教授の戯言

手品のお話とかね。

傷の男

手品がお上品な娯楽だと思ったら大間違いです。「手品は筋力だよ!」という先人の格言もあります!怪我もするんです!…主にあほな人が!


・トップショットの練習で小指捻挫
・ボトムディールの練習中に薬指が攣る
・マッスルパスの練習で手に痣
・ウォンドの練習で腕に虐待されたような鬱血
・縄抜けの練習で手首と首に擦過傷
・カードフロムマウスの練習で口の端を切る
・カードスピンを口でキャッチするという、今思い出しても"なんでそれをやろうと思い立ったのかが全くもって不明"という一発芸の練習で眼球にバイシクルがぷっすり(思い出してもあれは怖かった)


で、なにが言いたかったかというと、手品の練習で久々に怪我をした話。


「パストミッドナイトでアールのグレイシャッフルを見てああやっぱテーブル無しのスタンダップ状態でできるリフルシャッフル系のフォールスシャッフルマスターしないとだめだよな、あ、そういやハインスタインシャッフルってあったじゃんか、カールのヤロウ、グローブみたいに手デカかったけど、おいだって練習次第で何ぞなるんじゃなかとか、いんやなりそうな気がする、ちょと覚悟はしておけ、さだまさしかよ、いやいま現実逃避をするにはこの練習しかない!よしあらゆる映像鑑賞中に練習しまくってみよう、えーと確かヘタったカードの方がやりやすいって聞いてたし、よしぼろいカードを探さんと、えーとごそごそよしあった!べらべらべらべらもぞもぞばしゃーんうわっ!何でカードが飛び散るんだ!」(タイトル)



昨今、技法を一からマスターする向上心に乏しいなと反省したので、スタンドアップフォールスリフルの王道(?)"ハインスタインシャッフル"をマスターすることに決めました。いや、決めただけでマスターできるかどうかは別です。で、ここ二日間、会社より帰宅してから起きている間、飽きっぽい私にしては珍しく結構な頻度で練習していたのです。で、先ほどなんか痛いと思ったら右手の人差し指の第一関節部分が擦れて血が出ていました。リフルシャッフルの最初、デックを二つに分ける時、トップに結構な力で関節部を押し付けていたらしく、久々に間抜けな傷を負いましたという。



以前「ROUTINES」で見たホリングワースのフォールスリフルは、一度きちんと噛ませた後でごそっと抜くタイプで、それはそれで良かったんですが、"抜く動作"をやりたくないのです。あの動作については、今まで見た誰の演技でもちょっとした違和感があります。
じゃあグレイシャッフルやハインスタインシャッフルが完全かというと実際はそうでもなく、冷静に聞けば、正規のリフルシャッフルと比べて少し音が違うというのは感じます。ですが、これの"視覚と聴覚に訴えかける混ぜてるぶり"は凄いと思うのですよ。つーかリフルシャッフルの音の違いが分かる様な人は色んな意味でそもそも間違ってますけどw 

二川さんが「以前にアルスさんって方に見せて頂いたんですけど、いやあ、あれは真正面から見ても分かりませんでしたねえ」と仰っていたのですが、私も見てみたいというかコツを習ってみたいです…。どうも私はカードがうまくまとめられないんですよね、飛び散りがちといいますか。でもまあ、そのうちできるようになる…と信じたい。これ、手がでかい方が包み込む感じで出来るのでやり易そうなのは間違いないのですが、そこを何とかするのが暇人ってもんですよ!暇じゃないけど!


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最近見始めた「高木重朗マジック全集」が面白いです。撮影当時(多分20年位前)ですでに「いやあ、これ新しくないんですよ、古い奇術なんですけどね」という台詞が頻発するんですが、それでいながら私はかなりの頻度で引っかかっています。いや、結構まじめに見ていますよ、マスターしたいと思うようなものもかなり多いです。いや不思議だ。奇術に関する高木先生の選球眼の良さにあらためて敬意を表したいです。