教授の戯言

手品のお話とかね。

物欲

日本ではギミックコインやトリックコインという表記をよく聞きますが、とりあえずこのブログではギャフコインと書かせて頂きます。何が正しいのかは知りませんが、とりあえず英語のサイトではGaff Coinでした。
さて。ESとかDFとかFとか世の中にはたくさんのギャフコインがあります。現在私が持っているのはDFとESという実に基本的なギャフコインのみなのですが。色々欲しいものが世の中にはあるのです。


いやもう、色々言いたいことはあるんです。ジェフ・ラタのように、「実現したい現象があって、それがギャフコインを使うことによって解決されるなら喜んで使うけれども、決してテクニックの安易な代替手段としては使わない」というのも非常にいい考えだと思います。彼くらい技術があれば。でも私は安易にギミックに頼りたいんですよ。ええ。


先日購入したダン・ワトキンスの「Coin man Walking」がコインマジックなのに中々面白かったのです(失礼千万な偏見)。スタンドアップで、テーブル代わりにはお客様の手を借りるスタイルという時点で私ごのみなのですが、これが現象がかなりハッキリしているいいトリック揃いでした。さすがに数年手品を見ていれば、各種のコイン技法やそれに伴う動作も分かるようになってきてはいるのですが、そのにおいがあまり感じられないにも拘らずビジュアルな現象が多発。「これはまあ、どんなものかは分からないがおそらくギャフコインを多用しているんだろうな」と思っていたのですが、案の定でした。


日参している「魔法屋文左衛門」さんのサイトのリンクで、「トッド・ラッセン」という、コインマジックの世界では有名なギャフコイン製作工房(製作者)へのリンクがあり(木工で言うミカメクラフトみたいなものですかね)、暇を見つけてはちまちま読んでいたのですが、これが購買意欲をそそるんですなw また、先ほどのワトキンスのDVDには「SchoolCraft」というここ数年で出てきた工房の紹介もあり、そっちにも行ってみたのですが、こっちもこっちで面白そう。前者は30年以上の職人さんみたいなところで、後者は新進気鋭といった感じでした。Magic Cafeでシェルコイン論争をしているところも読んだのですが、段々みんな「ラッセン最高、これ以上はないって」「いーやもうラッセンは古いよ、スクールクラフトだな」みたいに荒れていてステキです。一応ワトキンスはこのトピックでは「ジョンソンもラッセンもスクールクラフトもどれもいいよ。勿論職人の逸品の方が精度は高いけどジョンソンだって悪くないさ」的なコメントだったのですが、本人のスクールクラフトへの評価はかなり高い模様で、別のページでは自分(ワトキンス)の使用ギャフコインの流れはジョンソン→ラッセン→スクールクラフトとなっていて、今大満足ナリよというコメントでした。まあ自分の演技でも使ってて、宣伝まで入れてるんだから当然といえば当然なのですが。で、それをみていると欲しくなるわけですよw (ちなみにジョンソン社は大量生産系のギャフコインで、決して質が悪いわけではないですが、やはりこの手の職人さん系の者と比べるとやはり評価が低くなるのは致し方ないかと思います。まあ値段相応だと思いますが)


では人前でコインマジックなどそうそうやらない私が、高価なギャフコイン買ってどうするかと言う話になるのですが、実は今回自分なりに色々考えておりまして、今練習しているスリーフライをギミック込みでやりたいのですね。レギュラーのみでのスリーフライは、少なくとも私には「やはり何点か無理なことをしている」のが感じられると言うか、普通のコインマジックを見ていても常に思う「右手に無い?じゃあ左手にあるんじゃないの?」が払拭しづらいという点があります。 で。その中で、レギュラー2、ES1、F1、と組み合わせれば、かなり無茶苦茶な事が出来るのではないかと夢想中。他にも3in1とかあの手のネスト系コインなんかも、見せる角度をこちらで指定できればかなり凄いんじゃないかな、と。テクニックが無くてギミックに頼るというのはダメな手品っ子の基本なのですが、コインマジックの現象に関しては、明らかにギミック使用の方が魅力的だと、私は思うのです。ていうか技量無いのでギャフで埋めたいw

しかし何がツライかって、この手のモノの高価さです。ニーズも少ないし、加工技術もいるしで、高くなるに決まってはいるんですけど、せめて7掛けくらいだったら買いやすいのですがねえ・・・。テレビでしかみたことのないコインマジックで、テーブル上でコインマトリックスみたいな現象をしていって、最終的にはマットの上に大量のコインが出現するやつが1,000〜1,800ドルするらしいとか知って軽いショックを受けましたが、自分が欲しいと思っていたFコインに関しては、どちらのクラフトのものも一枚で100ドル以上するのを知ったときのほうがショックが大きかったです・・・。一枚で100ドルって。しかしこれさえあれば相手の手の上でも、自分の左手から右手に投げ渡す動作でもコインの華麗な消失が可能なのです。ううう。欲しいいいい。とりあえずやっすいFコインをマジックウエハースあたりで買って、ある程度慣れたらクラフトに注文する、というのが多分自制のきくオトナの姿勢ですよね。・・・うん。リバティーハーフもちょっと触ってみたいんですけど。・・・まあいいか。


そしてどのタイミングでダラーサイズを買うのか。とりあえずは以前マジックウエハースで買った一枚2ドルの、ダラーくらいの大きさ・・・だと思う銀貨(銀色なだけで絶対銀じゃないけどw)を砥石で研いでソフトコインに近づけてはいるので、これで練習してある程度の技術が身についたら職人さんのところでずばっとイッパツ買ってみますかねえ。二川さんに最近お会いしてないので、自分の身の回りで一番詳しい方にお話を伺えないのが惜しい・・・。G'sの注文の時にでも銀次郎さんに聞いたら教えて頂けるのかなあ・・・。コインズアクロスというよりスリーフライがしたいだけなので、ハーフダラーサイズよりダラーサイズの方が見やすいんですよ・・・。はー物欲の塊のようなやつだな、私・・・。

(ところでコインズアクロスとスリーフライの差って、スリーフライが3枚かつ指先での飛行と限定しているだけなの・・・?)