教授の戯言

手品のお話とかね。

Guy Hollingworth関係の近況

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DRD

富山です。Guy Hollingworthの『Drawing Room Deceptions』という本の粗訳1周目がようやく終わり、合わせて彼の映像資料を全見直しの行に入っておりまして、備忘がてら映像についてのメモを後日つらつらあげていこうかと。

 

ガイ・ホリングワースは英国のマジシャンで、まあなんと言いますか、いちいちジェントル感溢れる、英国紳士です。日本の一部手品界隈では通称ガイ様。かっこよすぎ。というか本当に上流階級の人らしいので仕方ありません。私のようにカネで爵位を買ったような人間とはワケが違います(当方伯爵位持ち(本当))。

大学生の頃、奇術愛好会で彼のビデオ『London Collection』を見て震えた思い出があります。中でも私に一番手品を教えてくれた先輩がガイ大好きマンで「ぼくもいつか、白黒で『Mita Collection』とか撮りたい」とか普段から言っている類の人だったので、必然私も好きになってしまいました。なおその先輩が本書の共訳者でもあります。当時、まさか二人してガイ様本を訳すことになるとは想像もしておりませんでした。人生何が起こるか分かりません。

ガイ様はめっちゃ手がでかいというか指が長いので、昔から「この人の手品は私のように手の小さい人間には基本的に無理だな」とか思っていたのですが、腰を据えてしっかり読んだり見直したりすると、そういうのはむしろ少なく(本人は、「指が長すぎて、このタイプのボトム・ディールは無理」みたいな悩みもあったようですが)、だいたいはかなり緻密に工夫された素晴らしい作品の数々でした。

トーン・アンド・レストアード・カードという、要は4片に破いたカードを1片ずつくっつけていって復元するトリックがありますが、その彼のバージョンがかなり有名です。亜種もかなり出ました。それがきちんとできるようになりたくて、2010年頃、こざわまさゆきさん主催の洋書購読会の中で、本書のエピローグ、"The Reformation"を訳の対象に選んだのを思い出します。訳自体は、いま見直してもそこまで間違いはなかったのですが、まあとにかく練習が足りていなかったので、当日の実演ではもはや手品になっておりませんでした、という苦い思い出。その場にいた齋藤修三郎さんに「そこはこういう動きですよ」と教えていただいたという有様で(なおそのとき彼が訳していたのが『Card College Light』のトリックだったはず)。

 

本自体はこの冬以降にはなりますが、鋭意製作中です。……ら、来年かな……?内容はいまでも全然古くない折り紙付きですので、ガイ様に恥じぬ、かっこいい本になるように頑張ります。本書、挿絵もアール・デコ調の素敵なものなのですが、全部本人の手による描画というところがまた。パーフェクト超人か。

Roberto Giobbi『Card College Lightest』日本語版

ロベルト・ジョビーの『ライト』3部作の締め、『カード・カレッジ・ライテスト』、ギリギリ年内で完成です。ついにシリーズ完結いたしました。やったぜ!

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 なお2019年末まで限定ですが、以下のクーポンコードを入れると(ライテスト以外も)5%割引になる不思議仕様ですので、ぜひお使いください:shop2019thanks

 訳の片割れ、富山です。一部の皆さま、よくぞここまでついてきてくださいました。いよいよ『Light』3部作、締めの1冊です。本書では前2冊等から、"自分のルーティーンや手順構成はすでに持っている"という方たちを想定したつくりになっています。つまり、本書の収録作品は、手順中のどのフェイズにでも足せる、独立性の高い珠玉の数々18作品なのでございます。それに加え、全体的に手順の効果を倍増させる、楽に出来ながらもディセプティブなフォールス・シャッフルやフォールス・カットなどをまとめた、きわめて汎用性の高いコーナーも設けられています。全シリーズ60トリックに加え、軽めの、それでいながら実践的な理論いくつかを含む本シリーズ、足掛け2年で日本語化完了です。関係各位には厚く御礼申し上げます。

 

 

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揃えてばーん

 

【追記】

誤記です。p. 83  誤:星野泰祐 正:星野泰佑 駄文であるあとがきでは正しいのにカレッジ5巻のクレジット部というより正確性が求められる箇所で間違えるという痛恨のミス。星野様、本当に申し訳ございません。この詫びは必ずや。齋藤さんが。

 

誤記です。p. 126, l. 3 誤:フォースル 正:フォールス 

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収録内容

 

Einstein’s Card Trick(リシャール・ヴォルメル)

ノーベル賞受賞者であるアルベルト・アインシュタインによる(とマジシャンが言い張る)手続きを用いることで、観客の1 人が、先ほど自分で憶えたカードを見つけ出してしまいます。

 

Through the Magic Looking Glass(ハワード・アダムス)  

観客の1 人が自由に2 つのグループを選びます。それぞれのグループは7 枚のカードからなっています。パケットはよく混ぜられ、その観客だけがカードを取り扱っているにもかかわらず、不可解な一致現象が起こります。

The Magic Card(ビル・ノード&マックス・カッツ(?))
不可能に思える状況にもかかわらず、マジシャンは誰かにあらかじめ思ってもらっていたカードを、“マジック・カード”を用いて探し出します。

Mental Flush(ラリー・ベッカー)
観客の1 人がロイヤルフラッシュを構成する5 枚のカードのうちの1 枚を心に思います。マジシャンは躊躇うことなく、彼の思っているカードを言い当てます。

Follow the Leader(ダイ・ヴァーノン(?))  
マジシャンは赤と黒のカードを10 枚ずつテーブルに置いて2 つの山を作ります。それぞれの山の前にはその山に含まれるカードの色を示す“リーダー・カード”を置きます。リーダー・カードがどのように取り替えられても、それぞれの色は常にそのリーダーを追いかけます。これは凄い!

Gemini Calling(カール・ファルヴス)  
マジシャンは自分の名刺を2 枚取り、それぞれに予言を書きます。そうしたら2 人の観客は、事前にシャッフルされたデックにこれらの名刺を差し込みますが、その場所は完全に自由な方法で決めます。これらの厳しい条件にもかかわらず、名刺のすぐ隣のカードは名刺に書かれた予言とまさしく同じものであることが分かるのです。

Cardstalt(モーリス・ザイデンシュタイン)  
観客にデックから同じバリューの4 枚のカードを抜き出してもらいます。マジシャンは抜き出されたカードが何かは知りませんが、残りのデックを1 度だけ素早くリフルし、そしてそこにない4枚のカードのバリューが何かを正確に言い当ててしまいます。

Cardstalt Plus  
シャッフルされたデックから観客の1 人がカードを1枚抜き出し、それを裏向きのまま脇に置きます。“Cardstalt” のプレゼンテーションからの流れで、マジシャンはデック全体を通して一度素早く見て、そして足りないカードが何であるかを言い当てます。

Cheers, Mr. Galasso!(ロン・ヴォール)
デックをしっかりとシャッフルして観客の1 人に手渡し、その彼女が自分の手の中でカットし、その場所のカードを取り上げます。さらに2 人の観客もカードを取ります。デックを受け取ることもなく、マジシャンはそれらのカードを1 枚ずつ当てていくのです。3 枚のカードはすべて、デックがマジシャンの手の中にはない状態で選ばれ、デックも52 枚からなるごく普通のものであることは強調しておきます。さあ、じっくり考えてみてください。

Chance by Plan  
観客の誰かがランダムにカードを選びます。♠Aだったとしましょう。すると、もう1 枚の黒のA が突然表向きになります。そして黒のA が赤のA を見つけ出すのです。最後には別の4 枚のカードが出てきて、選ばれたスートのA を含む、ロイヤルフラッシュが完成するのです。

Posi-Negative Coordination(J・W・サールス) 
誰かにデックをシャッフルしてもらいますが、それでもなお、どういうわけかカードは赤と黒に分かれてしまいます。

Man Seeks Woman(ハワード・アダムス) 
4 枚のQ と4 枚のK を一緒にして徹底的に混ぜます。そうしたら、観客の誰かにこれを使ってゲームをしてもらうのですが、それぞれ同じスートのQ とK が一緒になるという驚きの結末になります。

A Swindle of Sorts(ポール・カリー)
マジシャンはデックからハートのA から10 までを取り出して順番に並べます。それから順序を入れ替えます。しかし彼は他者の行動を心理的に操ることができるので、不思議なことに観客がカードの並びを元通りに戻してしまうのです。

Two, Six, Ten(スティーヴ・ベルシュー)
観客が自由に1 枚のカードを選び、それを予言とします。これを脇に置いておきます。そうしたら残りのデックをカットして3 つの山に分けてもらいます。予言のカードの数値に従い、3つの山それぞれでカードを移動させていきます。それぞれの山の一番上に来たカードを表向きにしますが、驚いたことに、これら3 枚のカードはすべて、予言のカードと数値が一致しているのです!

 

Numerology(リシャール・ヴォルメル)
マジシャンは手短に数秘術の深遠なる秘法、その理論と実践について説明します。そして誰かにランダムに選んでもらった3 つの数字を使って、選ばれたカードを見つけてしまうのです。

FurtherThan Ever(スチュワート・ジェームス&J・W・サールス)  
観客の誰かにカードを1 枚憶えてもらいます。マジシャンは彼女の心を読み、そのカードの名前――♠A を言い当てます。そうしたらそのアルファベット1 文字につき1 枚ずつカードを配っていきます。綴っていったまさにその最後のカードを表向きにひっくり返すと♠A が現れるのです。マジシャンはそこまでに配ったカードをひっくり返しますが、“Ace” の箇所の3 枚はすべてそのほかのA――そして“Spades” と言って配った箇所はすべてスペードのカード。皆が、さすがにこれ以上はないだろうと思ったところで、最後にはスペードのロイヤルフラッシュが現れるのです!

The Vanishing Deck(ハリー・クロフォード)
鉛筆を魔法の杖代わりに使い、マジシャンはデック全体を消してみせると言います。すると鉛筆が突然消えてしまいます。鉛筆は再び見つかりますが、デックはどこかに消えてしまうのです!

A Card Gag(アルド・コロンビニ(?))
借りたデックから、誰かに自由に1 枚カードを選んでもらい、それを戻したらデックをシャッフルしてもらいます。そうしたらマジシャンは「ほら、これでしょう」と1 枚のカードを取り出してきます。残念なことに、それは彼が選んだカードではありません。がっかりしたマジシャンは、それを破り捨ててしまうのです――そのデックが自分のものではないということを忘れて。ですが最後にはすべては優しいジョークであったことがはっきりして、万事丸く収まるのです。

  • Final Thoughts

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『In Order To Amaze』の訳はほぼ終わりました。査読も3人中2名からすでに返ってきております。ラストスパートがんばります。

 

『ネモニカ学習帳』

『ネモニカ学習帳』

 

皆さんはメモライズド・デックというのをご存知でしょうか。1枚目がXXで2枚目がXXで、と全部記憶してしまう、マジックの中でも「理屈は分かるけれどもさ……」系の、ひとつの極致にあるタイプのあれです。存在自体、理屈自体はご存知の方も多いと思います。では見たことは?興味を持ったことは?ていうか憶えたことは?こうするといきなり減りますよね。手品をする人を1としますと、その中でカード・マジックをする人で、さらにメモライズド・デックを使える人、と絞っていけば、これはもう1%もいないのではないでしょうか。まあね、難しそうだしね。華々しさもないですからね。憶えようとも思わなかった、という方も多いでしょう。こんなん憶えるの、困難ですしね。

 

「淡い。淡いぞ田中。それをさほどの苦労なく憶えるための本が、

……これじゃあああい!」(CV:上野さん)

 

『ネモニカ学習帳』!!!!!!

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(あふれ出る出オチ感)

 

頭を抱えたくなるようなクソダジャレの数々が満載された、ある年代以上の人にはなんだか懐かしさを感じるアレなデザインの本書により、例のタマリッツ・スタックを、ものの数時間で記憶することが可能になるのである!読み終わったあとには鍋敷きにもなる!(NR:井上和彦

「最後のは要らんのでは……」(CV:田中)

 

 

タマリッツ・スタックの並び、組みかた、ダジャレによる暗記法、Move a Card に使える簡易ダジャレチェック法、メモライズド・デックを効果的に使うための安全策、オマケとしてピット・ハートリングとデニス・ベアによるカルテット(ベアはプロップ、と呼称しています)のダジャレ暗記法まで網羅した、手品そのものは一切載っていないB5サイズ34ページの薄い本だ!(ちゃんとオフセット仕様です) お祭りであるマジック・マーケット2019では500円で頒布予定!Baseのショップでも扱いますが、手数料&送料もかかるので、そっちの値付けは1000円とか1200円とかにしようかなと(ぶっちゃけ作者の実際の実入りはあんまり変わりません)。マジケで170冊売ると損益分岐を超えるぞ!荷物になるから40冊くらいしか送らないけど(作者は別用のため今年のマジケは不参加)。販売担当に「えー、小銭出るじゃん。面倒。1000円にすればいいじゃん」と言われましたが、ねえ。お祭りですし。いや、自分で書いたので、「この作者、バカだけどほんと最高に話が通じるな」というくらい全ページわかりみが深い上に、交友関係にクレジッターが多いことに怯え、さほど興味もないのに3ページ分くらいクレジット情報も入れてるしで、そこそこちゃんとした内容にはなっています。「ネモニカ憶えてみようかな」という人のとっかかりとしては十二分な内容は入っているはず。(※私調べ) 

 

 

ということで、無事届いていればメチャ凄サイトー(D-7)で頒布していると思いますので、興味なくてもお買い上げいただければ幸いです。厚みがないので「『ネモニカ学習帳』を入れておかなかったら即死だったぜ……!」みたいな用途には不向きですが、鍋敷きにどうぞ。Baseではこちらで扱っております。

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■読者からのよろこびの声コーナー■

「ネモニカを憶える前の私は、何をしてもうまくいかない、典型的な“持っとらん子“でした。春先のある日、だまされたと思って、ということで暗記用リストを渡されました。仕事で100分ほど飛行機移動することがあったので、その際に、前日買って鞄に入れっぱなしだった『異世界おじさん 第2巻』を読んでから暗記に着手しました。降りる頃には憶えていたのですが、その日の夜に行ったスーパー銭湯の露天風呂で10周ほどしたところもうばっちりです。実質2時間だと思います。するとどうでしょう、驚くべきことに、ネモニカをマスターしてから物ごとが180°転換し始めたのです。ニコラス・ローレンス、桂川新平、碓氷貴光、MH、シェーン・コバルト、ピット・ハートリング、カーティス・カムなどそうそうたるマジシャンが来日(一部もともと日本)、ピットの『In Order To Amaze』日本語版の自分校正が進んでいないことなど、さしたる問題ではないようにすら思えてきたのです!あとガルパン最終章第2話も上映されたのです!これというのもネモニカを暗記できたおかげです。ありがとうネモニカ学習帳。この功績を引っさげて、今度アメリカ大統領選に打って出る所存です」(東京都在住:手品ブロガー、手品本の訳者)

 

 

齋藤修三郎『JIS X 0401「都道府県カード」』

齋藤修三郎『JIS X 0401「都道府県カード」』

【現象】演者は,日本の都道府県の書かれたカードを軽く混ぜ,4人の観客に大体均等になるように十数枚ずつ渡します.
第1段:1人目の観客からカードの束を受け取り,それらに書かれている都道府県を記憶すると言います.演者は1枚ずつカードを見ていき記憶したと言います.カードを観客に戻してよく混ぜて貰い,1枚抜き出しそれを記憶して貰います.覚えて貰ったカードを2人目の観客に渡し,自身のカードの束に加えて混ぜて貰います.演者は,2人目の観客からカードの束を受け取り,先ほど記憶した中に含まれている都道府県を見つけると言い,カードの束を見ていきます.演者は1枚のカードを抜き出しますが,それは1人目の観客の選んだカードです.
第2段:
カードの束を2人目の観客に返し,もう一度混ぜて貰い,1枚抜き出しそれを記憶して貰います.そして,選んだカードを3人目の観客に渡しカードの束に混ぜて貰います.さらに,1人目の観客からカードの束を受け取り3人目の観客に渡し,全てを一纏めにしてよく混ぜて貰います.演者はカードの束を受け取り,表を見ていき1枚のカードを抜き出します.それが,2人目の観客の選んだカードです.
第3段:
演者は,4人目の観客の持っている束に含まれている都道府県以外は全て見たので,見ていない都道府県を言えば,4人目の観客の持っている束を当てることが出来ると言います.演者は,4人目の観客が持っている束に入っている都道府県の名前を次々と言い当てていきます.

 

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とどうふけん

 

初めて本作の実演を見たのは5年ほど前の東大でだったでしょうか。それから何度か見ているのですが、どういう仕組みなのか全く分からず。抜かれる県(当てるカード)が毎回同じならなんとなく予想も付きそうなものですが、それも毎回違うしで。ピットの"Unforgettable"ではないですが、「いや、たしかに全部見て、その瞬間に憶えれば出来はするけどさ」という理屈は立つものの、果たしてそれが可能なのかというのがずっと引っかかっていたトリックです。アルスさんがやっているのが、手品なのかテクニックなのか私には判別がつかないことがあるのと同様、齋藤さんの手品はタネのある手品なのか、それとも本当に記憶や計算を駆使しているのかがまるでわからない、という、このへんの線引が難しいのが謎を一層深めておりました。齋藤さんは聞けば間違いなく教えてくださる方だとは思うのですが、私、自分がめっちゃ不思議だと思った手品は、自分が演じることにならない限りは謎のままにしておこうという奇癖があるため、あえて聞いたりもせず、「『Lightest』の齋藤さんパートはいつ上がるんですか!私もう3ヶ月前に終わってますよ!戦争が終わっちまうぞ!」みたいなことだけを言うようにしていたのです。

 

これ、裏側の話をいきなり言うのもナンですけど、まず作ると原価的に高いそうなんですよね。プラスティック製の全部違うカードだしさもありなんですが。あと、本と違って、注文ロット数量に関わらず、原価があんまり変わらない(10個作っても100個作っても1個あたり原価がほとんど低減しない)ということでしたので、齋藤さんがご自分で演じるのに作ったやつだけで、一般販売はしないんだろうなと思って半ば諦めていたのですが、今回「作りましたよ」と聞いて飛びついた次第。「卸値でお譲りしますよ?」とは仰っていただいたものの、憧れの作品だったこともあり「いや、普通に買います」で普通に買ってやりましたよ!その日の、まだ解説書も読んでいない帰り道の雑談で、齋藤さんが「ペグ(法)を使うことで各都道府県の配置を~」(※ペグ法:記憶術の手法の一つ)とか言い出したので、「(やばい、9000円払って、タネが”ガチ記憶”だったらちょっとへこむかも)」と内心怯えながら帰宅しまして。解説書を読むわけです。ネタバレですが、ガチ記憶術ではなかったです。良かった……。良かった、というか、ものすごくクレバーな原理で。私でもできそうなよくできた仕組み。

 

第1段の「記憶術初級編」では大体10分の1くらいの当てもので、第2段の「記憶術中級編」では35分の1くらいに、第3段の「記憶術上級編」では残りの県をすべて当てていくのですが、途中途中に挟まれるギャグで雰囲気は和やかに笑いも取りつつ、天地で判別しているのでは→上下バラバラに混ぜちゃってください 裏から見て分かるのでは→カードの裏が(当然表も)見えないようにしますね のように、手品っ子が思いつく解法を丁寧に潰していくところが本当にいやらしい。「エローい!エローい!」 あとこれもサイトートリックの他2つと同様ですが、想像していたよりも演者の負担が遥かに軽い、というのが素晴らしい。うん、私、齋藤さんの台詞、「頭の中で、さっき憶えた県は赤で、いま見た県は青で塗りつぶしていってまして」って、正直半分くらい本当にそうやってるんじゃないかと信じてましたからねw 齋藤さんならできそう、みたいな。

 

本品もマジックマーケット2019の「D-7:メチャ凄サイトー」で頒布されると伺っております。1セット9千円。値段だけ見れば決して安くはありません。ただ過去に実際に演技を何度も見て、笑いつつも解法の手がかりすらつかめなかった作品なので、私は脊髄反射で買うレベルでした。ちゃんと”使える”ネタです。クロースアップでもできなくはないですが(ネタバレがあるわけではなく、単純に狭っ苦しい、というだけ)、サロンレベル以上で、10分くらいかけてこそ映えるトリックだと思います。傑作。

 

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わりと大きめ

 

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取り置きOKだそうです。

 

齋藤修三郎『Triceratops』

<【Warning!】本項は多分に提灯記事要素を含みます。>

 

齋藤修三郎『Triceratops
【現象】演者は観客に数十の単語が書かれたリストを示し、その中から単語を1つ、心のなかで選んでもらいます。そして、ひらがなが複数書かれたカードを渡し、決めた単語を作ってもらいます。演者はそれを見て、観客の決めた単語を当ててしまいます。

 

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国際特許(?)取得済みの例のアレ

さあ、やって参りました、齋藤修三郎の真骨頂、キモい当てものです。「うおおおお!」「サイトー!」「キモーイ!キモーイ!」

齋藤さんって、その能力を手品に使ってくれてるからいいですけど、よくよく考えるとだいたいのサイトーテジナは、使い方変えたら絶対、悪い占い師とか霊感商法とかですぐ使えそうなものばっかりじゃないですかね。マジ危険。トライセラトップス!ダブルバイセップス!サイドチェスト!

 

まず簡易セット。簡易セットでも80以上の言葉から、どれが選ばれたのかを当てることができます。正直これで充分不思議です(解説書にも、ショーでもない限り、普段はこの簡易セットを演じている旨が書いてあります)。数的に、トランプ1枚当てる1.6倍くらい不思議ですしね。拡張パックに至ってはその3倍、250ワードくらいの中からその1つを当てます。もう意味が分かりませんね。5デック分(しかも全部異なったもの)の中から1枚探すみたいな感じですが、もうなにもそんなの当てなくてもいいじゃないですか。素直に聞こうよ、不思議とかどうでもいいから。ラポールがあればそのくらいは聞いても教えてくれるって。

 

あと現象解説に、「決めた単語をひらがなカードで作ってもらって当てる」ってありますね。第1段は全部のひらがなカードを表向きにしてもらった状態ですから、まあ百歩譲って、頑張ればできるかもしれない気もしますが、第2段はいったんぜんぶ裏向きで、それを1枚ずつ表向きにしてもらっていきながら、最後のカードが表向きにされた直後にもう当てられるんですよ。で、第3段ともなると250ワードくらいから当てるんですよ。もうこんなの不思議の過剰防衛じゃないですか。

 

色々書きたいのですが、これは現象がまずキモい(ほぼ心に思ったものを読み取られている感があります)のもそうなんですが、仕組みが本当に見事なのです。さすが正月早々、超高級イタリアンことサイゼリヤで泣きそうになりながら作った(作者談)だけのことはあります。マジックマーケットでは多分スペース的に実演を見ることは難しかろうとは思うのですが、可能であればリクエストされると良いと思います(齋藤さんを追い込んでいくスタイル)。簡易版でもキモいです。

 

日本人向けに、それなりの時間をもたせつつ、不思議要素で襲いかかりたい方、ぜひ買うのです。買わないとやられる側になってしまうのです。それはとっても恐ろしいことだなって。マジックマーケット2019ではD-7 メチャ凄サイトー にて4000円!「安ゥい!」「安いわね!」 マジケでうっかり迷って買わずに、後日やっぱり欲しくなってショップで買うと、それはもう致し方ないことに消費税というものが8%乗ってきます。10月以降はそれが10%!400円!デックが買えちゃうレベル!これはもう当日会場で買うしかない!(取り置き予約もできるそうですが、詳細を知りませんので、分かったら追記しようかと思います)

ていうかマジでキモい現象ですが、実演にこぎつけるまではそんなに難しくないので(超上流カフェことドトールで、齋藤さんに習った私はその場でちゃんとそこそこできるようになっていました。そこそこは)、”座って見せるのがメイン”、”めっちゃ不思議な作品をお求めの方”、そう、そこのあなた!あなたは買うしかない。というか私なら買います。これは本当に。原理を知ってしびれました。

 

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取り置きOKだそうです。

 

齋藤修三郎『The trick that cannot be named』

<【Warning!】本項は多分に提灯記事要素を含んでいます。>

 

齋藤修三郎『The trick that cannot be named』

【現象】「これからマジックをお見せしますが、皆さんはそのタイトルを当ててください」と言って始めます。演者はひらがなの書かれたカードをシャッフルしたあと、それを4人の観客に数枚ずつ渡し、できるだけ長い単語を作ってもらいます。それらの単語すべてが予言されています。そして観客にマジックのタイトルを答えてもらいますが、当たりません。観客の予想だにしなかった結末が待っています。

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第1段(これ)では、ひらがなカードから観客によって作られる単語を当てつつ、作品タイトルを観客に当ててもらう(当たらない)もので、同じカードを使った第2段『辻占』では選ばれたトランプも当てちゃう、という構成。不思議であるという要素の他に、観客とのやり取りがあること、ビジュアル的に現象が理解しやすいこと、ある程度の時間をもたせることができる、というのが本作の特長です。別にご紹介する"Triceratops"がどちらかというと「不思議」にステータスが振られているとすると、こちらは「楽しさ」「笑い」寄りにステータスが振られているという印象。どちらも、昨今流行りのCGみたいなクイック&ビジュアル、というものではありませんが、観客とのやり取りと笑いがあるのが個人的には一番の推しポイントです。私は手品を演じるときは観客と(に)よく喋るスタイルなのですが、そういったコミュニケーションの材料として本当によくできているのですよ。

 

齋藤修三郎さんのセールスアイテムに共通するのは、「演じる難度的には実はそこまで高くないのに、どう見ても不思議」という土台に、「つい笑ってしまう要素」が乗っかっている、というポイントだと思っているのですが、これも例に漏れず、大変実演に向いた作品だなと思った次第です。「ストイックなまでに緻密なコイン技法でレイマンをあっと言わせる手品」も否定はしませんが、私はどちらかというと面白さが前面に立っている、それでいて「なんで当たったんだろう、なんでこうなったんだろう」という不思議がうっすら香る手品、というのが好きで、本作はまさにそのイメージ。


私ももちろん、観客の方には「不思議だったなー」と思ってはいただきたいのですが、それよりも「楽しかった、めっちゃ笑った」という感想を持ってもらいたいので、そういうスタンスの方にはジャストフィットの作品だと思います。

 

また、本作はひらがなカード以外にも予言用の絵の数々があり、観客へ示すときもそういったものがあるおかげで、「トランプをいっぱい使っていた」「グネグネやってなんかカードが当たった」といった印象から逃れやすい、「ナードっぽい手品」ではなく、「エンターテイナーとしてのマジシャン/エンターテインメントとしてのショーを見た」のように思ってもらえるはず(※個人の感想です)。

 

唯一、無理に欠点というか「ここはなあ」、というのを挙げるとすると、ひらがなと日本語の単語を使うものなので、「日本語が分からない人には演じられない」というところでしょうか("Triceratops"も同様ですが)。私は「英語で演じるときはどう言うかなー」ということを考えながら手品の練習をすることが多いのですが(実際に英語で演じる機会はそうそうないのですけど)、本作はちょっとその方針からは外れざるを得ません。ただ、上述の通り敢えて欠点を挙げるとすれば、なので、日本国内で、ちょっとしたパーティーなどで演じるということからいえば、何も問題ありません。中学生からお年寄りまで対応可能でしょう。解説書も、齋藤さんの実演の経験・反応からフィードバック済みの演出や台詞まできちんと記述されているので、その通り演じるだけでも充分な反応を得られます(私も実演のみを見たことがあり、かなり笑わせていただきました)。サロン規模でのレパートリーを探している方(クロースアップでももちろんOK)、ある程度の時間を、笑いも織り交ぜつつマジックを披露したい、という方たち向きのトリックです。マジックマーケット2019ではD-7 メチャ凄サイトー にて、3000円ポッキリのお値打ち価格!「安ゥい!」「安いわね!」 これを見逃してあとから買うと税金が乗るよ!10月以降は10%になっちゃうよ!それはもう、マジケに行ったらその場で買うしかないじゃないですか!(取り置き予約もできるそうですが、詳細を知りませんので、分かったら追記しようかと思います)

 

実際に拝見した演技や、自分で練習してみた結果からいうと、クロースアップからサロンのスタイルで10~15分程度はもたせることができます。これは私のように、「サロンマジック頼まれたけど、演じるトリックどうしよう」と毎回迷う人間には福音になります。あと、最後になりますが、不思議偏重ではないトリックだからということもあるのですけど、基本的には失敗のしようがないように構成されているのが演じる側としてはポイント高いです。毎回、観客へ示す前にちゃんと並んでいるかなども堂々と確認できますし、しかも別にそれは不思議さを減じはしない、というのがいいですね。

 

日本人向けに、それなりの時間をもたせつつ、不思議と笑いをお届けしたい方、マストバイ!「なのだぜ?」(CV:牧瀬紅莉栖)

 

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取り置きOKだそうです。

 

カーティス・カム来日ツアー

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6月末から7月にかけて、カーティス・カム (Curtis Kam) 氏が来日レクチャーとのこと。以前主催者の方から今度お招きしますよ云々を伺っていた際、「えー、でもカーティスというとコインすごいおじさんでしょう?私コインとかそんなに詳しくもないのでよくわかんないですね」と言ったところ、「むしろコイン以外も全体的に強い」「マジで!」「分かったら来るのだ……」「ははっ」みたいな感じになっておりました。

私はコインで有名というイメージしかなかったのですが、実際には以下のような経歴で、コインはもちろん、クロースアップ以外にもめっぽう強いとのことで、これはもう凄いですね。コインマニアでない私にもいろいろと得るものがありそうで楽しみです。

ホノルルの4つ星ホテル「ハレ・コア・ホテル」のショー「Magician Paradise」の主役を13年務めたほか、有名レストランチェーンなどでスライハンドを駆使したクロースアップマジックをおこない、40年以上にわたり、ハワイの企業や個人を楽しませてきました。また、バレエハワイ、ハワイオペラシアターなどのためのイリュージョンもデザインしています。さらに長年にわたり、ハリウッドのマジックキャッスルやロンドンのマジックサークルなど世界各地でオリジナルのマジックのレクチャーをしています。

 

日本語レクチャーノートの翻訳および会場通訳は安心の二川滋夫さんです。

私「レクチャーノートは2~3冊出るのですか?」 二「いえ、1冊だけですね」 私「なーんだ、1冊ですか」 二「でも、50ページくらいあるんですよ……」 私「……多いですね……」 みたいな感じでした。「厚い!絶対に厚い!」(黄金バットナレーション風) ていうかほぼ2冊分じゃないですか。

 

日本ツアー2019日程:

6/30 東京(これ)

7/4 浜松(カーティス・カム氏浜松レクチャー: 日曜手品日記
7/5 名古屋
7/6 大阪
7/7 横浜(カーティス・カム 横浜(関内)レクチャー マジックハウス

7/7 横浜ワークショップ(カーティス・カム ワークショップ マジックハウス) 

 

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ハワイのKing of coin、カーティス・カム 来日!!

LosAngelesのMagic Castle、LondonのMagic Circleなど世界の第一線で演技すると同時に、世界中の有名コンベンションでマジック愛好家のために、その技術と理論を惜しげもなく披露してきた彼が、日本のマジック愛好家のためにレクチャーをおこないます。この機会にふるってご参加ください。


東京は基本30名限定となりますので、参加を希望される方は以下の連絡先にメールいただければ幸いです。
※人数を超えた場合には、会場の関係でお断りすることもございますので、なにとぞご了承ください。

 

■日時
2019年6月30日(日曜日)
18:00~20:00

■場所
新橋(TKP新橋汐留ビジネスセンター)B201

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カーティス・カムレクチャー地図

■内容
Magic castle でのアクトを15分 演技。
その他、彼の代名詞となっているDVD "Palms of Steel vol.1~5"の中からコインマジックを演技,解説。さらに、フルタイム プロとして活動していた中で、効果的でかつ簡単に演じられるカードマジックなど、時間が許す限り解説してもらいます。

■会費
5000円

■連絡先
inspiron2000@nifty.com

 

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