教授の戯言

手品のお話とかね。

手品デー

27日には久々にカーディシャンズクラブに出てきました。台風とのことでしたが、終わってみればそんなに雨降らなかったですね。


今回は久々に参加したい、というのもありましたが別の目的もありました。去年録画したとある番組で、アルマンド・ルセロがやっていたカラーチェンジについて、二川さんをはじめとしたカーディシャンの皆さんにお話を伺うためというの目的が大きいです。以前チラッと話したことはあるのですが、どういうものかをわかってもらうには実際にみて頂くに限ります。HDDレコーダーで録画したものを、PCでも見られるように加工する方法を最近習得したので、動画をPC(仕事用…)に突っ込んで実際に見てもらってお話を伺おうと言う魂胆でした。


カラーチェンジというのは、お客さんにデックのフェイスを見せているのに、マジシャンが一撫ですると全然別のカードに変わったりするという変化現象の総称です。念能力で言えばヒソカのドッキリテクスチャみたいな。私も幾つかカラーチェンジの方法は(できるかどうかは別として)知ってはいるのですが、いかんせんルセロの演技は私のネタストックにある方法だと再現出来ないという悩みがありました。2つ3つ、カードチェンジ系といわれる商品を新たに購入したりもしたのですが、やはりしっくり来ませんでしたと。ああ。


ルセロのカードチェンジは二段構えになってまして、それぞれ別の手法を用いていると思われます。何度も見返して、最初は「お客さんのカードをコンビンシングコントロール→それを今フェイスが見えているものの上にアディションする」タイプと、今度は「お客さんのカードを一撫で(SSというかパームというか)→そのカードをデック中程にコントロール」、という連携であるのは理解できました。問題は第一段ので、いかにアディションするかという部分なのです。

動画を見たKさんと二川さんからは、「アードナスのリアパーム系じゃないだろうか」「いや、左の中指薬指でパームポジションで押さえてるんだと思うけど」というコメントを頂きました。ルセロのチェンジの特徴はチェンジの際に指を開いている点にあり、私は開いた指と、撫でる時にデックの上まで手を開けたまま持っていけている点が謎でした。謎と同時にそれをやりたかったのです。ところがお2人からは「あからさまに不自然な動きというか。強引だよねえ」「指あいてたら隠す部分、手のひら部分しかないとすぐ思われちゃう気がするね」と。ナカナカ鋭いコメントが。このチェンジは「はーいデック見て、手のひら見て、何も無いね、撫でるね、チェンジ」なのですが、確かにこれはかなり挑戦的な見せ方です。
二川さんが「僕は目の鋭い感じのお客さん相手の時はこういうのしかやらないねえ」と仰って一つ見せてくださったのですが、これがまたキモチ悪いw BSをSS的に使うのですが手を検めた後のBP右手から左手にデックを渡す際にスチールするので右手に注意が行かなくなる、そういった解決方法でした。他にも「(フレッド)カップスなんかはこういうの好きだったねえ」といいながら、デックのフェイスを右手人差し指でぱん!な、なにい。はじくと瞬間的にお客さんのカードに変化するもの、「普通はこう最後まで抜くんだけど、これは上を通すことで近道してる、(石田)天海さんのよくやってたやつね」うはっ!「これ、右手から左手に投げ落とすとフェイス変っちゃうの」うええええ…。
他にも、
・フェイスを自分の方に広げたデックの中程に、「これがきっとあなたの選んだカードです」といいつつカードを突き出し、そのままデックごと回転させて裏向きに戻す。右手中指で突き出たカードを時計回りに回して抜き取り(この時点でお客さんにチラッとフェイスが見えるのだが、お客さんのカードではない)テーブルに置くと、それがお客さんのカードになっている
そんなもののバリエーション二つなど。盛りだくさんでした。「目の前で自分が今見たはずのカードが変わってしまうことほど衝撃的なことは無い」とはトップチェンジを学んだ際に聞いた、昔のマジシャンの台詞でしたが、チェンジはやはりいい現象です。魔法みたいです。大学のサークルに入った当時、先輩であるマツオカさんに「SSは応用範囲の広い技法だからマスターするといいぞ」と言われていたのですが、5年越しでその台詞の正しさが証明された感じです。手があと10%大きかったらどんなに楽だろうかなあ…。といいつつワンハンドパームはズバズバ使うので言い訳にならないですけれども。 世の中にはばかでかい手なのにも関わらずブリッジサイズを使い、ルセロ第2弾を華麗に行う人もいるらしいと言うのに。ていうかジェリー・アンドラスらしいですけど。


サークル終了後入った飲み屋でさんざん手品談義をしたあと(「ルセロのレクチャー、カードのすり替え2種類で5万円するらしいよ」、とか(笑))、会計をしようとした時に、それまで我々の奇行を眺めていた店員のお姉さんが二川さんに「プロの方ですか」なんて聞いてたりしまして、「ああ言われてる言われてる」とニヤニヤしていたら二川さんが「じゃあ、ちょっと手品しましょうか」イキナリ天下のフタさん手品ショー!キャホー♪
コインを消しては、
店員さん「すご!ええ!?ふしぎ!なんで!?」
フタさん「いや、コインが消えたりしてるだけですから」
アンビシャスやらカードライジング(≠ライジングカード)をやっては、
お客A「うわ、なんで!?まじわかんねえって」
フタさん「カード上がってきてるだけじゃないですか」

4AトリックをはじめGuy Hollingworthの「ROUTINES」にあったような3人のお客さんのカードがそれぞれ、デックのトップ・卓上にあった箱の上・その箱の中、から出現するような手順で締めていました。いやあ、凄かったなり。お店にいた5人ほどのお客さんと2・3人の店員さんは大喜びでした。凄いものです。


帰宅後、飲み屋での顛末を友人のドイカツに言ったところ「"その辺歩いてた人つかまえて、至高のメニューを食わせる"みたいなイメージだな」だって。言い得て妙でした。やっぱり二川さんは最高です。