教授の戯言

手品のお話とかね。

Christian Engblom 「Pieces」

初めて見たのが2年前、Fat Brothersの来日レクチャーの東京会場でした。あの日、もちろんダニやミゲルのも相変わらず凄かったのですが、ダニのは3年前のレクチャー以降、DVDなどで軒並チェック済みであったため、「不思議」というよりも「なるほどやっぱりうまいもんだなあ」でした。そんな中、あまりよく知らなかったこともあって、クリスチャンのやることなすことにホイホイ引っかかっておりまして。中でも一番不思議だったのがこのTriumphでした。会場もどよめいていましたね。だって、混ざってるの見て、揃えて、また同じ方向に広げて揃ってるんですよ?超不思議じゃないですか?いや、不思議でした。超。

師匠筋であるタマリッツからの、「・借りたデックで ・公明正大にまぜた状態をスプレッドして示し ・そのまま公明正大にゆっくり閉じて ・公明正大に広げると現象が起こっている ・そして手渡してあらため可能  そんな新しいTriumphを考えてみたらどうだい」という宿題が出て、それをダニは"Open Triumph"に結実させたわけで、あれも最初見たとき震えました。で、同じ宿題に対し、ダニの垂直方向でのディスプレイの向こうを張って(別に意識したわけじゃないとは思いますが)、水平方向ディスプレイを作り上げたのが彼のTriumph、"Pieces"でした。しばらく、私の周りでは「例のTriumph」「あのTriumph」などと呼ばれておりましたね(作品名称自体なかったか、私たちが知らなかっただけなのかはさておき)。少なくとも私は名前を知らなかったので、メールのやり取りではyour "Legendary Great" Triumph とか書いていました。


で、届くと、なんか謎のギミックだけ入ってて、「HAHAHA, クリス、遅かっただけじゃなく、DVDも入ってないとはおっちょこちょいめ。ヤレヤレだぜ(ま、また4週間待つのですか……!?)」とか思ったら、紙片がひとつ入っていて、説明とかは当該ページに飛んで見てくれ、だったという。ギミックも、"Hawk 2.0"のときと違い、「これをどう使ったらあの現象が起きるんだ」と、ハテナマークが頭の周りを飛び交っておりました("HAWK 2.0"はギミックを見た瞬間に全てを悟って愕然とした思い出)。


で、解説を見る。


やっぱ凄いですね、クリスチャン。頭がいい。もともと「借りたデックでも使えて、最後に手渡せる」という割に、「ノンギミック」とは書いていなかったので、「汎用性のあるギミックがあって、すり替えるか処理するかしたあとならばデックを渡せる(そこにはなにもアヤシイのは残らない)」ということだろうなとは思っていて、それは正解だったのですが、ギミックが見たことのない形状で、解説見て、「あーこれは私には思いつかないわ」と、しばし嘆息いたしました。単純な形状から徐々に工夫していったというのも興味深かったです。


机のうしろに立ってでも出来なくはないですが、やはり椅子に座った状態で演じるのがベターな気がします。まあそんなにかさばるギミックでもないのでいかようにでも処理は出来ると思うのですけれどね。ゆっくりと、公明正大に見せられるトリックは、そのままそのように見せるのが良いように思います。

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ちなみに、SMヒゲ社長(「なんかいやらしいな、オイ」(CV:魔梨威さん))こと滝沢さんから「例のTriumph、本人から買えるみたいですよ」との情報を頂き、クリスチャンとやり取りしながら注文したのが9月中頃、その翌週くらいに日本の手品ショップが扱い始め、しかも安い(本人から買ったら送料込みで40ドル、5,000円弱かかったのですが、ショップどこも4,000円しないの。。。)。「Genii Conventionとかで生で見て買った」、「日本のお店に注文して届いて、「あのデブさすが賢い」と思いました」とかの感想を見て、「おいおい私のはいつ届くんだよ。あと1週間待って、注文から1ヶ月になったらクリスチャンに言って、デリバリートラブルってことで返金してもらおう。そして日本で買おう!安いし」と思っていたタイミングで届きました。ぐぬぬフィンランド遠いです。ラスベガスのショップで買った本とかは3日かからず届いたのにw



「例のトライアンフ」がついに国内でも発売に 


ちなみにマイブームは、なぜかいまさらですが佐藤総 "Bush-fire Triumph ver. 1.5"ですw ひょんなことから先日まじめにやってみようと練習をはじめまして。テンポよくできますし、視覚に訴えかけるディスプレイなどなど、佐藤氏の天才性を再認識します。これ、最後戻ると不思議ですよね、やっている自分でも。 


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