教授の戯言

手品のお話とかね。

メリーゴーラウンド

土曜日は知人が遊びに来たので、一人で出来ないロープの練習(後ろ手にかた結びするのは一人だときついのです)を手伝ってもらいました。ついでに人に見せたことが無い、指錠マジックをやったところ、想像以上に不思議がって貰えたので、木曜の飲み会でやってみましょうかね。つーか男二人で縛ったり手錠をかけたりと、ある意味ヤバイといえなくもないですw


それはそうと、彼が裁縫に詳しい人とはいえ、袋玉子がイッパツで機構を看破されたのがショックでした。しくしく。しばらく人前で演じません(禊)。

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日曜日はメリーゴーラウンド@東陽町に参加してまいりました。
全体としては「プロは失敗しないのは勿論、きちんと演技の中に笑いを入れられているのが決定的に違うな」という感じで。他人の振り見て〜ではないですが、自分も独りよがりをやらないように気をつけたいと思いました。以下備忘録。

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カズカタヤマさん
初めて生で拝見。非常にステキでした。元々ステージ・サロンを中心にやられている方だけあって現象が非常にビジュアル。見せ方といいますか演出が非常に面白く、会話のキャッチボールやランニングギャグなど非常に楽しく笑わせて頂きました(私はマッドテープ製作の頃から繰り返しギャグに滅法弱い)。やはりプロの方ってのは凄いものです。



・カップアンドボール
非常に簡略な物をやっておられましたが、ラストが古典奇術「ライスボウル」状態になった時には物凄く驚きました。


・モンテトリック
これもかなり昔からあるタネですが、ああやって見せられると非常に新鮮でした。ただモンテはどちらかというとお客さんが拍手をしづらく、全てがマネーカードになってしまう、などのオチがあるほうが、おそらくマジックショーとしては適している気がしました。



他には以下をやられていました。
・見えないコイン ・ウイングドシルバー(共に非常にビジュアルで不思議)
・スカーフフロムビル(正式名称 "The Tale of The Treasury-Worm" でしたっけ、ヴァーノンの傑作トリック。マジェイアさんのサイトによると、このあとに色変わりシルクを演じているあたり、カズさんはヴァーノンの手順を踏襲された模様です)
・紙筒を使った色変わりシルク




大久保さん
本業はサラリーマンだそうで、仕事を抱えながらこういうのを出来ると言うのは凄いなあと素で感心です。私もそういうスタンスで演技もできればいいのですけれども。流石に学生のバイトならともかく、こういう会で、人からお金を頂けるほどの技量は持っていないので…。精進したいです。


キックバックトランスポ
二人のお客さんの選んだカードがあっち行ったりこっち行ったり。よく組まれた手順だなあと思います。私はちょっと後ろの方だったのであと数歩前だったら更に不思議に見えたかもしれません。私もキックバック現象である"Club Sandwich"には非常にお世話になっていますが、大久保さんほど長い手順を構成する技量はありません。あ、今にして思うと、Hollingworthのビデオ「Routines」にあった、カードケースを使ったマジックにコンセプトの一端が見えるかもしれません。記憶があやふやなんですが、二川さんも以前よくやられていた傑作です。

・ITマジック
手品として好みかといわれるとそうでもないのですが、発想が面白い。ああいう発想ができる人は尊敬します。トーンアンドレストアに加えてCTWまであるとはw

Let's Noteの特性を利用した面白いマジックだなあと、IT屋としては思っておりました。ワタクシのThink Padには光学ドライブなどついてないんですー。



他には以下をやられていました。
・サウンドビジネス(でしたっけ?ゆうきともさんの。) ・両替ペン(キャップアンドペンスというか、マニュエル・ムエルテがやっていた手順に近いか) ・ビジター




(森山さん / 栗田さん)
つなぎでお二人が。
森山さんは、以前見せて頂いた"耐震構造設計 偽装マジック"(沢浩)を。
栗田さんは、正式名称は存じませんが、なにやら後味の悪いマジックをw



二川滋夫さん
いわずと知れた御大。

・コインルーティーン
小さな缶詰を出してきたのでソリッドカップみたいな事をするのかと身構えていたら、腰砕けになるような駄洒落オチでした。大好きでございます。

あとは全てM-DECK絡みの手順。
・枚数目までの透視 ・ポーカーデモンストレーション ・予言 ・スペリングによる4A ・フィッシャーの4A&4KをM-DECKにて ・全スートが揃う


概ね別の場所で見せて頂いてはいたのですが、問題は途中から素で失敗していたようなあたりでしょうか。同行の先輩からは「昨日横浜で飲みすぎたんじゃないの、先生」というコメントがありましたけどw 流石にアレだけ演技が止まっちゃうのはちょーっとまずいかなあと。まあ、「滅多に見られないものが見られた」ということでw



M-DECKというのは要はメモライズドデック(スタック)の一種です。計算がたやすい事と、日本発の手順、かつ日本人が幾つかテキストを出している(大手流通だと平木さんのしか知りませんけど)などの理由で、私の周りではかなりハマってらっしゃる方が多いです。二川さんもいたくお気に入りのご様子で、ご本人いわくタマリッツスタック以来のはまりらしいです。今度2分冊の本を出されるとか。


で、私はどうかというと、タマリッツシステムには非常に興味があるのですが、1枚ずつ配っていって〜などの手順が好きでは無いので、メモライズドデックへの執着は正直あまりありません。冷静に考えればカードのオーダーなど、じっくり見る人もいないし見せる必要も無いですし、サイステビンスでも何ら問題は無いんじゃないのかなあと。・・・などと安易に妥結することは各所で戒められてはいるのですが。別の知人からはアーロンソンスタックを薦められておりますが、ぶっちゃけ覚えやすいかやすくないかはどうでもいいとして、特性差がよく分かりませんのでなんとも言えませんねえ・・・。難しいところです。



<休憩>



山岸塁さん
自前で音楽もつけてのサイレントスタイル。あれがポップな曲ならともかく、ベートーベンのピアノソナタを使うのは、ご自分でハードルを上げているとしか思えません。実に漢らしいですが、反面あのスタイルは笑い等を差し挟ませない類なので、今回はちょっと裏目に出ていたかという面もありました。ゆうきさんにリセットを見せて頂いたときと、あとヴァラリノの演技を見たときくらいしか、今まで見た音楽つきのサイレントクロースアップ演技は成功していなかったなあと思います。



・フルデックのオイルアンドウォーター
これの前にやる8枚でのOWで、結構華麗にパタンパタンひっくり返すのですが、後ろの方にいるとひっくり返る過程が見えてしまうため、その動作の無いこちらのフルデックの方が不思議でした。やはり彼がやられていたように、リアルに数枚は混ざっていた方が説得力が段違いですね。



他には以下をやられていました。
・Aオープナー ・マトリクス ・オープントラベラー ・トランスポ ・4R4BのOW



アロン・フィッシャーさん
知人ののぶさんからは「以前見たときほどキレが無いんだけど、体調悪いの?」と休み時間に言われましたがいやいやどうして。まあ私たちの部屋が彼のラスト演技だったので、最後の気力を振り絞ってくれたのかもしれませんが、やはり凄かったw



・4Kの移動
特筆すべきはやはりイッパツ目のこれ。信じられねーかもしれねーが、起こったことをありのまま話すぜ?


「奴はカードを取り出し、4枚のKを示してそれをポケットに入れた。残りのデックを手前方向に傾斜を付けて示した(サイドから見ると平行四辺形みたいになっている状態)。ゆっくりと手で覆いながら息を吹きかけるとそれが4Kになった。残りのデックはポケットから出てきた」



…ゴゴゴゴゴゴゴ…



な ん な ん で す か こ の ひ と。


人間?



会場どよめいてました。いやどよめきもするわ。キモスwwww



他には以下をやられていました。
・サムライカード(沢浩さんのファクシミリを思い出しました。カードの移動と出現)
・キングトリック(お客さんが自由に選んだ4枚がKに)
・カードあて(お客さんが選んだ2枚のカードが、やはり自由に差し込んでもらったカードの上下に出現)
・全てが元通り(3パケットはともかく、演者の手元はやはりアレを使っているのだろうか。そうでないと私には解決策が浮かびません…)



会場近くでピザ食べて帰りました。遠のくダイエット。