教授の戯言

手品のお話とかね。

ぴったり!!


□ 紀良京佑「JUST」

[現象]
まず演者は予言の封筒を卓上に置く。観客に好きなだけ混ぜてもらったデックを4等分し、それも二人で混ぜる。4つ出来たパケットを観客自身の手で任意の順序に積み直してもらったところで予言オープン。開けてみると、予言に書いてある枚数目から、予言の通りのカードが出てくる。


セット内容は驚くほどシンプルですがかなり不思議。当初この演技を見たのが、知人から「派手さはないんだけど不思議です」という賞賛コメントを受けた後の、いわゆる"天邪鬼ひねくれ脳"状態だったため、見終わって早々に、自分ならどう実現するかを考え始めてしまいました(キラスタイルDVDでは解説は無かったのです)。

私の想像したのは予言にDFカードを使っての解決方法だったのですが、紀良さんの解説を拝見したらDFカードは使っていませんでした。トレビヤン!あにき、トレビヤン!(田丸浩史超兄貴」)

何がいいかといえばセットが要らないこと。いや、勿論、予言カードとミニ封筒くらいはセットとして持ち歩いてないと無理なんですが、ワンポイントだけ準備してしまえばあとはずーっと普通のデックとして使えますし、(テーブルホップ的な意味で)連続での演技も出来るところが、プロマジシャンらしい作品だと思います。他の演技を全く邪魔しないというのは、かなりグーだと思いました。

もっとも、紀良さんの仰っていた"DFカードではないことを暗に示す"ための工夫部分、実際DFではないのですが、DVDで拝見した演技からはあまり効果をあげていないのではないかというのもありました。まあそれはそれで意味はあるのですが、小窓部分はそんなにじっくり見られることもない気がしたり。

DVDで拝見した演技では、混ぜる作業を少し省略している様子ですが、解説書の通りに念入りに混ぜる必要性があるのかを考えると、演技での頻度くらいにしておくのが妥当な気もしました。少なくとも解説書を読んだあとで見ても、紀良さんの演技に怪しい点は感じられませんでしたので。いやはやお見事でした。

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とにもかくにも「予言のカードは本当に最初から出ている一枚」であり、「お客さんがどんな順番でパケットを積み重ねても大丈夫」です。それでいながら「手渡し可能デック」なのは凄いなあ…。色々言えば「出来ないこと」や「見せられない部分」というのは勿論ありますし、派手さは乏しいのですが、実に「準備と効果のコストパフォーマンス」がいい具合に調和した作品だなと思った次第です。シバザクラコインシデンスの隙の無さよりかは若干甘めではあるんですが。

…そう考えるとアレもまとめて解説しているキラスタイルDVDはカナリ破格な気がする。…ていうか…あれ?これ…DVDより高くないですか!?w