教授の戯言

手品のお話とかね。

新・箱根クロースアップ祭 第18回 1/3

一度は行ってみたかったのでついに行って参りました箱根・おくゆもとのクロースアップマジックイベント。とはいえ知り合いも多くありませんし、手品という悪魔に魂を売り渡した方々の間というのは、私のようなライトな手品ファン層には非常に重たい話でして、生きて帰れたことに感謝です。あ、とっても楽しかったですw

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▼土曜日朝に慌しく支度して出発。なんか早めに行かなきゃいけないかと思って早めに出たのですが、11時には箱根湯本に着いておりました。階下のバスターミナル前の観光案内所にあった綾波ポスター欲しいなあと思いつつ、ティータイムにしようかなと改札階に戻ろうとした時、下のバスターミナルで、空を見ながら口をぱくぱくしている野島さんを発見しました。なんとなく30秒ほど見入ってしまいました。

宿到着。物凄く若いと思われる3人組の男性(あとで伺ったら高校生だったのですが)がロビーでコイン消したりしており、早速異界に来た事を思い知る。開場までの間にCULLさん(似顔絵にそっくりだったので分かりましたw)やマーチン・ルイス先生などを発見するが、特に声もかけられず。

開場し、今回のお土産を見て愕然。いや、今回カードプレスだったのですが、ちょっと前に私買ったばっかりじゃないかとw しかもワッシャー付いてたりとか、なんか私が買ったものよりいいものなのです。しょんぼりムードでディーラーブースへ。岸本さんに色々見せて頂いたり、スクリプト・マヌーヴァの滝沢さんとお話したりしました。



▼14:30 ディーラーショー
B-magic池永さん→スクリプト・マヌーヴァ滝沢さん→i-magic小林さん(もうお一方お名前失念…)→福島さん→藤原さん→成田さん→村上さん→MML野島さん→フォーサイト庄司さん→クリエイティブマジック岸本さん→ママさん

▼15:30 ひとネタコンテスト
1.たいまさん(あてもの&ロープ) 2.石田さん(カード位置変化) 3.宮島さん(微妙にずれる予言) 4.久美子さん(うどん) 5.キムさん(カード) 6.ゆうきさん(3人のカードの予言) 7.池永さん(パドルの入れ替わり) 8.谷さん(感熱紙) 9.CULLさん(アンビシャスカード) 10.清水さん(ワイルドコイン) 11.石井さん(密封空間へのカード移動) 12.ヒロさん(車はきゅうに止まれない) 13.高重さん(Aオープナー&Kへ変化)

石田さんのカードの位置変化、凄く良かったです。あの限られた素材と現象の地味さ加減(褒め言葉)、そして地味だが分かりやすい。手品って、「…あれ?…なんかおかしいよな」というくらいのものが極めて妥当な奥ゆかしさだと思っている私としては実にナイス。片方はRRMCだかの冊子にあるようですが…。ああ、気になる不思議ぶりですだよ。
宮島さんの微妙にずれる予言が物凄く面白かった。げらげら笑ってしまいました。ああいう予言は見た事が無かったです。それはさておき、あそこにあった「○○だと思ったらxxだった」って、嘉門達夫のCDで昔よく聞いたフレーズな気がするのは気のせい?w
久美子さんのうどんというかロープも実に面白かった。また声がきちんと通る方で、パフォーマンスとして実に素敵でした。
キムさんもこのあとパフォーマーとして出るのに登場でしたが、「パス」とか言いながらの怪しい挙動や、その後のすっとぼけた表情、カードを飛ばしておいてそれとは全く関係なく当てる、などなど私好みの演出。ああいうの大好きw
CULLさんのアルティメットアンビションのラストにトップの色が変わるのは視覚的にえらい不思議でした。解法を思いつかなくは無いですが、作るのちょっと大変そう。
石井さんは突然傘を開き始めて何事かと思いました。傘は、スプリングで飛ばしたカードをキャッチする捨て箱的利用なのですね。ともあれひとネタということ、視覚的インパクト、時間などと言う観点からも、極めてバランスの良い構成だったと思いました。ああいう演目の方が、変にパケットいじくったりするより世間一般には受けると思います。勉強になります。
高重さんはやっているカードマジック云々以前に17歳と伺い、世の中の17歳は一体どうなってるんだと思ったりしました。



▼17:00、クロースアップ・ショー Part1
#1-1:木本秀和さん リングシング→coins from ring→winged silver→1coin routine→リンキングリング

極めて安定感溢れる信頼の演技(何のキャッチコピーだ)。ワンコインルーティーンは私淑するクロティエ先生の手順を彷彿とさせました。あとで伺ったら「昔トピットも使ってたことありますよ」とのこと。コインの飛行についても二川さんの影響…というか二川さんと非常に近しい方だそうで、きちんとした方が付くと木本さんのような素敵な感じになり、私のようなのが付くと居酒屋友達になってしまうのだなあ、と反省はしました。一応w



#1-2:ポン太theスミスさん
クッキー&オレオ&プリン→Aプロダクション→例のcoin→紐とナット

いわずと知れた「SICK」の人です。あの飄々としたキャラクターは憧れます。あのクッキーだのオレオだのコインだの、本当に綺麗に食べますね…。どこかで買ってきて練習しようw プリンは…キャラ的に私はきついかも。いや、大好きなんですけど、ああいうの。コインはワンダラーを出してきて、散らしつつ「4枚のコインを使います」と言いつつの1枚スチールが実に堂々としていてかっこいい。紐とナット好きとしてはそこも良かった。ちなみに休憩時間中に黙々と練習しながら「マットが…ちょっと硬いんですよね」と仰っていたので私物マットを貸与。ポン太さんに使って頂けて光栄です。



#1-3:キム・ヨンフン(Kim Young Hoon)さん 
コインマトリクス→カードマトリックス→リフォーメーション

コインマトリクスでコインが無くなった時は本当にびっくりした。そのあと破いたカードでのマトリックスやら、それの復活については唖然です。えらいものを見てしまった。アレで21とか、若手マジシャンはみんなあんななの?凄いです…。



▼18:30、夕食。特に知り合いも近くにおらず、黙々と食べていたら隣の席の男性に「あの、きょうじゅさんですか?」とか言われてさっきの手品より驚いた。言ってないのに。スーパーマジシャンが隣にいらっしゃったとは。「え、は、はい。…な、内緒ですよ?」 …私は誰もしくは何に怯えているのであろうか。
ちなみに隣がキムさんで、韓国語は「パンにハム挟むニダ」とかなんかそれっぽいイディオムしか知らないので、英語にて今日凄く素敵だった旨を伝えると「ありがとうございます。良かったです」と日本語で返してくれてまた驚く。軽くお話ししていたのですが、「兵役があるので、あまりこの後は日本にこられないです」「え、いつからなんですか?年内とか?」「はい、多分そうです」と言うやり取りをし、ああ、何のかんの言いつつ制度が違うってこういうことなのだなあと実感。「好きなマジシャンとかいますか(非・日本限定)」という質問には「マーカ・テンドーさんと前田知洋さんが好きです」という答えで、日本的な見せ方がスタイルにあっていると思っているとのことでした。「誰しも一度は、カードのロールダウンはやりますよね」という、変な方向でも盛り上がりました。
CULLさんも近くにいらっしゃって「Pop Magic」が素敵な旨と、そのうちエッグバッグについての冊子をお願いしたい旨をお伝えしてみました。金沢は、石川の地酒好きとしては一度は聖地巡礼してみたいところですが(現在は主に通販利用)、中々お会いする機会も無いのが残念です。



▼20:00 クロースアップ・ショー Part2
#2-1:澤浩さん
真珠物語(で良いのかな?)

開始前にヒロさんのしてくださった澤さんの線虫話が面白かった。大き目の巻貝からはいりっこないサイズの貝が次々と出てきてこれがまた不思議。あとはタオルを捻って貝に→グラスの中の砂から貝が出現等々。

#2-2:ジェイソン・イングランドさん(Jason England)
4Aロケーション→2nd/Bottom/Center/Bottom 2ndなどのディール→最終的に4スート全てオーダー順に

やばい。もうポーカーとか絶対しないよ(世界まる見え風)。ボトムディールもそうですが、センターディールって実在したんだ…。アラン・ケネディってメモがあるんですが、センターディールの大家でしたっけ。

#2-3:マーチン・ルイスさん(Martin Lewis)
カムバックカード→エッグバッグ→11ビルトリック→カーディオグラフィック

カムバックカードは大好きな手品で、のっけからワクワク。エッグバッグはマルドーのエッグバッグでやはり極めてディセプティブ。エッグバッグはエッグではなくゴルフボールだったのですが、最後にゴルフクラブも出てきて噴いた。11ビルトリック系はやってみたいんですけれども中々実行に移せていません。しかし実に分かりやすく、あまり言語の壁も無い、しかも繰り返すことで色々面白みが出てくる素敵トリック。ああいうのをきちんとできる子になりたい。カーディオグラフィックについてはスケッチブック出してきた時点で開場が「おお…」とかなる辺りが笑えた。もはや名人芸の一種というか「待ってました!」「よっ!音羽屋!」とかそんな感じかw あとのレクチャーでも色々なTipsを伺うんですが、本人の動作は凄く落ち着いていて綺麗なのです。映像でも綺麗ではあるけれど、生で見て一層そう思いました。単にひっくり返して破って「はいお土産にどーぞー」とか渡していた己の浅薄ぶりを恥じました。

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ご参考:「メイキング・マジック 日本語字幕版」(字幕版って、字幕無し版を持ってると差額で購入できたりすればいいのになあ…) 「エッグ・バック」 「クロースアップ・ミラクルズ」