教授の戯言

手品のお話とかね。

ドイツ旅行 2日日 8/20(火)


【2日目 8/20(火)】
今日は、リューデスハイムの拷問博物館→ライン川下り→フランクフルト戻り→Pit Hartlingさんに遊んでもらう→呑んだくれる→寝台列車でベルリンへ というのがおおまかな流れ。



朝起きて、宿の朝食も大変美味しく、清々しい気分で拷問博物館へ。学生の頃は拷問の歴史や道具について色々読んでいたので、色々生で見られて良かったです。やはり拷問具は、それで何されるのか、どういう痛さなのかが見た目で分かりやすい奴がいいですね。地味なんですが、ラックという道具があります。人間を寝台に縛り付けるんですが、肩口と腰辺りを固定した上で手足を上下方向に引っ張るやつです。人間って結構引き伸ばせるらしくて、文献によれば腹部の皮が薄くなって、内臓部位が見えるくらいまで透けるらしいです。…いやー痛いーーー!腹部といえば軽く刺し傷作って、そこからウインチで腸を巻きとっていく奴とか狂気の沙汰ですよね。…痛いーーーー!何故清々しい朝なのに拷問なのかよくわからなくなってきたので船着場へ。チケットとガイドマップ買ってライン川下り船へ。

取り敢えずよく分からないんですが、昼からビールを飲まねばドイツ旅行っぽくないと思い始めわざわざ給仕が来る前に「ビールください!」とか言っておりました。

出航して景色の綺麗さと、意外な船足の速さにワクワクしつつ、ビールをちびちびやっていたのですが、…舷側寒い。日本の36度とかに慣れていたのですが、ちょっとウインドブレーカー一丁だとまだ寒いレベル。早速パーカーを出す始末。色々移動して分かったのは舷側部だけが風が通るので寒くて、実は真ん中あたりは風もなく、かつ日光もあって暖かかったです。

ローレライ。船乗り惑わすのにここに登るって、結構ホネじゃないのかな、と思うレベルのでかさです。

2時間ほどの遊覧を経て、ザンクト・ゴアール(St. Goar)到着。ピンク服の金髪ロリっ子がドイツ国旗をブンブン振り回してて可愛かったです。写真撮った気がするが見当たりません。
http://goo.gl/maps/403yD

ここは船着場の近くに鉄道の駅もあるのです。昼飯を食べようかと思いましたが、若干ポンポンペインになりそうだったので、ドキドキしながら切符買って一路フランクフルトへ。昨日電車に乗った時にも思いましたが、基本的にドイツの鉄道はみんな座ろうと思えば座れるレベルの混み方で、日本はやっぱ異常なんだなーと思いました。まあ異常といえば、「Pitにあったらなにか見せねばならんだろう」ということで、電車内で必死に一夜漬け以下の練習をする日本人旅行者も異常だとは思いますが。てへ。

フランクフルト着。事前準備を怠っているということは、即ちドイツ国内で私は電話もレンタルWi-Fiルーターも持っていないということで、Pitとの待ち合わせはフランクフルト駅構内のスタバに。スタバは無料Wi-Fiとかあるので連絡もしやすい(はず)。さらっと登場したPitに連れられて、2つほど離れた駅へ。彼のトリック、「Unforgettable」についての話で、「友人のデニス・ベアはあれ、(作品で解説されているようなオレンジ/ジュースではなく)ビールを飲んで演じるんだよね」「え、でも確か本では、記憶に関することだからアルコール系は避けた方がいいよね、って…?」「そうなんだけどね。彼はビールでやるんだよw この間マジックキャッスルで1日4回、週に5日演技をしたんだけど、だからその週は演技だけで20杯のビールを飲んだことになるね」「mjd!?」 ドイツ人凄い。

地下鉄を降りて、開けた場所にあるカフェで私だけ遅い昼飯を兼ねたワッフル食べつつ、Pitに色々見せて頂いたりしました。彼は今度また本を出したいと思っていて、メモライズやスタックを活用した作品を集めたりしているそうです。フルスタックだけでなく、喋りながら特定部分だけ組んだりとかそういう。中でも「Poker Formula」というポーカーデモンストレーション系のトリックを見せて頂いたのですが震えました。ていうかそれ、私のデックだし…。本が出るのが超楽しみです。その他にも色々不思議を拝ませて頂きました。

「Unforgettableの、Move a Card部分、あれなんか他にコツというか、実際のやり方とかあるんじゃないんですか?」「ないよー?やってみようか?」 →オーウ…。ありませんでした…!あの早さで分かるものなのか…! 

「じゃ、じゃあですよ、Master of the Messあるじゃないですか。あのぐちゃぐちゃにした奴が最終的に戻るやつ。あれパーフェクトファロー4回とかちょっと難しいんですけど!」「そうだね、なんで、最近は2回分を別の小トリックを行うことで短縮してみたよ!」 →オーウ、確かにまるで違和感ない…。 「でも、まあやろうと思えば出来るけどね」バサーバサー「これじゃないこれでもないこれでもない…」しぱしぱしぱ 「ちょ、超早い…!」「喋りながらやるのは確かにちょっと難しいかもしれないねえ」 →すみません、貝のように押し黙ってやっても、彼の半分程度の速さしかできませんでした。あんなに綺麗なトリックだったのか、あれ…。Pit超うまい。ていうか原理分かってるのにどう考えても絶望的に混ざってるとしか思えなかったのになあ…、手品凄いなあ。

言葉があんまり要らないということで用意していったタナカヒロキさんの「アナザー」を、プレゼントがてら演じたら結構喜んでくださって、「僕はこういう感じのものが好きで、自分でアンビグラムとか作るのも好きなんだよねえ」と、こんなのを見せてもらった。

「Alex Elmsley」をひっくり返すと彼の研究対象だった「Falo Shuffle」になるという。まだデザインに落とす前の手書き素稿だそうですが、よくもまあ作るよなとw

アナザー3つと、こざわさんDVD、先に送ってはいたが郵送事故に備えて手元に控えておいた日本語版「Card Fictions」の残り1部を渡したら「なんかこんなにたくさんもらっちゃって、今日はクリスマスみたいだね!ありがとう!」みたいな感じで。いやあ、喜んでもらえて何よりです。

先月は中国でレクチャーやワークショップをしていたそうで、そこで見せてもらったちょっとしたテクニカルなサンドイッチ現象を見せて頂きました。「じゃあ私も久々に人前でテクニカルなやつやるかな」と、野島さんのテクニックとマジックをやったところ気に入ってもらったようで「おお、綺麗、、それ撮らせて!」とか言って頂きかなり嬉しかったです。一発撮りでしたが、動画で見たら不思議でした。よくやったぞ、私。しかし動きを説明して「うわあ、指がつりそう」的なことを言っていたのは「私も通った道だなー、それ」とか思って微笑ましかったのですが、3分後くらいに「ああ、こっちで押す感じか」とか早速結構動くようになってて凹みました。2~3ヶ月かかったのになあ、私w 喫茶店の人つかまえて写真撮ってもらったりして、ひとまず河岸を変えようと。


「じゃあ、かるく市内案内というか散歩とかしてみようか」ということで、ロッカーに大荷物は預けてPitとフランクフルト散策。ドイツのマジック事情とかマジック本の扱い等について色々お話を伺いました。マインタワー(放送局とか入っている、地域の中でかなりの高層ビル)に連れていって頂き、眼下に広がるフランクフルトの景色を、彼の解説付きで楽しんだりも。東京と違って、中心街からすぐに緑の絨毯があったり、鉄道の線路が極めて直線的だったり、当たり前ですが、国によって全然違うんだなあと。なお彼方で煙を上げている白い建物もあり、どう見ても原発です、本当にありがとうございました。

マインタワー降りてそろそろ解散という時間でしたので(彼は19時半から別の用事があった)「取り敢えずWi-Fi使える場所ないですかね」という私の要望に、「じゃあApple Storeだね。僕も買いたいものがあるので一緒に行こう」てな感じに。私はそこで各種チェックしつつ、彼は買い物を済ませて散会。大変よくして頂きました。本当に有難うございます。


別れて後、大体20時頃だったのですが、やはりドイツに来たらバーでビールだろということでしばらく飲んだくれておりました。

22時頃になり、さすがにちょっと酔っ払いはじめまして、夜行は25時くらいだけど早めに待ってようかな、とフランクフルト駅へ。一応念のため、どこのホームなのか確認しておくかとDB(ドイツ鉄道)のインフォメーションへ。「夜行出るのってこのホームでいいんですかね?」「いや、ここじゃないよ」「…え?」「私鉄の方だって」「え、なに言ってるかわからないです」 色々探った結果、どうも夜行が出るのはフランクフルト駅ではなく、フランクフルト・ズード(=南)駅であることが判明。3時間余裕見ておいて良かった!危うく深夜のフランクフルトで涙に暮れるところだった…。どこで乗り換えるのか分からず20分ほどウロウロ迷いましたが、なんとか見つけ、7駅くらい離れたフランクフルト・ズード駅へ。「ていうかわかりづれーよ!」とか思いましたが、国分寺と西国分寺も違うので、結局自分のせいでした。シクシク。

寒空の下(注:夏とはいえ、夜の吹きっさらしはパーカー着てても寒いレベルでした)、1時間ほど待って寝台車到着。1等客車2人コンパートメントにしておりました。もう1人は恰幅のいい50以上と思しきドイツのビジネスマン(だと思う)で、寡黙な方ながらも、あたふたしている私に「そこがバスルームだ」「荷物はここにでもおきたまえ」「今明日の朝食、コーヒーかその他の飲み物か聞かれているぞ」(車掌さんは当然ドイツ語で聞いてくるのだが、私がまるで分かってないのを見て、横から助けてくださった)など、色々教えて頂きました。狭いとはいえコンパートメント内にシャワーまであるとか初めての体験で、結構びっくりです。さっぱりしたし、ベッドもあるしで、大変快適に過ごせました。酔ってますし、結構疲れてますし、泥のように眠る第2夜。