教授の戯言

手品のお話とかね。

ビジュアルモンテ

予告通り湯地康裕さん作のビジュアルモンテ。3枚の内の1枚が当たりのカードで、その行方を観客に追わせるのですが、観客の指定するカードは毎回外れ、最終的には観客の目の前で当たりと思っていたカードは外れになり、脇によけておいた外れと思っていたカードが当たりになるというもの。


のっけから楽しみを奪うようでナンですが、現象およびギミックの基本概念は以前に書いたエスコリアルモンテと同じです。コレクターで無ければ両方揃える必要は無いなというのが正直なところ。勿論差が無いわけではありません。私がエスコリアルモンテで感じた音の点に関しては、断然こちらは静粛性に優れています。一方、表から裏から矯めつ眇めつした時、エスコリアルはどこにも違和感が無かったのに対し、こちらはよー−−ーーく見ると「お、これはいわゆる"しーくれっとぷれいす"(「頑丈人間スパルタカス」より)」という部分が見えてしまうという点があげられます。またギミックのデリケート具合から、取り扱いについてはビジュアルモンテの方が多少気を遣うイメージでしょうか。修復作業がちょっと面倒かもしれません。破損してないので実際のところはよく分かりませんが。


ビジュアルモンテは先述の通り静粛性に優れているため、穏やかな演技スタイルの人に適しているのではないでしょうか。別にエスコリアルも放り投げたりとかせずにやさしく扱えば同様のことは出来ると思いますが、ぱっとディスプレイする時のフェアっぷりはこっちの方が…。

…。

いや、えと、スンマセン。どっちでも同じことは出来ます。つーか同じだ同じ!手に入りやすいか値段的にどっちがいいかとかでいいですよ。ちょっとエスコリアルのときは初体験で感激が大きかったけれど、同様の機構なんで感激度合いとしては相対的に下がってしまっているだけです。まあしいて言うなら卓上にぴたっとディスプレイしたかったらビジュアルモンテ選んどけばいいです(フレンチの動画参照)エスコリアルのデモと比べても分かるように、現象自体は本当に大差ないので。…ははっ、言ってやった、言ってやったぞ実も蓋も無いことを!この私の最も好きなことは、"二つには決定的な差がある"と思っている奴にNO!と言ってやることだッ!


で。


ちなみに、お断りしておきますと私は「検めが出来ない点」イコール「マイナス要素」とは思っていません。よく手品関係の方とお話していると「あらため出来ないしなー」というコメントを聞くのですが、道具について全部が全部"何の仕掛けも無い"ことを微に入り細に入りチェックさせる必要も無いですし、またそんなことを要求する人もいないと思うので、特に問題でないのではないかと。その辺が気になって仕方ない時はスライハンドだけで演じるか、もしくは演出やスイッチを工夫すればいいだけですしね。…いやまあ「手渡しも出来て」「どっからどう見ても普通」で「メンテナンスフリー」で「不思議極まりない」グッズがあったらそれは欲しいw 




どうでもいい事:
私は基本的に演者の名前には敬称を付けないのですが、日本の方だけは呼び捨てにするのが憚られます。普段他人を"さん"付けで呼ぶため、呼び捨てにどうにも違和感があるというだけなのですが。表記揺れに関して気にしているのは多分私だけなのですが、その辺は流しておいて頂けると幸いです。