教授の戯言

手品のお話とかね。

でもベベラーなら

■ Bebel 「Enfin le dvd!」

(くじらボイスにて) 日本全国1万人のファンの皆様、お待たせいたしました。"クラシックパス?あんなの真上から撮影されててもできるって"でお馴染み、ベベル!
「un,deux,trois.(ペイントブラシチェンジでカードのフェイスが変わる)  ヒッフー(口笛。クラシックパスでさらにフェイスが変わる)」ガターン(落下する私、そして笑い声)

日本国内において、多分篠原氏の怪人DVDより見ている人が少なそうなベベルのDVDについてです。覚悟はしていましたが、フランス語、さっぱり分かりませんな!

内容は全てカードマジック。なおベベルはめちゃくちゃ上手いですが、静謐の中に完結するタイプではなく、テンポよくさくさく進んでいくタイプの演技で、手元のもにゅもにゅ感は多分手品をしていなくても気になるレベルです。でもいいんです、なんか凄いですし。ファンだし。

なお下のフランス語はexcite翻訳に頼ったので、英語としてもややおかしいんじゃないかとも思いますが、まあお気になさらず。

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・Bis Repetita sandwich (Encore Repetita sandwich)
卓上に2枚のKが表向きで置いてある。観客に1枚のカードを選んでもらい、戻してシャッフル。デックを卓上の2枚に向かってリフルすると、真ん中に裏向きのカードが現れる。パケットを取り上げ、真ん中のカードを表向きにすると観客のカードである。続いてK2枚をそのまま置き、残りのカードをケースにしまう。表向きにスプレッドしたKにケースを落とすと、真ん中に裏向きのカードが出現、観客の選んだカードが再び現れる。

前半の終わりのカードのアディションが技巧的で素敵でしたが、そのあとのディスプレイの妙が好きです。。



・Repro-Retro (Repro-old-fashioned).
リセット。

私が見たことのあるFISM'94でのベベルは、最初のカウントでいくつかの操作を行っていたのですが、このDVDではAとQを4枚ずつ、二人の観客に調べさせてから始めており、パームとカードボックスを使った方法でのカウント操作を行っていました。どっちがすっきりしている、とかはあまり無いのですが、リセットといえば先述の手順しか人前で演じたことが無い身としては、今回のはちょっと新しかったです。なお間違いなくこの手順の方が難しいと思います(ボトム2枚パームをしたまま箱を操作したりと色々忙しい)。



・Coup de pouce(Bit of help)
カードを1枚選んでもらい戻す(KC)。ねじを巻くような動作と音でデックのトップに観客のカードが上がってくる。それをそのまま卓上に置き、残りのカードを表向きにスプレッドするが、さきほど置いた1枚のカードが、いつのまにか4オブアカインド(KC/KH/KS/KD)になっている。

色々な意味で怖い。何度も書いていますが、映像だと複数枚ってあまり気にならないのですが、生で見ると明らかに気になるんですよ。これは実際に見たらどうなんだろうなあ。



・Les ailes du papillon (The wings of the butterfly)
卓上に黒のQが2枚、表向きで置いてある。1枚を取り上げ、デック上で裏向きにしてボトムへ回す。もう1枚を表向きのままデックのトップに重ね、Qはそのままにデックを回転(DPの左手の甲を上にする感じ)、その瞬間、先ほどまで黒のQだったものが赤いQに。それを卓上に裏向きに置く。デックを裏返して同様に赤いQを見せて、裏向きにして卓上へ。再度デックを返すとまた赤いQがあり、それを置く x2。置いた4枚を表向きにすると、全てAになっている。

はっきり言って動きは怪しいです。が、オチはびびりました。卓上に置く時、ワンハンドのセカンドディール的なムーブがあるし、そこに至るまでにデック上のカードを色々むにむにするので"全く怪しい動きが無いのに不思議現象が!"というタイプではありません。ただ、オチが想像外の現象になるのでそこまで気にならない、かな。あのディール、好きで練習しているんですが、なかなか上手く出来ないものですね。



・La dame de trefle qui pique mon coeur (The lady of clover who pricks my heart)
観客に1枚のカードを選んでデックに戻してもらう。ねじを巻くようなジェスチャーでトップカードを表にするが観客のカードではない。裏向きにして卓上に置き観客に押さえてもらう。またトップカードを表向きにするがやはり違うカード。が、それを一度デックで裏向きにしたあと再度表にすると別のカードに変わっている。同様にして観客の手の下のカードをもう一度見てみると、選んだカードである。

詰まるところDLを使ったチェンジなのですが、ベベルのマジックにしては非常に簡略な感じを受けました。ただ、タイトルを英訳してみるとちょっとしたお話仕立てになってそうな気はするのですが(ちゃんとハートのカードに変化していましたし)、ちょっとそういう意味でこのマジックの真価が分かっていない可能性が高いです。



・Decollector (Decollector)
卓上にA4枚を置き、観客3人に1枚ずつカードを選んでもらう。選んでもらったカードをデックの中にばらばらに入れ、裏向きのままスプレッド、真ん中あたりで表向きのA4枚をまとめて入れる。カットをして、右手でデックのトップを撫でると表向きのAに。そこから広げるとAの隙間に3枚の裏向きカードがあり、それがそれぞれ観客のカード。混ざった状態でディスプレイし、それをデックに重ねるとAの中にあったはずの3枚が消失。デックをスプレッドするがどこにも無い。脇に置いてあったカードケースを取り上げ振ると中から3枚のカードが出てくる。あとはもう言わずもがな。

観客カードをデックに戻すところがイマイチ理解できない。理屈が、じゃ無くて手順がw あれ、おっかしいなあ、何で解説通りにやってあの構成にならないのだろうか。マジックそのものはカル使ったり変則ディスプレイ、複数枚パームとその手での操作などを使ったりと難度高し。「ああ、私には実演できません」的なレベル。ゆうきさんあたりがやりやすい改案を考案してくれないだろうかなー。

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・Bonus Bis Repetita Sandwich : A propos des actions en transition (About the actions in transition)
カードのアディションについてのTips(じゃないかな)。

・Bonus Repro Retro : Misdirection verbale et actions en transition (Verbal Misdirection and actions in transition)
カードアディションについてのTips。カードボックスの位置や置く瞬間のボックス下でのグライドなど。しかし英訳したときの"verval"が、台詞が分からないので受け取りきれていない感がひしひしとw

・Bonus Les ailes du papillon : A propos du saut de coupe (About the jump of cut)
各所からのパスの話(のはず)。

・Bonus Les ailes du papillon : A propos du melange Francais (About the mixture French)
オーバーハンドシャッフルからのインジョグ、および手を移してのコントロールについて(と思います)。

・Bonus Decollector : A propos du Displacement de Marlo (About the Displacement of Marlo)
マーローの表裏を選り分けて見せる中で本当に選り分ける例の技法。

・Bonus Decollector : Dernieres subtilites et astuces (Last subtleties and tricks)
選り分けからセパレート、パームと箱から出てきたように見せる手法(多分)。

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エンドクレジットで使ったサントラが出てきたのですが、川井憲次攻殻機動隊サントラが使われていたのも個人的にはチェックポイントw (Ghostdive / Virtual Crime / NIghtstalker) 183559