教授の戯言

手品のお話とかね。

たっクロ2006

毎年恒例、冬入りかけの手品イベント。開演10分前くらいに行ったのですが、会場にはかなりの人がおり、立ち見かと焦りました。ラッキーとはあるもので、ちょっとした偶然から前から2列目、演者正面に座ることが出来ました。

総括として、完全な不思議はあんまり無かったかなと。例年思うのですが、プロとして活躍されてる方もかなり多い本イベント、このイベントのためにきちんとルーティンとか考えているのでしょうか。段取りの悪さが目立つのですが…。

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1.守屋さん(からくりどーる)
「xxxでございます!」の例の彼であります。やったのは4種。
a.インビジブルデック系。二つデックを出して→お客さんに好きなカードを一枚思ってもらい→片方のデックケースからカードを取り出しお客さんに一枚ずつ置かせる→選んだカードだけが無い→もう一つのデックからそのカードを出すというもの。後半はともかく前半が気になる。人の陰になってしまって置いていくカードが見えなかったのですがここはどうやったのか分からず。
b.サルヂエトランプとか言うマークドデックを使ったカードの入れ替わりのような。「マークドデックでございます」ってそれはいくらなんでもw
c.3つの袋を使ったお客さんへのお土産マジック。お客さんの選んだ袋から「夏の思い出シリーズでございます」といって風鈴・・・が出てくるかと思いきや風鈴の先には小さなおつまみの袋が。残りの二つの袋からはそれぞれ千円札と一万円札が先っぽについた風鈴が。お客さん残念でした、というので終わるはずが、しまい損ねて風鈴を落として割ってしまっていました。私のテーブルが彼の最初だったんですがあのあとどうしたのかしら。
d.トリビュートトゥバローネ。スイッチを利用して2回やっていました。いいマジックです。


2.二川さん
a.3FLY。以前二川さんに見せていただいた奴なのですが、相変わらずキモイっす。もうムニムニ消えてヒョイヒョイ出てくるんですよ。3in1系のギミックですが一般的に売られているものではないと伺った気がします。特注品…。
b.コインルーティーン。もう言うこと無いです。リテンションが消えてる消えてる。フロントパームが多少もれていましたが、アレは会場特性上ちょっと難しいでしょう。ジャンボコインのロードもややいつもより難しそうでしたけど。
c.ガム。パドル系とガムっぽいギミックのもの。最後にお客さんの手の上に本物のガムになって落とされる。
d.アンビシャスカード。先日見せてもらった、デックの下のほうに表向きにさしたカードが徐々に上がってくるもの。以前から二川さんは正面の人に見せるタイプの物をやっており、それはカードをアウトジョグ気味にさすのですが、最近やっているのは誰の手法だったか忘れましたけど、斜めにさすタイプで、今回もそれでした。ただ演者から見て右側の人に見えないんですよね、この方法。
e.オイルアンドウォーター。このイベント、演者の中で演目の打ち合わせって無いんだと思うんですが、このあと3人くらいやっておりました。その中でもやはり一番滑らかでしたけど。
f.スリーカードトリック。お客さんに取って貰った3枚のカードが何度数えても4枚になったり1枚になったり。最終的にはもさもさ何十枚にもなっていたり。いわゆるカードアクロスの手法なのですがいいマジック…。現象が分かりやすい。


3.ゆうきさん
a.ESPカード5枚バージョン。
b.同25枚バージョン
c.借りたデックでのカードあて。よく切って貰った借り物デックを後ろ手にまわし、触覚で当てるのを3回。ピークかなあ…。
d.簡易的なトライアンフと、二人分の当てものをミックスしたもの。後ろの事情通のおじさんが終わった後ぼやいていたんですが、一点理屈がよく分からない(何のためにやってんだかよく分からない)アクションがあったなあと。


4.野島さん
a.あおいカードをあかにする、というもの。手品というよりどちらかというと言葉遊び。本来はもう少し華麗になるらしいのですが、どうも素で失敗した模様。見る側が悪い意味でドキドキするのはちょっとなあ…。
b.ハンカチの真中からシルクが。地味で手品そのもののチョイスはいいと思うのですが演出がいけないと思う。この手品以降ストーリー仕立てにしているのですが、完全に裏目だと思います。「自分が一番と思っている、クビになったマジシャン」と「彼の代わりに雇われた若手マジシャン」の話をベースにしているのですが、若手マジシャンが見せる(という設定の)手品が総じてイマイチインパクトにかけるものだったため、ストーリーが全く活きていませんでした。
c.オイルアンドウォーター。確か野島さんはもうプロとしてやられていたと思うのですが、スライハンドと創作能力については文句無いので、今後は演出とかそういう方向を開発して欲しいなと思った次第。あのレベル差は正直勿体無い。


<休憩>


5.荒井さん
a.4枚の10と3を使い、お客さんと演者が置いていったカードのスートが全て一致する。
b.ツイスティングジエーセスのような形で始まるが、最終的にはすべてKに。不思議だった…。
c.3枚のダラーコインのマトリックス。これまたいくつか追えなかった。
d.電球キーホルダーを使ったカード当て。「多分…これ…?」とか、演出なんだか素で自信が無いんだかよく分からないですが、ともかくあたっていましたw
e.Aに変わるJOKER。メモを取っているのに、どういう現象か思い出せない。やばい…。
f.カード当てとトライアンフの複合。

6.坂井さん
ヒロサカイさんですが、久々に生で拝見したのですが、見た目が假屋崎省吾先生のような感じになっていてちょっと衝撃を受けました。

a.JOKER4枚が一枚ずつAに。最後に4枚しか残らない。かなり不思議…。
b.お客さんにストップをかけてもらった辺りから2回に分けてA4枚のオープナー。
c.ミルクビュルドを利用したKオープナー。よく出来てるなあと感心しました。
d.リセット…かと思ったら最後にはそれぞれのスートが揃っているという変形オイルアンドウォーターのような感じでした。今日のヒロさんムーブが速い…。
e.変形エレベーターカード。
f.オイルアンドウォーター。かなり滑らかですが、今日に限って言えば見飽きてしまっておりました。勿論不思議でしたよ?ちなみに二川さんがやった中の一つとほぼ同じ…というかヒロさんがGENIかなんかに発表した手順なので似るのは当然というかヒロさんのほうが起源なんですけど。二川さんはタマリッツのテイストを加えている感じですが、ヒロさんはダックチェンジなどを用いたオリジナル(当たり前ですけど)。
g.リセット。
h.縦に折った千円札と一万円札を噛ませるのですが、それがずるりと抜けてしまうもの。原理的にはゴーストビルみたいなものなんだろうか。

7.村上さん
大阪の方らしく本日初めて拝見しました。ちょっと緊張のせいか手が震えていたのですが(演出かもしれませんけど)、その辺を抜きにしてもかなり面白かったです。駄洒落で笑わせるのは邪道というご意見もありましょうが、エンターテイナーとして正しい人だと思います。

a.大き目の安全ピンとハンカチを使った貫通。確かに仰るとおりやる人少ないですけど面白いですね。まあ地味なんですがw
b.悪いお手本として脈絡の無いプロダクション、ということでキリがハンカチの陰からにょりっと。ここでかまされたギャグがもう大好きであります。どうでもいいですが、キリの穂先を客席側に向けたまま放置するのはちょっと止めた方がいいと思います。
c.ポーカーチップ(以下チップ)とペンを用いたもの。デビット・ストーンのquit smokingのような「タバコを吸おうとタバコを出す」「ライターを出す」「火をつけようとするとタバコが消えている」「タバコが出てくるが今度はライターが消えている」というようなパターンなのですがかなり笑わせていただきました。チップを握り、ペンでおまじないをかけると消えるといいますがチップは残ったままペンが消失、ペンを再度内ポケットから出して手順を再度始めますが次々と演者の予期しない現象が。ああ、そうか、これを書いててやっと気付きました。私は、演者が不思議現象に翻弄されて客と一緒に驚くという形式が大好きなのですが、まさにその通りやってたから気に入ったのか。
d.カードマジックをやろうとするが、カードを出した後の箱からペンと、更にチップが。
e.予言マジック。予言カード処理がよく出来てるなあと思いました。
f.カードケースの中からキリが。そして…

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今年は他に何かを買うでもなく単純に演技を楽しんで帰ってくる感じでした。ああ、再来週の台場でのルセロとかワイルドとか来るディナー、行きたいなあ…。