教授の戯言

手品のお話とかね。

DVD Carl Cloutier 「Bill in Kiwi」

http://www.frenchdrop.com/menu/video/bill_in_kiwi.shtml

「さすがカール!オレタチに出来ないことを平然とやってのける!そこにシビれる憧れるぅ!」ということでまたクロティエです。しょうがありません、何事も初めて経験したことというのは越えがたい鮮烈さをもって残るものなのです。て言うかここは私の日記帳なので私の自由です。


2005年の6月だか5月頃に出たCarl Cloutierの最新DVDです。なぜか動画の具合がシネマタッチ(普通のカメラというより、映画っぽいしっとり具合。わかりますかねえ…)。ディスク2枚組 140分 …とか書くとレンタルビデオみたい。ディスク1は表題のBill in Kiwiの演技と解説のみで、ディスク2はそのほかの解説と全演技(含むBiK)です。

全編通して、やはりステキだなあと思いました。笑いと不思議があり、大胆さと繊細さの同居する演技です。そして幾つかに共通する、「ずっと前から」・「別のお客さんに持ってもらっていた」・「何かの中から出現するありえないもの」というコンセプトがまたステキです。渡されてから30分位して初めて使われる封筒や赤ピーマンなどはテレビの前で悶えるしかありませんでした。以下に内容について少し書きます。

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「Disk1」
・Bill In Kiwi Routine & Explained
「ビル・イン・レモン」と似たような現象です。ただ、観客のサイン入り紙幣が、別の演技の最中もずっと持っていてもらっていたキゥイの中から出現。

「Disk 2」
・Sports Ball Routine
 ポケットから出したボールが、緑→白→サッカーボール柄→バスケットボール柄と変化。変化する度に両手を改めている…ことなどは最早どうでもよいくらい動作が自然でキモイです。サッカーボール柄のボールの処理には泣きそうです(いい意味で)。バスケットボール型のボール処理も相当キてますが。「lapping it up」のボールルーティーンはキモイながらも少しめまぐるしかったのですが、これはボールも少ないしストーリー付けもうまく、上手い具合にブラッシュアップされたルーティーンだと感じました。演技のあと「色が変わっちゃうボールなんかは使ってないんですよ。このマジックにはボールを6個使ってるんですよ」といいながら色々なポケットから先ほど使っていた4種類のボールを出すクロティエ。「で、あと二つは…」(股間に目をやる・会場爆笑) クロティエがおげひん街道まっしぐらな人だったとは!ますますファンになりました(笑)


Bounce No Bounce
 「弾むボール・弾まないボール」手順。しかし私レベルがやるのと違って、上記ボールルーティーンでの技法を使っているため、弾ませたボールをそのまま渡したとしか見えないのがプロの力量。


・Traveler
 4人の観客に一枚ずつカードにサインしてもらいデックに混ぜ、それを一枚ずつ色んなポケットから取り出すルーティーン。「lapping it up」でやっていたのと同じですね。加えて途中で色々なシャッフルを実演しますが、「○○シャッフル」といってカードを音を立ててスプリングしたり(どうも下痢の音っぽい)、オーバーハンドシャッフルを股間に持っていって高速で行い「Single Guy's shuffle」って。ああ。手淫てあんな高速でやるものじゃないだろ(突っ込み所はそこなのか)。お客さんの4枚をえらい直接的な方法で堂々とカウントしてるのがまたよし。彼くらいならピンキーカウントとか使っても良さそうなのになあ。


・Slimfast Routine
 先の手品で作成した4枚のサイン入りカードが、未開封の缶詰の中から出てきます。観客に缶詰を開け、取り出してもらいます。凄いんだけどカードとお客さんが粉ミルクまみれに。


・Pepper Routine
 観客がサインしたシルクが、あらかじめ別の観客に持ってもらっていた赤ピーマンの中から出現。よくある原理と解法だが実に巧く出来てます。


・Magazine Routine
 雑誌をめくっている途中で観客にストップと言ってもらいます。そのページを4つにやぶりますが復活します。しかし、よくみるとページの一部分が欠けています。嫌な予感の通り、演技開始の辺りからあらかじめ別の観客に預けていた封筒よりページの欠片が出現します。


・Cards Across
 2人の観客にそれぞれ10枚ずつカードをしっかりと数えて持ってもらいます。演者は3枚のカードが見えない飛行をするといいますが、もちろんお客は信じません。実際にもう一度カードの枚数を数えると、なんと13枚と7枚になっています。カール・クロティエらしい解決法を見せてくれてます。ていうかそう書くと何を使うか分かってしまうのが微妙ですけど(笑)。


・Liquid Asset
 グラスにサインをしてもらい水を注ぎます。このグラスにシルクを被せると消えてしまいます。消えたグラスはなぜか演者のズボンのポケットから出てきて、飲み干して終わります。「lapping it up」にもありました。


・Coin Trick
 贅沢なワンコインルーティン。…いや、ワンコインじゃないですね。1枚のコインの出現・消失→ジャンボコインの出現・消失→ジャイアントコインの出現。何度見てもキモイですが、ラストのジャイアントコインの出現の際は軽い失敗をしてました。閃光と共に出るはずのものがそのまんま出てきた感じで。それはそれで十分ですが、出来ている流れを見た事がある身としてはちょっと「ああ」という思いでした。「lapping it up」にあったフロント(ピケ)トピットによるバニッシュは無かったです。あれ大好きなのになあ。「easy come easy go」と唱え、お腹の前で手を組み、口でパクっと音を立てるとジャンボコインが消える。理想的なバニッシュと思うんですけど。服装の問題か(「lapping it up」では腹巻系のベルト(名前知らない)をしているんですが、「Bill in Kiwi」では普通にノータイジャケットスタイルなんですよね。)