Vincent氏の手品を初めて拝見しましたが、Disc1を見た限り、癖の無い綺麗な手品だけどキャラ的な面白さは伝わってきませんでした。別にそういうのが無いといけないわけではないのですが、ちょっと物足りない感じもした次第。全体的な破綻の無さといいますか、安定感は素晴らしいです。
それにしてもあんな変態やこんな変態がいる中、彼のようにスリーピースに身を包み、カードやらコインやらカップアンドボールなどを見せてくれる、シックな紳士マジシャンは存在自体が貴重なのでしょうかね、やはりw
あと"こんな変態"の方は、これがいわゆる「半袖でも出来ます」「ジャケットも不要です」に並ぶ、「裸でも出来ます」という、ショップのよくある謳い文句シリーズの体現と見てよろしいですか。…あれ、いや待てよ、ハイヒールは脱いでいないということは…。
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■ Michael Vincent「The Classic Magic of Michael Vincent」
Disc1 パーラー・ショウ
・ The Intuition Speller
ハリー・ロレインの現象を元にしたスペリング・トリックです。観客がシャフルしているために本当に不可能に見えます。
確かに不可能っぽい。その割にあまりスライハンドを使ってるようにも見えなかったため、メンタル的な手法を想像して解説を見たら、ピーク手法がえらく難しくて(かつ自然で)驚愕。というか、あのスライトを使えるのであれば、もっと別の解決方法とか取れそうではあります。ギャンブルテクみたいなピークで(ピークというテクニック自体は元々ギャンブル由来なのでしょうけれど)、頑張ってみたんですが、インデックスが見えないこと見えないことw せっかくだから俺はマークトデックかギャフカードに逃げるぜ!
・Kismet
観客が選んだカードをマジシャンが当て、マジシャンが選んだカードを観客が当てます。まさにキスメット(運命)という感じのマジックです。即席で演じることが出来るため非常に実用的です。面白いフォールス・シャフルも解説されています。
面白いフォールス・シャッフルというのはアードネスのシャッフルらしいのですが、そおらん!を聴きながら2時間練習していたらそこそこ滑らかにできるようになってきました。オーバーハンドシャッフルしてるように見えますが、完全なフォールスシャッフルです(実際はカットですが)。…はっ、しまった、すっかり忘れていたけれど、ハインスタインシャッフルとかグレイシャッフルを練習する方が先じゃないのか。
これのいいところは、カジュアルにシャッフルしているというかカードを弄んでいる印象を与えられること。オーバーハンドシャッフル特有のしゃくしゃくとした音がする上、グリーンのオーバーハンドフォールスと違って本当にカードの移動もあるのでぱっと見でフォールスと思う人はいない気がします。が、私自身は映像を見ていた時、受け取る左手のパケットが右に傾いたり左に傾いたりしていた時点で「何かこう、特殊な操作をしていそうだなあ」という印象を受けてしまったのですけれども。これはもう心が汚れているからですね。ちなみにお分かりと思いますが、もっと別のフォールスシャッフルでも普通に代用可能ですw
・My Card, Your Card Everybody's Card
この現象の歴史はロバート・フーディンの「Secrets of Conjuring and Magic」までさかのぼることが出来る、非常に古いトリックです。ジョーカーが次々と数人の観客が選んだカードに変化して、再びジョーカーに戻ります。その古来のトリックがマイケルの手によって21世紀風に仕上げられています。
トップチェンジを使いまくりであります。こういうトリックは(自分にとっては)中々新鮮でした。しかし昔のサロン的な情景を想像するに、こういう形が自然なんでしょうね。が、不思議かどうかというと話は別です。なんかあれだけチェンジが連続してしまうと、非手品人でも疑いを抱きそうな気がします。
・The Amazing Discovery
10人の観客に選んでもらったカードを次々に当てるマジック。
ドク・イーソンのやっていたフューザラントのような、一対多数の古流剣術…じゃなかった、カードあて。自分でやったことが無いのですが、観客は不思議に思うのだろうか。
・その他(演技のみ)
「The Rhapsody in Silver」
スリーフライ。
「The Cups and Balls」
王道極まりない。CTTを混ぜることで自然に屈み→ロードを行えているのがステキでした。
「The Knotted Silks」
結んだシルクが解けまくりです。(マジックとしては)極めて普通だと思いました。勿論実際には地味に不思議なことが起きているのですが。