教授の戯言

手品のお話とかね。

ガイ本

"別に感想書かなくてもいいかなあ"という感じだったのですが、(珍しく)リクエストもありましたので備忘までに。内容自体は言わずもがなですが、彼の原著を読んだり映像を見て多少は理解できている人にとっては、ぶっちゃけあまり必要で無いかな、というのが素直な感想です。いや、本当に内容は同じなので。のっけから絶賛ないしは酷評などのわかりやすいコメントが出来ずに申し訳ないのですが。

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☆Guy Hollingworth 「Notes on Card Tricks & Other Diversions」


「The London Collection」より:
・Waving the Aces
GWRアライメントを使用したツイスティングエーセス。
・Waving the Aces 2
↑をクロースアップで行う為のハンドリング。ちなみに私はこれしかやらないです。ガイフリークの先輩に教わったのがこれだったというのと、無印のスタンドアップでやる方は怖くて出来ない&上下両方を押さえない状態の無印バージョンは上手くできないため。
・Further uses of the GWR
GWRアライメント・ムーブの、その他のプロットへの応用(ex.3カードモンテ)。原著にはオイルアンドウォーターへのアプローチもあったような気がします。


「ROUTINES」より:
・The Universal Card Scam(ビデオ未収録)
>UCSという原理を使った"復活するカード"を解説。
> 2人の観客にステージ上に上がってもらい、一人に未開封のデックを渡します。
>残った観客には別のデックからカードを1枚選んで、サインしてもらいます。
>そのカードを封筒に入れ、燃やしてしまいますが・・・未開封のデックから出てきます。
>パーラー、ステージ向きの現象。
サインカードの扱いが非常に面白い。"言われてみればその通り"の実にクレバーな手法なのですが、タイミングというか度胸が重要そうなアイディア。
・The card at any number
UCSのさらに進んだ利用法(ザ・カード・アット・エニ・ナンバー)を解説。
・Stationery card magic
"動かない"というのと"文房具"を使うのをかけて"Stationary"なマジック。そのギミックと利用についての解説。
・A Stationery Assembly
上記ギミックを使ったエースアセンブリ
・Reset Gambling Demo
エースオープナーや、アセンブリ、フォールス・ディールを見せるなどして、ギャンブリング・デモンストレーションを演じる。演技中、カードはしっかり混ざっているのが見えるが、最後には各スート順番通り揃う。ビデオで見たときは、オチが凄すぎて驚いた。"デックスイッチか"、と安易な解法を想像していたのだが、実際は全く違う手法であり、解説を見て凄さにちょっと引いた。

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冒頭にも書きましたが、「The London Collection」「ROUTINES」「Drawing Room Deceptions」をまがりなりにも視聴した身としては、"日本語である"という以外のポイントはあまり無いかなというのが正直な所です。特に「DRD」では(英語ですけど)きちんと文章で書かれているものも多く、挿絵もかなり詳細に描かれているのに対し、こちらは絵の使用権まではとれなかったのか、はたまた元からそういう気は無かったのか、かなり粗い手描きの絵での掲載で、私としてはそこがかなり微妙と思ったポイントです。状況を表しているという点では別に問題無いのですが。たとえるならHUNTER×HUNTERの下書きっぽい感じというかw



「Drawing Room Deceptions」も絶版に近いとのことでやや心苦しいのですが、価格と情報量を秤にかければ、断然ハードカバーの「DRD」ほうがお買い得です。この冊子が本当にフレンチの50冊で一般流通はオシマイなのか、はたまたどこかで増刷されるのかは謎ですが、国内でこれを見つけるのが難しくなっているのは事実みたいですね・・・。



とはいえ。とはいえですが、私も思いましたし、昨日二川さんと話した時にもやはり同じ事を言われたのですが、マジックランドの発刊なので、あそこに行けばまだあるんじゃないですかね・・・?・・・んー。10年程度前のイベントの本だし、さすがにきびしいかな・・・?でもそこで発見できそうなのがランドの底知れなさw それは冗談としても。



英語に極端な苦手意識さえ無ければ、同じ探すにしても「DRD」を探す事をお勧めします。海外のショップなどを見れば入手難度もこれよりかは低いでしょうし、情報量は圧倒的に原著に軍配が上がると思います。"「DRD」は持っているがこれは買い損ねた"という人は、あまりがっかりしなくて良いです。多分。そもそも「DRD」買ってる時点で一線を越えたガイマニアな気がしますし、そういう人はモチベーションも高そうだし"英語が読めない"などとは言わない気もしますが。"世の中マニアばっかりだと思うなよ。ビデオも本も両方持ってないちゅーねん"という人は・・・内容知りたいなーとお思いになられたのでしたら、入手可能なビデオでのお勉強で全く問題無いと思います、いや本当に。帰宅後に"こっちの冊子ならではのいい点"がないか、ちょいと見てみたのですが、やはり"日本語だからなんとなくとっつきやすい"以外の点は原著でいいと思いました。




あと、これは私の読解力のせいでもありますが、"Waving the Aces 2"をこの訳本の文章をまんま追ってやってみようと思ったら、一箇所想像で補うしかない感じの部分があり(カードの並び順が書いてあるのだが、その並びにするのにもうワンステップ必要な気がする)、結局断念、以前大学の先輩に教わった手順を夜中の二時過ぎに探したりしていました。・・・原著ヨイショしてるんだから原著を読めばいいのですが、例の本は実家なのです。しくしく。



繰り返しになりますが、内容的に既存の発行物・メディアの抜粋という位置づけである以上、日本語であるという以外、内容に差は無いです。無理やり挙げるとしたら、原著で"GWRアラインメント"という言葉を見た覚えが無いくらいですか。これは単純に見落としの可能性大ですがw

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「俺が・・・ガイ本はレビューするから・・・だから・・・誰か俺に"怪人DVD"の詳細レビューをしてくれ・・・」(TVA 「武装錬金」 第23話より)

ついでに言うと、「"怪人DVD"?まあ面白いけど、別に死ぬ気で探す必要は全くないかな。むしろてめえはラーゼフォンのDVDBOXでも買ってろよ」という感じの、安心できる内容でのレビューを希望したい。


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2007/0422追記:
Waving Aces〓、ようやく読み方が分かりましたw パケットがトップからABCとなっているとすると、右手パケットのトップ二枚(AB)をブロックにして押し出すのが原案で、同じくパケットに左手の中指を下から当ててCを右に押し出し、それを上に載せるのが私のやっている方法。最終的にCABになるのは変わらないのですが、後者の先輩工夫案の方がカードがずれにくいので、私にとっては信頼性が高く、愛用している次第です。ああ、なんかスッキリした。