教授の戯言

手品のお話とかね。

これぞ手品

■ Axel Hecklau「Newsflash」

BGM:ガイアの夜明け OST「私は愛をたたえる (バラッタ)」

オフィスで新聞を広げる役所広司a「はー、株価は戻りつつあるが、庶民に景気回復の実感は無し、か…。どうなってんのかねえ、最近」 横から入ってきて新聞を覗き込む役所広司b「こっちには台風で、こっちはインフルエンザ。嫌になっちゃいますよねえ」 役所広司a「なんかこう、スカッとすることないかねえ。こう暗い話ばっかりだと、滅入っちゃうよ」 ニヤニヤしながら入ってくる役所広司c「へえ、ちょっと新聞見せて頂けますか。…ほーお、なるほど。暗いニュースばっかりだ」 役所広司b「あれ、キミ、見かけない顔だね」 ぐるりと回りつつ新聞のページを繰る役所広司c「こういうニュースはぐいぐいっと畳んで、一気に」 ビリリリリ、ビリッ(破く) 役所広司c「もういっちょ」 ビリビリ 役所広司a「あー!それ会社のなんだよ、まだ読んでない人もいるんだよ!」 役所広司c「これは失礼。じゃ、戻しましょうか」 役所広司a「え?戻す?戻すって、それを?」 破れた新聞をつまんだまま、両手を軽く振る役所広司c「ええ、そうですよ?」 ばさばさっ(つまんではたくと一瞬で元通りに) 役所広司a&b「…!!ええっ!?」 ニヤリとする役所広司c「んっふ」
 
カメラ引き、ゆっくりと話し出す、脇に立っていた役所広司n(ナレーション)「新聞を破いて、元に戻す。昔からある定番のマジック。そんな世界に新たな手法が生まれました。折った物を開いて戻すのではなく、一瞬のうちの再生劇。本日のガイアの夜明け、ありふれたマジックを驚異の魔法に昇華するという最近のトレンド、その中から"新聞紙の復活"の世界をご紹介します」



何故だろう、沖縄にまで来て新聞読んでたら無性に「ガイアの夜明け」の役所広司の小芝居が見たくなったんです。で、TVではやってなかったので自分で作りました。・・・いつもながら、なにやってるんだろう、私。役所広司の小芝居部分だけ抜粋したDVDが出たら確実に買います。あとこういう小芝居書いたり作ってる時、無性に幸せw 多分パロディとか様式美が好きなんですね、私。

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例の新聞手品こと、Axel Hecklau 「Newsflash」が届く。美しい。解説の"準備風景"が物凄い速さで展開し、「はいここでこうやって折ってここはここと留めて」という嵐のようなトーク。「確かにバックにナレーション入ってるけど、これでやれってのは幾らなんでも」と思っていたら、そのあとにちゃんとステップバイステップの詳細解説が入っていました。当然といえば当然。ほっと一安心です。

DVDの構成自体にも小ネタがきいていて非常に面白かった。冒頭の「コピーとかすると罰せられるよ」というところもコスプレした演者が説明したり、カッターなどの"用意すべき道具"の一番下に"ポテトチップス"とか書いてあったり(そのあとのシーンでしっかりポテチを頬張る演者)、話が脱線するとサブ画面から「早く本題に入れよ」とかツッコミが入ったり。

見る前まで「デュプリを用意するにしても、同一の新聞用意するのって結構面倒じゃないのかな」と思っていたのですが「練習のときは駅などに無料で置いてある、タウン系ニュースペーパーを使うといいぜ」とかあって得心がいきました(早速自宅近くの駅から3部頂いて参った次第。そしてサイズが微妙に合わなかったというw)。
演技を見ていた際、「さすがに復活直後には演者側は見せられないんだろうなあ」とかイヤラシイことを思っていたら普通に見せてくれて噴いた。。

小学校時代に読んだものを除き、他の新聞復活手品をよく知らないのでなんとも言えませんが、やはり面倒は面倒です。とはいえあの美しさはなかなか他に代えがたいのも事実。WGMシリーズの新聞T&R DVDは買ってみようと思います。

takatoさんがコメントくださったテンヨーの製品も買ってみましたが、これはやりやすいw ノリもハサミも要らないとか、恐ろしいまでのユーザーフレンドリーっぷり。さすがテンヨー。ちなみにテンヨーの実演動画も拝見したのですが、結構美しかったです。現象的にはそんなに差はないと思えるくらいです。テンヨーのにこのDVDの「すぐに裏側見せられる工夫」とかすれば、安上がりにそこそこ似たようなことが出来るんじゃないかと思ったり(併用出来るのかどうかちょっと怪しいですけど)。

ちなみに差は、NFは2枚8Pでやるのに対して、テンヨーのは1枚4Pでやること、NFが1/8サイズから戻るのに対し、テンヨーのは1/8サイズまで破いたあとに2回折る(1/32サイズまでにする)ことくらいでしょうか。復活の様は多分一般の方が見たら同じと思えるくらいかなと。どちらも非常に美しいです。折ったりしないで、かつ復活したあと後ろを堂々と見せられる分NFの方が私は好きですが、繰り返して演じるとなるとテンヨーの奴の異常なまでの簡易ぶりに軍配ですね。



そしてこの手のマジックを見たりやったりするたびに思うこと。
「戻すくらいならはじめから破くなよ」 
手品っ子はそういうことをしたがる人種なので、もうしょうがないのですけれども。