教授の戯言

手品のお話とかね。

Dani DaOrtizレクチャー

10/29(土)、掲題のレクチャーに参加してきました。普段は何をやったかとかきちんとメモをとるタイプなのですが、もう今回は脳味噌がウニになりそうだったのであまりメモっておりません。とにかく不思議でした。特に開始30分くらいはもう怒涛のようで。60分2コマと、90分2コマ、休憩合わせて約7時間弱w 


現象面は大体"選んだり思ったりしたカード"が"特定枚数目から出てくる"とかそういうのが多かったのですが、なんというか、もうね。いや、以前から彼のマジックは映像では見ていたし、とても不思議ってことは知っていて、だからこそ今回も行ったのですが、生で見るとちょっと怖いくらい。↓こんな感じで。


大変口幅ったいですけど、まあ3年くらい手品見たり読んだりしてれば、技法のにおいとかタイミング、そういうものは大体感じられるようになると思うのです。特に他人の粗は目立つので。いや、事実自分もそうだと思っていたのですが、今回のダオーティスの見ると本当に打ちのめされました。ちなみに桂川新平さんがプチ通訳がてらアシスタントをされてたのですが、私最初、「絶対この人サクラだ」、と思って拝見してました。が、どうも本当に違っていたらしく。…いやでもホントはサクラだったんじゃないんですかー?(未だに拭えぬ疑念) あ、せっかく桂川さんにお会いできたのに、チェンジの手法について質問するの忘れてた。うう、とても惜しい。名古屋行く用事など早々ないのに、勿体ない。。。



さて。で、フォーシングのメソッドとか、ピークの手法、カードコントロールや観客の注意のそらし方、それぞれ大変勉強になったのですが、かなり図々しい手法もあって(私はそういうのが大好き)ああいうのが出来るおとなになりたいと思いました。ああいうのって解説されても「え?ウソでしょ?」ってなるのがたまりません。DPに持ったデックのトップカードを左親指で引っ掛けて引き、右手で上半分くらいを使ってその一枚を真ん中らへんで表向きにする、などということも堂々と行われていたのに全く気づきませんで。解説聞いて最初冗談言ってるのかと思いました。凄いものです。なお、ダオーティスはスライハンドもめちゃめちゃうまい人なのですが、今回演技・解説してくださったものはダブルリフトすら余り使いません。先ほど触れたようないわゆるサイコロジカルなテクニックを多用するため、まるで追えない感じに。しかもアウトをコントロールしているのでますます。なんかテクニックを備えた頭脳派って、手が付けられませんね。



演技そのものもそうですが、解説時の"理屈"を拝聴していて、タマリッツやアスカニオの影響を色濃く受けていらっしゃるというのは非常によくわかる気がいたします。以前二川さんも仰っていましたが、アメリカともまた違う、独自のテイストのマジシャンを生み出す地域だよね、というのを実感。今まで面白いマジシャンとかカッコイイマジシャンとか色々ありましたが、追えない、というのではダオーティスは本当に絶品でした。あ、無論全部が全部吐きそうなくらい不思議というわけではなく、「え、それそのまんまじゃん」って思うこともあったけれども(図々しい技法、のはまらなかったパターンの時ですね)。しかしこういうのを拝見すると、いかに自分含めて"ちっさいマジック"やってんなー、と反省。だってまあ、みんな言わないでしょうけど、裏側で何やってるかって大体分かりつつ見てることって多いと思うんですけど、いつ何をやられたらこうなるのかさっぱりだよ、というのは実に久々の感覚。


ちょうど私も「借りたデックでそのまま頑張る」というスタイルを身につけたいと思っていた所であり、彼のスタンスもそんな感じだったので本当にいいタイミングのレクチャーでした。最近あまり人前でやらなくなりましたが、やったらやったで「きょうじゅまじやべえ、全然追えない。…ダオーティスの完コピだったけど。…体型含めて」とか言われるように頑張ります。…まず40kgくらい太らないとダメか。オープントライアンフは辿れるようにはなったがあんなふうに自然には出来ません。ああ。



飲み会にもお邪魔しようかとも思ったのですが、正直なんかもう頭おかしくなりそうだったし大人しく帰りました。会場近くのフレッシュネスバーガーでWWチーズバーガー食べながら手順をさらおうとして再現できず、早速忘れてて、さすが私だぜ!とか思ってがっかり帰宅w 久々に種のわからない手品にばっしばしに引っかかり、大変楽しい時間でした。彼を呼んでくださった田代さんやJCMAに感謝です。

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その昔「Fat Brothers2」のジャケットかなんかで"3人あわせて400kgのマジックだぜ!"みたいなフレーズがあって面白かったのだけど、他の二人に比べてダオーティスは小柄でした。他の二人が巨大という説もあるけど。実際お会いしたら私のほうが身長高そうなくらいでその辺にも驚きました。

開場前に会場近くの某色々売ってるお店のとある売り場でクリップシフトを練習している若い子がいましたて、現象に直結する技法を人前で練習してんなよ、と思いましたが、まあ非手品人から見たら、カードを1枚、むにむに片手で移動させるジャグリングの練習と思うかも知れないのでよしとしよう。某書店でダオーティスとすれ違って「なんでこんな所に!?」とか思ってよく見たら、同じような体型と髪型のおばさんだったりと、そういえば出だしから波乱でしたね、池袋は。