教授の戯言

手品のお話とかね。

Perfect Holdout


ああ、昨今書きがちな私の思想などどうでもよかったのです。ここは「お買い物人柱の報告ブログ」だと言うことを忘れていました。なお最近買った物の中ではダントツでエースコンバットゼロが買いですよ、皆さん!でも今日は久々に手品グッズの話w

////////////


ホールドアウトと呼ばれるギミックがあります。非手品人のイメージとして、「なんか袖口が怪しい」というのがあると思いますが、袖に代表されるような様々な場所から、密かに物を出したり逆に引っ込めたりする道具です。とある本で読んだ有名なホールドアウトギミックは、マジックハンドみたいな機構が腕に沿って袖の中に入っていて、膝を開いたり閉じたりすることでそのマジックハンドを操作、手札をこっそり交換してカードゲームを有利にするというものでした。


ギャンブルのイカサマに使う以上、かなりの自然さと静粛性、そして確実性が要求されるのですが、今回ご紹介するこのパーフェクトホールドアウトはその点かなり優れています。ただ、今書いた通り、ホールドアウトギミックというのは、本来そうあって然るべきものなのではないかとは思いましたけれども。
自分としては、ほかの同系統のものと比較して特殊なメカニカルギミックがあるのかなと思っていたのですが、特にそこまで際立ったメカニカルな工夫があるというものではありませんでした。他のをそう沢山知っているわけではないので断言は出来ませんが、一線を画すのはギミックの動作の滑らかさ・本体の軽さに尽きるかと思います。


先述の通り、動作は非常に滑らかかつ無音で良いと思いますが、ある程度工夫しないと出し入れできるものは限られます(そのままですと何でも消せるわけではないのです、と言うあたりでなんとなくお察し下さいw)。ユーティリティープルの先っぽと組み合わせたりすると便利かもしれません。私はユーティリティープルを知らなかったものですから、練りケシのように変形する肌色の樹脂を使い、そこに物を包み込むようにして音が出ないような工夫をしました。あとで考えるとジョン・コーネリアスのビデオにそんな系統のものがあったような気がしますが、多分それが記憶のどこかにあって思いついたのでしょう。高い買い物をした割に、私が実際に使っていたのは原理はほぼ一緒ではあるのですが上記のような手製ホールドアウトでした。最近はまるで使っていません。ていうか仕事が追い込みの時期なので手品もしていませんけどw


手品の世界を5年くらい渉猟していたにも関わらず、「これを買いさえすればとんでもない不思議な事が出来る!」と、まるで手品世界に踏み込みたての人が考えがちな道具主義とでも言いますか、本当はどこにもそんな根拠は無いのですが、それに陥って購入した典型グッズでもあります。自己催眠恐るべし。
過剰な期待との落差もありますが、客観的に見ても現象・機能面はともかくとして、正直なところ所持グッズの中でもコストパフォーマンス面としてはあまり良くない部類に入る気がしなくもないです。ギャンブラーズギミックファンなら勉強のために買ってみるのも良さそうですが、勉強料としてはちょっと高いですねえ。これ買うならコロンビーニのDVDとか全部買えたなあとか考えるとショックもひとしお。


少ない動作で、たとえるなら足を半歩動かしたり、なにがしかの物をお客さんに渡す動作、ちょっとしたポーズ・ジェスチャーなど、そういった普通の動作にまぎれてギミックを操作可能なのは確かに良いと思います。ベストポジションなら、格納時とロードポジション時、演者の見た目にほとんど差は出ません。ホールドアウトギミックの存在を知っている人でもそれを見破るのは困難かと思います。


とはいえ、付属のレクチャービデオを見ていて思ったのですが、もう少し労力の要らない解決法とかありそうな感じだったのですね。確かに不思議ではあるのですが、ちょっと今もたついたかも、と言うところはやはり少し目立ったかなと。あとまあ消すものを選ぶのでそこがちょっと減点です。


要約すると、
いい点:静粛・滑らか・工夫次第で(サイズも重要ですが)色々出し入れ可能
悪い点:スーツ乃至ジャケット必須・これで2万・・・
でしょうかね・・・。