教授の戯言

手品のお話とかね。

4末辺りから5月上旬

GWはもっぱら身辺整理をしておりましたが(別名:お部屋の片付け)、昨今は買う手品グッズの量も減らしつつ、技法の練習などにシフトしております。まあ一体誰に見せるのかという感じではありますね。でもまあそれでも色々買ってしまってはいる悲しみ。こざわさんのDVDとか野島さんのDVDとか。病気が治りません。そのうち備忘録がてら半期分の浪費反省会をせねばなりませんね。



先般、宮崎の奇術研究家ゆうゆうさんより、彼の名を冠した賞を頂きました。ありがとうございます。
「ゆうゆう賞」とは、手品界で既に著名な方(勿論基本的に面識なし)に賞を勝手に差し上げ、ゆうゆうの権威を高めることを目的として設立された賞である。 (ゆうゆう賞設立の辞 より)
栄えある第一回に、二川先生との同時受賞とのことで大変光栄に思っております。別に私は著名ではないですが。額装つき賞状と、宮崎の素敵なお酒「蘭珠」を頂きました(まろやかな味で、思わず飲み過ぎてしまう危険があります)。宮崎に伺った暁には、「ああ、この空の下の何処かにゆうゆうはん、いらはるんやなあ」と思うことにいたします(人見知りなので会いには行かない)。なおゆうゆうさんの作品はあすぱらさん主催の、…いや、あれはあすぱらさんじゃなくてk_motonariさんか、なんかサイト名といつもごっちゃになる、で、「心の中で」という、極めてロジカルに組み立てられた不可能性の高いカード当てが有名ですね。作品集はいつ出されるのでしょうか。ああいう観点でのセルフワーキングは得てしてパズルになりがちなので、うまく演じられる人が多く出てくれると良いのですけれども。



また、GWはほぼカレンダー通り出社していたのですが、日本海の方から「GW中は家族サービスを犠牲にしてお店開けてます」などというけしからん案内が来たので、叱責すべく2年ぶりに金沢のプロマジシャン、ヤマギシルイさんにお会いしに、撮影道具をいそいそと詰め込んで、録画で溜まったアニメをiPadに入れて適当に金沢へ向かいました。途中車内でアニメがあまりに面白く、なんかもうすぐにホテルにでも行って、このままエンドレスアニメ鑑賞でもいいかと思い始めましたが、さすがに金沢に行ってやってることが東京と同じ、というのも悲しいので、マジックバー「金沢スタイル」へ。お腹におでんとお酒を入れてから。というか割と良い感じに出来上がってから。
2年ぶりにお会いしたヤマギシさんは、王子様的な感じからヒゲとウェイビーヘアのアーティストないし美容師関係の人っぽくなっておりちょっとびっくりしましたが、まあアーティストという意味では間違ってないよなと思いつつ。2年前の裏箱根にてレナート・グリーンの変態的な奴を見せてくださったテトラさんもたまたまいらしており、色々おしゃべりにお付き合い頂きました。2年前の反省から、「まあこのお店、閉店時間3時半だし、とひさんもいないし、まあ暗いうちにホテルで眠れるな、今年は」と思っていたのですが甘かった。そうでした、思い出しました。この方、手品露出狂だったw お店閉めた後も手品談義は続き、気付いたら5時半。また外が明るいYO!大後悔しつつ、ホテルへ。

「予約を入れましたxxです」「あの、そのお名前でのご予約は承っておりませんが」「な、なん…だと…!?じゃ、じゃあ空き室は」「申し訳ございません、本日満室となっております…」「オウシット」 
教訓:酔った状態でホテルをネット予約する場合、失敗することがあります 
とぼとぼと片町を歩きつつ漫画喫茶を発見。「やった!4時間くらい寝られる!すいませ〜ん、ひとり―」「申し訳ございません、現在満席となっております…」「オウシット」 
教訓:漫画喫茶が満席という事態も稀にあります 

近所のホテルのサウナが6時から利用可能だったので、しばらくロビーで呆然として、お風呂のあとは休憩室で仮眠。…なに、この大学生みたいな旅行…。休憩室で「ガールズ&パンツァー」の特集がやっていて、それはちゃんと全部見まして嬉しゅうございました。「秋山!可愛い!」「そうですね、全くその通りです!」「文句なし!」
 

起きてヤマギシさんのご家族とお昼ご一緒させて頂いて、私はひとりレンタサイクルで金沢をぐるり。あの街は自転車で周るに相応しいコンパクトさだと思います。初夏のような陽気で、風が大変気持ちようございました。武家屋敷や茶屋街、市場、能楽美術館など様々な箇所をめぐった後、再びヤマギシさんと合流。旅の目的でもありましたが、3時間ほどみっちり演技/解説を受けました。前回はあまり拝見しませんでしたがリングが面白かった。昨晩、お店のお客様へ演じているのとかはいっぱい見ていたのですが、彼の8本リングはよく出来ていました。「私はそもそもそのセット持ってない上に演じないので、8本とかはいいです」とか言ったら「あ、お客様とのやり取りがいいと仰るなら(確かにそんなことを言った気もする)5本のもありますよ」といって、そちらもやって頂きまして。それまでは「ジャグリングと同じで、リングなんか4本以上あっても観客から見たら同じだろ」、などと思っていたのですが、”5本が理にかなう演技”というのもあるんだなというのが分かりまして、割と目からうろこでした。ワタクシ、4本で怪しいレベルですが、次デパートに行ったらもう1セット買ってしまいそうです。
あとは2年前の撮影時にお願いしそこねたスポンジボール、あれが短いながらよくまとまってて、プロっぽいなと思いましたが、よく考えたらプロでした。すみませんでした。いやだって普通プロってもっと出し惜しみするじゃないですかw なんで懇切丁寧に教えてもらっているのか意味がわかりませんよ、ありがたいですけど。自分で言うのもなんだけど豚に真珠な気がひしひしとw
また、ベタなプロットにもかかわらず、相変わらずオイルアンドウォーターは説得力抜群で素敵だったし(聞きそびれましたが、キャバクラのチャンネーのパターは止めたのだろうか。地味に好きだったのに)、出色はあのトライアンフかなあ、視覚的にもどう見ても混ざってるじゃん、というところから(当然)戻るんですけど、解説聞いてその図々しさに舌を巻きました。本当に自分で裏返して、見せて、また逆向けて戻してるだけ(ネタバレにならないと思いますがw)なんですが、そう見えなかったんですよねえ。…いやしかしずるいなあw エブリウエア・ノーウェアとか、インターチェンジ系の現象とか、決してお手軽ではないのですが、カードで作品作るとなったらこのくらいやりたいなーという感じでしたね。
ワタクシ、コインは門外漢なのですが(敢えて言うなら手品自体門外漢な気もする)、ご自分で「先日、自分の中で手順として完成しました」というだけあって実に無駄のないルーティーンを見せて頂きました。なお前日、お客様に演じてる時に一瞬Sを落とされたのですが、ご本人は堂々と続けていて演技に支障はなかったのですけれど、アレが落ちる音が、こんなに心臓に悪いとは思いませんでした(小心者)。
スリーボールトリックもやられてましたし、あ、あとカップアンドボールか。バーノンの手順をスリム化したものをベースにしていましたが(確か元の手順は11段とかあり、正直今のご時世には長すぎる)、あれはよくまとまっていました。なるほどなーと思いました。カップを見せる動きの中でロードが完結しているものも多く、無理な技法がない分素直に見られる手順でした。そういうのに限って自分でやってみると出来ないんですよね。不思議だ(例:ゆうきさんのやる各種カウント)。

結局演技/解説に熱が入りすぎ、気がつけば開店時間が迫っているという有様。本来二人で金沢の素敵ご飯にでも行くつもりでしたが、結局二人揃ってコンビニ飯となり、バーのカウンター越しにマスターと客がおにぎり食べたりカップスープを啜ったり、みたいなさもしい食事と相成りました。まあそれもまた良し。結局ご飯食べてすぐくらいに御暇して、東京へと帰りました。無論、翌日は一日中寝ておりました。撮らせて頂いたものは取り込みまではしましたが、編集は全く進んでおりません。早く編集しておこう。そして前回のも元にして、二川先生の冗談にあった”本人の知らぬうちに「ヤマギシルイレクチャーノート」”を作ろうw 勝手にw 

金沢に行ったときは、手品を、まるでコンベンションレベルの分量見せてくれる、そしてなぜかマニアに限って酒が進みづらくなっちゃう(店的に大丈夫なのでしょうかw)不思議なマジックバー「金沢スタイル」に行ってみると面白いと思います。あ、見る分にはマニアじゃなくても大丈夫です。一般的なマジックバーと違い、「マスターあれやって!これも見せて!」で、多分閉店まで演じさせ続けることすら可能やも知れませんw(ステマ?)



連休最終日、自転車で大洗巡礼か、無駄に銚子か、と悩み、結局銚子を選択。約120kmですが完走、体が痛いです。「向かい風と登り坂をこの世界から消し去りたい!」(CV:まど神様)と思いました。