教授の戯言

手品のお話とかね。

French Connection

みなさま、明けまして喪中です。 私「英語で喪中ってなんて言うんだろうね。I'm in MO-CHU?」 後輩「The Term of death とかですかね」 私「それじゃ死亡期間じゃねーですかw」 正解は「be in mourning」でした。「I'm in mo」までは合っていたのか。ちぇっ。「こちらはめでたくはないしなあ」という事で躊躇していたら、色々なサイトで年明けの挨拶をし損ねた感が否めません。

手品道具を整頓していて、あまりのグッズやら書き物やらの多さにげんなり。「こんなに持っている割になぜ私は手品が上手くなっていないのだろうか」と思ったのですが、買って見ていないDVDも普通にあるし、原理は理解して練習はしてみても、実演にはこぎつけてなくて手が覚えていないものなどが多いからだろうなという推察。

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■ James Chadier/Mathiew Bich 「French Connection」

久々にジャグリング的手品を見ました。いや、もはや手品っぽいジャグリングなのだろうか。DVDのチャプター項目としても非常に盛り沢山です。もっとも同一コンセプトのバリエーションが多いのですが。現象はいずれも非常に鮮やかで、いわゆる"最近の手品"とでもいいましょうか。カードについては「Palm Toss」バリエーション集、コインについてはKicking技法が素敵なチンカチンク集といった趣。いつものように一つ一つ書くのも億劫な分量なので共通化できる部分は共通化して記載。



カード技法「Palm Toss」は、パーム保持の練習をしたものであれば誰しも経験したであろう"カードの脱落"を逆手にとって成立させたような技法でした。これがまた非常にかっこいい。4 of a kind を現すバリエーションまではやり過ぎだと感じたのですが、2枚までであればかなり有用だと思います。Chadierさんはあまり手が大きくないように見えるので練習次第と思われます。なお私もやってみてはいるのですが、手が乾いている時の方がうまくいくような気がします。指に汗をかいている状況だとグリップが強すぎてうまく飛ばないんですよね。バリエーションのうち、トップカードを卓上に置く際のチェンジ「Palm Toss Table Color Change」がとても綺麗。「Palm Toss Sandwich」は失敗してもパームを使ったアディションと見えなくも無いという発見。とはいえうまくいった時の「いきなりカードが出現した」感はきわめて美しい。「Palm Toss Force」はカジュアルですしかなり有用だとは思うのですが、万一失敗した場合はどうしようもないという危険性を孕むので私は出来ませんね…。



コインは知見自体が少ないので、このDVDがどれだけ普通なのか異常なのかの線引きが出来ないのですが、まあチンカチンク現象としては大体同じように見えましたw ただ、バックで使用されている技法は微妙に変えてあったりしてそれは明らかにマニアックです。前方への手法にしろ後方への手法にしろ、 Kickingをいかに動きの中に溶け込ませられるかというのが肝要と思いますが、私がやるとその瞬間手が止まる不思議。あと若干固めのマットの方が良いです。私はややふかふかしたマットを使っているのですが、これはカードやコインをピックアップするには向いているのですが、コインを滑らせるのはちょっと不向きかも。なおこのマットでチョップカップをやると、ドン・アランばりに叩きつけないと玉が落ちてこないw



「Looping」は最初なにがしかの技法なのかと思いました。地味に不思議なのです。しかしこれ、タイトルがある意味ネタばれじゃないのかw 「Rubber Penetration」はこのDVDの中で「あ、これ出来そう」と思わせる輪ゴムマジックでした。現象的にかなり近距離で見せる必要がある地味な、いや"極めて"地味なトリックなのですが、個人的には食いつけました。 「Fan Change」これはGuy Hollingworthの「Waving the Aces」に使えないだろうか。そういやガイDVDの発売予定は2008 Laterとかなっていたはずなのですがいつ出るんだ。 「Fingertip Ascanio Spread」若干の怪しさはともかく、右手の親指中指でもにゅもにゅするあれをしないでいいのは惹かれる。とはいえやはり安定感は原案のほうが上でしょうねえ…。

ちなみにでかいコインでやるマトリックスは、視覚的にかなりの衝撃でした。私も一個くらいチンカチンクの練習をしてみよう。

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【現象】(「French Drop」製品紹介より)
Palm Toss Color Change」オリジナル技法「パーム・トス」。パームしたカードを飛ばしてカラー・チェンジ。/Palm Toss Table Color Change」トップカードをテーブルに置く時、パームをチェンジ。/Palm Toss Force」上記のテクニックをフォースに利用。/Palm Toss Sandwich」テーブルに置いた赤いA2枚の間から観客のカードが出てきます。/「Palm Toss Triple Sandwich」上記のバリエーション。観客に3枚のカードを選んでもらい、デックに戻します。それから2枚のジョーカーを観客の手の平に置きます。マジシャンがジョーカーを触ると、2枚のジョーカーの間と両サイドから選んだカードが出てきます。/「Crossing Hands」右手側に4枚のコインを1列に並べます。両手をクロスして戻す度に、左手側に1枚ずつ移動します。/「Looping」これは面白いアイディア。カードの対角線を親指と中指で持ちます。息を掛けたわけではないのに、カードが独りでに2回転します。/「Rubber Penetration」輪ゴムの貫通。輪ゴムを一回ひねって親指と中指に掛けます。クロスした箇所の上部分にペンで黒く塗ります。弾くと黒く塗った部分が後方になっています/「Fingertip Flick」エキストラコイン無しのチンカ・チンク。指輪や携帯などの小道具を使ったバージョンも収録。/「Easy Matrix」流れるようなチンカ。コインを手で覆う度に消えていき、最後にいっぺんに4枚が出てきます。/「Rythm Count」ゴースト・カウントを使ったマジック。観客の手にお札を4枚置き、握ってもらいます。マジシャンがおまじないを掛け、観客に手をあけてもらいます。すると、お札は3枚しかありません。消えた1枚はマジシャンのポケットから出てきます。/「Open Kickback」A1枚をテーブルに置き、K4枚を手に持ちます。Kをテーブルにこすると消えていきます。最後のKはAに変わってしまいます。テーブルに置いてあったAを見ると、4枚のKに変わっています。/「2 & 2」4枚のコインがいっぺんに集まるチンカ・チンク。鮮やかです。/「2 & 2 (four coins)」上記のエキストラなしバージョン。クリーンに演技が終われます。/「Copper Silver Strike」マジシャンの持っているコインと観客の手の中のコインが入れ替わります。コインの変化がとても綺麗です。/「Squeeze Toss」指先に摘んだコインを後ろに弾く技法。この技法を使ったチンカ・チンクは音のイリュージョンがあり、本当にデセプティブです。/「Bluff Ping Chien」音のイリュージョンを使った技法。/「Fan Change」面白いカラーチェンジです。パケットをファン状に広げて軽くふると、1枚のカードがチェンジします。/「"alaForte" Change」右手でコインを弾き、左手の下をくぐらせます。すると、別のコインに変わってしまいます。/「Fingertip Ascanio Spread」カードを指先に持ってできるアスカニオ・スプレッド。/「Pushed」右手にある4枚のコインを1枚ずつ左手の下に入れていきまが、一瞬で消え右手にきます。/「Matrix Mix」アラフォート・チェンジを使ったチンカ・チンク。/「Forward Squeeze Toss」指先に摘んだコインを前に弾く技法。この技法を使ったチンカ・チンクも解説。/【Bonus】「Extra Tips, Ideas and Material」パーム・トスの応用やスクイーズ・トスでのスリービング、コインのスチール方法など素晴らしいアイディアが盛りだくさんです。/「Creative Session - Coin Thru Table -」スクイーズ・トスを使ったコイン・スルー・テーブル。