教授の戯言

手品のお話とかね。

浪費反省会

こんばんは、きょうじゅです。
マジシャンの名前の敬称に、呼吸をするくらい自然に"師"を付けるという、世間の手品サイト様の慣習に馴染めないコトでお馴染みの男です。といいながらも「笑点」の歌丸さんを歌丸師匠というように、落語家を師匠付けで呼んでしまうのは、多分伊集院のラジオを聴き続けている影響でしょうが。自己矛盾、それがきょうじゅクオリティ。私はさん付けか氏付け、面倒なときは敬称略で書かせて頂きます。嫌いな人は呼び捨て、とかそういうことはありませんので。念のため。


先日購入した商品が届きましたので反省会を開きます。イエー


・Knock'em Dead
Paul Wilson氏のDVD。奇抜さや変態的テクニックは無く、幅広いレベル層に対応したレクチャーと思います。扱っているのはカード・コイン・スプーン曲げですがどれも中々に面白いです。賢い手順だなあと思うこともありますし、具体的に見えてはないけど、モソモソと裏でなんかやってるなあと思うことも半々くらいと言ったところ。

ちなみに彼は表情の作り方といいますか、目がゆうきともさんに似ています。演技スタイルも少し似ているのではないでしょうか。いわゆる「エンターテナー」というより「手品をする人」ですね。クセが無い分ハンドリングなどが勉強になります。もっとキャラクタを押し出してもいいような感じもありますが。演者の表情変化が乏しいのと、お客さんがそんなに笑っていない感じがするのは気になりました。

個々でみると「Hail Stones」というカードのスペリング当ての第2段への持って行き方が非常にうまいタイミングだと思いましたね。
「Mr.Spoon」というスプーン曲げが評判だったので(げらげら笑うことを)楽しみにしていたすが、確かにバイプレイの笑わせはいいと思うのですが、スプーンを曲げる(or自然に曲がっていく)という現象そのもののアピールは、私にはあまり説得力が無く思えました。戻ってしまうのは一瞬で、ちゃんと「おお!?」とか思いましたが。
「Coin to purse」はピンチしたコインをがま口に突っ込むムーブに感激しました。
そしてパンチで開けたカードの4隅の穴が集まってしまう「アンホーリーギャザリング」はやはり不思議でした。ネタ準備グッズも持ってはいるのですが、チキンな私は、いまだに怖くて実演できません…。なお解説でMichael Close氏の原案についても少し触れているみたいだったのですが、残念ながらClose氏のほうを見た事がないので(←建前)、そして同時に極上生徒会などを見ていたため(←実際)詳しくは分かりませんでした。ちゃんとリスニングもしよう…。


・BKM Wallet
手品用財布。ネタそのものとしてはともかく、やはり財布自体のデキが甘いです。あと長財布にしては幅があるため(DVDトールケースの縦はそのままに、横を2・3センチ狭くした感じ)、スーツの内ポケットでぎりぎりサイズ。買おうと思っている方はそこだけ注意されたし。なんかこれを買ってみて、やはりカップスワレットを買おうかと思いました。いまだによくわからないのですが、ルポールとカップスの違いって何なんでしょうか?ルポールはカップス+封筒と、不可能性が一段増すって感じなんでしょうか。最近、カップスにも封筒セットすればルポールワレットの演技が出来るんじゃないのかと思っているのですが。むう。


・FiTopit
トピット。予想通りの品。いや分かってて買ったわけですが。とはいえ煽り文句ほどの革新的な工夫があるようには見えないのが正直なところ。買って使わないとそのまま箪笥の肥やしになるので、10月半ばから着けて出勤してみましょうかね…。


・Infinity Switch
DVD。内容は札を一回しか折らないビルチェンジ。動画を見て頂ければお分かりと思いますが、変化はホントにビジュアルというか一瞬です。その代わり、得体の知れないもぞもぞムーブが入ります。やっている事が分かればそのムーブも仕方なしかという気はするのですが、何も知らない状態で見ても、このむずむずムーブの怪しさはちょっと。少なくとも動画を見た限りでは「Hypno Bill」の方がクリーンなのではないでしょうか。とはいえ面白いアプローチだと思います。今度「Hypno Bill」を見る事があったら比べて楽しむのも一興です。「Visi-Bill」はネタを知っていると、ちょっと買うのをためらう値段ですね…。ビルチェンジネタ相場の二倍くらいの価格です。その分きれいですが。


Boris Wild Marked Cards
変にマジック慣れしてる人には気づかれ無さそう。逆を言えば手品をしない方にあらためさせたらサクっとばれる気もします。当然の事ながらぱっと見まったく違和感はないが、知っていれば(ちょっと訓練は要るかもしれませんが)すぐにフェイスが何かを看破できます。どうやって使おうか案が殆ど浮かびませんけれども…。特殊インク+偏光メガネ、みたいな科学トリックのほうが、あらためさせても大丈夫…とか言うのはご法度ですか。


・Gemini Ring
「私…トリック分かっちゃったんですけど…」注文した翌日くらいに、冷静に考えたら第一段のでっかくなる指輪についてはこうだよな、というアイディアが浮かんだのですがそのまま正解でした。考えてから買わないといけませんね。まだこれで練習していないので使い勝手やらは分かりませんが、普通に借りた指輪でやる従来のほうが自分のスタイルには合ってそうな気がしてきました。即席「系」ではあるのですが、あのわっかはちょっと即席っぽさをスポイルしていると思います。この辺りはやる人にもよります。
別に「手品道具」として出してきて始めるのであれば、真鍮の鈍い金色と赤いロープがエレガントさを演出する、そんな演技が出来るでしょう。かっこいい人なら尚更。


・Signed Card In Sealed Bottle
DVD。やっぱり準備はめんどくさかったです…。最後にカード入りボトルが出てくるのは確かに凄いんですが。まあそれはともかく。この現象にに至るまでのフリとはいえ、そこまでのカードマジックがちょっと粗すぎなんじゃないでしょうか。ホーミングカード系の演技をするのですが、ワンハンドパームをはじめ技法単体での直接ぶりが目立つというか、全般的に雑な印象でした。
加えてFISMという手品っ子しか来ない場所でのコンテストなので、笑いを誘うために多少のネタばれ演技入りのコメディルーティーンにしたチョイスは正しいとは思うのですが、あれをそのままお客さんにやっているのかと思うと薄ら寒くなる、そんな感じの演技と思います。なお謳い文句の「ノンフォース」で「お客さん2人のサイン入りカード」が「密封状態のワインボトルに入ります」までは概ね正しいですが、「ボトルはそのままプレゼントできます」はちょっと言いすぎです。いやプレゼントするのは自由ですが開けたお客さんは当然その工夫に気づきます。言うなればネタばれ覚悟のプレゼントですね。そのまま居間のセラーなどに飾っておいて貰えるならいいのですが。



今回ざっと見た限りペットトリックにするために練習したいな、というものはそんなにありませんでした。トリックの出来不出来ではなく、私の趣味の問題ですが。ゴルフボール(以前の日記参照)に関してはまだ開けてないのでそのうちにご報告。読みたい人がいらっしゃるかは激しく謎ですが…。