教授の戯言

手品のお話とかね。

一向に構いませんけど

数日前から「ジェイミー・イアン・スイスのクロースアップマジック」を読み始めたのですが、なんと申しますか、色んな意味で凄い本ですね、これ。
書いてあることは「その通りだな」と思うことも多いので、論そのものは肯定も否定もしませんが、少なくともyoutubeで拝見した彼の演技は、(手品好きとしてパスの存在を知っているというところは若干さっぴくとしても)「何もしていなかった」というようには見えませんでしたが…。ぶっちゃけて言えば普通のお客さんでも「いま、具体的に何かは分からないけど、何かはしたよな」と思うんじゃないのかな、と見えたんですけどね。いったい、書物の中の大上段ぶりというか、自信満々なのはどこから来るんだろうか…。
と思ったところで、今までネットでも書籍でも同様なのですが、物言いが尊大だったり大仰だったりした人の実際の演技について、書き物内容レベルの実演を見た覚えがほとんど無いことに気付いたので、まあやはり書く事と演技は別でいいよな、ということなのでしょうかね。
私は生来のチキンであるがゆえに、その手のビッグマウスが非常に苦手でして(別に人の大言壮語を聞くのはなんとも思わないのですが、自分で言えない)、しかるによってこのブログでは自分は下手だのなんだのときっちり自己申告をしてきているのでありますw まあ、いいわけでも何でもなく、実際「上手いか下手か」の二元論で言えば明らかに「下手」なのでアレなんですけど。手品を全くされていないような観客の方に、不思議と思って頂いたり笑ってもらったりは、なんとかできるとは思いますが、多少手品をかじった方には、大半のレパートリーは見破られる自信があります!

彼の物言いだと大半のマジシャンは「マジックの価値を貶めている」というカテゴライズをされそうだし、そんなに孤高にならなくてもなあと思ったりしました。「そういう思いを持っているべきだ」とか、「自分もある程度できるようになったが、まだまだ改善の余地が次々と見つかるくらい奥深いポイントなんだよ」くらいの記述にしておけばよろしいのに。
詰まるところ、「オーケー、書いてあることは分かったし納得もした。でもとりあえずyoutubeの演技は一般的なマジシャン並には怪しかったので、生で会ったときにはこの本に書かれているような、本当の不思議を体験させて欲しいです」と。
分量的にあと半分弱くらいあるけど、この論調が続くのか。ある意味恐ろしい…。「カルチャースクールの手品など唾棄すべき存在」「手品ブログとか書いてるやつは街角に逆さに吊るせ」とか書いてあったりして。…うわw