教授の戯言

手品のお話とかね。

Mexican Revolution

□ Fenik 「Mexican Revolution」



数ヶ月前にMr.Magicianで購入、練習してみたものの途中何点か引っかかる部分を改善できずにお蔵入りさせていた本作ですが、「Hey presto!」にて紹介されていた、考案者本人の実演動画を見て、軽い衝撃を受けたので、再び抽斗から引っ張り出してきた次第。1枚目を裏返す動作(ペイントブラシチェンジみたいなやつ)が加わっているだけなのですが、これによって動作・手順の意味付けがきちんとしたように思えましたのでちょっと感激。やはり実演動画は練習時に非常にありがたい。


[現象]
・4枚の表向きのJが1枚ずつ(極小のカバーで)裏返っていく
・全て裏向きになったあとで、1枚だけ表にして振ると全てが表に戻ってしまう
・先ほどまで全て青裏だったのが、全て赤裏に変わってしまう


といったパケットトリックで、現象としては"Twisting Aces"や"Waving Aces"に近いです。ギャフカードの構成と手順の妙から、実に無駄の無いステキな手品。少なくともビデオ撮影したものを送りつけた友人からは「5回見たけどまるで分からん。そのうち俺は考えるのをやめた」とか返ってきたので「お前はカーズか」と。それはそれでちょっと嬉しい。なおwebカメラの映像では、自分で見てもちょいとした不思議なのですが、問題はこれを生でやるにあたり、1mも離れていないところでやるのは、ちょっとドキドキしそうですがいかがなものでしょう。お買いになった皆さんはよく実演されていたりするのでしょうか。



なお解説にもありますが、Jではなく同一JOKER4枚などで行うと更にクリーンな手順になります。"EDを全部違うバックのカードにしてみる"と言うレインボー的なのも面白そうと思いましたが、これは小手先の改案である感じが否めませんね…。他にも幾つか、自分でやってみている手順では原案と変えてみた部分もあるのですが、「こんな方法はどうだろうか」と自分でむにむにいじったり考えているときがやはり地味に幸せ。元の手順が力強いので、私のような人間がびみょーな工夫をしても、作品自体がスポイルされることが無いのが幸い。本作のバリエーション「JAYWALK」はまだじっくり練習していないのですが楽しみです。

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色々届いたものもいくつか見たし、また備忘がてらつらつら書こうとは思ったのですが、週末見直してからにします。何故なら一つ一つを細かく覚えていないので。



WGMの「Chop Cup」DVDはオススメです。やはり面白いですね、プロダクションモノは。このシリーズは全般的に非常にありがたいです。新たに撮っているものでは無いので値段も安い上、内容もバリエーションに富んでいます。このシリーズでいつ「3Fly」「Oil & Water」「Wild Card」が出るのか楽しみです。…出ますよね?



ソル・ストーンの「Quick & Casual」は正直私には微妙でした。その名の通りクイックでカジュアルなんですが、ちょっとあっさりしすぎというか。何気なーく見せるにはあのくらいが一番というのは分かっているのですが、家でゆっくり鑑賞するのには物足りない感じです。



サイモン・ロヴェルのDVDは以前見た「Card Shark」の寡黙ぶりとはうってかわって、いきなり変態っぽい感じになっておりました。あ、いや、語弊があるな。変態というかえらいハイテンション。「あんたのカード、舌で当てるよ」とか言い出したときは「このカード…"嘘をついている味"だぜッ!」とかやりだすかと思ったのですが、ホントにデックを口の中にぐいぐい入れちゃうし。バーでホッピングっぽくやっているので、会話がいつもよりラフなんだと思うのですが、いきなり何を言ってるのか分からなくなりました。自分のイングリッシュリスニング力の低さに愕然です。



なお"Heartless"というカードマジックは、寡聞にして今まで見たことがないタイプの現象で、ラストには声をあげて驚いてしまいました。
ヤバイ。ロヴェルヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。ロヴェルヤバイ。まずキモい。もうキモいなんてもんじゃない。超キモい。キモいとかっても「ジェイ・サンキーの20分の1くらい?」とか、もう、そういうレベルじゃない。何しろ実は上手い。スゲェ!なんかミディアムディールとかできんの。セカンドディールとかボトムディールとかを超越してる。上手いし超キモい。しかも後退してるらしい(髪が)。ヤバイよ、後退だよ(髪が)。

実は"宇宙ヤバイ"テンプレ絶望先生のOPで知りました。ヤバイ、私マジヤバイ。

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8月8日の日経夕刊、某記事の1/4がコードギアスの話でした。記事自体はそれを嚆矢に「右傾化する若者」云々、「若者のナショナリズムがどうのこうの」というもので、京大のセンセイがお書きになっておりました。「若者の右傾化」なんて妄想を本気で信じているのならかなりアレなんですが大丈夫なのか、こういう人が教鞭執ったり新聞記事書いてて。ていうかネタですよね?しまいには「米国とアルカイダの関係を連想させる」って。キバヤシばりに想像力豊かな人だなあ。どんなMMRだよ。



コードギアスはつまり…米国とアルカイダとの対立関係を暗喩しているんだよ!」
「な、なんだってーーーー(AA略



ぶっちゃけコードギアスは「国家の大義」など全くといっていいほど語っていませんし、実際"ルルーシュというびっくりするほど激しいシスコン(若干マザコンの気もあり)の青年が、色々痛い目を見ながら突っ走る"作品なのは明らかだと思うのですが。
というか「若者の右傾化」という妄想をまじめに語る人を久々に見た。日経の朝○新聞化の方が問題じゃないのだろうかw サイレントマジョリティ理論でネットを湧かせた石田衣良さんもたまに記事書いてた気もするし、微妙になっていく日経から目が離せません!