だ――――――――ッ



加えて負傷者発生に備え超豪華なリザーバー(イタコ芸)を4名御用意致しました!
もやもや皇帝 こざわまさゆき!!
伝統派テジナ エド・マーロー!!
東洋の巨人!高木重朗!

……ッッ  どーやらもう一名は到着が遅れている様ですが、到着次第ッ皆様にご紹介致しますッッ!




『ASIS -A Study In Summer-』
収録内容
 「Counter Punch」っぽい 二川滋夫
 「OMEN」っぽい 二川滋夫
 「Vivaldi」っぽい ゆうゆう
 「Daydream」っぽい ゆうゆう
 「Gemini Fates」っぽい ゆうゆう
 「Palette」っぽい izumi
 Catalog izumi
 「Masterpiece」っぽい 富山達也
 「Pairs」っぽい 園内五果
 「Love Bites」っぽい izumi
 「Dual」っぽい トウフ
 「T2」っぽい きょうじゅ
 「Lazy Prediction」っぽい Bee男爵
 MMMMMM ヤマギシルイ
 Diffused Numero ヤマギシルイ
 Self-Counterpunch ヤマギシルイ
 Imagination Double Cross ヤマギシルイ
 Silent Daydream ヤマギシルイ
 Daydream Everytime ヤマギシルイ

B5サイズ表紙カラー本文モノクロ80ページ。挿絵図表殆ど無し(手抜き)。マジケ後、多分物販ページでも売ると思います。値段はちょいと上げますが。

園内五果『strawberry』


先日、春に一度お会いしたアマチュアマジシャンの園内さんが近くにこられたので、けもふれがーでんに行って「すごーい!」「おさけー!」などとやっておりまして(阿呆2名)。その場でデザートとして出されたのが本書、『strawberry』だったのです(流れでインチキストーン的な話にいきそうですがいきません)。

同日その後、厚さで、もとい、暑さで溶けかけているこざわさんを新宿に呼び出し、こっちでもビールにドイツ料理で「すごーい!」「おーいしー!」とかやっていたわけですが(阿呆3名)、その場で園内さんにやっていただいたのが本書のBonus、"The Old-maid Trick"でした。こざわさんも私も「ふっしぎー」となりまして。原理ものは本当にいいなあと思った次第です。

後日これを私より伝授された訳担当のTくんは、サークルでこれをやって、マニアを引っ掛けてニヤニヤしていたそうです。「え?なんであたるの?」「えへへへ」「ちょっと待って、もう一回やってもらっていい?今度は枚数を変えてやるから」「どーぞどーぞ、やらせていただきましょう。あ、ご自由に混ぜちゃってくださっても結構ですよ(ニヤニヤ)」 ……最低だなw

で。

本書はA5で50ページくらいのコンセプト作品集です。マッチング・カードというジャンルがありまして、ってそれを伺ったとき、私の頭の中にはメイトカードがバンバン揃っていくニック・トロスト的なあれしか浮かばなかったのですが、そっちじゃなくて、こんな感じのです。
1. 最初にカードが裏向きで1 枚選ばれます。このカードはそのまま伏せて置かれ、カードが何であるかは誰も知らない状態です。
2. 演者は「このカードと同じ数字のカードをあと3 枚見つけてフォー・オブ・ア・カインドを揃える」と言ってデックをカットし、3 枚の8を取り出してみせます。
3. ここで観客がテーブルに伏せられているカードをひっくり返してみるとK で、失敗したかのように見えます。
4. 演者は「こちらのカードを全部変えてしまいましょう」と言い、先ほどの3 枚をもう1度見せるとそれらはK に変化しており、フォー・オブ・ア・カインドが揃います。(本ノートより引用抜粋)
というやつです。常識ですよね。……すいません、私ここ数年、そのジャンル名すら忘れていました。


先述のとおり、基本的にはマッチング・ザ・カード作品集であり、現象の流れとしては似たようなかたちですが、舞台だてや手法が全て違っております。私は"Fault and Faint"と"Snowcap"が好みです。



で、"The Old-maid Trick"なんですが、名前のとおりババ抜きのようなテイストの流れで、様々なやり取りを経た状態で、一体誰の山にババがあったのかを演者がずばり当てるという、あまり見たことがないたぐいのトリックです。
観客にシャッフルしてもらったデックをテーブルに置いて、適当な枚数を取り上げてもらい、そこにジョーカーを1枚入れてまたシャッフルし、それを適当な人数分の山に配り分けてもらいます。ババ抜きのルールを説明し(ここでは1枚ずつでなくてもいいこと、組が揃っても別に捨てなくてもいいこと)、一通り終わったら最後にジョーカーを抜き出してもらってから演者が向き直り(驚くべきことに、観客の操作の間演者はずっと後ろを向いている)、最後にどの山にジョーカーがあったのかをずばり言い当てる、という現象です。

いい点は不思議なところ。最初見せて頂いたとき、どうやって当てているのかまったく検討もつきませんでした。悪いところはババ抜きと分かってはいても操作が長いところ、それから山がせいぜい7つとかなので、山が大体4つとかですと当てずっぽうでも4分の1くらいで当たってしまうと思われること。場所とること。悪いところ多いじゃねーかという向きもございましょうが、でも不思議なんですよ。ひとり相手にガチクロースアップを見せるぜ、という御仁には向かないと思いますが、パーティーなどの一画で、ワイワイしながらやるには絶対いいトリックなんですよ。シナノクラフトの鹿化人さんや、訳担当のTくんはハンドリングやステージングを色々いじっているとのことで、そういういじりがいがあるのも良い手品の特徴ですね。



もうひとつのボーナストリック"Strawberry on the Shortcake"、こちらは原理というより"Homing Card"や"Ambitious card"のパーツを上手く組み合わせた趣のトリックです。3枚のカードをイチゴになぞらえ、ショートケーキを食べるときのイチゴの扱いをベースに作られたもの。お話マジックが苦手な私でもできそうな、そこまでストーリーストーリしていない感じです。手法自体はある程度マジックをやってきた人ならすぐに演じられるものかと思います。

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『strawberry』

  • Contents-

Matching the Cards
 Shingleback Skinks
 Collecting the Cards
 Fixed Match
 Last Match
 Flash Match
 Fault and Faint
 Snowcap

Bonus
 a The Old-maid Trick
 b Strawberry on the Shortcake


サークル『果無園』マジケ参加&頒布予定とのことでした。私もちょっと数冊買わせてもらって、友人に布教したいと思います。

こざわまさゆき『ten little tricks』

こざわ「『Incomplete Works 2』出すのは当分先になりそうなので……」ということで、コミケでいう準備号のような感じで、こざわまさゆき氏の新刊が出ました。夏コミとマジックマーケットで紙ものを頒布のご予定だそうですが、電子版のかたちでの販売は開始されています。tenと称して13トリック解説されていますがtenとは何なのか。tenには10点満点ということで「最高の」という意味がありますので、珠玉トリック集、という意味かもしれません。また、Tentative(「仮」「暫定」)の略かもしれません。賢人の深謀遠慮は、私のような小人には推し量れません。

指が攣る変態テクや構成的な無理はほぼないという印象でした。安心のこざわクオリティ。ナックルブレイカーやフラリッシャーの方には物足りないかもしれませんが、それはもう好みというか、読む本を替えるべきです。通常、トリックのみに偏りがちな手品本(同人誌)ではありますが、本書は著者の好みや性格からでしょう、来歴や周辺情報など、読み物としての面白さもあり、これは個人的にですが、「Incomplete Works」より好きというか、実用に資する感があります。

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1. Counterfeit
古典的な論理パズルである贋金あて(天秤で最低何回計れば贋金を当てられるか)に、ウェイト・ゲスや赤黒の重さの違いという要素を練り込んだカード当て。

マジックとしてそんなに不思議ではないと思うのですが、演出が面白いです。最後に「こっちが重いようですね」と、お客さんの手を押し下げるフェイズが凄く好きです。
なお、これは面白いなと思って某所で演じたのですが、次にお会いしたときに二川さんにラッピングだかパスまで駆使された改案を見せられました。「だってお客さんにシャッフルさせたかったんです」というコメントでw それはそれで不思議さは増しているのですが、正直この手品で「そこまでせんでも」感はあります。
作中でももう少し複雑なかたちで触れてはいらっしゃいましたが、観客にフリーチョイスさえさせなければ話は簡単です。裏面の右上左下にペンシルドットを打ったカードを1枚だけ用意してそれを贋物とすれば、観客がどう混ぜようが関係ありませんから。自分で演じるならそのくらいにしてしまってもいいかなと思いました。古典パズルを、どう見ても嘘な理屈で煙に巻きながら、それっぽく演じるというところに本作の面白さはあるものだと思います。


2. Ambitious Royals
指定してもらった絵札2枚を真ん中に差し入れるが、いつの間にか2枚ともトップへと上がってくる。もう一度行うがやはりトップへと上がってきてしまう。

みんな一度は見たことがあるであろう古典の小品。私はサークルで教わって以降忘れていたのですが、その昔テレビ番組でルセロが「皆さんにも手品をひとつお教えしましょう」というような流れでやっていた記憶があります。なお無事引っかかった模様。



3. Magician vs. Gambler vs. Mathematician
マジシャンとギャンブラーに数学者が加わり、それぞれがモンテをするとどう違うのかを順に演じていく。

これは実にうまい具合の構成になっていると思いました。1人目の"数学者"の段で、かなり強いミスディレクションの元でお仕事がほぼ完了するため、2段目の"ギャンブラー"、3段目の"マジシャン"のところでは、ほぼ演出というか演技に集中できます。私がその昔憧れたJamie Badmanの『Underground Change』アンダーグラウンド・チェンジや、それを使った”misdirection monte”(Jamie Badman and Colin Miller, 『Welcome to the Firm』)なんかがこういう、最初と最後で、「はずれカードが消え、あたりカードだけになっている/あたりカードとはずれカードの枚数が逆転している」系の現象であり、これはこれでそれはもう大変美しいのですが、特殊なチェンジ技法が綺麗にできるように結構練習が必要です。こざわさんのこれは、先述の通り無理なく、ミスディレクションの利用のお手本みたいな感じで組まれているので、きっと最後には観客の予想だにしていなかった状況になって、拍手が頂けること請け合い。平面的なトリックなので、大人数に見せるには少し工夫したほうがいいかもしれませんが些末なことです。
そして最後まで読んだら本作の演技の流れの着想は桂川新平さんから得たこと、桂川さんご自身は上記のジェイミーの手順から着想ということで、思い至ったのが桂川さんと同じものだったことにちょっと嬉しさを憶えましたw



4. Hide a Leaf
カードを隠すという話をして選ばれたカードを隠して見せます。続いて「葉っぱを隠すなら森の中」のたとえ通り、選ばれたカードを4枚のクイーンの中に入れますがまたもや見えなくなります。では森がないときはどうすればいいかご存知ですか、と言うや否や、先ほどまで1枚しかなかったカードが大量のカードになる。

最後の、わらわらとカードが出てくるところが綺麗にできるかどうかが成否を握るなと思いました。作中で触れている通り、若干マジックの(隠すべき)考え方の根幹を晒している気もするので、台詞回しや進め方には少し注意が要るように感じました。でもまあ、最後にばさばさ出てくれば解決ですよねw



5. Process of Elimination
いわゆるビドルトリックです。(原文ママ

いいですよね、ビドルトリック。基本はコントロールと当て方の部分に作者の色が出るわけですが、わたくしは出身奇術部で受け継がれている方法に慣れ親しんでいることと、数百回やって演出も受けるタイミングも体得した(ように思う)ものがありますので、これはビドルトリックをこざわタッチでやるとこうなるのね、くらいにとどめておこうかと思いました。綺麗にまとまっていると思いますが、自分の手順を変えるには至らず、という感じですね。あと消去法で当てるなら、残り4枚のほうが消えて観客のカードだけが残るべきではないでしょうか(インネン)。
そういえば大学の奇術部で習ったあとで、元となった"Devilish Miracle"を知りましたが、「カードを2枚選ばせるまではさておき、Bのカードとして出してきたと思ったらさっき置いといたはずのAのカードになってて、置いたはずのカードAのほうがBになってる、というのを見て(そして練習して、演じ)『とっちらかったマニア向けの手品だな』」と思ってしまいました。シンプルなのが好きです。



6. Six Card Brainwave
ニック・トロストの“Eight Card Brainwave” から2枚減らし、見えないサイコロと絡めた作品。

直近で、トム・ストーンが似たようなのやってたなあ、と思いましたが、似ているのは単に6枚使うのと見えないダイスを使うあたりで、基本はヴァーノンの手順にもあった気がする、どっちから数えるかというあれはストーンのでも変わっていなかったのですよね。本作では別の手法を使って、選ばれたもの以外が違う裏の色、という見せ方をしています。どっちから数えるとかはありませんので、まあ違うよねと(あとでこざわさんに聞いたら、あの数え方はやめたかったのです、とのことでした)。本作で使われている手法、最近あまり使っていなかったのですが、やはり物凄く説得力のあるディスプレイだなあとあらためて感心した次第です。




7. Subliminal Effect
サブリミナル効果により、演者の選ばせたいカードを観客が選んでしまいます。

これはどちらかというと演出のみな感じですね。ご本人言及の通り、怪しいことを奇術を使って再現という試みですが、手品人としては「不思議さは物足りない」けど「実演はしやすそう」という。ストップ・トリックの演出法のひとつとしてありそうです。



8. Following
フォロー・ザ・リーダー。

手順として無理なくまとまっていると思いました。こざわさんの実演を拝見したわけではないので実際に拝見したら違うかもしれませんが、ただ、FtLはごく一部の例外を除いて、正直なところ「一番上しか置いてない」「一番下しか見ていなかったしなあ」と思ってしまうことが多く、あまり幻惑された記憶がありません。もちろん、観客側からの見た目の理想として、「置く/交換される直前に、本当にそのパケットが全部赤なのか見せてよ」と言いたいけれど、手品の都合上そういうわけにもいかない、というのは重々分かってはおります。途中途中ではそういう限定的なディスプレイしかしていなくても、そこに至る準備段階まででは色々な手法を駆使、「こっち側は全部赤で、あっち側は黒」を頑張ってフェアにディスプレイしている、というところにマジシャンが知恵を絞っているのもわかるのですが。こればかりは好みの問題でしょうか。FtLはOWと似たような手法が使われることが多いとは思うのですが、OWほどには完全に引っかけてもらった記憶がなく。難しい演目な気がします。



9. Red Ocean & Blue Ocean
こじらせてしまった人向けのCard Across。

こじらせている感がひしひしと伝わってきますw 私はこざわさんの書く「みなさん」には入らないのですが、カードアクロスはとてもいい手品ですし好きです。余録部にもありますが、結局色々な要素(「テーブルなしで立って演じられる」「パームを使わない」「観客が選んだカードを飛ばす」「できれば心の中で自由に選ばせたい」「色違いのパケットからパケットへカードを飛ばしたい」など)はマジシャンの自己満足含めてありまして、それはそれで興味深いのですが、どこまでが不思議さがリニアに上がり、どこ以降は大して効果が変わらないのかは、手品をされない方に一度聞いてみたいものです。"Red Sea Passover"は私も好きとはいえ、あれはあれでめんどくさい感があるんですよね。David Solomonの"Thoughts Across"なんかも面白いのですが、最近はパームに抵抗がないからなあ。こざわさんのこのトリックは、赤と青のデックを使うことで移動が視覚的かつ不可能感が出ていいのですが、移動が一回なのがちょっと寂しいところです。ヨーキムさんのやっていた作品などは2回カードが移ることもあり(あと、彼が演じることもあり)ゴージャスな感じがして好きです。



10. A Tale of Ten Travelers
10人の旅人を9部屋に入れる、例のパラドックス(?)の手品化。

これは実演を先に見せて頂くのでした。理屈では答えを知っているものも、こういった素材で見せられると納得感と錯誤感がいや増す感じです。あと、フォールスカウントによる調整時でも十分な気もしますが、絵札をアップジョグするときにはフェイスを見せながら口に出しつつ1枚ずつつまんでは最終的に確かに10枚あるように数えてからのほうが、あの技法を行う事前準備として説得力があるのではないかと思いました。Notes部にもあるように、確かにこれは物体でやると「10枚あったのがいつの間にか9枚しかない」というちょいと違う現象にとらえられかねないというのは確かに。原案(?)は言葉によるものなので、脳内での整理がしきれなくて納得してしまう、という側面もあると思うので、そこは確かに諸刃の剣かもしれません。
なお読み物としても本作のパートは極めてよくできています。石田隆信さんのコラムのようです。いや、好きな人にはたまりませんし、興味ない人にとっては早く次のトリックにいってよ、かもではありますがw



A. Ideal & Reality Deck
結婚式余興におけるインビジブル・デックの演出。

とてもよく構成されており、ヤマギシルイさんのアイディアも面白い。アディショナルに会った、式の前に引いてもらうのはさすがにどうかなと思いましたが(忙しいし)、その場でのスイッチのほうがスマートだと思いました。まあスイッチ云々やるくらいなら、元の手順のほうが綺麗で完成している感じがしますけれども。そしてやはりインビジブル・デックは最高です。



B. Two-person Zero-sum Game
5枚のカードの順序を乱し、それを2人の観客(先手・後手)が2枚ずつ位置を交換していき、元の順序にしたほうが勝ち、というゲームをさせるが、その結果が正確に予言されている。2回目は第三者がその勝敗を予想するがそれでも当たる。

2カ所の入れ替えを何度やれば(最短で)戻せるのか、というのは凄くいいですね。ゲームというかパズル感あふれる。あとこれ、大体の場合はうまくいく(経済学用語でいう合理的な人間で、かつ思考が明晰な人なら)と思うんですが、片方のプレイヤーが最善手を選ばなかった場合には失敗してしまったりしないのかしら。あ、その偶奇性を解消するのにもう1手加わるだけなので、必勝側でない限りは絶対に勝利できない、という感じなのかな。Paul Curryの"シークエンスの謎"(正式タイトル知らない)と結びつけても面白そうです。



C. The Gift of the Magician
こざわまさゆきが伴侶を得た手品。

「告白やプロポーズの場で奇術をするのは人としてどうかと思います。」 いやいや、Effect is everythingですよ。勝てばよかろうなのだ!ってジョジョでも読みました。