教授の戯言

手品のお話とかね。

ルセロみた!

▼大学時代の知人と共に銀座・Bar十二時のアルマンド・ルセロショーに行ってまいりました。その筋の人には有名な方ですが、マイケル・アマーとかダローみたいな感じのメジャーマジシャンとはまた違う感じの方で。

初めに言っておきますと、私は彼の演技にそもそも僻目があります。2004年下半期にTVでやっていた「信ジラレナイ 衝撃連発禁断のタブー99」で初めて彼の演技を見て、そのカラーチェンジの美しさに感激して以来、いつかは生で見たいと思っていたという経緯があるためです。あの番組はあそこだけ抜いてPC用に動画にしてまして、今でもたまに見ます。そのくらい好きです。

▼昨晩のステージは総括すると、やっぱスライハンド最高、でした。ただやはり彼の演技は、一般客へのアピールに足るタイプではないなと再確認。いや、面白いんですけど、番組の1シーンという形で10分見せるのはともかく、演目数量で押し切れるほど現象が多彩ではないのがその理由。彼よりテクニックが劣っても、鮮烈な印象を残したり観客を大いに沸かせたりするマジシャンはたくさんいそうな気がします。要するに、"マニアが見て驚嘆する演技とテクニック"という側面が強いプレイヤーだと思う、ということでw

実質40分程度、カードが20分にコインが10分、ほか10分、といった感じだった気がします。個人的にはやはりコインがびっくりするほど良かった。フェイクトスとかそういうのとはまた違った趣で解決される不思議現象の数々でした。正直まるで追えてません。なにあれ、キモ!(CV:クマ吉)
カードについては非常に感激はしたのですが、以前映像で見たものが多かったです。客観に徹すると、同一現象の繰り返しが多いこと、3枚コントロール+1枚カルの多用、DPからのテーブルトップチェンジでほとんど全てを解決しています。彼の中で最も磨き上げられた絶対の技法なんだなあとわくわくする反面、ちょっとそれを使いすぎなのではないかという感じもいたしました。私はそれが見たくて行ってるんですけども。

多用の良し悪しはともかく、彼のテーブルトップチェンジとメキシカンターンオーバー、コインはもう素晴らしいの一言でした。あとまあフォールスシャッフルは、こっちがびっくりするほど大胆なことをしていました。世の中あれでいいのですか?w あと位置的にはちょっとカルは厳しかったかも。全般的に特定の技法以外は、意外にも精密さを追求していないのかなと思ったり。

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1.オープニング
赤い画用紙を折りたたみ、ちぎると中から白いボールが。そのあとアクリルボールが出てきてコンタクトジャグリング→消失 といった流れ。んー、キレイ。


2.カードマジック(順番は適当)
・両手それぞれ人差し指と親指で持った黒のAが、くるくる回転させているうちに別のカードになり、更にまた変化、最終的にAに戻る。

・グレッグのフェニックスエーセスでしたっけ、あの空中から1枚ずつ取り出してくるやつ。これはキモかった。

・4枚で行うアンビシャスカードが勢いに任せて繰り返されるw

・4Aアセンブリ(Kだったけど)。最後にほかの全てのカードがスートごとに揃う。

・赤青デックを使う。予言として青カードを1枚出しておき、観客にスプレッドした赤カードから、予言と同じカードを選ぶように言う。本当に観客が予言と同じカードを引く

・赤青それぞれ別のデックから二人の観客がカードを選ぶが、それぞれのカードだけ、デックの中で違う色

・予め箱にサイン入りのカードを入れておくがいつの間にか消失。別の色のデックの中の唯一違う色のカードがサイン入りカード

なんか他にもやってたような気もしますが。酔ってるので思い出せない。


3.6本リング
大き目のステージ用リングの演技。リングもやるんだ、という意外さが先にたちました。アレほどタネ分かってても不思議なものも無いですね。大きなリングは舞台に映える、というのと、左手に持ったリングに貫通させようとして、勢い余って右手にかけていたリングに貫通するのが意外性があって良かった。


4.コインアセンブリ
コインアセンブリですね。これほど不思議なコインアセンブリを見たことがありません。全然分かりません。リバティ銀貨を使っていたこと以外!角度的な問題かもしれませんが、私のいたところからは、はっきり言って尋常じゃない事態しか見えませんでした。だって絶対カードの下に入れたもん。出してなかったもん。でも戻ってたんだって!なにそのかわいそうな人を見る目は!なんつーか、そう、あのポルナレフのAAですよ。


5.サンドイッチカードみたいなアレ
2枚のジョーカーが、観客が思っただけのカードをつかまえてくる。

あそこまでカジュアルなメキシカンターンノーバーに絶句。ああ、映像では何度も見ていたけれど、生で見ると破綻点が見当たらない。たまりませんな。さすがは海原先生、まさに至高の一品。



▼余談:
・会場にいたヒゲの紳士がHIGEさんじゃないかな、かな? とずっと気になっていました。2年以上前に一度、マジックスイッチで拝見して以来ですので、ご尊顔の記憶が、"確かかけていたはずの眼鏡"と、お名前通りの"ヒゲ"部分しか…。生HIGEさんですよ!なんか得した気分。

・更に言うと、コードギアスR2のシャーリーの方がずっと気になって(以下略)。

・ショーの冒頭に「見破ろうとしないで幻想的な雰囲気を感じたほうが楽しめる」とか、MC兼通訳のおねーさんが仰るのですが、そういう口上は不要だと思いました。むしろルセロの演技は見破ろうと目を凝らすのにまるで分からない、キモ!ってのがいいと思うんですけど、私だけ?

・ルセロはあんまり大柄じゃないなとは思ってたんですが、むしろ小柄な方でした。グレッグと並んだらかなりの差が出そう。でも手は結構でかいんですよね。イイナー。