教授の戯言

手品のお話とかね。

トンプソンショー

台場のグランパシフィックホテルにて。10月19日(日)13時15分よりショー。本来は14時半までのはずが、15時10分くらいまでやって頂けました。主催はマジックランド、司会はカズカタヤマさんとゆみさん。演者は出演順に、ぺるさん→アルマンド・ルセロさん→同→ぺるさん→ヒロサカイさん→ジョン・トンプソンさん。

チクショウ、超幸せです。手品って面白いなあ。会場でカズさんをお見かけしたので、「ああ、当日までナイショとなっていた日本人ゲストってカズさんか。またあのシルク見られるのかあ」と思っていたら司会役限定でした。横の和服の女性は誰だろうと思っていたらゆみさんでした。私は観察眼がへぼすぎます。ということで備忘録。

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【ショー】(以下敬称略)

ぺる(ステージ):
(多分)デートに出かける前の女性の服選びをモチーフにしたルーティーン。
ドレスチェンジは私が思っているより数段速いものなのですね。パール粒を一瞬でネックレスにするところからの衣装チェンジは見事でした。そういやバッグにパールをざらざら入れて、それが一瞬でネックレスになるんですが、その前にコップに対してもパールを注ぐだけ注いでそのままマテにしまっていたのはなんでなんだぜ?



ルセロ(ステージ):
カードマニュピレーション(一枚技→バニッシュ→インターロック→一枚出し→両手カードのトリプルチェンジ→ディミニシングカード→バニッシュ)
以前バーでも見た両手カードの3段階のチェンジは、今日くらいの距離があったほうが綺麗に見えました。しかしディミニシングカードの処理がえらい直截的だったんですけどいいのかしら。個人的感覚ですが、ルセロは「変態的なもの」と「え、それいいの?」のギャップが激しすぎる気がします。



カズカタヤマ・ゆみ(司会挨拶)
どうやらここまではオープニングショーだったようです。



ルセロ(クロースアップ):
・ブランクデック→4枚検め→バック印刷→フェイス印刷(4Kプロダクション)
・コインアセンブリ→リバースアセンブリ→2箇所の入れ替わり他
・Red&Blue 二つのデックを使った一致現象(演者がBデックから1枚予言カードを裏向きに卓上に置き、裏向きスプレッドのRから1枚を観客に選ばせ、それが一致するのを2回、最後は表向きに同じことをやるが、今度はその2枚だけ出自の色が逆)
・カードが箱から出てこないやつ(1枚のカードのバックに観客にサインを書いてもらい、それだけ箱に入れる。残りのデックの裏向きスプレッドから3枚を選ばせ、更にそのうち1枚を選ばせる。それとマッチしたカードが最初の箱に入れたカードということで、ケースを空けるが中身が消失。先ほどのカードを裏返すと観客のサインが)
・眠れなくなっちゃうやつ(二枚のJOKERの間に1枚の裏向きのカードを挟む。そのあと観客の一人に心の中に何か1枚カードを思ってもらう。それがJOKERの間のカードで予言されている)

相変わらずチェンジ技法が変態的。特にコインは追えそうで全く追えない。ただ、角度の問題もあるようで、演者右方向に座っていた知人の方から休憩時間中、「今日のはイマイチだった」とぼやきが。別に悪いことだとは思わないが、やはり左手による卓上カードチェンジとメキシカンターンオーバーが非常に大きなウェイトを占めているので、知人のようにそれが見えてしまうと途端に不思議さが下がってしまうのでしょうかね。



ぺる(ステージ):
ノットからのシルクプロダクション→シルクの貫通→紅白シルクからハト首→結び目の消失→その分の穴あきシルク→ゴムバト→シルク→ハト +ショートネタ二つ

演技の途中で、ようやくこの方がたまにネットの話題でお見かけするぺるさんであることを理解する。ショートネタ1のアピアリングストロー、サークルの同期が会社の結婚式の余興でやったのと全く同じストーリーだったことに噴いた。基本なのか。タラコはなんとなくマギー審司がやっていそうな気がしなくもありません。何はともあれ舞台から「スミマセン」とか謝られても困りますw



ヒロサカイ(パーラー):
・3本ロープ
・コイン→万札 トランスポジション
・レシピ
・ビルフロムオレンジ
・カード to ワレット
・リアルデンジャーのようなやつ
・予言と選択の一致

どれをとってもヒロさんはマジックしてて良かった。2番目と3番目はこの間「たっぷりと〜」で見たばっかりでしたけどw レシピのあとの「そこまで太っ腹じゃないので」発言に、隣の観客の方が「やっぱああいうギャグにするしかないのかなあ」とか呟いておられました。マジック愛好家への会ではそれで良いと思いますが、一般的なお客様相手の時はどうされているのだろう。
ビルフロムオレンジはとても王道な感じなのですが、いわゆる「観客にびしょ濡れのお札を返す」という状況であり、自席に戻っていく助手役の方の背中が少し哀愁を帯びていた気がするのは私だけですかw 
リアルデンジャーっぽいやつは、4つの紙袋の中にひとつだけ危ないトラバサミがあるけど、さあ、手を突っ込んでください!という感じので、非常に不思議ではあるんですが、最後に手を入れるマジシャンは、てっきり3rdハンドか6thフィンガーを使って「指がもげちゃった」とか言うブラックネタで来るかと思っていたところに、ごく普通に手を挟んで出してこられて、なんとなく拍手のタイミングを逸しました。
最後の、予め観客Aに予言を渡しておいて、Bの自由選択で残したカードが一致するのはとても不思議でした。



トンプソン(パーラー(クロースアップ)):
・3ボールトリック
エッグバッグ
・3人のカードあて
・賭けもの(観客のひとりに、予言カードと100ドル札入りのワレットを渡す。「これからデックを一枚ずつ表向きに私の手の上においていって欲しい。好きな所で止めていい。その最後のカードがもし最初に渡した予言カード以外であれば、ワレットに挟んである100ドルは差し上げよう」という向きで始まるゲーム。観客の止めたところのカードを見て、なにやら失敗してしまった面持ちで「もしその次の方にしてくれればもう100ドル、このケースごと入ったほうもあげるけど変えない?」という質問。しかしどちらにせよ…)
・カップ&ボール(Bonus)

と、トンプソンです!以前も少し書きましたが、私がクラシックトリックが好きになったきっかけがまさに彼のDVDだったわけで、数年来憧れだったわけです。その彼のアクトを生で拝めるとは。個人的にもう、なんと申しますか。たまりませんね。3ボールトリックとエッグバッグを見られただけでも幸せなのに、あの伝説のカップ&ボールを生で見られるとは、もう最高ですよトンプソン師匠!

もし3ボールをやってくださって、かつ自分が助手役に選ばれたらという想定のもと、L&Lのあのデイブ(反応のステキな黒人男性)の受け答えを練習してから参加していたのは秘密です!(助手役には若い女性が選ばれていました。残念w) DVDで見た時に使っていたカップアンドボールの赤ニットボールではなく、大き目の白いボール(ロジャー翁が使っていた感じの)だったのが印象的。しかしトンプソンは本当に手が大きい。私あれ2つ以上持ったら絶対こぶしから漏れます。とにもかくにも、上手い人の3ボールトリックは本当にたまらない。
エッグバッグです。パーラー的な舞台を一番適切に使いこなしていたのはさすが。しかしエッグバッグ、本当に中に何も無いように見えますね…。助手役の女性が、中に何も無いのも確認した後で、彼女から離れていた演者がそっち近づき、中に手を入れて袋から卵をすーっと出してくるのは、オチ的に分かっちゃいてなおカッコ良かった。
カードあては原理は多分自分も知っている方法なのですがこれは凄い。現象としては3人の観客を選んで、それぞれにファンにしたカードから1枚見て覚えてもらい、それをその後軽い質問だけしてそれぞれずばっと当てていくもの。現象だけ聞かされたら思わず「キミは一体何を言っているんだね」とか返してしまうような内容なのですが、ホントにそれが起こるのですから仕方ないじゃないですか!
賭けものも、どのようにあそこで止めるのかが理解できない。多分原理的にはかなり簡単だとは思うのですが…。不思議なこと極まりねー(ファーザー風)。

で、いやあ、いいもん見たなあと思っていたら、
「えーと、もうひとつ。カップアンドボールやってくださるそうです」 
「会場が、どよめいた」(脳内ナレーション:田口トモロヲ)

そりゃざわつきもしますわ。私もガッツポーズ。隣の男性も「マジで!?マジで!?」とか、そわそわw マックス・マリニ/ポップ・クリーガー/ダイ・ヴァーノンの調子を真似ての例のやつをたっぷり見せて頂きました。ヴァーノンの途中で素のトンプソンに戻ってる気がしましたが、いやあ、眼福。規定時間を大幅に超過しての演技、本当にありがたいことです。

もうこの時点で非常に良い心持ち。あー、来て本当に良かった。ぽやーっとしてたのは微熱があったからというのも手伝っているかもしれませんがw 人を一日でも幸せな気分に出来るってのは実に凄いことですね。ということでこの時点で非常に幸せだったのですが、更にテンションをあげてくれるレクチャーもあるんですよ。



トンプソンレクチャーについては後日。

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JCMAで何度か会った事のある男性もいらっしゃっていたのですが実は名前を失念(分かってても書けませんけど)。昔会った時からずっとなにかの俳優に似てると思ってたんですが、ジュラシック・パークで数学者役をやってたゴールドプラムに似ているということに先ほど気付きました。いや、どうでもいいですね。
あ、しまった、フレンチドロップのコラムをいつも拝読させて頂いている石田隆信さんもいらしていたのにご挨拶するのを忘れました。関西の方だし滅多にお会いできないのに(別に挨拶してどうこうするもんでもないのですが)。石田さんといえばフレンチの店員さんのコラムで取り上げられた「スーパーセルフワーキング」が読みたいよう。しかし絶版とは…。
全然関係無いんですが、よく聞く"フレンチのサイトの挙動が重い"のはフラッシュ多用というのもあるんですが、個人情報が関係ないようなページも全部SSL暗号化しているからじゃないだろうかとふと思いました。光回線でも重いんだよなあ…(IEの仕様も関係ありそうですが)。あと昔あった"新規入荷商品を時系列で"見られなくしたのは、「あ、この間新商品にあったあれ、どんなだっけ」という観点で探そうとよく思う私には非常にツライです。以前のように"2007年新商品 xx月"見たいな感じで列挙してくれれば良いのに残念。