教授の戯言

手品のお話とかね。

ゆうきとも MML Vol.24

2周年記念号。…買いも買ったり。そろそろ止めどきかしら。

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【収録内容】

 ◆特集:ゆうきタッチを愉しむ!
  ・クイック・クリンク
  ・ドクター・フー・リゥ・トゥー
  (収録技法:リテンション・パス、トップカードのピーク)

 ◆特集:名人の技巧を愉しむ!
  ・ハンカチとコイン
  ・2枚のコインズ・アクロス 1&2
       〜アクシデンタル・ミスディレクション
  ・ダウン・アンダーを使ったカード当て
  ・エルムズレイ・エーセス

 ◆特別対談
  ・ゆうきとも × 二川滋夫

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リストにはありませんが、ライブで二川さんは他に"とりとめもなく(ご本人談)"以下辺りをおやりになっていました。

・CMH
・Climbing cash
・Relentless Ring and String Routine
・One Coin Routine (Based on David Roths)
・CTT
(思い出した順)


記念号なのですが総じて印象が薄かったです。ゲストである二川さんにはよく見せて頂いているせいなのは間違いないのですが。とはいえ、ゆうきさんの「ドクター・フー・リゥ・トゥー」と二川さんの「ハンカチとコイン」辺りは好みです。アクシデンタルミスディレクションはやはり高木先生から大学の亡くなった先輩に伝えられ、その方から教えて頂きました。ああいうTipsはあまり一般の書物には載らないので感銘を受けた思い出があります。




ダウンアンダーについて、二川さんは「ぼく、あれ大好きでして」らしいのですが「私は数理トリックっぽくて嫌い」と言う残念。昔飲み会でそんな事を話していたのですが、その辺の感覚は結局交わりませんでした。今回の解説で、仏教と絡めていたのには爆笑でしたけど。
世の中に「そんな変な動きはマジシャンしかしないよ」と言うマジシャンズムーブはゴマンとありますが、このダウンアンダー(アンダーダウン)に関しては殊更気に入らずに切り捨てました。だって!何も知らない人が見ても「操作されている感」がありますって!まあ使う使わないは個人の好き嫌いですから何ら問題は無いのですけど。数学的原理としては面白くて好きですが、手品の手法として利用するのは、不思議さの観点から見てどうなのかというのが個人的見解。なんかの理屈付けあった上でとか、お話の一環でやるにはいいと思うんですけれど。…どこかで読んだ「オーストラリアではこうやって配るんです」は、…あれは冗談ですよね?
  

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・二川さんが輪ゴム手品をやられていたので、ふと傑作「クレイジーマンズハンドカフス(以下CMH)」をおさらいしてみようと思い立ち、Michael Ammarの"Classic Renditions vol.2”を見返す。




…。







…右手の指の向き、逆で覚えてた・・・。


普通右手は「人差し指が上、親指は下」に構えるのですが、私今まで逆でした。まあそれが判明した所で演技が劇的に滑らかになるわけでもないのですが。6年以上に亘り間違って覚えてたコトにびっくりです。プールの中で演技する、アマーの意外なまでに太い腕にもびっくりでしたが。そういえば以前書いていた「このシリーズはアマーもふさふさで〜」部分は撤回します。あれは「Touch of Magic」シリーズ(20代後半〜30代)であり、本シリーズでは既に前線第一陣が退却を完了した頃です。完全なカンチガイでした。謹んでお詫びし、訂正いたします。

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・先日、"突発的に"かつ"英語で"という条件付だったとはいえ、ツイスティングジエーセスをやるだけで手に結構な震えが来て自分でも驚きでした。そんな直近の状況を思い起こしつつゆうきさんを見ると、本当に淀み無く動いてらして、やはりプロの人は凄いなあと。以前ご本人に「ゆうきさんが失敗するシーンとか全然思い浮かばないんですが」と言ったことがあったのですが、「いや、今でもよくミスしますよ、普通に」と仰っていました。…いまいち信憑性がありませんw 手品度胸はともかく、角矢幸繁著 「英語でペラペラマジック」でも買ってフレーズをきちんと勉強しておこうと思った次第。で、ここでこのハンカチをさっとどけると…ハイ本が!…ええ、買ってきましたー。

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・角矢氏の本を購入した某書店で、「マジシャンの種全部ばらします」、とかそんなタイトルの本を立ち読んできました。腕が疲れましたが、こういう本が出るのって日本だけなのかなあと、我国のこんな状況に少しばかり悲しくもあり。が、中身に「え、それはタネ違うのでは」というのも散見され、それはそれで興味深かったです。そもそもセロってクロースアップじゃなくてステージ専門だった気がするんですが、そのへんから違いましたし。いやまあどうでもいい上、偉そうに言いつつ立ち読みなんですけど。



先述のCMHも"小学生向きの本にも載っている基本マジック"的な書かれ方をしていたのですが、ちょいと気に入りません。確かにアメリカでは、事故などでの後遺症リハビリをしている人たち向けに、D.カッパーフィールドがこれを教えているらしいと言う話も聞きます。そのくらい、指先のちょいと微妙な動きを要求する手品でありつつ、現象そのものを再現するのはそこまで難しくはないと思うのですが、"衆人環視で"アレを"手品としてうまく見せられる"人はそうそういない気がします。まあ、CMHについてではありませんでしたが、これに限らず「非常に単純なネタだが、こういうものをマジックとしてきちんと見せるには、一流のセンスとテクニックが必要なのだ」「これは素人が再現するのは至難。おそらくしらけた空気になるだろう」など、ごく常識的な演技メモも書いてあるのも趣き深い雑誌でした。(手品世界での)一般に、タネを知ると「な、なんだこれ。これを不思議と思わせるなど、無理の一言ぉぉぉぉッ!(@シュバルツ・ブルーダー)」と思っていたものなどが、TV番組、特にマリックやセロなど、優秀なブレーンのついているであろう番組で、想像できない物凄いトリックに化けていることがありますし、やはり演出ってのは大事だなあと思う次第。しかし書くに事欠いて「Visi-Bill」を地味なイリュージョンって。あやまれ!サンダース先生にあやまれ!ぶっちゃけクロースアップってどれも大体地味だけど!とりあえず!



なお序盤の「ストリートイリュージョン」の解説写真が、まんまジョジョのパロディになっていた点には正直ちょっと食指が動きました(ジョジョ立ちを再現できるようなネタだったのですが、なぜか効果音がゴゴゴゴ、しかも例のまとわりつくような字体)。ついでに言うと、セロやDr.レオンなどに、似せようとちょっとだけ努力はしてみた演技役の方の、似せ方の微妙さにはちょっとキュンときました。こんなやつ(写真)に…くやしい…っ!でも(以下略)。 …似てはいませんけど、ああいう演出は好きです。まあ立ち読(同略)。