教授の戯言

手品のお話とかね。

エヴァ新劇場版:序

上記、さっき見てきました。



ああ…、こういうのが見たかったんだよなあ。



観ている最中ずっと、リアルタイムでTV放送にかじりついていた高校の頃を思い返しておりました。いや、ちらちら思い返していたような気もしますが、実際には画面に釘付けでしたな。「また過去作品頼みか、しょうがねえな。でもまあ観には行きますけどね」なーんて思ってましたけど。もうどんぴしゃで好きだ、今回みたいなやつ。「エヴァンゲリオン」というソフトの底力を再確認する一日でした。

今は非常に満ち足りた気分なので、起きたらきちんと書きたいと思います。いいもの観た。

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正直、あんまり期待してなかったんですよ。「あー宇多田ヒカルさんが歌うんでしたっけ、なんか。実写版キャシャーンにする気ですかハヤリ方向に行きましたね」、みたいな。



すいませんでした。面白かったです。高校生みたいですが、超面白かったです。"wktk"というのがリアルに近い。いやーTV当時でも最先端映像美だったとは思うのですが、今回のは更に、現代のこなれたCGとナイスな作画陣のコラボがたまりません。音楽も結構変わってました。全部新録の曲かな?(曲調はほぼ同じだが、使用楽器が若干抜かれていたりとかですけど)
一部モブの声優が変わってますがメインは一緒。ああ蘇る青春時代。そういや2話のシンジ君のいる病院で「ウガイ先生」「アズマ先生」を呼ぶアナウンス(これはこれで「白い巨塔」のパロディですが)も大原さやかさんになってた。なんか各所で大原ボイスを聞きました。ウットリ。まあそんなとこは正直どうでもいいのですが。




TVの6話までを約90分の尺でおさめているわけですが、新たなシーンも多く上映中やばいテンション。ずっと笑顔だったかも。私超キモイ。



圧巻は第三新東京市と対ラミエル戦。

前者は都市の一つの未来を見た感じです。CGを駆使した細かいメカニカルな動きをみると、故も無くワクワクします。建物を出したり引っ込めたりする利点が現代日本においては今のところあまり無いけれど、なんだろう、本当にカッコ良かった。しびれる。TV放送の時、兵装ビルというのはずっとそこにあるもんだと思ってたんですが、どうもそうではないみたい。今回「普段づかいの街」と「要塞都市」としての二面の顔が実に鮮やかに対比されてます。



ヤシマ作戦。TVでもかなり燃える展開でしたが今作は戦闘方法が圧倒的にカッコイイ。ラミエル戦って、あんなに犠牲を払うものだったのだなあと。そして日本全体の電力を収束するこの計画ですが、なんだろう、電力会社の人がかっこよく見えたw そして重機を見るとなぜか日立とかコマツIHIとかその辺りもやっぱ動員されてんだろうなあとか、出てこないけど弾道計算にはやはりブルージーン系や、地球シミュレータ系のスパコンを、並列稼動させて色々やってんだろうなあ。



いや、もうなんつーかな、青春時代あれ見てた人は私含めて幸せですよ、ダメな方向にですけどw 今回の映画では、ばっさり切り落としたシーンのかわりに、かなりドラスティックに違うシーンが入っており、説得力にかなり厚みも出たなあと思います。



あと3回映画やるわけですけど、毎回行くつもりですし、DVDも買うよ、買いますよ。ああ、面白いなあ。あらためてエヴァンゲリオンというソフトの優秀さを実感した夜でした。興奮冷め遣らず、渋谷から90分くらいかけて歩いて帰ってきましたよ。意味も無く。…また観にいきそうだw そして今頃練馬で鑑賞中のちょこさん、早く帰ってこないかなー。

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■作品内容が含まれます。一応のnotice。




ちょこさんが帰ってきての、「こういうのを見たかったんだよね、俺らは」という発言に全面同意。しかしミサトさんやリツコさんは現在の私と大して年齢差はないのですが、なんだあの貫禄。NERVの中枢にいるってことは、みんな優秀なんだろうなあ(そう見えない人も多いけど)。まあぶっちゃけEVAって主要幹部みんな東大と京大関係者だし(ミサト・リツコ・加持>東大(相当)同窓 碇夫妻>京大院生 冬月>京大教授(闇医者経験もアリ))。



・イヤホンしっぱなしのシンジくんにすら気づかれるNERV情報部員の尾行っぷりについて(大型ライトも携行って、ギャグなのか)
・やはり「笑えばいいと思うよ」のレイの笑顔は、TV放送版が一番"精一杯笑ってみた"感じが出ていた気がするのは私だけなのか。劇場版とか新劇場版のは、戦闘後ということを考慮するとキレイすぎ
・出撃前とか多分戦闘中とかに、ぐっとゲンドウの眼鏡を握り締める綾波にぐっときた
ラミエルの砲撃で揺れる指揮車内で、激しく転倒するリツコさんの「きゃん♪」が無かった…
ラミエルの砲撃の威力が凄まじくパワーアップしていた…がゆえに、あんな山ごと融解させてしまうような幅のでかい砲撃、盾で直撃は防げても、立ってる地面そのものから融解していきそうな勢いでドキドキ
・ち「狙撃地点は動かせないんだから、よく考えたら盾をそのまま立てておけばいいんじゃないですかね」教「盾を支えるためのコンクリが10時間じゃ固まらないんだよきっと」ち「硬化ベークライト…」教「うるさい、えーと、そう、"その方がカッコイイから!"」ち「センシチョー!」 
・10時間足らずであの電力収束システムを作り上げた、(多分)xx電力系の会社の人たちは、後年「プロジェクトX」になるはず(「2015年、日本を襲った災害に、未曾有の大計画が持ち上がった。-中略- これは、10時間の間に、日本全国の電力と、それに関わる人々の心をひとつにまとめあげた、男たちの執念のドラマである」(声:田口トモロヲ) >OP突入)
・ケンスケが"ちょっとイイやつ"的シーンを軒並み削られて、ただのスネオ状態w



良し悪しなのですが、新劇場版は聖書的な思わせぶり伏線とかはかなり減っていて、王道SFになれそうな予感。これをコンパクトにまとめたと見るかどうかは意見が分かれると思いますが、TV版のあの間の取り方や生活描写などは、劇場版の特性上間違いなくかなりカットされる気がします。確かに伏線的な部分、生活描写的部分をカットしていくと戦闘シーン中心になるので、次の劇場版では20話くらいまでは消化できると思いますが、若干ストーリーが速すぎるんですよね。多分TV版見てない人にはついていけないのではないかと(そんな方は劇場に来ない気もしますが)。ジェットアローンの回とか確実に無かったことにされそうw しかし帰宅してちょっとTVシリーズ見返してましたけど、セル作画だったんだなあ、この頃…。あ、あとアスカがあんまり要らない事になる気がする。そして更に出てくるという新キャラはどんな役割を担うんだ。



某スレで「今回って実は前回の劇場版の後の話なんじゃないのか」という説があって、なんか凄く納得。より良いエンディングを求めてループエンドしていく世界の話なのか。ロマンだ。私はこの辺の設定を想像することはしませんが、そういう流れだったら納得はします。むしろ好き。

正直「The End of〜」は酸鼻を極めた話すぎるので、もう少しみんなが幸せになれる結末にして欲しいものです。あと…DVDいつ出るんですか、絶対買うんですけど。とりあえず近日中にまた観にいくか…。