教授の戯言

手品のお話とかね。

たっぷりとクロースアップ #32


10月11日土曜、たっぷりとクロースアップ第32回@人形町。行ったサークルメンバーより転記。いやしかし凄いですよね。32年。32年とか、ピチピチで生まれた赤さんがおっさんになってしまう年月ですよ。
前から若干気づいてはいましたが、やはりカードとコイン以外のほうが記憶に残りますね。特にこういう、複数の演者が違ったカードトリックをばんばんおやりになりますと、一個一個を思い出すのが厳しくなっております。不思議印象逓減の法則。(あと加齢による記憶力の低下) そういや昔は11月3日だったのに、何で昨今早まってるんでしょうか。場所の確保の都合かしら。

                                                • -

◆1人目:荒井晋一さん
1. 4枚のカードを使ったトリック。裏面に次々とマークが現れる。
2. 2枚のワンダラーコインを使ったトリック。
3. ひっくり返りやすいカードがあるという。AとJの入れ替わり。
4. クレイジーシャーピー? ケースから不可解な動きでシャーピーが出てくる→シャーピーとコインパースの入れ替わり→シャーピーのヴァニッシュ。
5. パケットを2つ表裏で混ぜていくが、それぞれの枚数を当てる。最後に…。

荒井さん、何かお痩せになった気がしますが、汗ふきタオルは健在で安心。4のシャーピーが透明ケースのフタ開けたら出てくる瞬間が、何か目の前でCG見てるみたいでキモかったです。最後のはシャッフル・ボアード的な印象なのですが、もっと欺瞞的な気がします。詳細に手順を思い出したいところですが…。アフェクションズを買って帰るべきでした。



◆2人目:Yuji村上さん
1. 蟻が巣穴に帰るトリック。
2. メモパッドを使った予言
3. 最初に予言の入った封筒が出ている。2分割された10種の絵葉書がそれぞれ封筒に入れられ混ぜ、観客のストップしたところで止めるがそれが一致する。更に予言を開けてみると…。

村上さんが「ダジャレ物は思いつくと、たっぷりと〜でやらなきゃって気になるんですよ!」とか仰ってて草不可避。もう最初から流行りモノ+ダジャレという鉄板の組み合わせであり、笑いの沸点の低い私はついつい噴き出してしまいました。
予言の封筒はうまい具合に手を返しているのだけど、回数が多いので、観客に何となく気づかれてしまわないだろうかと思いました。最後の予言が前のトリックの解決になっているのとか大好きです。伏線回収に弱いパティーン。



◆3人目:二川滋夫さん
1. 演者が覚えたカードと、観客が覚えたカードがメイトになっていて、握手して終わる。
2. New Jack Cityの改題?
3. 金属の球と、それがギリギリ通らない程度の筒を使った貫通。最後には…。
4. 10円100円500円という3種のコインを、エスプレッソカップに入れていくたびに全て最初に入れた硬貨になっていく。最後には大量の500円玉が。

みんな大好き、私も大好き二川さん。相変わらずニコニコしながらエグいことをされる印象。
最初のは単なるキーカード・ロケーションだと思いますが、演者と観客がそれぞれのカードを示しながら握手という、画的にいい感じの。
New Jack CityというのはJohn Bannonのカードトリックで、赤いクイーンと黒いクイーンを示し、デックの中に入れるが、それぞれのペアが離れて現れ、それぞれ間に観客のカードが挟まっているものの類型(そのものだと思うんですけど)。他人が演じているのを久々に見ましたが不思議です。
棒と玉。2週間ほど前にみせて頂いた時、オチは1本だったのですが、ここでは2本になっており、ご本人に言ったところ「手順というのは進化するものなのです」と。なるほどw
エスプレッソカップのやつも同じタイミングで見せて頂いていたのですが、凄く不条理感がある。最後は安心のダジャレw



◆4人目:今西章さん
1. 3種のコインのアセンブリ/リバース。
2. 2種6枚のコインの入れ替わり。
3. スリーボールトリック
4. 4枚での当てもの。最後にはハズレカードとアタリカードの枚数も入れ替わってしまう。

初めて拝見しました。大学院生の方だそうで。実に危なげないコインを久々に見ました。凄くうまい。尖った感じじゃなくて、安心してみていられる不思議さ。多分ギャフとの併用のはずなのですが、検めのタイミングと頻度がとても良かったと思いました。なんとなくアル・シュナイダーが思い浮かびます。
スリーボールトリックはもう無条件で好きなんですけど、これまたうまかったなあ。特段の変態ぶりはないけど(そもそも要らないけど)、きちんと不思議を見せられているというか。出来そうで出来ないんですよね、こういうの。
モンテ系のは流れとしてもよく出来ていて、オチもあって素敵。


     <休憩>


◆5人目:坂井弘幸さん&はやふみさん
1. ペアとなるカードを、コインの表裏の枚数分で公平に選り分けていくが最終的に一致する。
2. 4Aと4Qが1枚ずつ入れ替わっていく。
3. いつの間にか4枚のカードの裏にでかでかとマークが付いている。
4. 四則演算

前2つが坂井さん後ろ2つがはやふみさん。荒井さんの「坂井弘幸、この会ではいつも本名でのご参加です」みたいなナレーションを聞いて、刃牙っぽく「HIRO SAKAIもDr. レオンも他人の空似!坂井弘幸、今日は本名での登場だァァァァッ!」とか想像してひとりで笑っておりました(心のなかで)。
コインの裏表に応じて分けていって、最後にペアが一致したり予言されてたりと、やはり不思議です。特段の技法なんかなかったように見えたのになあ。セルフワーキングなのだろうか。わたし、気になります
坂井さんがこういう会でたまに仰る「ガチのカード・マジックします」がかなり好みで、毎度凄くいいんですよね。マニアックなパケットトリックとかも含めて、やはりとても手品がうまい人なんだなと、思ったりします。見せ方含めてマジシャンって感じがします。
はやふみさんは以前拝見してこれまたうまい印象。いまはやふみさんのノートを買うか悩んではいる。いつの間にか裏にマークが!というのは直前で坂井さんが使っていたパケットを使ったような感じなのだけど、いかんせん今日は荒井さんも今西さんも同じような(見え方はさておき)トリックをしていたので、ちょっとぼやけちゃったかもしれないなと思います。毎年、各演者で演目打ち合せとかないんだろうかw(してなさそう)
四則演算はショップで見て、正直いやさすがにそれはないだろうと思ったりなんかしちゃったりなんかしてもう、だったのですが、実際見せて頂くと実に面白いし、場も沸いていて、典型的な「実演見ると欲しくなる」パティーン。



◆6人目:ゆうきともさん
1. 紙袋の口から両端の出ているリボンの真ん中に指輪が通る
2. 一瞬でデックに差し込んだジョーカーの向きをひっくり返す。観客が引いたカードだけがひっくり返る。
3. 公平に選ばせた、手がかりのないカード3枚を当てる。

相変わらず本当に隙のない手品をされるイメージ。
最初の指輪のが実に良かった。不思議。なんかこれを見て、久々にディーンズボックスが買いたい欲が盛り上がりました。やはりトポロジカルな手品は好き。そして安心のDean's Box 2.0 Out of Stockですわよ。
ジョーカーひっくり返す奴は温泉レクチャーだったかトランプの友で見た気がしますがやはり素敵。
最後のはこれも作品集かなんかで見たような現象だと思うのですが、きもい。なんで誰も見ていないカードが当たるんだっけこれ。。。スタック?



◆7人目:ふじいあきらさん
1. ストローの貫通
2. アンビシャスカード
3. コインスルーシルク
4. ワンコインルーティーン
5. (ルービック)キューブ

ストローの貫通は久々に拝見しましたが反応に困るキモさ。あの指、キーリングならぬキーフィンガーみたいな感じでどっか開いてるんじゃないだろうか。
アンビシャスカードは、まず前段の口からトランプ吐くやつが「あ、ちょっと足りないですかね」って言ってもう一回やると見せかけて「あ、足りてますね」とかやられてみんなで爆笑しておりました。この肩透かしが出来るほど浸透した、ということでしょうか。しかしその後のカードのライジングは、レイ・コスビーのあれをもっとキモくした感じで、何かもうキモくて感想の書きようが無いです。なんですかあれ。振っただけでカード上がってきとったわい(小者感)。
コインスルーシルクは、スケスケシルクをワンダラーが1枚ずつ貫通していくもの。アマーも同じようなのをやっていたけどこれはやはり見栄えがしますね。
キューブは最近流行りの一瞬で揃う系。ごちゃごちゃになった状態を持ってその場で一回転したら綺麗に戻っている、というものでした。ギャフじゃなく何アクションかを一瞬でやって揃えるような感じなのだろうか。



◆8人目:庄司タカヒトさん
1. 13でカット、言ったところから観客のカードを出す。
2. 複数種類ある中から、観客がどのコインを握ったのかを当てる。
3. すべて年号の異なる100円玉のうち1枚を握らせ、それを当てる。
4. ジャンボカードで、真ん中に穴の開いたジョーカー2枚に挟まれた、同じく穴のあいたQ、これの後ろに同様に穴のあいたKを重ねて折りたたんでいくが、いつの間にか挟まれているのがQではなくKになっている。

相変わらず演技されている時の庄司さんは実に怪しいおじさんでしたw(個別でお話しなどしている際は大変ジェントルな感じなのですが) 
13ずつカットします、的に始まって、どう考えてもちょっとでっこみひっこみあるわよ、と思っていたら、そこからKが出てくるというサカートリック(違)。その後観客のカードを指定した枚数目から出していました。
観客がどのコインを握ったのかを当てるのは皆目検討がつかない。直前、独りの観客に「これだと思うよ」って見せていたけど、あのフェイズは手順として必要なところなのかな。気になる。いや、不思議だったのです。
年号の異なる100円玉を数枚確認させてパースに入れ、適当に1枚握ってもらったやつの年号が当たるのは、自分ではこうじゃないかな、という推測はあるんですけど、見てた時には全くそういう感じもしなかったし、どうなっているのやら。
ジャンボカードはただただ不思議でした。古典トポロジーなのかなとは思うのですが、もう空間把握能力に乏しい私には想像がつきませんや。あれ手順の導入とかにもいいというか、見栄えのする、かと言って不思議すぎない、良いバランスのものだったように思います。買えるのかしら?ていうか試しに作るのチャレンジしてみようかな。