教授の戯言

手品のお話とかね。

00:00

00:00を買いまして。

予言の紙を置いておく。懐中時計を取り出し、竜頭を回して時針もくるくる回るよ、ということを示した後、蓋を閉めて観客にも竜頭を思うさま回してもらう。いま何時になっているのかは誰にも分からないことを確認した後で蓋を開けると10:28。最初から置いておいた予言の紙を開けると大きく「10:28」と書いてある、いう現象。

ワタクシ、中二の頃から懐中時計を使っていたくらいの懐中時計大好きっ子なわけですが。いや、最近は時計をそもそも使っていないのですが。いいですよね、なんか時間という概念を具現化した感じが。ストレートですけど。

昔コレクターズワークショップの懐中時計トリックを知って、カッコいい!欲しい!と思うもえらい高いし既に余裕で廃盤、とか、テンヨーのサイコクロックとかあとなんでしたか、知った時にはこれまた余裕で廃盤、というのが今まで多すぎであり、「チクショウ、私は時計トリックには縁がないのか。トランプでやるしかないのか」とか思っていたところに出たので思わず買ってしまったのです"00:00"。Himitsu Magicって、日本語だけど、日本人は付けないタイプのネーミングセンスですよねえ、と思ったら台湾のメーカーのようで。最初そこから直で買おうかと思ったのですが、台湾ドルで換算して送料、とか考えると殆日本で買うのと変わらなかった上、メーカーが付けてくる演技/解説のURLが繋がらないということで(オイオイ)、そこを解決しつつ解説も加わったiMagicにて。

いいところ:簡単で、ミスの可能性も極めて低い。ウケる。(いや、先日サロンで演じまして、実際かなりウケました)
わるいところ:作りがちゃっちい。特にあっち側がグラグラして怖い。

鎖自体にギミック(?)も付いていますし、いわゆる「パック・スモール・プレイ・ビッグ」的に重宝しそうだなという印象です。予言の時間も変えられるので、時期が離れれば、同じ観客に違う時間での現象を見せることも可能です。(ストローリング・マジックみたいな感じで、テーブル毎に時間変える、とかは無理だと思います) 私はサロンで使いましたが、観客席の中に入っていく感じで見せておりましたし、クロースアップの方が向いていると思います(見えなくはないとはいえ、さすがにカードの半分くらいの大きさの時計の文字盤を遠距離で視認するのはツライはず)。

基本この手の商品は、「観客にグルグルさせても影響がない」もしくは「何らかの方法で、観客に言われた時間へと調整する」といういずれかのアプローチになるもので、本作は前者なのですが、観客が回しているときは本当に時針は回るし、蓋を閉じるときも閉じてからも全く怪しい動作、っていうか動作自体がないので、そのまま気の済むまで回してもらえます。なので大変フェアに見えます。

書きながら思いましたが、「竜頭を2回連続で引っ張ると、予めセットした時間になる懐中時計グッズ」とかありそうなもんですが。……無いんでしょうか。なんかそれ出来れば超楽なんじゃないだろうかと思いました。