教授の戯言

手品のお話とかね。

Roberto Giobbi『Card College Lightest』日本語版

ロベルト・ジョビーの『ライト』3部作の締め、『カード・カレッジ・ライテスト』、ギリギリ年内で完成です。ついにシリーズ完結いたしました。やったぜ!

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 訳の片割れ、富山です。一部の皆さま、よくぞここまでついてきてくださいました。いよいよ『Light』3部作、締めの1冊です。本書では前2冊等から、"自分のルーティーンや手順構成はすでに持っている"という方たちを想定したつくりになっています。つまり、本書の収録作品は、手順中のどのフェイズにでも足せる、独立性の高い珠玉の数々18作品なのでございます。それに加え、全体的に手順の効果を倍増させる、楽に出来ながらもディセプティブなフォールス・シャッフルやフォールス・カットなどをまとめた、きわめて汎用性の高いコーナーも設けられています。全シリーズ60トリックに加え、軽めの、それでいながら実践的な理論いくつかを含む本シリーズ、足掛け2年で日本語化完了です。関係各位には厚く御礼申し上げます。

 

 

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揃えてばーん

 

【追記】

誤記です。p. 83  誤:星野泰祐 正:星野泰佑 駄文であるあとがきでは正しいのにカレッジ5巻のクレジット部というより正確性が求められる箇所で間違えるという痛恨のミス。星野様、本当に申し訳ございません。この詫びは必ずや。齋藤さんが。

 

誤記です。p. 126, l. 3 誤:フォースル 正:フォールス 

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収録内容

 

Einstein’s Card Trick(リシャール・ヴォルメル)

ノーベル賞受賞者であるアルベルト・アインシュタインによる(とマジシャンが言い張る)手続きを用いることで、観客の1 人が、先ほど自分で憶えたカードを見つけ出してしまいます。

 

Through the Magic Looking Glass(ハワード・アダムス)  

観客の1 人が自由に2 つのグループを選びます。それぞれのグループは7 枚のカードからなっています。パケットはよく混ぜられ、その観客だけがカードを取り扱っているにもかかわらず、不可解な一致現象が起こります。

The Magic Card(ビル・ノード&マックス・カッツ(?))
不可能に思える状況にもかかわらず、マジシャンは誰かにあらかじめ思ってもらっていたカードを、“マジック・カード”を用いて探し出します。

Mental Flush(ラリー・ベッカー)
観客の1 人がロイヤルフラッシュを構成する5 枚のカードのうちの1 枚を心に思います。マジシャンは躊躇うことなく、彼の思っているカードを言い当てます。

Follow the Leader(ダイ・ヴァーノン(?))  
マジシャンは赤と黒のカードを10 枚ずつテーブルに置いて2 つの山を作ります。それぞれの山の前にはその山に含まれるカードの色を示す“リーダー・カード”を置きます。リーダー・カードがどのように取り替えられても、それぞれの色は常にそのリーダーを追いかけます。これは凄い!

Gemini Calling(カール・ファルヴス)  
マジシャンは自分の名刺を2 枚取り、それぞれに予言を書きます。そうしたら2 人の観客は、事前にシャッフルされたデックにこれらの名刺を差し込みますが、その場所は完全に自由な方法で決めます。これらの厳しい条件にもかかわらず、名刺のすぐ隣のカードは名刺に書かれた予言とまさしく同じものであることが分かるのです。

Cardstalt(モーリス・ザイデンシュタイン)  
観客にデックから同じバリューの4 枚のカードを抜き出してもらいます。マジシャンは抜き出されたカードが何かは知りませんが、残りのデックを1 度だけ素早くリフルし、そしてそこにない4枚のカードのバリューが何かを正確に言い当ててしまいます。

Cardstalt Plus  
シャッフルされたデックから観客の1 人がカードを1枚抜き出し、それを裏向きのまま脇に置きます。“Cardstalt” のプレゼンテーションからの流れで、マジシャンはデック全体を通して一度素早く見て、そして足りないカードが何であるかを言い当てます。

Cheers, Mr. Galasso!(ロン・ヴォール)
デックをしっかりとシャッフルして観客の1 人に手渡し、その彼女が自分の手の中でカットし、その場所のカードを取り上げます。さらに2 人の観客もカードを取ります。デックを受け取ることもなく、マジシャンはそれらのカードを1 枚ずつ当てていくのです。3 枚のカードはすべて、デックがマジシャンの手の中にはない状態で選ばれ、デックも52 枚からなるごく普通のものであることは強調しておきます。さあ、じっくり考えてみてください。

Chance by Plan  
観客の誰かがランダムにカードを選びます。♠Aだったとしましょう。すると、もう1 枚の黒のA が突然表向きになります。そして黒のA が赤のA を見つけ出すのです。最後には別の4 枚のカードが出てきて、選ばれたスートのA を含む、ロイヤルフラッシュが完成するのです。

Posi-Negative Coordination(J・W・サールス) 
誰かにデックをシャッフルしてもらいますが、それでもなお、どういうわけかカードは赤と黒に分かれてしまいます。

Man Seeks Woman(ハワード・アダムス) 
4 枚のQ と4 枚のK を一緒にして徹底的に混ぜます。そうしたら、観客の誰かにこれを使ってゲームをしてもらうのですが、それぞれ同じスートのQ とK が一緒になるという驚きの結末になります。

A Swindle of Sorts(ポール・カリー)
マジシャンはデックからハートのA から10 までを取り出して順番に並べます。それから順序を入れ替えます。しかし彼は他者の行動を心理的に操ることができるので、不思議なことに観客がカードの並びを元通りに戻してしまうのです。

Two, Six, Ten(スティーヴ・ベルシュー)
観客が自由に1 枚のカードを選び、それを予言とします。これを脇に置いておきます。そうしたら残りのデックをカットして3 つの山に分けてもらいます。予言のカードの数値に従い、3つの山それぞれでカードを移動させていきます。それぞれの山の一番上に来たカードを表向きにしますが、驚いたことに、これら3 枚のカードはすべて、予言のカードと数値が一致しているのです!

 

Numerology(リシャール・ヴォルメル)
マジシャンは手短に数秘術の深遠なる秘法、その理論と実践について説明します。そして誰かにランダムに選んでもらった3 つの数字を使って、選ばれたカードを見つけてしまうのです。

FurtherThan Ever(スチュワート・ジェームス&J・W・サールス)  
観客の誰かにカードを1 枚憶えてもらいます。マジシャンは彼女の心を読み、そのカードの名前――♠A を言い当てます。そうしたらそのアルファベット1 文字につき1 枚ずつカードを配っていきます。綴っていったまさにその最後のカードを表向きにひっくり返すと♠A が現れるのです。マジシャンはそこまでに配ったカードをひっくり返しますが、“Ace” の箇所の3 枚はすべてそのほかのA――そして“Spades” と言って配った箇所はすべてスペードのカード。皆が、さすがにこれ以上はないだろうと思ったところで、最後にはスペードのロイヤルフラッシュが現れるのです!

The Vanishing Deck(ハリー・クロフォード)
鉛筆を魔法の杖代わりに使い、マジシャンはデック全体を消してみせると言います。すると鉛筆が突然消えてしまいます。鉛筆は再び見つかりますが、デックはどこかに消えてしまうのです!

A Card Gag(アルド・コロンビニ(?))
借りたデックから、誰かに自由に1 枚カードを選んでもらい、それを戻したらデックをシャッフルしてもらいます。そうしたらマジシャンは「ほら、これでしょう」と1 枚のカードを取り出してきます。残念なことに、それは彼が選んだカードではありません。がっかりしたマジシャンは、それを破り捨ててしまうのです――そのデックが自分のものではないということを忘れて。ですが最後にはすべては優しいジョークであったことがはっきりして、万事丸く収まるのです。

  • Final Thoughts

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『In Order To Amaze』の訳はほぼ終わりました。査読も3人中2名からすでに返ってきております。ラストスパートがんばります。