教授の戯言

手品のお話とかね。

読書感想文

□加藤英夫 著 「カーディシャン物語」

森羅万象ドットコムで紹介されていて、ついつい買ってしまいました。しくしく。その名の通りにカーディシャン個人個人を特集しているわけではないのですが、カードマジックに関する様々な変遷を追える書籍です。二点けちをつけるとすれば、表紙と、"JCS"ワードの頻発ぶり。表紙については、字体や装丁がちょっと陳腐なのと、表紙の紙が汚れが目立つタイプの物なのが残念。頻発ワードについては、"JCSの副読本"としての位置づけとしてなら致し方無いのですが、"一個の完結した書籍"として見るのであれば、JCS云々の表記は邪魔です。少なくとも巻末索引の一覧に書けば十分だと思います。



とまあのっけからぐちぐち書きましたが、そこ以外の内容は非常に面白く、久々に読ませる奇術の記述(駄洒落)でした。物事の成り立ちの話は大好きですし、しかもそれが自分の興味が深いカテゴリのお話となれば尚更。とてもありがたかったです。届いた日、ちょっとだけ読んで寝ようかと思っていたのですが一気に読破してしまいました(読書に関してのみ、途中で止めるのが非常に苦手というのもあるんですけど)。このように様々な事象の変遷を、体系的にまとめた本は稀有だと思います。フレンチドロップに寄稿されている石田さんのコラム松田道弘さんの著作も大好きなんですが、一代の巨人がまとめて下さるこの手の本がもっと出てくれることを望みます。・・・マニアしか買わないんでしょうけど・・・w それでも読んでみたいのが似非歴史好きの業。決して安くは無いですし、通販でしか買えないみたいですが、手品の成り立ちとかまで興味のある方はかなり楽しめると思います。



■先日の「世界一受けたい授業」で、多湖先生が"割りバニッシュ" を実質30秒くらいの間に 演技+堂々解説 していた手際には飲んでたお茶を噴きました。TAMC会長(でしたっけ)って凄いなあと。"見た目と常識を疑え"というのは分かるんですが、鉛筆つまんでゆらゆら→古いネタですね→いやいや実はゴム製でホントに曲がってるんです、くらいで十分なんじゃないのかなあ・・・。わざわざあれを題材に選んでしまうのがよく分かりません。インパクトが大きいトリックなのに、タメすら無い種明かしはひどく勿体無いなあと思った次第。



■通勤で地下鉄半蔵門線を利用するのですが、朝に大手町や神保町辺りを通過する際、たまーにホーム上で、ベンチに座った男性(達?)に向かって手品をしている男性がいらっしゃるんですけど、・・・何者なんでしょうか。見ている方があんまり反応していないので、私の中では「座ってる方が師匠で、やってるほうが弟子。ホームのように人目が沢山あり、かつ全方位から見られているという状況でいかに手品をするか、技術面+精神面を鍛えられている」という設定になっているのですが。真相やいかに…。しかしカードマジックはともかく、穴あきのジャイアントコイン3枚を示していた時(しかもスタンディングで)とか、(私がやっているのではないにも拘らず)ちょっと恥ずかしかったんですけど。都会は謎が多かとです…。



エッグバッグがやりたいと思い立ち、引っ張り出してきました。クラシックマジック事典2の小谷氏の手順を読んだりしておりますが、あれはなんか難しい気がしているのは私が不器用なだけなのか…。しかしクライマックスもあるし、凄く理想的だなあというのは否めません。加えてCULLさんのブログのエッグバッグの演技、これも凄く興味あるんですが。うう、何で私金澤に住んで無いのかしら。個人的に思い浮かぶ解法は著しくドラスティックなのですが、多分それとは違いそうです。CULLさんはレクチャーノートとか出されて無いのでしょうか…。



なお、家にある長谷川智 著「奇術の中心」を適当にめくっていたら"袋玉子"の解説があったので、それを読みながら練習中です。以前"指輪の紐抜け"をやろうとした時にもこの本を読んだら出ていたりと、私が困った時に開くと、何故かピンポイントで頼りになる本です。むしろそのコンビニエンスぶりの方が不思議。