教授の戯言

手品のお話とかね。

レナート・グリーンが色々してくれる会

まあアレですね、一言でいうなら「マ、ママー!へんたいがいるよーーー!」「しっ、トランプ渡しちゃいけません!」でした。

生憎の雨でした。しかも寒い。会場である茅場町マジックランドには30分前に着いたのですが、最前列は軒並み埋まっておりました。マニアが多いようです。入り口で久々に英語教師のNeilさんにも会う。マニアが(略)。隣の席が大学の先輩でした。マニア(略)。平木さんなどいつもの面子も散見。マニ(略)。全部で大体30人くらいでした。マ(略)。え?私?私はたまたまです。マジックランドで手品見るなんて初めてです。意外かもしれませんがこれは本当です。…私は誰に言い訳しているのだ。
開始が18時半なのですが、結構それまで間がありました。その間Neilさんと「トンプソン以来ですねー」なんて話をしていて、「トンプソンとこれの間は、何かレクチャー参加されたんですか?」と聞いたみたらアッシャーのイーソンのジェイのも参加していて、つまりは目立ったところは全部じゃねーかというお話w 時間になり、グリーンさんが体勢を整えはじめる。やはりでかいなー。

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01.空のコップを拭いてたらビールが出てきた
まあその通りです。やっぱ液体入ったものが出てくるってのは素敵ですね。

02.ワイングラスの脚をナイフで叩いて台を切り落とすが、ぐいっとやったらまたはまってた
現象的にこえー。ガラスとかが復活するのってカードが復活するより華がある。なお某所でやったとき、本当にホテル備品のワイングラスをヤッチャッたらしく、同行者が平謝りだったらしい。…これは別の意味でこええ。

03.美人アシスタントにロープの両端を持たせてそこに背中から寄りかかるような形になるが、気がついたらぬるりとロープが抜けてた
美人アシスタントの片方はママさん。エレガントなポーズがちょっと面白かった(すみません)。例のアレですね。ちなみにこれを見て不思議だと思ったのは高校の先生とフィアソンと今回の計3回。いや、なんだろう、今回予期せずに見たせいもあって物凄い不思議だった。知ってる手品なのに。

04.a.下に向けた手のひらを手首を回転させずに上向きにしちゃう b.左腕がメキメキ c.手を互いに組み「ツメが無いよね」。と、両手からツメが消え、「今度はツメあるよね」でツメが出てくる
aについてはすみません、よく分からなかったです。上げたり下げたり曲げたりする6ステップのうち、どこかで手首を捻ってるんでしょうけど、自分も一緒にやっていたので、なにが起こるかよく分からない内に進んでしまいました。 b左腕と左手首を右手でぐいっと押し込むとバキバキいいます。まあこれはネタバレというか宴会芸系統ですね。胸ポケットか腋であるものを本当に潰しています。いやそれがまた凄い音するんですよね。 cこれも宴会芸だろうかw 昔どこかで見た気がします。

05.マッチボックスからマッチ2本取り出して貫通をやり、置いたままのワイングラスの足に貫通させ、最後は手から手にマッチ棒が飛行していた
冒頭、地味にマッチボックスでパドルムーブをやっていましたw 貫通は非常に見事で言う事無し。彼の手の中にあるマッチ棒は本当に小さく見え、手の大きさを伺わせました。

06.赤黒地獄でした
最初が何だったか、メモに「赤黒分かれる」としか書いておらず、このあと類似の状況が散発するためよく分からないw  あ、違う、あれだ!説明すると「大丈夫ですか?」って言われちゃうやつだ。乱雑になってるカードを1枚ずつフェイスアップで卓に置いていくが、赤かったやつも置く瞬間に全部黒になっちゃうやつだ。「大丈夫ですか?」「うるさい!私はありのままを説明してるんだ!大丈夫?とかそういう目で見るな!」 ただ、やはり彼ですらも枚数が多くなってくるときついようではありましたw ともあれ序盤のあのきもさはちょっとどうかしてる。音が与える"置いた"感はやはり素敵。
続いてがアングルセパレートの類型を用いての分離。この辺は多分ジャズ的な流れだと思いますが、「ああ、全部赤になっちゃった」「と思ったら全部黒になっちゃった」「あれ、とすると赤はどこにいったかな」というのをハーフデックのラテラルパームを駆使し(たと勝手に想像)もにゅもにゅやってたんです。…あんなの何回か見るか、本気で流れを記憶する覚悟で来ないと説明できないです。 
あとは「酔っ払った人とかにやるとこんな感じに片方にたーくさん寄せられちゃったりするんだよね」と言って、OTWの山の片方が1枚だけ、という状況を示すが、またそれだけ唯一の黒だったりとか。ああ、この辺でメモによるとグリーンシャッフルやってました。 あ、飲み会で聞き忘れた…アングルセパレーションってDVDだと右手BGのカードを左手で取っていくときにやってたんですが、今日はそれが全く無くて、全部右手で分けてたんですよね。あの手法はもうやらなくなっちゃったのかな。ああ、何で聞き忘れるんだ私。おポンチ過ぎる。

07.適当に4つに分けた山からそれぞれ4Aが出てきた
うん、出てきたんです。後で解説してくださったのですが、これは出来そう。出来そうってだけですよ、出来るとは限りませんよ。

08.4Aそれぞれに適当にカードを重ねてまとめていくが、気付いたら4Aは左手にあったでござる
もうそのまんまですよ。あったんだもの。仕方ない。抜く手も見せずに、ってのはこういうことか。

09.「カードのイカサマってどうやるか分かりますか」といいつつボトムに4Aを寄せておくが、気付いたらドリブルでストップかけたところから出てきたり、パケットの隙間に放り投げてそのままラッピングとか、気付いたらデックが消えてたりとか、なんかそういうあれだよ
いやもうそうなんだもん。しょうがないじゃん。まあ知ってはいましたが、ラテラルパームとラッピングの連携はきもい。あとあの手は、なんか持ってるのか持ってないのか、外観からまるで想像がつかない。

10.スリーシェルゲーム
フォーシェルだったけど。こんなのもやるんですね。ファティマとジュリアとヴァネッサ(以上黄色のシェル)、そしてアルフォンソ(赤シェル)という4つでやってました。
「アルフォンソに入れたピー(豆。ここでは当たりの小さなボールのこと)を触らずにこっちの他の黄色いのに移せないかと2年考えて、ある晩はっと目覚めて気付いたんですよ」 わくわく 「・・・無理だ、ってね」 一同ズコー!(昭和のリアクション) 1段目はそんな小咄から入り、指定した黄色シェルの下からピーが登場。2段目も基本は同様。3段目には確かにあることを途中で確認もさせつつ、アルフォンソに金色のカップと透明なグラスをかぶせるもなお移動が起こる。やはりいいな、シェルゲーム。毎回挫折してるけど、今度こそはまじめに…。

11.カードを混ぜたあとぼろぼろこぼし始める。嫌な予感。スプレッドして観客に適当な枚数を押し出してもらい、その辺を含めて表裏ごちゃごちゃにして混ぜる。横に置いてあったボードの紙をめくっていくと、その通りのカード状況になっている。
混ぜ終わった時点で全部揃ったらどうしようとかえも言われぬ不安に駆られる。アリ・ボンゴでしたっけ、このばんばん予言が出てくるやつ。あれの類型ですね。学生時代、セルフワーキングなのに素で失敗した、思い出深い作品です。ああああ、よみがえる恥記憶。よりにもよってご家族連れの小さな子が相手だった。ごめんね、魔法をみせてあげられなくて。そのあと反省して研鑽積んだかと思ったら、この様だよw サーセンwwww  「23枚裏向き」→「ごめん、やっぱ24枚」→「赤13枚」→「それAからK全部揃ってるよ(ハートのロイヤルフラッシュ)」→「あとは全部黒のスポットカード」→「しかも偶数」が、1枚7Cがあるぜ! 「ここに保険の予言があるのさ」→「ただし7Cを除く」 そりゃ拍手喝采さ。

12.「オリガミやるんだ」と、シガレットペーパーをむにむにやってると小さな人形になる
爪楊枝まで取り出して芸が細かかった。が、現象としてはそれはあんまりだとか思ったw

13.新聞を折り始めたが、何もおきなかった
いや、本当に何も起きなかったんだ。スポーツ紙をたたんで終わりだったんだ!絶望先生の「何も起きないことが逆にサプライズということもあるのです!」まんまでした。「日本人、分かってないな。この国の何も無い平和こそが、最もサプライズなんだ」ってやつか。深いなあ…。

14.コイン数種
「え、グリーンってコインやるの!?」と思ったら本当でした。ワンダラーサイズコインと思いますが、左右の手で受け渡してパクパクって音がするんですが、気付いたら無かったぜ。手を閉じる音って結構似てるんですね。あとはなんだ、フレンチドロップって書いてあるんですがやってたのかな。記憶曖昧。私のメモの駄目っぷりは最近ちょっと目に余る。
CTT→10カウント→4枚ハンピンチェンCTT→6枚ハンピンチェンCTT→6枚+観客の指輪ハンピンチェンCTT→グラススルーザテーブル
彼のハンピンチェンは動きが大きいけれど非常にディセプティブ。動きは大きいが、あんまり音は立ててないあたりがポイントだろうか。

15.新聞破って「何枚?」「2枚?」「びりり。じゃあこれで何枚?」「4枚?」「はっは、まだ破ってないから2枚さー」「…はあ」「何枚か分かんないけどね」テーブルの上にばさりと各国の紙幣が出てきた
出てきたのです。いや困ったな。ギャグだと思って変わる瞬間見てなかったです。

16.もにゅもにゅシャッフル。「えーと、なにがいい?」「9S」「何枚目?」「xx枚目」「あそうー、ワンツースリーフォー…」 …ほんとに出てきたんですこれが!今ならもう一度5Dも出てくるんですよお客さん!(ジャパネットのあの人風)
もうやばいよ、これは。確かDVDに解説あったはずですが見てません。だってマジきもいじゃん?魔法のままにしておきたいってものもあるのさ。

17.エニーカードフロムいずこから
いやだって、なんか言ったカードがすぐ出てくるんですよ。おかしいって。なにあれ、なんか特殊配列?ギミックデック?それともサクラを使ってるんじゃないのか?(これで私もある意味FISM審査員クラス)

18.レーザーディールルーティーン。説明面倒だからこれみてください。そのあとはぼろぼろぐしゃぐしゃに混ぜたデック。あやしいレーザーで目を見えなくしたあと、更にテープやアルミホイルで目隠しを増強。そのあとで言われたスートを順番に出してくる。
はは、見ちまったよ、生で。キモいねえ…おたくまったくキモいぜ!アルミホイルで頭をぐるぐる巻きにしたあと、「母船と交信する宇宙人みたいですね」とか言っていたのですが、私にはキン肉マンに見えましたよ。途中途中でぽろぽろ落としたり、違ったカードを出しては出し直したりとかするのですが、見てるこっちが不安になります。最終的には全部シナリオ通りになるのですが。

19.セレクテッドカードが出てくるかと思ったら靴が出てくる。靴の中を見るとそれがでてくる
でてきた。ていうかいきなり靴が出てきて正直驚いた。もうカードが当たってるとか、靴の中に入ってるとかはむしろどうでも良かった。

20.タオルを使った北京ダックの作りかた
今日の会で唯一か唯二か分かりませんが、数少ないマスターできそうなトリックでしたw 確かに見えるわ…。

これでひと段落。



<休憩> 



21.シャッフルさせたあとで、なんかもにゅもにゅするとオーダーどおりに
長いw 途中でママさんが突っ込んでたんですが、確かにシャッフルさせたあとでグリーン本人が表向けて色々いじってたら手品ではない気もするw ただ、これのあとでグリーンが言っていたのが、要はこういう数理的配列の話が彼は大好きらしく、どういう風に配ってどう回収したら順番がどう変わるのか、どう戻るのかというのが興味の対象だそうで、まあそれはそれで納得。色々カウントしたり混ぜたりする動作の中で配列が戻ったりしていました。ただ、非常に作為的なので真似しようと思ってもちょっと難しいか。二川さんはこういうの大好きなはずなので、きっと話が合うんじゃないでしょうかねえ。

22.フォールスシャッフル地獄
緑「私はフォールスシャッフル大好きなんだよ」 先生、私もです!分かっててなお、あのぐるぐる回してやるやつ、なんだっけ「Chaos Shuffle」でしたっけ。あれ不思議。 他にもウインドミルなんちゃら系もやられてました。

23.フォローザリーダー
フォローザリーダーでした。まあ趣味の問題ですが、私はこの題材自体があまり不思議に見えないのです。スミマセン。



終了後、一緒に写真撮ってもらったりサイン貰ったりしました。ついでに飲み会にも参加。グリーンさんは食べて話して、という感じでしたが、横にいたカルロさんという、身なりのいいマニュエル・ムエルテみたいなエリートビジネスマンの方が無茶苦茶うまくて吐きそうでした。テクニックがうまい(パームがめちゃくちゃ自然)ってのはあるんですが、それにもまして全く追えないものが多すぎ。借りたデックで、しかも技法のにおいが全くしないという私の理想が、まさにそこに。あんなに技法的あやしさの無い人、プロでもお目にかかったことが滅多に無いレベルです。なんかああいうの見ちゃうともう手品出来ないですね、世間に申し訳なくて。趣味であの上手さ、しかも本業は超エリートとかもうなんだあの人。今度是非教えを請いたいw たぶん世界中を飛び回ってるっぽいのでつかまえようが無いですけど。ちなみに手の大きさ、関節1個分違いました。でかすぎだっつの。
なお一度聞いてはみたかったが、あまりにどうしようもない話だし、失礼かなと思っていたら他の人がグリーンさんに「カードを縦でパーム出来ますか?」ということを聞いていた。「全く無粋な質問をするなあ。・・・で、パーム出来るんですかね」と、心の中でわくわくしながら見ていたら、やはり少しはみ出ていました。まああの程度なら実用できなくは無いと思いますが、彼は普通にラテラるのではないでしょうかね。ともあれ世の中変態と東大出身者が多いなと思った一夜でした。




ああ、そうそう、相沢先生。























インターナショナルですな!
どなたがプレゼントしたか存じませんが「私のこととか書いてあるんだ。嬉しいなあ」だそうですよ。本持ってポーズつけていただきましたw 付箋は多分p.111だと思います。 
そもそも相沢先生と私の関係など「創造主と、その被造物に入れ込んじゃってる変態紳士二人組の片割れ」というのが正確なところなのですが、サンドリヨンズについての説明が面倒なこと、知人(acquaintance)という単語が咄嗟に出てこない程度のへぼい英語力、などもあり、「この本の作者が知ってる人で」の説明を、「The author is a friend of mine」 呼ばわりしてしまいました。すみませんでした。他に言い様が無かったのか。なお後半始まるときまでテーブル上に出ていて、そのまま手品するのかと思ってwktkしていました。すぐ鞄にしまってましたけど。私も自分のを持っていってグリーンにサイン貰って、「やい、相沢先生!これと相沢先生ご本人のサイン入り初版本と交換しろ!ついでに飯倉さんが私と付き合うようなシナリオを(以下読むに堪えないので削除)」とか詰め寄ってみても面白かったですかね(私のも初版ですが)。日本語など分からないでしょうが、休憩中にページをめくっているグリーンさんはちょいとキュートでしたぜ。