教授の戯言

手品のお話とかね。

菅原茂の創作奇術講座 第5回

22日は澤乃井の蔵開きの新酒会であり、朝早く起きて友人と沢井にある蔵まで行き、雨の中呑んだくれておりました。1000円でおちょこいりのミニバッグとパンフをもらい、15種の酒を利き酒し、スタンプラリーのご褒美で酒粕貰ったりミニ骨董市を見たり。骨董品、いいですね。私の部屋には合わないけど、ああいうのを幾つか持っておくとちょっと写真でも撮るかという時にアクセントになりそう。にごり酒を土産用に購入。酒瓶2本背負った上でその後掲題の会に伺いました。ぶっちゃけ泥酔具合がひどかったら、もしくは電車に間に合わなかったら今回は行けないな、と思っていたのですが(あのへんは30分に1本くらいしか電車がこない)、いけてなにより。私も普段見ない方のメアドにショウマンの通知が来てたので、今回は直前まで気づきませんでした。ということでここで事前告知することもなく、菅原さんの会がありました。今日(事後報告)。


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「アルファトンネル」についてのお話。手品マニアの知人に見せた時に不思議がってもらった思い出深い作品。昭和59年の作だそうで、私が持っているのは海外版なのですが、パッケージが違っていました。菅原さんがどのような流れで物を作る(構想する)のか、というお話があったのですが、単なる直方体作図から色々試行錯誤される様子が大変に興味深い。カードマジックなんてのは現象と達成手法の組み合わせが土台になりますが、こういう"物を描いてみる事で"生まれてくるものもあるのだなあと。何でも数年後、「ダイスタワー」「お札キラー」へと派生したとか。なお私は両方共持っておりませんし、現象自体も存じ上げませんでした。ググるまで。



「筒抜けダイス木」 今回の新作。道具を最初に観客に検めてもらう。木でできた直方体というか角柱的な筒があり、ちょうどダイスがぴったり通り抜けられるサイズ。真ん中辺りの両面に細い穴が開いており、そこに棒を通す。上からダイスを入れるが当然引っかかる。輪ゴムを棒の片側から筒の上側を回してもう片側に引っ掛ける。これでダイスがでてこないことを示す。振るが当然落ちてこない。観客に手を出してもらい、その上で筒をぴしっと弾くとダイスが落ちてくる。
というもの(説明が冗長すぎる)。

不思議じゃったよー。「またなんかこのおじさま変なの(褒め言葉)作ってきたー」と思いました。



そして菅原さんの会恒例、すぐに解説w 私は最初「4次元トランク」的なものなのかと思っていたのですが、二重三重に菅原さんの工夫が施されており、感銘を受ける。菅原さんの作品特長として、手品としての不思議もそうなのだけど、それを構成する素材の選定と、実物にしてからの試行錯誤が凄くきめ細かい所が挙げられると思っていて、これまたよく出来ていたのですよ。"成立させるためには必然的にそうしないといけない"というのは結論からはわかるけれど、絶妙に穴の位置が配置されていたり、解説を聞くと無駄にテンションが上がりますw 




「うはっ、ダイス落ちてきたwww」(書きながら遊んでいたら面白くて20分が経過していた)




まあそんなわけで、いつも通り作り方から工夫まで全部開陳して頂いたわけですが、揃える手間を惜しんで購入。もう、物増やさないって誓ったのに。




コインの出現について。私は前回は参加できなかったのですが、そこでやられていたのかな?4Aを示して1枚ずつ置いていくが、Aをどけるとそれぞれの下に500円玉がということを達成するためのギミック。あのパームは初めて見たがなんというのでしょうか。スガワラピンチ?w



後半



輪ゴム。中指にかけた輪ゴムが外れるやつと、同条件準備でそれを人差し指へ移す手法、中指に二重にかけた輪ゴムが外れるものの三種。幸い最初のやつをマスターしていたので何とか出来ますが、菅原さんの輪ゴムはなんか普段使わない筋肉を動員するので、筋肉痛になるw ちなみに私はいつも深爪なので(キーボードを叩く時に爪が触れるのが嫌なので)、実は菅原さんのやり方とはちょっと違う形で保持しています。慣れてはきましたが、安定性が低いです。



「ビリビリビル」(森山さんその場で適当に命名)。半紙とマドラーを出してきて、観客のお札を半紙で挟み、内側にマドラーを入れてからその両端を観客に持たせたと思ったらいきなりビリビリとやり始めるが、お札、キレてなーい、的な。一瞬「お札シュレッダー」かと思った。これも「筒抜けダイス木」もとある文房具のお陰でできたという。これも喫茶店などのペーパーナプキンでやる手法などもあり、もりだくさんでございました。



で、なしくずしに飲み会にも伺いまして、色々楽しゅうございました。くぼーんさんがやっぱ凄く巧くて尊敬。彼の5分の1くらいでいいからDでLHなPをやってみたいものです。今度レクチャーを希望。…使い所は今のところないのですけど、左手のパームがしたいんですよ、無意味に。しかしこういうとき下手で良かったと思いますね。周りが上手いと教えてもらえるw あとiPhoneマジックは非常に不思議であり、なんか逆にマジシャン不要なんじゃないだろうかと思ったりした。


先日、「他人のデックを借りて何かやりたいな」とちょっと工夫してみた、"観客に1枚覚えてもらった後に観客自身の手で表裏ごちゃごちゃに混ぜて貰って更にカット、加えてデックをひっくり返すかひっくり返さないかまで観客の選択で実行してもらい、それが終わるまで演者は一切デックを見ずに後ろを向いている。で、向き直って幾つかの情報から観客のカードを当てる"というのをやってみて、初回まさかの失敗をしてビビりましたが、2回目はうまくいって良かった。というか私はなんでマジシャン相手に手品すると必ず失敗するのだろうか。緊張感の欠如?そのうちアイディアノートみたいの出すことになったら載せようかな。簡単だしちょっとお気に入り。類似アイディア絶対ある。唯一の難点はやり終わったあとホントに表裏混ざっているので…面倒。トライアンフの前後どっちかにやったら面白そうだなと。



菅原さんは「さすがに第6回は無理かなー」と仰っていましたが「観客が一人でもやるんですよ」とも仰っていたので、都合よく後者の方だけ聞いたことにして、来年4月辺りにまた是非。今回の「筒抜けダイス木」とか、前回の「ドーなってんの」もそうですが、以前作られたものを、今ならどう再考するか、というアプローチはとても面白いと思いますので、絶版になったもの、私達がいま出会えないものを元にした回なんかがあったらいいなと、いちファンとして思った次第です。そういや、私も好きな作品の名前、「ドーなってるの」だと思ったら「ドーなってんの」だそうで、主催の森山さんいわく「間違えてるんですよね、…主に、商品のタイトルの紙が」 そこ間違うてたら買うた人にはわかりまへんがなw