教授の戯言

手品のお話とかね。

ジョシュア様が見てる

分量が多いんです、このシリーズ。なので内容詳細が欲しかったのですが、その割にネットを見てもまとめてくれてるページもないみたいなので…仕方なく自分で。て言うか分量的に一枚目でかなりへこたれてるんですけど、誰か引き継ぎませんか、どなたか。…せめて内容解説だけでもw 一応2巻までは見たのですが、その後、先週は「エウレカセブン祭り」→今は「地球へ…祭り」に突入中のため、現在手品熱が相当下がっております。何とか休暇をとる前には3巻までまとめたい。

なお本品、三つ折ケース入りなのですが、広げるとジョシュア・ジェイが3人、三面鏡よろしくこっちを見ているという凄さですよ。…思わず開けた瞬間笑ってしまいました。

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■ Joshua Jay 「Talk about Tricks Disc1」



・Kicking Ace
Aのかっこいい取り出し方。本編ではJを出すのに使っていましたが。ただ、個人的感想として、あまりディスプレイとしては美しくないかなと。


・Oil and Water / Easy Oil and Water - Outjogged Oil and Water - Reflipped(William Eston, Ed Marlo, Yannick Chretien)
第一段はカウント時にチェンジするタイプ、
第二段はディスプレイ時にもにゅもにゅするタイプ、
第三段はOWというよりリセットに近いタイプ
です。

第二段がやはり面白い。知ってから見ればその通り、そのまんまの動きなのですが、やはり最初に見た時はまるで分からなかったです。表向きに確認させられた後に一瞬で分離するのはやはり鮮やか極まりない。
第三段に使われているラストのチェンジは、見る人が見れば気付かれやすいタイプの方法な気がします。初見でこの辺りは追えてしまいましたし…。もう少し卓上のカードを揃えずに置いておけば良かったですかね。


・Change for a Twenty (Adam Ryan)
上記第三段Reflippedのバリエーションで、お札でパケットを包んでから振ると、一瞬でAがJに変化する。見た目はどちらも鮮やかではあります。あのくらい綺麗にボトムパームできればなあ。しかしジェイ、手がでかいというか指が長い。


・Impromptu Hit Man (Rune Klan)
一本のペンと一枚のコインで繰り広げられる、あっち行ったりこっち行ったりマジック。難しい事をしているのですが、あまりそれを感じさせないのは演者のKlan氏の力量でしょうか。デビット・ストーンやリック・メリルがやるようなマジックという印象ですが(ストーンのQuit Smokingがイメージに近いかも)、テンポよくやれば疑念を持つ隙すら与えないかもしれません。遅滞なく行うのがこれまた難しそうではあるんですが。こういうまったく入手に困らない(というかいつでも持ってる)物でああいうことできるのは非常に憧れます。


・Punken Droker (Paul Cummins)
そのいち:トライアンフとポーカーデモンストレーションを組み合わせたような感じのマジック。表裏をかなり混ぜたように見えましたが、それを使ってディールをしていくと、演者のカードだけが裏向きで出て来て、まあ予想通りの手が出来ているというw 基本原理の一つはゆうきともMMLのVol.1だかにあった気がします。

そのに:時間を戻すということで、赤黒に分けたそれぞれを混ぜ混ぜし、トップのカードをそれぞれボトムに回すが、またトップへ戻っているアンビシャス現象→remixed現象(そんな英語あるのかどうか知りませんけど)。

ミンスさん初めて見ましたが、なんか巨大証券系企業の部長クラス的な存在感のおっさんですね。


・Ten for Ten (performance only) (Yves Doumergue)
観客がシャッフル→演者が一枚予言のカードを裏向きに抜き出し卓上に伏せる→観客にデックを渡し、任意の枚数を卓上に二つの山にして置いていってもらう。このとき、片方は裏向きであるがもう片方のパケットは表向き。適当なところで止めてもらい、残ったデックは演者が回収→山の片方を予言の横に置き、もう片方の山で前段と同様のことをしてもらう→卓上にある予言・第一山・第二山・第三山を表にすると(第三山は元々表向きですが)全てが揃っている
というもの。

最初見て物凄く不思議で、解説が無いのでもう一度見たところ、3枚まではわかるのですが、ラスト1枚が分かりません。多分パスは幾つか用意されているとは思うのですが…。最後のプロセスで、観客が同じ山に連続してカードをおいた場合、表でも裏でもいいようにするのであれば、エキストラを1枚挟めば…いやしかしどっちに置くかは完全にお客さんの自由だし、連続してばしばし置いちゃうタイプのお客さんで、しかも"表"の側にそんなの集中させられちゃったら困るだろうしなあ。たまたま「うまいこと置いてくれるお客さん」であれば私でも出来そうなのですが、そんな"お客さんの律儀さに依存するような手順"はどうかと思うので、きっと何かいい方法があるんでしょうねえ。むむっ・・・。


・Exdislycally Shunuffled (Francis Menotti)
買ってきたばかりのデックを取り出し「大事なお客様の前では、必ず新しいトランプを使います」というどこかで聞いた口上は特に無く、マジックは始まります。何度かリフルシャッフルやヒンズーシャッフルをした後で1枚お客さんにカードを選んでもらい返してもらいますが、デックには戻さず、後ろのテーブルに伏せておきます。その後何度かリフルシャッフル等をした後でお客さんのカードを言って当てます。そしてそこから、手に持っていた全てのカードオーダーが元通りに揃います。

マニアには物足りない感じがするかもしれません。カード当てとre-orderedの組み合わせですが、いかんせん当てる部分のインパクトが弱いと思いました。そもそも手品っ子の常で、シャッフルがシャッフルに見えないので…。


・Gold from Straw Elevator (David Solomon)
4Aを見せ、伏せて卓に置く→カードゲーム:ブラックジャックの話をした後で4Jを見せ4枚をまとめて観客から見て右側のAに重ねると、トップにAが上がってくる。このエレベーターカード現象を3回やった後、ラストの山でも同様の事が起こるが、なんと他の4枚が…。

これは虚を突かれました。エレベーターカードも部分が余りにあっさりスピーディーに進むので、何でこんなの入れてるんだろうと思ってたんですが、なかなかどうしてびっくりです。
検めが殆ど無いので、ここをどうとるかによってこのトリックの評価が変わってくるような気がします。つまり、「検めきれてないから説得力に乏しい」なのか、「別にそんなところはお客さんは気にしない」と見るかどうか。最初だけでももう少しAとJであることを強調してもいいかなとは思いますが。ただ、ポーカーとブラックジャックの話がいい味付けになっていて、少なくともブラックジャックを知っている人間相手であれば、ブラックジャック(の最高の役)といえばA&Jと決まっているため、何となくその常識で誘導されてしまうかもしれませんね。って言うか私がそうでした。

ブラックジャックといえば「Gamble Fish」の全裸マジシャンこと月夜野さん、超好みなんですけどどうしましょう(どうもしねえ)。マジックショップのうたい文句に「半そででも出来ます」「ジャケット不要」の文章がありますが、稀に「素っ裸でも出来ます」というのがあります。実際やるとこうなるんだ、スゲエなあと思いました。まあ彼女は誇り高く大真面目なのですが、月夜野さんにあんなのやられたら、もうカード以外の部分にしか注意が向かない気がします。
あと阿鼻谷教官、人間?ハリー・ポッターとかロードオブザリングに出てきそうな容貌なんですが。…ゴブリンとしてw


・Sweet Straw (Joel Givens)
砂糖の紙パックから、パックより明らかに長いストローがにょっきり出てきます。そしてそのストローを手で覆うと2センチ程度の非常に小さなストローになってしまいます。

まあ小ネタといいますか、ずっと左手が緊張していたりする辺りあまり本気で騙そうとしているものというより、喫茶店でいきなりやったら驚かれる、的な一発ネタタイプです。少なくとも私はそう思います。



・242 Deal (Richard Vollmer)
10枚のカードを取り出し、観客が選んだ通りにディールしていく。最後の二枚は表向きにし、観客には「自分の手札を見てみて、好きな方のカードを選ぶ」ように告げる。観客は自分の役作りに適した方のカードを取るが、演者の方がイイ手が来ている。

中々面白い。この手のポーカーディールデモンストレーションで、その昔サークルの先輩に習った「りんご酒のトリック」という名前(だった気がする)の「演者が必ず、観客より1ランクだけ上の役で勝つ」と言うのが地味で好きなのですが割とそんなイメージです(これは観客がポーカー的に合理的活動を行う人の場合には、演者はかなり凄い役で勝てます)。どこか松田道弘氏の著作かなんかで、ヨナ・カードの使い方を解説していたマジックがあった気がします。

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The Interview
The Moves
・Erdnase Break Subtlety (Larry Jennings)
ビドルグリップ時の変則ブレイク。これはたまにやっていました。カラーチェンジの手法の一つとして二川さんに教えて頂いたというのもありますし、単に自分でカードをいじっていてちょっと違う形でブレイクってとれないかな、と、いつもながら無目的でのお遊び程度でしたが。確かに殆ど全ての角度からブレイクが見えないという利点がありますね。どちらかというと少ない枚数(要はトップ数枚とか)に適していると思います。私はカバーパスのカバーカード確保時にたまに使います。


・Full Palm Change (Rune Klan)
スナップチェンジを左手で覆って行う感じの技法。スナップチェンジより安定感がありそうですが、一点致命的なのは、私の左手の大きさがポーカーサイズぎりぎりなのでこの技法をやるのが滅茶苦茶つらいというところです。手の大きさがある方は是非。いい意味でアヤシイムーブなので演技のアクセントになるんじゃないかと。


・Miumph (Reinhard Mueller)
テーブル限定ですが、かなり説得力のあるトライアンフ。これと同様の技法で、お客さんのカードだけ向きを変えたり、はたまた手前に弾き飛ばしてラッピングをしたりというのは知っていましたが、こういう使い方もあるなあと新鮮でした。ジェイも「これはホントにスゲエんだよ」と微妙に興奮気味な解説w


・False Faro (William Eston)
その名の通り、ファローシャッフルやったようでやって無いという。多少のもぞもぞ感は否めませんが。


・Bebel on Tilt (Bebel)
ティルトの説得力を増すための一つのアイディア。「decks, lies, and videotape」にもこういうのがありました。確かに非常に強い説得力を持った手法だと思います。何よりベベルという名前がついている時点でワタクシとしては満足ですw


・One Back Up (Rune Klan)
背中の後ろでカードをスプリングさせたりリバーススプリングさせたりしてキャッチ、というアクロバティックテク(っぽいギャグ)をやったあとで、1枚だけ(たとえばお客さんのカードとか)をキャッチする技法。スタンドアップでやっている人にはいいアクセントになると思いますが、解説のときにklan氏のトランクスが何度もチラチラ見えるのは頂けない。これの解説だけは美人のおねーさんをレクチャラーとして希望します(パンチラはそのままでお願いします)。


・Psyboards (Tom Frame)
5枚のカードのフェイスをお客さんに見てもらい、好きなカードを選んでもらう。選んだカードだけ、バックの色が違う。
ヴァーノンの"5 cards mental trick"のバリエーション。あれもたしか、確たる理屈は無いが観客はこれを選びがち、というタイプだったと思います。完全なマジックというより、"うまくいけばマジックになる"というスタンスでは実演してみたいですね。


・Divided Shuffle (Luis Otero)
プッシュするーシャッフルのバリエーション。ジェイがやったら上手いせいもあるのですが、相当不思議でした。プッシュするーがもう少しまともに出来れば…というところ。


・Box Balance (Chastain Chriswell)
デックケースの中に何も入っていないことを示したあと箱を閉じ、それを上方に突き出した人差し指の上でバランスさせる。真ん中だとマジックにもギャグにもならないが、これは箱の端の方に指があるにも拘らず、地面と水平を保持できる。
これ不思議だwww というか、こういうバイプレイ的なトリック大好きです。「磁石ではありません」「糸は使いません」「裸でも出来ます」「ラフアンドスムースではありません」「接着剤は使いません」 でも度胸と少々の練習は要ります。


・Kissing Up (Gregory Wilson)
フラッシュペーパーを用いたキスチョコのプロダクション。ちょっとキュートです。
「ここで女性に"キスはいかが"っていうわけだけど」とジェイがいうたびに、横にいる先述のklan氏(中年男性・若干頭髪が寂しくなりがち)が、キスをする仕草を見せてはジェイが嫌がるというランニングギャグがキモくて良かったです。


・Squist (Bob Farmer)
ツイスティングムーブを手を返さないで行うバリエーション(多少のカバーはしますが)。確かに不思議ではありますが、自分の知る限りそこまで必要性を感じませんでした。

・Bonus: Overlap (Joshua Jay)
Overlap Homing Card - Jumbo Overland Homing Card - Overlap Hitchcock
Assembly and Reverse - Scatter - Overlap Twisting
Overlap Jacks to Kings - Overlap Jacks to Aces - Overlap Jack Cutting
Overlap Gambling - Overlap Open Travelers - Overlap Hofzinser
Deuces are Wild - Overland Transposition - Four-Card Tunnel Change
Collectors and Back Again - Shrunken Revelation
とあるギミックカードを使ったバリエーション集。


Bonus: Contributors’ Footage — plus — Behind the Scenes