教授の戯言

手品のお話とかね。

おおきく振り返って2010

毎年恒例。自分で自分を思い出すエントリ。

1月。年初、実家で「年も変わったしなんかしようかな」と思って、ROMだったtwitterをはじめてみたりしたな。@に反射的に全レスをするあたり、私は有名人になる素養がないと痛感する(いまだに)。あれ、フォロワー減ったり増えたり、別にどうでもいいこととわかっててもなんか気になりますね。あのフォローされなくなったときの感覚は結構微妙。あと何度もフォロー→フォロー外し をする人は、なにがしたいんだw 
年初は梶浦さんの日本語封印ライブだったか。今年一月はテンヨーグッズ収集が一段落して正気に戻ったんでしたね。あとはボードゲームドミニオン」の初プレイも1月でした。まさかあんなに熱中して、それが1年間続くとは思わなかった。2011年も続きそうです。

2月。しまった、「高木重朗マジック全集」を毎月一本は書こうと思っていたのに全然やれてない。そんなんばっかりだな、私。「Fate」「消失」「なのは」と、アニメ映画も結構観ましたね。仕事上ののっぴきならない理由で兵庫出張があったのですが、その流れで知人とフレンチドロップに行ったり、数ヶ月前に初めてお会いしたトヒデルアルデヒドさんに遊んでもらったりと中々楽しかった。なんかオンライン上では会話しているせいか、リアルで会ったの実は一桁くらいしかないのか。…なんかそんな感じが全然しないなあ。彼の人徳か、私が馴れ合いやすいのか。

Mark Leveridge 「Magic Of Mark Leveridge Vol.2 Envelope Magic」は秀逸だった。感想通りですが、どれかをそのまま演じるもよし、テイスト取り入れて工夫してみるもよし、いいDVDだったと思います。

3月。レア映像鑑賞会はまあ鑑賞会なので鑑賞できればそれでいいんですけど、映画と違って後でDVDとか出るわけでもなし、今にして思えばもう少し上映以外の部分も工夫して貰えたらなあと思ったりしましたがどうなんでしょうか。見て欲しくなってもゲットできないのは若干ストレスかも。

4月。初LN「きょうじゅとあそぼう」 去年が適当だったから今年は頑張りましたよ。主にハルヒのカードを作ることを。いやしかし、各所で言われたんですけど、みんなそんなに読みたいものなのかなあ。私そもそもプロマジシャンはおろか創作家ですらないんですけど。あと一応付け加えておけば、感想書きであってレビュワーとかそういう高尚なやつではありません。感想書きは私でも出来ますが、ちゃんとした批評文は、当該分野の体系だった知識無しには成立しませんので私には無理。
4月は箱根クロースアップが印象深い。…あれ、今年なのか…驚き。初めて参加して、「うわマニア怖い」って思った。こういう所に行くと、自分のライトさを痛感する。みんな凄いよね。来年も参加したいですけど、今年同様おとなしくしているつもりです。決してネタにするためにメモ帳片手に色んな人の言動を観察していたいとか、そういうんじゃないです、本当だよ。…本当ですか?
菅原さんのイベントでは、テンヨー収集の成果、「スクイズプレー」をご本人に差し上げられたのでそれでよしです。こういう手土産を持っていくようになったあたり、私も大人になったなあw

5月。アルスさん初めて見たのも今年か。まあ書いた通り、「わあ、変態はいるんだ!変態はほんとにいたんだ!」(ラピュタ風)というのが偽らざる本音であり、凄かった。一人で手品バーとか初めて行ったかも。そもそもバー自体に行かないんですけれども。ついでに初めて奈良にも行った。あそこは歩くのが苦にならない人と行くのであればかなりいい時間を過ごせると思いました。

6月。二川さん園遊会。あーありましたねえ。私は「自分の下手な演技で他人(観客)の時間を浪費させる」のが非常に嫌い(怖い)なので、基本的に自分からはあんまり手品やりたくないんですが、会長命令とあらば。その結果、「時間は2分以内」(上述の理由で長い手品で楽しませる自信が無いから)、「自分がやったことない題材で」(普段、他人の作品しかやらないのでたまには)、「何かを作る」(ちょっとクリエイターを気取ってみたかった)、という条件をつけて久々にまじめに手品考えました。必要に迫られたとはいえ、成立はするようなものは作れたかなと。ただ、ありがたいことに「不思議だった」というお言葉は何人かから頂戴できたんですけれど「面白かった」という感想は残念ながら頂けていません。「現象の構築」に心奪われて、楽しんでもらう、笑ってもらう、という自分の理想とする「面白いアクト」という部分を全く考えていなかったことに気づいて反省はしました。反省後に何かはしませんけどw いいんですよ、そういうのはプロとか手品っ子とかがやっててくだされば。
とひさんに招かれ、彼のお宅にお邪魔しがてら、お寿司屋さんを紹介頂く。私は各種のまんがや本で得た料理知識はあるけれど、舌の能力は大した事無いので「芸能人格付けチェック」みたいにされたら、すぐに間違える自信がありますが、あそこのお寿司屋さん本当に美味しいです。ありがとうございます。今年知った店の中で一番ナイスなお店です。で、とひさんのお宅にお邪魔して、蔵書群に圧倒されましたねえ。手品本図書館かよ、とw 実家の屋根裏部屋が数千冊のまんが・小説その他実用書で埋め尽くされてて、親から「まんが喫茶か」とか言われていることは棚に上げますけど。まあ本は一杯持ってて手品バカ一代みたいだけど、とひさんは長門好きの変態なのでまあいいです。大丈夫、神はきっとお赦しになります。(後で怒られる所存でございます)
「やる夫手品」 学生マジックのお話。作者さんお見事。しかし絶対こんなまじめに手品してなかったですよ、うちの大学。あと私、学生時代に伝説的といわれる他大含めた先輩諸氏の映像は幾つか見ましたけど、…本当にぶっちゃけると、変態スライハンド以外、まるで感銘受けなかったです。作中で突っ込まれてはいなかったけど、"手品の"ステージはやっていらっしゃる方々は多いけれど、"演ずる"という手品以前の根本的な部分をきちんと意識して仕上げている人がどれだけいるのか不明。これは学生マジックに顕著ではあるけど、プロも惨憺たる有様だとは思いますが。個人的にはこの辺が「マジックが日本で座興扱いから昇格できない理由」のひとつかなと。いけね、まじめな話はやめよう。私のキャラじゃない。

kalafina&梶浦ライブはそりゃもう良かった。当然です。これに比べたらもう手品とかどうでもいいです(極端なふり幅)。

赤松さんのレクチャーも今年か。凄く暑かったなあ、あの日。とひさんご推奨の「CTT」は不思議な上に美しかった。ああいうのを名人芸というのでしょうね。レギュラーでやるコインマジックって、大体なんか「え?」というような変な動きがあったりするものですが、赤松さんのはそういうのも無く、素直に眼福だった。巧い人の演技やアイディア見るとやはり感激するし、やってみたいなーって思います。他者にそう思わせるってのは本当に憧れる。

「HAWK2.0」はデモ映像の恐ろしさを感じたw。いやしかし瞬き無しで見てても破綻の無いあのデモ映像はなんなんだ。フレーム抜いてるとしか思えない。人間の目の知覚限界は0.02-0.04秒と言われますが、あのデモ映像はそれを凌駕しているとしか。またこうやって人柱になったなあ、とw あ、でもブログの趣旨としては人柱報告だからいいのか。

5年くらい手直ししてきたPCをついに新しいのに換えたのも今年。また自作なのが頭の良くない感じですが。しかし知人と話していてもミドルタワーとか使ってる人、ほとんどいないんですね。みんなノートなのです。スペースもとらないのが大きいんでしょうね。私はかなりの頻度でPCを使うので、私用はもうミドルタワークラスじゃないと嫌ですねえ。

7月。とひさんこと、こざわ氏オンステージ、in 慶應義塾大学。これは後々引っ張る面白いイベントだった。リアルでこの世に3枚しかディスクが存在しませんが、悪ふざけでジャケットも作った。反省はしている。http://twitpic.com/2szar6 
同月、佐藤総さんのレクチャー。これも「生で見ると魅力が一層分かる」イベントでした。

8月は正直ちょっとお仕事が正念場で、アリエッティ見たのと「Killer Cut」買っただけ。

9月は業務の都合で関西出張が多く、かこつけてショップやバーなどもはややりたい放題でした。バー「Shade」のYUKIさんのテクニシャンぶりが印象的。ゆうきさん・村上さん・日向さんのも見に行ったか。あとはバー「Sgt’PEPPER」。マジックバーとして手品を見に行く、のであればやや用向きが違うと思うんですけど、久々に「なんか寛いで飲めるバー」に行った気がする。関西に行く時についつい通ってしまった不思議なお店でした。また行きたい。

10月。ルディコビーレクチャー・アルス&桂川新平レクチャー・大原正樹レクチャー・たっぷりとクロースアップと目白押し。仕事が暇だったのかw 手品屋さんの「アルス&桂川新平レクチャー」は椅子配置以外きわめて良心的かつ勉強になるレクチャーでした。Bannonの「Mega Wave」を独力でひとまず全訳したりしていた(有給4日+自主的e-Workとかw)。何のため・誰のためだかよく分からない。7トリックだと油断していたが、想像以上に全訳ってめんどくさいことを身を以って知る。。

11月。サークルの先輩の遺品原稿整理もあるし、ついにドキュメントスキャナと裁断機を購入。本と言う形態そのものが好きなのですが、さすがに膨大な、それでいて「分かる人にしか価値が分からない」と言うものを後生大事にとっておくのもなんだかなあと思い始める。いやしかしダンボール3箱分くらいがDVD1枚くらいになった様はなんか壮観だったですよ?来年も自分の所持物の電子化を促進します。 二川会合宿。大雨→飲酒→温泉とくれば寝ちゃいますよ、それはw  ポン太さんのレクチャーも11月。やはりカジュアルにコイン消すのが抜群に巧い。アストラルが云々と言う話もあったけれど、概念的には詰まるところ、いかに自分をも欺瞞できるパントマイムができるか、というところになるかなと、私の中では結論付けました。最近、演劇をきちんと勉強した人は手品上手くなるの早そうだなと思ったりします。
あとあれだ、遅い夏休みでアメリカ旅行。念願のマジックキャッスル行きました。現地で色々な方と会話して、手品DVDの英語が実に分かりやすかったことを痛感する(テクニカルターム知ってれば理解できるので。逆に日常会話とギャグの聞き取り・理解が難しかった)。でもまあ意思疎通は何とかなるもんですね。

12月。「からくりサーカス」読んで号泣。「7SEEDS」を2年ぶりに読み直し既刊まで買い揃える。あとはメガネのフレームの小さなビスが折れて、野島さんのトリック「伊達眼鏡」が誰よりもリアルに出来る状態にw このくらいか。12月何もないですなw からくりは本当に傑作ですね。いい作品に出会えてよかった。

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今年は「生で見るイベントに多く参加してみようかな」と思い、手品については春頃からちょくちょくイベントに参加してみていました。結論としては「映像より生の方が演技が楽しい方が多い」「反面、現象の把握は席の良し悪しに影響されることが多い」「演者の技法の粗は、想像以上に、本当に目立つ」というのが一年行き続けたひとまずの結論でしょうか。コインだと「クラシックパームってかなり怪しい技法なんだなあ」と思ったし、ピンチ系は角度によるけど、2m離れるともう下側からフラッシュしますね。それを防ぐには掌を観客席に向けないといけないんですが、それは滅茶苦茶不自然であり、バランス難しそうです。カードは"ハーフパス"が使えるんだか怪しいんだか自分の中でもよく分からなくなってきました。同じ演者でも鼻につく場合と全く気づかない場合があり…。

他の生は、と言うと梶浦由記kalafinaライブだけなんですけど、これはもう癖になります。音楽という、ある種プリミティブなところに訴えかけてくる芸能はやはり凄い。あとはどなたの声も本当に美しい。来年から「歴史秘話ヒストリア」のEDもkalafinaの新曲になるそうだし、サントラ2も鋭意製作中とのことで、楽しみです。

今年一番面白いと思った手品グッズは「Killer Cut」(現象のビジュアルさ・難易度・手間・不思議度合い・コストが極めていいバランス)で、次点が「Envelope Magic」(活用範囲が相当広そう)、「Madbook」(ちょっと長い間を持たせるのに強い。カンペは使い放題)。「Madbook」には何度かピンチを救って頂き大変感謝しております(別に、たまたま内ポケットに入れていたときに敵対組織から銃撃されたけど、文庫本2冊のおかげで致命傷にならずに生還した、とかではない)。 
楽しかったのは、やはりアメリカ旅行。英語が微妙に分かるんだか分からないんだかの怪しいレベルである私が、一人で車借りて動き回るのは初体験でしたし、アメリカの一般風俗に触れたというのは自分の中ではちょっとした成長だったと思います。来年は英会話と料理でも習おうかな。手品はちょっとまとめて本当に何か出すかもしれませんが、私自身に「どうしてもこれを発表しておきたい」「世に自分のアイディアとか考えを問いたい」という情熱とか、「それで一山あてたい」とかいう、モチベーションは希薄なのが難点ですね。あと前も言ったけれど、そんなに読みたい・見たいって人、いないだろとw まあこんなの深く考えるもんでもないんでしょうけど。

ドキュメントスキャナと(一般家庭にあるであろう容量と比べると若干豊富な)HDDを備え、テキスト・光学メディアを圧縮処分可能となると、一番場所をとって邪魔なのは手品グッズであるということが分かりました(次点・服)。断捨離がんばる。裁断・原本捨・現実世界から離 みたいな。グッズレビューをあんまりしてないのが恐縮ですが、来年もよろしくお願いしますです。>関係各位 では、また。