教授の戯言

手品のお話とかね。

アルス・桂川新平レクチャー

10/3(日)、名古屋のショップ手品屋さん主催の掲題イベントに参加。ぱっと思いつく限り、現代日本で多分最高峰の変態テクニシャンコンビによる超絶変態技法実演会→私ノックダウン、を覚悟していたのですが、その実かなりまともなレクチャーでした。というかデック1個おまけに頂けてあの内容あの価格ですと、近年まれに見るめちゃくちゃコストパフォーマンスがいい素敵レクチャーだと思います。ただ、会場・座席の都合上、どのレクチャーでもありがちな、"前にでかいひと座ると見えない"、とかそういうのはあったかも。まあ私はそこそこ見られた気がします(席があったが、3列目以降の方はみんな立ってご覧になっていた)。そしてまたもや大原さんに遭遇するが、最近毎週お会いしている気がする上に、来週も確実に会う(ご本人のレクチャー)。お目汚しサーセンwww

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アルスさん:いわずと知れた大阪の変態。開演前にご挨拶したらバーに行った事を覚えててくださっていた。スミマセン。またあのフォールスシャッフルも見せて頂けて幸せ。ありがとうございました。

Aオープナー(今度出されるDVDに入れる予定だそうです。「Introduction」(仮))/「一発芸」デックの中ほどの適当なカードをアウトジョグした後、デックのトップカードを見せる。そのカードが一瞬に先ほどのカードに変わり、アウトジョグカードが先ほどトップで見たカードになっている。これは知人のgasenさんがたまにやるチェンジというかコントロールに類型がありました(アルスさんのはチェンジも入っているのですが)。gasenさんはヴァーノンのコントロールと仰っていたな。/2枚のカードあて。これは割とまともというか随所の変態ディスプレイを除けば私もできそう。パームからのアディションは流行っているらしい。2枚目で使うトップコントロールは話を聞けば単純だが視覚的錯覚がなかなか強い。アッシャーの手法を思い出しました。



桂川さん:いわずと知れた名古屋の変態。毎度思うが、ご本人もっと感じの良い方なのにDVDのジャケットは怖いですw

観客に混ぜさせた状態から4人のカード(各Q)を女性の名前のスペリングで取り出す。そしてもう一点のオチ。ボトムディールを使うのだが、正直その技法自体よりタイミングのずらし方など、随所の細かい工夫の方にワクワクする。あとはリフルシャッフルによる枚数のコントロール。あまりやる人いないけど、極めて有用そう。まあやる人いないのは難しいからというのもあるのですけれど。分割してのカウントなど、変態テクとはまた別のところの細かな気遣いも素敵。



アルスさん:
上記桂川さんと同様のコンセプトのマジック。初恋をテーマにして、かつ笑える対応等もあって素敵なトリック。問題は二人のようにボトムディールができないことだが。つかこのトリック、ラストボトムを2枚同時に配ってるのかな?



<休憩>



桂川さん:
ハーマン「100万分の1の奇跡」を元ネタに、観客がポーカーチップを置いた2セットだけが一致する一致現象。これはいいトリック。全部一致から一部一致にずらす手法をきちんと理解し損ねたが、それは気合と想像で何とかなる気はする。

4カードモンテ。最後には今までとは違ったカードに…。会の終了後、ちょっとお喋りがてら使用技法を見せて頂いたが、ヴァーサスイッチっぽいことをデック上でやったり(片倉さんああいうのやってらっしゃったと聞いたような)、卓上のカードをすくいがてらなど、桂川さんのテクニシャンぶりが本領発揮。しかしこのトリックの時だけテーブルに肘をついたりするのかという、その辺のラフさがちょっと気になってしまいました。今までジェントルだったのにw(技法の都合上しょうがないんですが) しかしあの2段階に分けて卓上のカードを摩り替えて行くのは綺麗。終演後のお喋りのときに「右後ろの一番微妙そうな位置からどうぞ」と仰って頂いたが、あれは気づかないですね。ひっくり返す直前にちゃんと見えるべきカードが見えるし。死角が無い気がする。技量も相俟って秀逸。



アルスさん:
サンドイッチカード2種。1は…あれ、どんなだったっけ。2はビザーレツイスト風味でかなり面白いと思った。問題はあの飛び出たカードの隠匿法であるが、どうだろう、無言で揃えつつ、の方がいいのかな。

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技法は使うし変態要素も満載ではありますが、コンセプトや構成的にも色々勉強になりました。実にいい会でした。ありがとうございます。