教授の戯言

手品のお話とかね。

アマー レクチャー備忘 (1/2)

(私が個人的に)世界一受けたい授業:1時間目、ジェネラルマジック。講師・マイケル・アマー先生


本日13日日曜は、マイケル・アマーのレクチャーツアー最終日でして、東京は池袋にてレクチャーが行われました。





もう。・・・はぁ。





すっ………ごく面白かったわ!どうしよう。明日会社に行けないよ!来られた皆さんも凄くイイ方ばかりだったのに加え、…アマーオジサマめっちゃ良かってんて!さすがは全世界の手品っ子の先生やー!わいもクロティエ師匠に続いて、アマー師匠にも弟子入りしてトピットの星を目指すわー!



■総括すると本当に素晴らしいイベントでした。アマーの英語はゆっくりで聞き取りやすいですし、現象も超絶技巧ではなく(それも無いことはないんですが)、一つ一つの細かな心配りで成立するもので、私としてもとても好みの演技。


当然レクチャーノートにもないタイプのTipsなどは"会場に来た者の特権"としてネタ帖に秘め、この記事ではアウトラインのみを私の備忘という形で記します。私もまたの機会があったらぜひ参加したいと思いますし、今回はご興味だけ持たれたor行こうか悩んだ方は、是非とも行かれるといいと思います。アマーがレクチャラーオブザイヤーに輝いているというのはやはり伊達ではありません。


ただ、手品云々は勿論ですが、何より彼は私のような若輩者に対してもとても気さくで、飲み屋で熱燗飲んじゃう渋さと、お子さんを愛するナイスパパ属性を兼ね備えている、"人間的魅力に溢れた方"だったのが大きなポイントです。マジック以前に人として付き合いたい魅力を持った人というのは、ヨーキムしかり、トミワンしかりですが、マジシャンとして何よりも重要な要素だと思いました。


■開場前の会場ロビーでたまたま知り合いの方にお会いし、その方のご助力のおかげで遥かに見やすい席(元は空席予定の場所)に座ることが出来ました。Aさん、いつもすみません、今回も蝶・感謝です。移った席は前の方でしかもアマーから見てちょっと左前方向。演目にトピットワークがあったのですが、トピットに幻惑されるには絶好のポイントです。彼レベルの熟練度に加えてあの位置ですと、最早私がどんなに目を凝らしたところで、物体も技法の欠片も見えません。たーまーらーんーですたいー!最高です。

1.トピットワーク
帰宅してから思えば、同様の始まり方をするレクチャーがデビット・ストーンのでもありました。シルクをあらためさせ、コインを検めさせ、気が付いたらボトル出現。


ミスディレクションのお手本のような出現でありました。「ストーンもやってましたね、ハッハ」、とか書いてますけど、現場で椅子からずり落ちんばかりに驚きました。もうダメだ、いきなりこんな鮮やかなの見せられた日には。ええ、拍手も忘れましたさ。あんぐりです。だってボトルが突然来たんで。


その後コインインボトルに繋がるんですがここでまた問題発生です。アマー、ボトルにフタするんですよ、コルクの。で、「ちょ、栓なんてしたらアレがアレで貫通できひんやん」と、「ラブ★コン」に影響された似非関西弁で思っていたのですが、そんな状況下に何の抵抗も無くまずコインがビンを貫通&into the bottle。


「貫通しますよね」と説明しても「…そない言われても知らんがな」だと思いますが、とにかく貫通するんですよ。左手でボトルの首を保持し、右手でボトルの下からコインを叩きつける、よく見るあの動きです。「おお、王道のコインインボトルだなあ」と思った次の瞬間、左手から右手にビンを投げ渡すんですが。アマー先生両手にビン以外なんも持ってないんですよ。もう衝撃ですよ。世の中間違ってますよ!


で。タイトルどおりの内容を解説をしてくださったのですが、ただただ感激。カール・クロティエに私淑する身としては、トピットの威力について頭では重々承知はしていたのですが、目の前で見たあの鮮やかさには、最早言葉がありません(実は、生トピット演技見たのは今日が初めて)。


その他練習法についてなどのアドバイスがありましたが、そういう理屈をおいてもあの消失の鮮やかさは余技を以って代えがたいと思います。書きながら"さすがトピットと糸で世に出てきた人だ"とは思ったのですが、とにもかくにも鮮やか&怪しさを微塵も感じさせない演技でした。なんか新手のスタンド能力かと思いました。



2.フローティング
借りたお札が動きます。そして浮きます。最後はお客さんに検めて貰えます。


動きと現象からスレッドだというのはわかるんですが、いやはや見事でした。これでも一応スレッダーを目指して、彼のEasy to Master Thread Miraclesシリーズを見てはいるんですが(現時点では挫折中w)、右手で操ってるのかな、と思った次の瞬間に両手を離された日には、あなた。


様々なTipsを仰ってましたが、やはりデリケートな素材だと思いました。演技後残ってしまう部分に関しての彼の対処法は爆笑でしたけど。なお演技時に大きく移動する時があり、その際に一瞬だけブツの存在が見えたのですが、それは"何を使っていて""この動きをするにはここに無いとおかしい"という前提+目を凝らしていたからであり、その一瞬以外は頑張ってたのに気配すらありません。名前のとおり不可視でありますな。


何より演技の最中のアマーの動きがスレッドを感じさせないナチュラルぶり過ぎて、もしかしたら、もしかしたらよ?これはもうなんつーかな、ひょっとしちゃうとよ?もうスレッドとか、そんなんじゃない別のものかなーってさ、ネ、ほら。そんな本日の味噌汁の実なのかなって思っちゃったり?今日、麩の味噌汁ってなもんで。笑え。アレよ、恐怖。そんな恐怖感に襲われたりなんかしちゃったりなんかもして(声:広川太一郎)。



3.カードマジック
4段からなるセルフワーキングのマジック。

 a.カードの予言
 b.Aオープナー
 c.Jオープナー
 d.スートごとに全部揃う

実にクレバーな多段セルフワーキング。自分の経験上、最後にカードの順番が揃ったりするとお客さん受けは凄くいいのですが、それより少し簡易。とはいえ、お客さん自身が殆どやったような印象を与えつつ(実際殆どお客さんにやってもらうんですが)、最後にスートごとに揃うのでも、先述のものと遜色の無い印象を与えられると思います。少なくとも私はもうメロメロでした。マスターしたいと思います。



4.スリーカードモンテ
スキナーのモンテと、レギュラーで行うモンテを巧みに組み合わせていました。


生で実演して頂くとやはりいいトリックだなと思います。モンテは数ヶ月前に集中的にお勉強していたせいで、不思議感は正直そんなに無かったのですが、手順の無理の無さがやはりステキです。トレバー・ルイスのチェンジという技法の名前を思い出せたのは棚からぼた餅的ラッキーでした。


<休憩>