教授の戯言

手品のお話とかね。

ジョニーへの伝言



泥酔していたせいもあるのですが、某所で思わず、実際に会ったことも無いのにトンプソンの素晴らしさを力説してしまいました。


先週、マジックランドでフィッシャーに会った時に、彼は自著「Paper Engine」の序文をトンプソンが寄せてくれたことを、とても誇らしげに説明してくれました。


週末、youtubeでトンプソンとダオーティスとがやっている、バーノンとグリーンの物まねカオス映像も見ました。


というようなことが短期間に重なりまして、そういやトンプソンのシリーズは、私の最も好きな映像シリーズの一つだったなあと思い出すことに。そんなわけで、会議の資料が進まないことへの現実逃避も兼ねて、久々に彼の「Commercial Classics of Magic」を見直してみました。1巻+2巻の半分 くらい。





素晴らしい。そりゃあ私もクラシックに転ぶわ。





「マジェイアの魔法都市」にも "My Favorite Videos" として紹介されていますが、諸手を挙げて同意です。最初ここの顔写真を見て、なんかマフィアみたいなガラの悪いおっさんが手品をするのかと思っていたのですね(だって本当に怖そう)。それでいながらマジェイアさんのような手品博覧強記の方が、一切の否定も無しに褒めちぎるというのはどんなもんかと、怖いもの見たさでみてみたのが確か4・5年前。いやあ感激でしたねえ・・・。そもそもとして、あの写真は人相が悪く写りすぎです。実際はずっと柔和で上品でした。




幾星霜を経て残った傑作というのはやはり凄い力を持っていると実感します。トリックの内容もさることながら、演者のトンプソン、これがまた素晴らしい。普通の人がやりがちな"改悪"も無く(意外と難しいんですよね)。かといって無個性かというと非常に個性たっぷりで、トンプソンのタッチでこれまたきれい。しかもちゃんとお客さんとの対話と笑いがあるのです。会いたかったけれども亡くなってしまったマジシャンはたくさんいますが、存命中のマジシャンではダントツ生で見せて頂きたい方です。
こういうの見ると、「手品って、ほんっーとーに、いいもんですね。ではまた来週」とか、小太りになって口ひげつけてアメリカンポリスの格好をしたうえでシベリア鉄道に乗りながら思わず言ってしまいそうになりますよ(思わずの前段が長い)。「(ピンポイントに某氏の物欲を刺激すべく、)1巻ずつ感想を書いてしまおうかしら!w」というくらい、私の中ではベストな作品集です。
Mr.magician的に言えば「女房・子供に買い与えるフラリッシュDVDの数を半分にしてでも買って下さい」です。



そういやたなかまさのぶさんの地下手品トーナメントネタがすんごく好きなのですが、久々に見てみるとトンプソンはいなかったのが無念です。やはりネタ的にはちょっと弱いのでしょうか?それとも原文テンプレに適当なのが無かったのだろうか。ぐぐっ。



「マリニもヴァーノンも俺の中で生きている!カップ&ボールでイタコ現象!ジョニー・トンプソンッ!」
「”中坊の頃には'The Expert at The Card Table'はマスターしていた!” コメディとエレガンス、相反する要素を一つに体現だ!マジック界の日本刀、まさにグレエエエエイトッ!トムッソォォォォニィィィッ!」

絵がある分、原文は短いんですよね。短く、かつ刃牙っぽくするのは確かに難しい・・・。

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なおyoutubeに「マジック物まねバトル」という、タイトルを聞いただけでがっくり腰砕けになってしまいそうなものがあったのですが、マギーとゼンジーの物まねをするMr.マリックのうまさにちょっと驚き。地方郵便局員"栗間太澄"の時に培った芸でしょうか。本当に違和感がなくてマリックの底知れなさを感じました。まあTVで10年以上、自分の名前を冠した番組を何十本と作れるというのは、おそらく他の日本人マジシャンには出来ないことです。彼の種明かし問題は、TVに出続けるということの難しさを露呈していますが、そういうのを別にして、やはりマリックは凄いですね、というお話。あとマギーとゼンジーのマジックはいつ見ても面白いです。ああいふマジシヤンに、私はなりたい。



同じくyoutubeエッグバッグを演じるふじいさんの映像を発見。・・・マルドーエッグバッグだった・・・。演技は袋玉子にしてはかなりテンポが良かったです。尺があるでしょうし編集されている可能性もありますが、2分程度でしたかね。しかしやはりショットグラスの出現はステキだ。