教授の戯言

手品のお話とかね。

三玉手品

■ WGM「The Fabulous Three Ball Trick」DVD

[収録内容]
・Balls & Net / Johnny Thompson
・Three Ball Transposition / Fernando Keops
・The Three Ball Routine / Gary Ouellet
・Asteroids / Flip
・3 Ball Trick / Johnny Thompson
・The Balls In The Net / Dai Vernon
・The Fabulous Three Ball Routine / David Roth


▼ジョニー・トンプソン 「Balls & Net」
3つのボールが左手から右手へ1つずつ移ります。3つのうち1つをポケットに入れますが、手を開くと3つに戻っています。何度ポケットに入れても手には3つが残ります。最後は、1つをポケットに入れるだけで、手の中が空になります。

観客二人に透けるくらいのハンカチを渡し緩く張って持ってもらい、即席のテーブルのように扱うもの。スタンドアップで出来る上に角度にも強そうです。思いおこせばこれでTBRにはまった(気がする)、思い出深いトリックです。トンプソン自身の良さは言うまでもなく、観客にデイブ(L&Lファンには御馴染み、画像の人)がいるところが面白さを引き立てているよなあ、絶対w デイブと黒髪めがねのおねーさん大好き。



▼フェルナンド・ケオプス 「Three Ball Transposition」
3つボールが1つずつ右手から左手へ移動。そのうち1つをポケットに入れても、左手に戻ります。これをくり返し、同じようにした3度目、手を開くと大玉1個になっています。

ちょっと固めのボールを使っています。木製かな?光沢があるので、最初さくらんぼを使ってるのかと思いました。それはそれで即興っぽくて素敵だと思いますけども。演技はポップアップムーブを多用。最後にでっかいのが出てくるのはやはりいいですね。なお、ボールを落とすところがグラスの中でして、ひとつ落とすたびにカランといい音がしていました。硬い素材であるのをうまく引き立てるチョイスだなあと思います。

以前からkeopsをコープスと読んでいたためなんかケオプスと呼ぶのに違和感が。彼は金髪ロンゲで顔つきも若干チンピラっぽい感じがたまりません。口元をゆがめがちで、プロレスラーの高山さんをちょっと思い出した。後ろにいる金髪(プラチナホワイトか?)ボブの女性がコスプレイヤーっぽいのもポイントか(あの角度から見ると丸見えな気がするのは気のせいだろうか。)。解説時などは非常にゆっくりと丁寧に解説してくれています。いや、当然といえば当然なんですけど。



▼ギャリー・ウォレット 「The Three Ball Routine」
出現、テーブル貫通、分裂、消失と、様々な現象が詰まったスライディーニ・タッチのルーティーン。音楽に合わせた優雅な演技です。

演者がよいしょっとテープのスイッチを入れて一拍置いて音楽スタート→演技開始というあたりに時代を感じた。えらい手作り間溢れる感じです。
テーブル貫通を伴うTBRは初めて見た気がします。ぶっちゃけラッピングを使うんですが、CTTの時はすぐ分かるのに、TBRでボールの処理の際に使われると本当に不思議でした。最後全てが消失した時はかなり素敵。しかし演技はここで終わっているのですが、よくよく考えると、これって演技終わったあと、自分でテープ止めるのかなw 



▼フリップ 「Asteroids」
アルミホイルの玉が3つ出現し、ポケットにしまったら、一回り大きい玉が3つ出現します。これをしまうと、さらに大きい玉が出ます。再び小玉が3つ出て消えておしまい。スリー・ボール・トリックに分類されるのかどうか。ともかくリーズナブルにできて不思議です。

スタンドアップで出来るものなのですが、私の中ではイマイチ。玉が小さすぎて。ツメ程度の大きさも無いくらい小さいので、なんかスタンドアップでやると余計に目立たない感じがしてしまいました。フリップ自体がでかい気がするし。スタンドアップで、テーブル等も一切必要としないという意味ではリーズナブルですが、ちょっと好みではなかったです。



▼ジョニー・トンプソン 「Three Ball Trick
またもジョニー・トンプソン。だいたいの現象が最初の演技とかぶっています。

ぶっちゃけこのDVDにはいってる人の演技は、全てが同じような現象の繰り返しなんですけどw 先述のと違うのはこっちは卓上、かつ座っての演技である点。どちらにせよ綺麗で幻惑されまくりです。



▼スティーブ・フリーマン / ダイ・バーノン 「The Balls in the Net」
3つのボールが1つずつ左手から右手へ。スティーブ・フリーマンのきれいな実演とバーノンによる貴重な解説が収録されています。


お二方とも初めてTBRの演技を見ましたけど、フリーマンのTBRは変なことはしないのですがえらい不思議。何度も巻き戻してしまいました。非常に美しかった。客観的に見たら非常に"地味な"不思議だった、になるんでしょうけれども。だがそれがいい。解説時に尊大に座っている男がいるなあと思ったら、若かりし日のアマーでした。ふっさふさ。



▼デビッド・ロス 「The Fabulous Three Ball Routine」
ボール・ルーティンの全てが集約されたような手順。美しい手さばきには惚れ惚れします。

映像が若干悪いというか暗いのを差っ引いても、少々くどい(長い)のですが、実にきれい。ロールアップムーブと分かっていても全く分かりません。最後に全てが無くなった時は結構感激しました。テーブルも不要で、完全スタンドアップで行えます。理想的だ…。


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何で私スリーボールルーティーン好きなんでしょう。生で見たことなんて本当に限られた回数しかないのに。でも、いいですよねえ、TBR。一瞬スリー(surii)だから→SBR とか書いてました。大丈夫か私の英語脳。…なんか誤訳するとジョジョ6部第7部みたいだ。

私自身はトンプソンの手順とテンヨー下村知行さんの手順を参考にしています。が、告白すると、人前で演じたことがありません。理由は単純、"自信が無いから"。でもいつかは演じてみたいものです。現状でもテンポでごまかせば何とかなりそうではあるんですが、じっくり見せるにはまだ力不足かなと思います。要精進。なにより自分で自分の演技見てダメなので実演はまだダメです。

ロールアップムーブとポップアップムーブ、よく"ロールアップの方が難しい"と聞きます。経験則上、ロールアップは多分使うボールの素材によって難易度が全く変わってきてしまう気がします。つるつるしたもの、たとえば普通のスーパーボールなんかだと、少し汗ばんだだけで全く出来なくなりますし。先述の下村さんの手順付のテンヨーボールは若干ざらざらした明るい黄緑色のゴムボールで、このムーブが非常にやりやすい。これのもう少し大きいやつが欲しいものですね。作れないのかしら。昔紙やすりで作ろうとしたのですが、うまいコトいかなかったのですねえ。むしろどばどば出したいのでボールだけ30個くらい売ってくれないものだろうか。

あ、そうだ、ムーブの話でした。自分で演技を撮影してみるとポップアップムーブがやはり怪しい。左手の親指が動いてしまうんですよ、絞り出すときに。プロの演技でも結構動いている人が多いんですけどね(私の演技は、このDVDのケオプスに似ています。ケオプスの方がそりゃうまいとは思いますけど、やはり親指の動きが気になります)。公明正大にやるのは難しいのかもしれませんが、実際問題、本DVDのトンプソンとロス、フリーマンは非常にうまいですからね。実現不可能では無いのはわかっているのですが…。

フリーマンは"技法"も"やっているであろうこと"も分かっているのに追えなかったりとステキすぎ。
トンプソンはもうコマーシャルクラシックシリーズで何度も見たのですがやはりいい。何がイイって、ランニング頻度の上がりそうな本トリックの切り上げどころが実に見事というか、演技がまとまっているのが素晴らしい。
その点で言うとロスはFDの紹介にある通り滅茶苦茶きれいなのですが、若干長いです。やってることは繰り返しなので、トンプソンと比べてそこがちょっとどうかなと思ってしまいます。一つ一つの技法には全く破綻がないように見えるんですが、その長さだけが鼻につきました。フォローするわけではありませんが、先述の通りテクニック自体は完璧だと思うので、何回やってもまるでわからない、という意味では、そのくらい延々と繰り返したほうがいいのかもしれませんけれど。段々キモチ悪くなってきますよw


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「ニコニコの"釘宮 v.s.日野 ニヤニヤ対決 完成版"を作ったやつは誰だあっ!」(海原先生風) もっとやって下さい。ニヤニヤが止まりません。神よ、リアルツンデレとは実在してもいいものなのか。反則だ。