教授の戯言

手品のお話とかね。

大半雑文

この二週間でちょこちょこ書いていたものを、めんどくさいので考え無しに適当にくっつけました。備忘以外の何物でもないのですが、あとで読み返して脈絡のなさに自分で驚愕。

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▼2/9土曜、主催の方からお招き頂きまして、故人と面識自体は無いのですが「松浦天海を偲ぶ会」に参加いたしました。石田天海の正統後継者であるということと、先日お亡くなりになったというくらいしか存じ上げず。はっきりいって場違い極まりないのですが(私そういうの多いなあ)、色々見聞きできて面白かったです。会場到達前に、ホストクラブと風俗店の林立する新宿歌舞伎町で迷子になっていたのは秘密です。脱線しますが、あたりを見回して全部そういう店というのはある意味壮観。…ホストクラブの方って男性が行ってもちゃんとトーク盛り上げてくださるんだろうかw 


あ、さて。


自分の知らない人を偲ぶ会なので全てが新鮮。スピリット百瀬さんのトークが一等面白かったですね。彼のいう「いつまでも白人のケツ追っかけてないで、日本からも発信していくような形にしないと駄目だね」というのは仰る通りだなと。まあ私は受信者として手品をしているだけなんで、そんな大層な事はできないんですが…。そういえば近くにいた男性がFDの庄野さんだった気がするのは気のせいか。



▼参加して色々思うことはあったのですが、実際の天海メモに触れた際に、今まで見聞きした「本が良いのかDVDがいいのか」的な話が思い浮かびました。


昔のマニアはよく本を読んでいらっしゃったと思います(総体・汎称としての本ではなく、手品の本という意味で)。本が好きだから本を読んでいたのではなく、存在する学習媒体の主体が本だけだっただけで、ぶっちゃけDVDがあったらDVDをご覧になっていたとは思うのですが。本の良さを仰る方にはとかく"昨今のDVDの氾濫を苦々しく思われている"のが一種のステレオタイプである気がします。私としては本にもDVDにも良さはあると思いますし、そこでどっちが良いの悪いの言うつもりもありません。DVDのほうが実際の演技も見られるし楽だとは思ってますけど。挿絵+文字 vs 映像+音声であれば後者のほうが情報の絶対量が多いのは純然たる事実だと思います。
ちなみに私もDVDの氾濫については苦々しく思っています。主に自分の部屋における氾濫ぶりについてですけどw こんだけマスターしてたら達人ですよ、私。

教訓「手品グッズの購入量と手品力は相関しない」



▼ユーザに対して想像というか、考えることを要求するんですよね、本は。それはとても良いことだとは思います。あと一度本で覚えると忘れづらいというか(私だけ?)。
ただ、考えるタイプの人って、本で読もうがDVDで見ようが無関係に考えるものだと思います。え?私?私は考えるタイプではございませぬ、残念ながら。自分で演じようとした作品の場合には(レクチャーDVDのマジシャンとはキャラクターからして違うわけなので)口上から挙動まで全部見直しますが、そうでないものまではあまり考えません。
ちなみに文章や挿絵の読み解き方によって、発表者の意図とはちょいと違った方向に昇華されるという、いい意味での突然変異が生まれやすいというのが、文字媒体の魅力ですね。上記の通り、私が素敵な突然変異を生み出した経験がないのが残念ですが。



▼逆にDVDのいいところというのは、ぱっと見て理解&覚えるのが楽という以上に、"少なくとも作品の発表者がこれを本当に実現出来ているのか、というののチェックが出来ること"なんじゃないかと思ったり。

某書籍を読んだプロが、とある手品のワンステップがまったくうまくいかず、発表者はこれをどう演じているんだろうと本人の演技を見たところ、見えてはいけないものが丸見えで「ああ、やはりここはこの通りではなく、何がしかの工夫をしないといけないわけね」という理解をしたという逸話を聞きました。これは極端な例としても、そのマジックが成立するか否かということをハッキリ確認できる一例かと思います。もちろん、作品を読んで、演技を見て、そこでこの手品はダメ過ぎる、と思っても気長に弄っていくうちに素敵マジックに変身することも少なくないとは思うのですが。
"映像などで見ると想像を働かせる余地がなく、コピーに堕してしまう"というよく聞く主張もまた一理あるのですが、"実現できるのは間違いないよ"という証明を与えるのも映像やら実演の力と言えましょう。



▼会場においてあった、全部で8000ページを超えるという天海メモの一部の現物を見ると、意味もなくわくわくしました。ぱっと見たページはカードアクロスのTIPSの書かれた項だったのですが、非常にわかりやすく様々なポイントが図とともに列挙されていました(天海氏が左利きだったことを、ブレイクの挿絵で久々に思い出しました)。
主催の「ショウマン」も石田天海の研究DVDを出すのであれば、天海メモを(英語で)製本化することも考えたほうがいいと思います(権利者の許諾が出るかはともかく)。秘伝なんだとかそういうことで出し惜しんでいるのは誰のためにもなりませんし、そうやって放置していくうちに散逸・忘却するのがオチです。一線のステージで活躍し、かつクロースアップにも造詣が深かった超絶マジシャンの思考の一端を垣間見られるというのは、個人的には非常に待ち遠しいですのですが、どんなもんでしょうか。故・両天海氏と実際に親交のあった方々が存命ないし記憶の鮮明なうちにやらないと、近々に伝説一人歩きパターンになりそうなのが怖いですね(それはそれで面白そうですけど)。



▼私は、過去の傑作、大家の著作だからといって崇め奉る必要は無いと思っています。2年ほど前に二川さんといわゆる"昔の素晴らしい書き物"についてお話ししたことがあるのですが、二川さんは以下のような感想を仰ってました。


「確かにいいこと書いてあったり、最近の人はやらなかったり知りもしないけれど、わかりやすくていい手品ってのがいっぱいあるんだよね、昔の本には。ただ、一方で今見てみると大したこと無いというか、現代の方がいい工夫を加えられた作品や技法が出ていることだって多いわけで、資料的価値は別にしても、今読んでなお有用なものばかりかというと、そうでもないんじゃないかなと。"書き物(本)を読んでなければ駄目"とも僕は思わないんですけどね」


上記は「奇術研究とか、昔のレクチャーノートとか読んだことのない私はやっぱり駄目っ子ですか」的な発言をした辺りから派生したものなのですが、変に力の入っていない、客観的なコメントだと思います。私はマジックにそこそこ触れている割に、80年代以前の文字媒体のものについての造詣が非常に浅いので、二川さんのコメントはちょっと安心させて頂いた感はあります。昔のものは不要、という話ではないのはちゃんと理解しています、一応。



▼最後はつらつら書いていたのですが、お前は本でも書く気かというくらい長く脱線し始めたので以下に要約。

「総合的に見たら新しいマジックの方が良いものだと思うし、そうあるべき(物事、進化して当然だと思うので)」
「原案のほうが骨太で、今でも効果的なこともよくある」
「新しいものがフラリッシュ要素主眼で手品的にダメかというとそうでもない」
「DVDでも本でもどっちでもいい」


まとめてみると「そのうち昔の文献を見てみて、そこからもいいものを発掘したり自分なりに改良してみたら面白そうなんじゃね?」ということだけか。…あれ、おかしいな、もっと壮大な分量だったはずなんですけどw

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▼「松浦天海を偲ぶ会」の終了後、秋葉原にHDDケースを買いに行きました。帰宅して散々格闘したのですがどうにも認識されず、翌日購入店に「各種確認をしてみた結果、USB基盤がおかしいんじゃないかと思うのですが」と言ってみた所、まさしくそんな回答を得、結局再梱包して送り返すことに。買ったときに重たいし寒いからという理由でタクシーまで使ったのに、もったいない。しくしく。



▼という各種検証をしながら延々とJAM PROJECTのCDを聞いていたのですが、冷静に聴いているとこっぱずかしくなるくらい中二病的な歌詞のオンパレードです。私はそこが大好きなんですがw ああ、マジでかっこよすぎるぜ、JAMは。Rhapsodyの圧倒的合唱迫力とか、ANGRAのハイスピードっぷりを彷彿とするトーンが大好きなんだよなあ…。魂狩とか迷宮のプリズナーとか今でもよく聴くなあ。

某なのはMADでGONGとかSKILLに乗せたやつがあるんですが、かっこ良過ぎて惚れる。MASSIVE WONDERSも十二分に魔法少女ソングというカテゴリは逸脱していると思いますが、JAM Pro.が似合う魔法少女ものって凄いなあ。拳で語り合うタイプの作品なので全く違和感ないですw

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▼今度詳しく書こうかと思っていますが、楽しみにしていたBenjamin Earlの「Past Midnight」、確かに上手いのですが、ミスディレクションもなにもあったもんじゃ無いんですよね、実際。解説で「この動きをミスディレクションに〜」とか言うのはありますけど、彼のマジックの重点はテクニカルな部分に立脚するものが多く、そういう意味ではフラリッシュ的すぎるという謗りを免れないかもしれません。スタイルとしても観客とお喋りしながら楽しませるというより、演技後に「器用ですね」とか言いたくなる感じでした("非常に上手い"けれども"気配すら感じさせない"というタイプではなく…)。
観客と相対して演じるのではなく、殆どが"観客無しの一人で演じて一人で解説する"レクチャー形式なんですが、ミスディレクションありきの技法(技法とは総じてそう言うものだと思いますけど)、たとえばクラシックパスなどをやるのはやはり厳しいと感じました。こうまで書くと以降がフォローみたいに読めそうですが、実際ギャンブリングデモンストレーションは練習する気満々ではありますよ。とてもスピーディーでかっこ良かったです。私はフォールスシャッフルとかフォールスカット愛好家なのでこれは避けては通れませんw 愛しているだけでそんなに何十種類もやれるわけではありませんけど。

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▼色々つらくなると、
星界シリーズを見る(何故だろう…)
・Fred Kaps / Charlie fryeのビデオを見る
・本を読む
・釘宮ボイスに罵倒される / ドナルドのアレな動画を見る

あたりが常なのですが、今回は本に走ってしまいました。つい先日から数冊読んではいますし、今も並行して「アラマタ大辞典」「実践スパイ技術大全」とか読んでいるのですが。しかし並行読書は良くないですね。シングルタスクの私の脳味噌では内容が頭に入りません。それはそれとして森岡氏は星界シリーズを完結させる気があるのか。


竹内薫/マス北野「コマ大数学科特別集中講座」
夜中にやっている番組を見て。本の内容は面白いのだが、雑談部分が多いのでもっとコンパクトに数学部分のみを抽出してくれたら、より私好みになったんですけれど。惜しいです。とまあ色々言ってますが、私自身はというと0.999999....=1が(解法としてはともかく感覚的に)納得できないあたり、数学センスが無いのは確実なんですけどw 下手の横好き。



王様の仕立て屋17
次の節目にフルオーダーの一着を仕立てるために腹筋などしてます。せっかく仕立ててもきちんと手入れができない気がするのが一番不安ですけど。


初恋限定1
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