教授の戯言

手品のお話とかね。

ゆうきとも MML Vol.11


「負担の少ないヴィジュアルマジックとハンピンチェン・ムーブ 」

【収録内容】
 ◆スリップカットを極める!
  ・ファスト・フォアエース
  ・エレベーター・エーセス 1&2
  ・カッティング・ジ・エーセス
 ◆ハンピンチェン・ムーブを極める!
  ・ハンピンチェン・ムーブを使ったコインズ・アクロス
  ・コイン・スルー・ザ・テーブル
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・ファスト・フォアエース
エースオープナー。私は大学生の一時期"オープナーバカ"だったので、特に目新しさは感じませんでした。前回のに続いてやりやすいオープナーだと思います。ゆうきさんは「一度もばれたことはありません」と仰ってましたが、勘のいい人は矛盾に気付くかもしれません。・・・といいますか、気付く気付かないはあれども、これに突っ込みいれるようなお客さんは正直オトナとしてどうかと思うという程度のレベルですけどw 

・エレベーター・エーセス 1&2
原理の素晴らしさもありますが、効果と演者の"仕事"のバランスが実にいい。カード片手に「こうやるのかな?」と類推しながら見ていたのですが、楽しめました。デックの中ほどに入れたAがリーダーであるスペードに引かれて次々とデックトップに上がってきます。ふと思ったのですがこの原理、アンビシャスに使えそうな気がしました。・・・いや待て、トミワンのアンビシャスってこの原理一回使ってなかっただろうか。記憶がごちゃごちゃです。

・カッティング・ジ・エーセス
これまたいい手品です。ばらばらに突っ込んだはずのAがカットするたびに出てきて、4枚目はサカートリック気味に出てくるものです。手順としてはちょっと煩雑なので、コントロールの訓練にもなるかと思います。セットは大体の場合において、お客様と話しながら何気なーくカードをいじくり完成させるものだとは思うのですが、セットを兼ねたシャッフルという”仕事”を減らしたい場合には、最初にボトムスタック(複雑でもないですし20秒あれば)作ってから箱に入れておけば済みます。


・ハンピンチェン・ムーブを使ったコインズ・アクロス
徒に小難しいルーティンにせず、この長さで完結していたのは正解だなと思いました(ハンピンチェン使うルーティーンは長くなりがちという個人的経験則)。しかし原理を知っていても視覚というのはテキトウなもので、やはり不思議なものです。ハンピンチェンでよく話題に上るのが、卓にコインを叩きつける時の緊張感でしょうか。ゆうきさんはソツ無くこなしている感じですが、ハンピンチェンをマトモに人前で出来るようになるのはかなり困難なのではなかろうかと思うコイン初心者の私。そもそも違和感・力みのないハンピンチェンって、数えるほどしか見た事が無いのですが・・・。

・コイン・スルー・ザ・テーブル(CTT)
かなり本格的です。CTTは様々な技法選択で難易度もそれぞれですが、これはかなり難しい部類なのではないでしょうか。ラッピングとハンピンチェンを駆使しますし。個人的にCTTはリアルにありえない現象なので、何らかの仕掛けや手練手管を想像しがちになってしまい、自分で演じようとは思わないトリックではあります。


なお、アルド・コロンビーニのエッセンシャル・コロンビーニ・シリーズも2まで見ました。そちらは次回にでも書きます。参考になりまくる上にバイプレイギャグが楽しいレクチャーだと思いました。手順のクレバーさはゆうきさんとどっこいだと思うのですが、ゆうきさんとの決定的な差は、やはりL&Lの観客がついている点。お客さんの反応の良さが(多分役者さんだから、ですけど)桁違いだものなあ・・・。いいよなー、あんなお客様ばっかりだったらやる気出まくりですよw