教授の戯言

手品のお話とかね。

Dean's Beads

その内半年分くらいの浪費反省会をするつもりですが、買うには買っているのです。



Dean Dillと言えば、昔はコインマニア向けのお方という印象でしたが、作品を色々知ると実際はかなり色々なマジックを考案(クラシックの素晴らしい改案含めて)をされている方でした。無論コインでは揺るぎない有名さではありますが。
ワタクシ、Dean's Boxという箱と紐を使ったマジック道具が欲しくて、、それの2.0が年初に出ていたのですがすぐ品切れ、「いつ再入荷?」「5月ころかなー」→(5月末)「まだ?」「…まだ」的なことをショップの方とやりとりをしてはや9月です。…ホントに出るのでしょうか。それはさておき、Penguinmagicの”Dean's Box2.0チェックした奴はこんなのもチェックしてるよ”に、まんまとハマるセプテンバー。それがDill氏の作品「Dean's Beads」。で、デモ見たらキュートなトリックであったので即ポチり。





どんな現象かは上の映像でも見て頂ければすぐお分かり頂けます。数がかぞえられる年齢の子ならすぐ分かる単純明快さ。なにがしかの予言(カードやダイスの値の合計でもいいし、頭の中で思ったものでも良い)の数字があって、このビーズネックレスを引っ張って切れた部分を数えるとその通りの数になっているという。…言うなればそれだけなんですが。



極めて単純な仕掛けです。調べてみたら「ジプシー・ネックレス」とか「ポップ・ビーズ」という名称で、1960年頃売りだされた(というか、要するに素材である、ぷちぷち(=Pop sound)繋いだり外したり出来るおもちゃのビーズが出た)ものと原理は同様のようです。多分、ポップ・ビーズがおもちゃというか素材の名称で、それを使ったマジックグッズがジプシー・ネックレス、なのかな。まあその辺の細かい部分を気にしないのが私なので興味ある方はご自分で調べてみてください。なお、当時のそれはほんの少しいい出来だったらしいですが、この商品のネックレスは素材の大衆化もあってか大変ちゃっちいです。「昔のは結構頑丈だったけど、今回のはチープだし、通常利用ですぐ壊れるだろうよ」とかいう書き込みもありました。まあ壊れるといっても、連結部の棒状部分が折れるだけでしょうし、Dillも「凄く固かったりするような奴はそこだけ捨てちゃえばいいんだよ」とか事も無げに言っていたので、あまり気にしなくていいかなと私は思いました。しかし某ショップの売り文句”商品は高品質なビーズとDVD〜”は、どう考えても間違いだと思いました。まあマジックショップは商品を売らなければいけないので、BKMワレットを”高級感溢れる革の手触りで〜”とか平気で言い出すので元々信用してませんが。

あ、で、なんの話かというと、大変ちゃっちいと。が、いかにもな「子供が遊ぶようなおもちゃ」っぽいので(元々そうなんですが)、逆に気張らない感じでいいかなと。手品マニアの目から見ると単純そうなんですが、いくつかあった動画や書き込みで、Dillがレイマンに演じてる時のドッカンドッカンぶりとか、観客からの何度とない「もういっかいやって!」「俺にも試させて!」とか読んでいると凄そう。軽いし持ち運びやすいし、あんまりルーティーンを忘れようもない、あとそこそこ人数いても大丈夫そう、と、中々素敵そうでした。




Dean's Beads内容
■Three Person Routine:デモ動画のルーティーン。まず観客に言われた数を演者が見事ちぎり、次に観客自身にやらせてもうまくいく。最後に観客に思ってもらった数字分を、観客が適当に引っ張るとその分だけちぎれる。やはり一番多くやってそうなだけあって、これが一番好きでした。
■Seven of Diamonds:カードを併用。最終的にビーズで7Dを作っちゃう感じの。
■Beads and Dice:ダイスを3つ使い、その合計でというのが1つ、ダイスを3つ積み上げて、見えてない面の数を足してその数をちぎる、というのが1つ。中々。
■The Penny Routine:ビーズで数決めた後で、山盛りのペニー銅貨を掴み上げてもらって椀に入れるが、それがビーズの数と枚数がぴったり一致。分かっててみていたはずなのに「な、なんで!?」とか思ってしまいました。
■The Memorized Deck:メモライズドデックと組み合わせた、えにえにっぽい感じの。せっかくアロンソン覚えたのでこれやる。がんばる。

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昨今、カードとコイン以外でなにか面白いの欲しいなあ、と思っているのですが、世の新商品は7割方がカード関係なんですよね。で、この流れでナンですが、来月あたりにHartlingの本が出せそう。と、Tさん(寺生まれではない)が言っておりました。プロ2名マニア2名から、「これは出して欲しくなかったなあ」と言われたそうですが、確かにいい本です。超絶セルフワーキングではないので、不思議っぷりと引き換えに、実際結構難しい(スライハンド的にではない)部分はあるとは思いましたが、内容の良さは知っているつもりなので、とりあえず私は自腹で買って差し上げますw 早く出せるといいですね。