教授の戯言

手品のお話とかね。

雑文:"教えていただいたトリック"の雑感等

先日、我が敬愛するJohn Guastaferroさんの新刊、『Nth Degree』の翻訳・出版権を購入しました。取得しただけでまだ何も受領していないので、諸々は来月以降に始まりますが。新作が読めるのが楽しみです。ていうかGニキ、まずは著者サイン入りの原書を買いた…

あなたの好きなトリック教えてください

先日ふと、他の人の好きな手品ってどんなだろう、というのが知りたくなり、3分ほどでフォームを作ってみました。 結果、多くの方が色々なものを寄せてくれて嬉しい反面、私の物欲の刺激のされ方がやばいなと思いました。9000円くらいするやつ買っちゃったし…

『ホール・ソート・デックの作り方』

皆さんはホール・ソート・デックというのをご存知でしょうか。私は知りませんでした。というか私の造語です(たぶん)。 コンピューターが無かった頃、役所や学究機関(のごく一部)にはたくさんの書類カードを物理的にソート、整理する仕掛けがありました。…

ガスタフェロー本2冊の再刷

私の大好きなアメリカのマジシャン、ジョン・ガスタフェロー(John Guastaferro)。彼が、『One Degree』以来のハードカバー形式での続刊、『Nth Degree』を数ヶ月以内に出すよ、というアナウンスをしたのが9月頃でした。Facebookで「とても嬉しいです。出た…

Denis Behr『Handcrafted Card Magic Volume 3』日本語版

富山です。ついに出ましたね、あの名著の続刊が。日本語版のVol. 1と2が出たのが2014年、原書の3が出たのが2018年でした。3については邦訳版は出ないのかなと思って半ば諦めていたのですが、出ましたねえ。……まあ、「出た」のではなくて、「出した」のですけ…

マリー先生のデック・レビュー

ライアン・マリーの『Natural Card Magic』、訳者の富山が、訳している中で掲載技法の練習用に使ったもののひとつがPossible Deckだったのですが、これがあまりにうまくいかず、「このデックは作者でも無理なんじゃないのか」と思い、著者献本のついでにデッ…

Ryan Murray『Curious Weaving』『Natural Card Magic』日本語版・2冊同時刊行

ライアン・マリーというカナダの若いマジシャンがおりまして。この2年ほど、日本の一番濃い部類のマニア……もとい、熱心な奇術ファンのあいだではちょっとした有名っぷりでした……やる技法の変態さで。2017年に初版が出て、2020年にその改訂版が出た『Curious …

Guy Hollingworth『Drawing Room Deceptions』日本語版

が、ガイ様ーーーー!(狂喜の雄叫び) 英國のガイ・ホリングワース(Guy Hollingworth)の作品集『Drawing Room Deceptions』の日本語版が出ました。いや、出たっつってもそんなもんそのへん掘ったって出てくるもんじゃねえんだ(唐突な落語風味)。関係者…

Vincent Hedan『Multitude』日本語版

フランスのヴィンセント・エドンというマジシャンがおりまして(綴り的にヘダンかと思っていたのですが、フランスは語頭のHを読まない上に、この人の名前は音がちょっと特殊で、ア音よりもオ音に近いので、そのように表記しています)、その『Multitude』と…

Simon Aronson『Memories are Made of This』日本語訳版頒布

2022年1月にスクリプト・マヌーヴァさん主催のピット・ハートリングのオンラインレクチャーがあり、そこでまたハァハァしておりましたが、質問コーナーでどなたかが「メモライズド・デックのマジックを始めるのによい参考資料はありませんか」ということを聞…

Roberto Giobbi『The Art of Switching Decks』日本語版

デック・スイッチ!我々はその名に!その技に!その効果に!憧憬を禁じ得ないッ! お、なんか東京ドーム地下で奇術の闇試合が行われそう。 magic.theshop.jp そんなわけで、ロベルト・ジョビーの世界的名著が、日本語完訳&DVD付きで登場です。まあ言うても…

Harapan Ong『侘寂』『王房四宝』

我が国においていつまでも出なかった『カードカレッジ』シリーズ最終巻、その永遠に訪れないと思われた完結に終止符を打った<ラスト・マン・スタンディング>な男こと星野泰佑さんによる、ホシノ秋の(ハラ)パン祭りが始まりました。シンガポールのマジック…

Mott-sun『The Monster of the Secret Art』

もっさんさんの作品集『The Monster of the Secret Art』が出ました。基本コインやらない(できない)わたくしですが、彼のタッチは昔から好きで、「くそ、コインマジックのくせにふしぎだ」などという偏見の呪詛を吐きつつも憧れておりました。あんまり参考…

Nathan Kranzo『The Peek Book』

Nathan Kranzo『The Peek Book』 2013年(たぶん)に出た、ネイサン・クランゾによるピークに関する小冊子、その日本語完訳版です。序文にも訳者あとがきにも書いてありますが、ピークの百科事典というような大著ではなく、クランゾの視点で有用と判断したも…

Florian Severin著, 岡田浩之訳『ダリアン・ヴォルフの奇妙な冒険』

フロリアン・ズィヴァリン(Florian Severin)著, 岡田浩之訳『ダリアン・ヴォルフの奇妙な冒険<Seltsame Abenteuer des Darian Wolf>』です。ドイツ語の原書『13 Steps to Vandalism』は、本国ドイツでは出版するや売り切れ、プレミアが付くことに。その増補改訂版である英語版が『What Lies Ins</seltsame>…

『Card College Light』再販

Roberto Giobbi『Card College Light』、また刷りました。さすがにもうこれで最後だろ感がございます。 magic.theshop.jp あと2020年10月6日から20日まで、「shop120thx」のコードを入れると5%引きになるみたいです。よかったらお使いくださいませ。 ショッ…

再販(?)

クローゼットにもう一箱発見したり、再刷したりして、Pit Hartlingの『Card Fictions New Edition』と、Lee Asherの『Losing Control』が買えますよ、というお知らせ、といいますか宣伝です。 教授の物販

Pit Hartling『In Order To Amaze』

撮影:青鬼 the sandbag様 富山でございます。ドイツのマジシャン、ピット・ハートリングの『In Order To Amaze』日本語版であります。ついに任務完了です!足掛け4年。長い戦いでございました。小学3年生だった人が、中学1年生になってしまうくらいの時間で…

Guy Hollingworth関係の近況

DRD 富山です。Guy Hollingworthの『Drawing Room Deceptions』という本の粗訳1周目がようやく終わり、合わせて彼の映像資料を全見直しの行に入っておりまして、備忘がてら映像についてのメモを後日つらつらあげていこうかと。 ガイ・ホリングワースは英国の…

Roberto Giobbi『Card College Lightest』日本語版

ロベルト・ジョビーの『ライト』3部作の締め、『カード・カレッジ・ライテスト』、ギリギリ年内で完成です。ついにシリーズ完結いたしました。やったぜ! magic.theshop.jp なお2019年末まで限定ですが、以下のクーポンコードを入れると(ライテスト以外も)…

『ネモニカ学習帳』

『ネモニカ学習帳』 皆さんはメモライズド・デックというのをご存知でしょうか。1枚目がXXで2枚目がXXで、と全部記憶してしまう、マジックの中でも「理屈は分かるけれどもさ……」系の、ひとつの極致にあるタイプのあれです。存在自体、理屈自体はご存知の方も…

齋藤修三郎『JIS X 0401「都道府県カード」』

齋藤修三郎『JIS X 0401「都道府県カード」』 【現象】演者は,日本の都道府県の書かれたカードを軽く混ぜ,4人の観客に大体均等になるように十数枚ずつ渡します.第1段:1人目の観客からカードの束を受け取り,それらに書かれている都道府県を記憶すると言…

齋藤修三郎『Triceratops』

<【Warning!】本項は多分に提灯記事要素を含みます。> 齋藤修三郎『Triceratops』【現象】演者は観客に数十の単語が書かれたリストを示し、その中から単語を1つ、心のなかで選んでもらいます。そして、ひらがなが複数書かれたカードを渡し、決めた単語を作っ…

齋藤修三郎『The trick that cannot be named』

<【Warning!】本項は多分に提灯記事要素を含んでいます。> 齋藤修三郎『The trick that cannot be named』 【現象】「これからマジックをお見せしますが、皆さんはそのタイトルを当ててください」と言って始めます。演者はひらがなの書かれたカードをシャッ…

カーティス・カム来日ツアー

6月末から7月にかけて、カーティス・カム (Curtis Kam) 氏が来日レクチャーとのこと。以前主催者の方から今度お招きしますよ云々を伺っていた際、「えー、でもカーティスというとコインすごいおじさんでしょう?私コインとかそんなに詳しくもないのでよくわ…

ピット・ハートリング・レクチャー(2/2)

■第3部: 08. Catch Me If You Can(『IOTA』) マジシャンは、マジック界の鉄則を破って同じトリックを2回やってみようと思う、と持ち掛けます。1回目は指先の早業で、2回目はそれなしで。最初は、2枚の”探偵”カードがその手腕を発揮、観客に自由に言っても…

ピット・ハートリング・レクチャー(1/2)

訳担当の富山です。2019年6月9日(日)、原宿 Casa Mozartにて開催されたピット・ハートリング(Pit Hartling)の6時間レクチャーに参加してまいりました。 私は彼の訳本『Card Fictions(以下CF)』を出したり作ったり直接会いにドイツに行ったりもしている、…

シェーン・コバルト・レクチャー

「あいつが来たんだよ!」「え?だれレスカ?」「じゃなくてっ!」「ミルク?」「じゃなくてっ!」「ダ・サイダー!?」「じゃなくてっ!」「コバルトだあぁぁぁぁぁ!!」 ということであのシェーン・コバルト(Shane Cobalt)が緊急来日!6/2のレクチャー&…

『Card Fictions New Edition』日本語版

『Card Fictions New Edition』日本語版 ピット・ハートリングの『カード・フィクションズ』なのですが、先日英語版で増補改訂版が出ました。訳担当のひといわく、日本語版の再版をするときは、それを底本にするとのことでした。で、いま作っているらしいで…

Nicholas Lawrence クラフトワークショップ

Nicholas Lawrence クラフトワークショップ 2019年5月4日土曜、快晴、ニコラス・ローレンスのクラフトワークショップに参加しに、桂川新平さんの居城こと、名古屋のLa Campanellaに行ってまいりました。備忘がてら記すものなり。 ニコラス・ローレンスという…