教授の戯言

手品のお話とかね。

アルフォンソレクチャー

8月10日、アルフォンソのレクチャーに参加しました。その日はかぶりつきで見ようと決めていたので、「あ、大事なミーティングがあるんで」と17時早々には会社を出発(嘘はついていない)、17時半あたりから会場でぼけっとしておりました。18時ちょい前くらいに二川さんとアルフォンソが到着。私も小柄なのですが、並ぶと同じくらいか少し彼のほうが小柄なくらいでした。とても意外です。ただやはり手が違うというか。アルフォンソの手というか指は結構特殊な形状かと思います。爪が丸めなあたりは私と似ていますが、その爪が厚く、刃牙に出てきた国松(徳川氏に「猛禽類の爪!」との評を受けたおっちゃん)のような太くて頑丈そうな指でした。以前会ったジェフ・ラタより段違いにフレンドリーな方で、気さくに話しかけてくださったり一ファンとしてめっちゃ感激でした。「暑いんだけどちょっと風邪気味で」と鼻をグスグス言わせてらっしゃいましたが大丈夫だったのかな・・・。


18時半からレクチャーは始まり、私は最前列、アルフォンソの左手のまん前に座りました。余談ですが、この位置かあとひとつマジシャンの右手側に寄った席が、クロースアップを見るときのベスト位置だと思います。私の位置だと左手のパームが見えたりする事が少ないですし、一つ左の席ならパスされても分かりません。純粋に演技を楽しみたいならやはりこの角度ですね。
下記に詳細を。順番は前後しているかもしれません。



・コインズフロムパースフレーム
Great Magic in TOKYO(以下GMT)で見ました。ていうかそれもあって舐めてました。二枚までは「まあそうだろうな」と思っていたのです。最終的に4枚出てきまして、びっくりですよ。もうのっけからめろめろでした。CPとフェイクパスしか使ってないはずなんですが、正統派スライハンドの威力を見せ付けられました。


・コインスルーザテーブル
一枚ずつテーブルを通り抜けるこの手品、実は嫌いなのですが、テンポも良くいきなり全部下にいってしまったり、やはり素で驚かされました。CTT嫌いな私が言うんで3割増くらいの威力で想像してください。いやほんとに。


・リング&ストリングス
GMTでは長い手順をやっていたのですが、彼が独自に編み出した部分だけやっておりました。紐の通った指輪を、左拳から紐の両端が出るように下向きに握り、左拳の甲の部分でヒモを交差させて右手で両端つまんで引っ張ると・・・「指輪が無くなっている」・・・のは私もよくやる手順なのですが、そうではなく、紐を引っ張ると、「拳の下に差し出してもらったお客さんの手に指輪がぽとりと落ちる」という手順でした。中々新鮮です。自分の手順にも入れたいですが、オチは二つ不要なので入れ所に迷う感じですけれども。
余談ですが、「誰か指輪持ってないですか?」という問いかけに誰も持ってなくて、私がお貸しました。実はいつも紐に結び付けた状態で指輪持ち歩いているのですが、紐ごと渡してたらどんなコメント聞けたのかなとか妄想。


・ブランクデック→ノーマルデックへの変化
購入したDVDにも解説されており、彼のペットトリックでもあるそうです。表裏をファンにしてブランクデックであることを示したものを、マジシャンは華麗に普通のデックにするもの。なんかひょいっとやられてましたが、リバースファンをあの速度、あの正確さでやるのは一朝一夕には無理です。「使うネタもこれだけだし、演じ方も二通りあるからね、是非やってみてよ」ってニコニコしながら言うんですが、ちょっと私には無理です・・・。途中にあった特殊なブレイクのとり方(ダローのレクチャーかなんかでバブルブレイクとか言いましたっけね)は解説を受けたあとでも中々上手くできずもぞもぞしていたら、「あとで個人レクチャーだね」とか言われてしまいました。密かにその方が嬉しかったのですが、二回目にやったら「うん、それでOK」を頂けてしまいました。が。やはりそううまくはいかないもので、帰宅後にリトライしてみたらまるで出来なくなってました。あああん。


・4Aと4Kのチェンジ(リセット)
でた!「とりあえずハーフパス」!GMTでもやっていたAとKの交換現象。ハーフパスではなくケン・クレンツェルのとあるテクを使うようですが、これも彼のペットトリックとのこと。現象がハッキリしているし、何より現象起きるまでが早い。そしてちょっと難しいw ゆうきさんの「トランプの友4」のリセットに続けるやつでも同じようなことは出来ます。私が演じるならゆうきさんの手順ですね。


・バニー&ダブ
ダローのPAPA RABBIT HITSと同様のマジック。マギー的なギャグも入り、オフビートの際の仕事もありと、ミスディレクションとパフォーマンスのお手本的な内容。二川さんの「えーと、なんていったらいいんですかね。焼き鳥というか。ウサギケバブ」という意訳には脱帽。確かにあのロード方法は想定外でした。


・シガレット
タバコ吸わないんですが、吸う人はマスターしとくと良さそうな一発ネタ。煙草が手の中から消えて、いつの間にか咥えられているという奴で、デビット・ストーンが似たようなことをしています。アルフォンソのほうが一発ネタ的で、ストーンのほうはルーティーンですね。


・カードチェンジ
2人のお客さんのカードが入れ替わってポケットから登場。現象の割に難度高いw


・Big Enough
お客さんの指輪の宝石を大きくしてあげるよといい、どうするんだろうと興味津々なお客さんに対してルーペを出してくるギャグ、・・・かと思いきや!という手順。あんな感じでリアルにでかく出来たらいいですね。あげられませんけどw


・コインバニッシュ&アピアリング
見事ではありますが、ダウンズパームというのは見せ続けるものではないなと思いました。あくまで一瞬あの形になったりするのはともかく。そして手品っ子はよくやるのですが、何もない手→出現→再び消失 というのは何というか空しいというか余計な気がします。消すなら出すなという突っ込みは来ないのかな(別名、"すぐ元に戻すならカード破くなよ"理論)。


・3シェルゲーム
二川さんの提供したマットがちょっとふかふかしすぎでやりづらそうでした。ああいうイカサマ賭博的なスキルは身につけておくと話題に困らない感じですね。不思議とあまり練習しようと思わないけど・・・。ちなみにスリーカードモンテは(というかメキシカンターンオーバーだけは)昔よく練習してました。


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終わったあと、茅場町のアルフォンソ宿泊ホテルのレストランにて有志で食事。行ってみたらちょっと派手ないでたちのおにいさんがいて、よく見たらふじいあきらさんでした。ホントはレクチャーから参加されたかったようですが、昨今のテレビの多忙ぶりで叶わなかったとのこと。ちなみに私の目の前に二川さん・アルフォンソ・ふじいさんが座るという、コインマニアの集いのような状態です(私は違うけど)。

なお私が会議中にいじっても音がしないという理由で持ち歩いているバーバーコイン(という名の鉄板)も、ふじいさんの手にかかると素晴らしい魔法具(c.魔法屋文左衛門さん)に大変身、二枚同時マッスルパスを交えた変態的な小品手品を見せてくださったり、アルフォンソを相手にHARADA HOLDをやってらしたりと、技の冴えが凄かった。ほろ酔いで帰りましたが、アルフォンソのキャラクターも面白く親切でしたし、予期せぬゲストも登場したりと実に幸せな一夜でした。あとふじいさんがアメリカで武者修行していたときに近所に住んでいて、お世話もして頂いてたのがアルフォンソというのはかなり意外でした。しかも2人してミニチュアのゴキブリを使ったいたずらで、丁々発止の戦いをしていたとかなんとか。変なお2人ですw