教授の戯言

手品のお話とかね。

ヨーキムDVD

▼先日二川さんにお会いした時にたまたま「今度こんなの作ったんですよ」ということで紹介され、ついノリで買ってしまいました、Joachim Solberg「MY FAVORITE MOVES AND CONTROLS」のDVD。しょ、しょうがないじゃないですか、ヨーキム好きなんだもの。なお内容はタイトル通り、ヨーキムのカードコントロール技法集です。技法解説であり手品そのものは殆ど解説されていません。通訳は二川さん。微妙な間がたまりませんw そのうちマジックハウスでも商品が掲載され…るはずです(後日追記:掲載されました)。こういう技法集だけというのも見ていて面白いですね。カードセッションの4巻でしたか、あれも技法オンリーらしいので機会があれば見てみたいものです。



※ホントは"ソルバーグの"って書くのが名称の通例として正しいと思うのですが、彼についてはヨーキム呼ばわりするのが慣れてしまっているのでご勘弁のほどを。

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・J.S. Top Change
デック上で行うメキシカンターンノーバーに近い…といえなくもない、表現が難しい印象です。手元のアップ単体なので、さすがに何度も繰り返されると「なるほどね」という感じですが、これを普通の手順の中に織り込まれたら多分お手上げです。動きとしては右手の一枚の左エッジを左手のデックトップに軽くすり合わせるだけに見えるのですが、最初の数回は何が起こったのか理解できないくらい綺麗でした。しかも動きが小さく、擦れる音もありません。



それよりも久々に見た動くヨーキムさん、腹回りがちょっと太ったなというのと、このマットは二川さんのじゃないのかという、変なところが気になりました。

「人間とは、本筋以外の部分が気になる生き物なんです!」by糸色望



・J.S. Double Lift
めくった後が特殊なDL。通常のDLのように"フェイス状態から裏返して、一旦デック上に揃えてから卓上に置く"のではなく、見た目として、表にしたカードを裏返しつつ卓上に抛る感じ。アクションが一つ省略されている感じと申しましょうか。これがまた難しい…。



余談:これを見ながら自転車MASTER EDITIONデックを片手に練習していて、たまたま最初にDLしたのがJOKER、卓上に抛ったカードをFUしてみるとそれもJOKERという、全くもって手品になっていないというハプニングが起こり、一瞬何がおきたのか分からず一人で混乱状態に陥っていました。直後に気づいたのですが、MEのJORKERは2枚ともデュプリケートデザインなので全く変化がないのです。意図せぬマジカルエフェクトw



・Top Control/Bottom Control
アンビシャスカードの時によくやる方法を利用。何点か、より"中に入れた"感が強くなる錯覚を利用していますが、基本原理は一緒。ただ、これでボトムにコントロールするということは、恥ずかしながら考えたことが無かったです。なるほど、解説されればその通りなんですが。
見ていて「はいはい、それでトップに来てるわけですよね」と思ってしまうほど見慣れた動きだったのですが、そのままボトムに来ていてちょっとびっくり。



・Gambler's Card Control
これは学生時代、サークルの先輩(故人)に習ったものと同じでした。横向きに置いたデックの真ん中にセレクテッドカードを差し入れておき、それを両手のひらでデックと揃えてしまった後にカットをすることで、トップでもボトムでも操作することが可能なもの。石田天海が使っていたとかその先輩に聞いたような。エレベーターカードにも活用可能でしたね。これとフォールスシャッフルを混ぜても良いと思います(実際には、余計なアクションを混ぜない方が良いこともままあるのですが…)。



・J.S. Over Hand Shuffle Control
以前ゆうきとものDVDでピークの解説があり、それとほぼ同等のプロセスが前半部。後半はそこからオーバーハンドシャッフルに入るのですが、ちょっと頑張ればトップにでもボトムにでも操作可能。ずっと何も見てないようにそっぽを向いて演技も可能ですが、私としては慣れていない側の手でオーバーハンドシャッフルをしないといけないので、若干の練習が必要でした。
マスターすると先述の通り、演者が一切何も見ていないような中、カードをコントロールすることが可能。お客さんからの見た目としては、

・立てたデックのサイドを指で弾いて
・ストップをかけたところで止まり
・カードを覚えた後は同じようにカードを弾いていく
・弾き終わったら今度はオーバーハンドシャッフルをしておしまい

という、カード当てに関するかなりの不可能性を認識させられそうです。なお私は現段階で10回に3回くらい、当てるべきカードが一枚ずれるという危険ぶりですw 実践は遠し…。



・Two Card Controls
先ほどのように、立てたデックサイドを弾いていって、二人のお客さんにそれぞれカードを選んでもらう。弾き終わった後でカットを一回すると2枚のカードがボトムに集まっている。



さすがに若干"なんかした"感じはする。が、コストパフォーマンスは良さそう。本人も言っている通り、ありそうではあるが他にやってる人を見たことが無いタイプの技法ですね。

追加で、トップに2枚コントロールする技法もやっていますが、ボトムの方が自然だと思います。
動きとしてはほぼ同じですがトップに1枚ボトムに1枚バージョンもありました。最初のボトム版はヨーキムの、後の2バージョンはマルロー発案らしいです。