教授の戯言

手品のお話とかね。

MML Vol.26

イカンイカン、「"手品グッズの人柱報告"メインにしつつ、たまに他のコトも書く」と断ってあるとはいえ、ちょーっとアレな方向に行き過ぎました。知人に「エヴァオタキモイ」とか言われちゃいましたよ。ちくしょう、パチスロエヴァっ子のクセに!

まあ私も、「30にもなって"ガンダムガンダム"だの、"1年戦争ってのはね…""そもそもミノフスキー粒子というものがあってこその近接戦闘理論が云々"」とか言っちゃうタイプのオトナにはなるまいと思っていたのですが…まったくもって目糞鼻糞でした。ガノタガノタでロボットと戦争大好き的な紋切り型イメージがありますが、エヴァオタはエヴァオタで、心理学やら聖書やら、若干インテリ風味を備えた"一ひねりしたイタイ人"になりがちなので注意せんといけませんね。て言うか私の自戒w

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▼とりあえず次以降にはジョシュア・ジェイの「Talk about Tricks」に関してを備忘を兼ねて書いて行きたいと思っております。幾つかメンタル系のリスニングが甘いので再度聞き直してまいりますが。



▼庄司タカヒト「接客の魔法」を買ってみました。以前知人に「庄司さんは実にまじめな苦労人でねえ」というのは伺っていましたが、その過程・お人柄を垣間見ることが出来たのは良かったですね。しかしのべ30万人以上にアクト…。あまりの膨大さに愕然です。レストラン等を舞台にした、実際の接客過程には臨場感があり非常に引き込まれました。

なお内容の素晴らしさを賞賛するコメントはネットにも非常に多かったのですが、私としては両手離しで絶賛というわけでもありません。内容は面白かったのですが、ゆうきとも「人はなぜ騙されるのか」同様、後で何度も参照するタイプの本ではないかなというのが正直な所です。新書というのを勘案しても分量がそんなに多くない(私が30分ちょいで読みきれる程度)ですし、著者には申し訳ないのですが、立ち読みで良かったかなあと思ったりしました。

そもそもマジックという点を除けば基本的に接客、特に一見の方へのアプローチ手法の話なので、以前読んだ別の本と共通点が多かったのも、読むスピードに拍車をかけたかとは思います(一応営業マンとしてはその手の本も読む機会が多いのです)。この本単体での感想になりかねるのがちょっと惜しいところです。

先述のゆうきさんの本も、内容は決して悪くなかったとは思うのですが、個人的に詐欺事件や人の騙されるメカニズム関連の勉強(関連資料の濫読に近いですが)をしていたことがあり、その流れで読んだ感想としては"少しぬるかったなあ"というのがありまして、これまた単体感想になっていないのが申し訳ない。マジック事例等をちょいと絡めてイロイロと、というとやはり松田道弘さんの著作が個人的には好きな形態・深さです。いや、私の趣味はどうでもいいんですけどね。

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▼ああ、ゆうきさんといえばMMLのVol.26はとても良かった。…ので。



■ ゆうきとも MML DVD Vol.26

【収録内容】
 ◆どこでもできるブックテスト入門!!
   ・ブックテスト 1&2

 ◆カードを使った読心術に挑戦する!
   ・Do as I do ESP版
   ・ソート・エコー
   ・アウト・オブ・サイト アウト・オブ・マインド




いつも通り、私にはESPカードの面白みがよく分からなかったため置いておきますが、ブックテストとカードマジック(のゆうきさんのタッチ)はどちらもグーでした。ゆうきさんの解説も熱が入っており、…というか解説しているゆうきさんが楽しそうに見えたのが実に良かった。気のせいと言われればそれまでですが、マニアが自分の大好きなトリックを愛情をもって解説している時は、聞いているこっちもワクワクいたします。解説聞いてるだけで楽しいというか。いや、勿論、彼がこれらのトリックを実際に愛しているかはご本人に伺わないと分かりませんけどね。とにもかくにも、非常に良いパッケージの号だと思います。当てものがお好きで上記を知らない方は、この号だけでも買ってみると良いのではないでしょうか。個人的には大満足です。オススメ!(ファミ通的似顔絵は省略)



・ブックテスト 1&2
ブックテストは基本原理やら特定の"最終兵器"を使うタイプの物やらは知識としては持っていたのですが、ブックテスト1の方は基本中の基本のはずなのに知りませんでした。恐ろしいことです。
なおブックテスト…なのかは分かりませんが、FISM2003:Jan Ditgen 「Sie antworten mit allem (They answer with everything…でいいのでしょうか?もうドイツ語、欠片も覚えてないや…)」は異様に不思議だったなあ…。



・ソート・エコー
二人のお客さんの選んだカードを当てるのですが、お客さんも演者も混ぜまくるのです。これは非常に不思議だった。素晴らしい。演技時間は少々長いんですが、それにも増してこの不可能っぽさは凄い。解説を聞いて二度驚愕でした。
MMLにおいてはOW以来久々に、混ぜ混ぜの進行ぶりを見ていて「どうやって解決するんだろう…って言うか本当にあたるんだろうか…」と心配になってしまったナイストリック。サークルでちょいと試させて頂いたら、マニアの先輩が「?…マークトかキーカード2枚?」とか仰ってました。ちょいと違いますぜ。恐るべし、ソート・エコー。



アウト・オブ・サイト アウト・オブ・マインド
超有名大傑作。観客が見て、ただ自分ひとりが心に思っただけのカードをマジシャンがびしっと当ててしまう。上の「ソート・エコー」もそうですが、カード当てが全く好きでは無い私をして「うわ、面白!て言うかキモイ!(褒め言葉)」となってしまう、珍しいトリック。
「Out of this world」が現象的な鮮烈さなら、こちらは言いようのない気味悪さを残す読心トリックです。が、ゆうきさんも仰る通り、演じている人を見たことは実に少なく、私は国内では1回か2回しか見た事がありませんでした。海外のマジシャンが演じているのは何度か見た事があります。て言うかVernon本人も入っていた気がw

ソート・エコーは原案のタッチを知らないのでなんともいえないのですが、こちらの「OoS OoM」についてはゆうきさんの工夫が実にナチュラル。原案より更に、"演者がカードの表を見てすらいない感じ"が出ていて、見る限り怪しいところをカケラも感じなかったのが流石でした(自分が観客の立場でそんなところを気にするかというと、多分気にしないとは思いますがw)。



…しかし演技の最中も"演目はなにをやってるのかテロップ"を出しといてくれればいいのに、と、MML側の改善主張点を真っ向否定するコメントで締め。ああ、すわりの悪い。