教授の戯言

手品のお話とかね。

箱根クロースアップ2011(裏) 後編

※こざわ先生呼ばわりだったり、とひさんだったりと、例の彼についての表記揺れが散見されますが、ヒロサカイとドクターレオンみたいなもんだと思ってください。もしくはマリックと栗間太澄とか。



▼4/9(土)雨天。「旅先だと元気」な子なので、起きて早々コンビニで傘を買い、朝から東京の寿司屋大将おすすめの「ちょwwwテラ忍者寺www」こと妙立寺に。忍者屋敷っぽくなってはいますが、その実は忍者とは関係なく、隣国から攻められた際の出城にあたる場所に、城砦名目ではなく寺社名目で建設された施設とのこと。800円という拝観料は高いのか妥当なのかよく分からないですが、実は一回も実戦にはさらされていないそうなのでマニアの工夫自慢にも見えなくもないですけど。色々な迎撃アイディアが満載でした。先導のおねーさんはもう何万回このフレーズ繰り返したんだろうというくらい、マシンのような正確さで説明していました。案内のおねーさんの「そこに4枚のふすまがあります。よく覚えておいてください」がフレーズ的になんか笑えた。混ぜたりあとで当てたりしないだろうな、とか。で、寺を出ると早速傘が消えており(バニシング・コンビニエントリー・アンブレラ)、歴代傘ロスト最短記録更新(約60分)。が雨が弱まってきたのでラッキー。



▼そのまま金沢城址へ。軍事施設とか大好きなのでもうワクワク。金沢は名所がコンパクトにまとまっていていいですね。金沢城はホントに人がいなかった。雨で軽く煙る城郭は大変素敵でした。観光主体には申し訳ないが、観光する側としては最高。桜はまだだそうだが梅は満開らしかったです。菱矢倉で、「本来床にはは和釘を使うべきなのだけど、床面積が広く、全面にやろうと思うとそれだけで更に1億円かかるので十字ネジ釘を使ったまま」というお話も学芸員?の女性に伺った。しかしあの木組み、見事だったなあ。ずっと見てても飽きない。当時の建築技術の高い水準を堪能させて頂きました。しかしヒバ材を活用しているそうだけど、人もいなくて木のいい香りがして、外は雨で、なんかもう最高でしたな、あそこ。ここは火矢対策に漆喰と鉛板を活用しているそうなのだけど、よくよく考えると妙立寺って外から火矢で攻撃されたらひとたまりもないような。もっとも表向きはお寺なので、石造りの堅固さを出すわけにもいかんのだろうけれど。



▼その後兼六園に行こうかと思ったが、ヤマギシさんから連絡を受けたため、軽く食事を済ませ(治部煮を食べようと入ったのに、何故か季節限定メニューしかやってなくて、うどんセットで2000円、というw)、近江町市場を下見したあとでヤマギシさんのお車で金沢某ファミレスにて、2時間丸々色々見せて頂いたり教えて頂いたりして恐縮。プロの時間を独占するというのは本当に贅沢。が、私相手だと砂漠に水を撒くのと同義やもしれず、申し訳ないです。



▼一旦バーに行って、ヤマギシさんの後輩のマジシャン・テトラさん(本業は別にあるそうですが)にもお会いする。凄くまじめで大人しそうな方でした(注:後の展開を経て過去形とさせて頂きます)。 
夕飯も食べたくなる時間でしたので、"ちょっとお酒飲みに行ってくる、金沢にね!"でお馴染み、こざわ先生に電話。 
私「お疲れ様です、到着されたんですか?」 こざわ「もしもしこざわですー!金沢着きましたー!イエー!」 私「へ!?な、何でそんなにテンション高いんですか」 こざわ「え?高くないよ。行きがけ車内でビールと日本酒を飲んだだけだよ。普通!」 私「ちょ、あ、あの人、なんかもう既に出来上がってるんですけどーーーーッ!」 テトラ「エーーーーー!?」 
30分ほどして合流、やっぱこざわさんは何かハイテンションだった。そのまま「石川といえば8番ラーメンですよね」(私の間違った認識)、ということでこざわさん・テトラさん・私の3人でラーメン屋に行って腹拵え。こざわさんはまたアルコールを補給されていた。ラーメンはビックリするほど普通でした。「東京でいう、日高屋みたいなもんですかね」「こざわさん、私さっきヤマギシさんに同じコト言いましたよ」「あそう…」



▼バーへ。お席に名著「PopMagic」で私の中でお馴染み、CULL先生がいらっしゃり、わりと緊張しました。こざわさんがご自身の本をやり取りされてたりする横で、私はCULL先生やテトラさんに色々お話を伺えたりして非常に楽しかった。私がヤマギシさんに確認したかった疑問はCULL先生も思っていたことらしくw 
お客さんが一段落したので席を移り、ヤマギシさんがお客さんに演技をされているのを横目で見ながら、テトラさんとずっと喋っておりました。ダブルリフトについてとか、物凄く真面目に考えてらっしゃるなあと思いましたが、私は「ダブルカードは普通にわかるでしょ、特に卓上に置く時とか」という諦念モードであり、なんだか申し訳なくなったり。あと、昨日から通算5・6回は、昨今ヤマギシさんがやっているであろう演目を色々な角度から繰り返し見ていたわけですが、中身を聞いた後で見るとまた違った発見があって、「よく考えられてるよなあ、これ」という、何かマニアの人みたいな感想を抱いてしまった自分が残念でなりません。

CULL先生にマジックを見せて頂き(というかお名刺を頂いたのですが、そこが既にマジックという)、更に去り際にお店にいたお客様にスライディーニ・シルクも演じられてて(これがまた笑いありで楽しかった)、金沢のマジック好きは、ステキ先生も居らっしゃって実にいい環境だよなーとか思ったりしました。



▼で。店内に4名。ヤマギシさん、テトラさん、こざわさん、私。この時点で0時前くらいでしたかねえ。ヤマギシ「さ、みなさん、今年も箱根へようこそ!」 こざわ「…なんか今年の箱根は、ちょっと遠い気がしましたねえ。せまいし」 …そうか、裏日本での箱根だから裏箱根なんだね(こじつけ)。



登録タグ:
裏箱根  金沢  こざわまさゆき  ヤマギシルイ  テトラ  きょうじゅ  安心のメガネ率  「このひとマジシャンやない、サイヤ人や!」  「これは見せましたっけ?」  「そういう事いうと、ぼくももう一個やるぞ!」  「グリーンが間違ってた」  さっき似たやつ、見たような…。  健康に直ちに害のある手品  脳が溶融  気付いたら酒を頼んでない!  嫌な予感しかしない  どんだけ手品好きなんだよ  みんな変態(私以外)



ゲストマジシャン1は、先日処女作品集を上梓されたこざわまさゆき先生。こざわまさゆきオンステージ! こざわ「この本に書いた物を大体実演してみようかと思います」 ヤマギシ「せっかくですし、この順番でお願いします」 こざわ「…えー。…やってみるー」 →その後延々とコインが続く。  
私「あのう、コイン、飽きたんですけど…」 こざわ「仕方ないじゃない、こんなの順番通りにやるようには書いてないよ(半ギレ)」 \150 TRICK / Notorious Three Coins Trick / C-A-S-T / Billbound / Coins aGlass / Transparent Wild Coins / Coin Cut Box / A Left-Handed Coin / Coin-cidence / Octrix / Matrix Bad Way / USD Matrix うん、まあそりゃ連続してやるものじゃないですね、どう見ても。
その後カードも入り、The Quintet of the Ringsもやり、「あの、そこで(ロード)大丈夫なんですか」と心配してみたThe Loaded Dice Cupも「んー、多分平気」でやっておられた。さすがだ。あのダイススタック部分は何度見ても最高だと思う。曲がりなりにもマジシャンだから、まさかあのゆっくりとした動きで立てられるのか…!とか無駄に期待が高まるのがいいです。途中でお店のオーナーさんなども立ち寄られ、ひと通り、約90分くらいでしたか、レクチャーショーが終わりました。いや、レクチャーはしてないのでショーが終わりました。こざわ「ま、そこ(「Incomplete Works」)にたしか、美文で載ってますんで」



▼その後はもう大体二人が手を変え品を変え、こざわさんはシリンダー&コインとかもやられてたし(裏で何やってるかは怪しい)、ヤマギシさんもヤマギシさんでステージリングをがっしゃんがっしゃん振り回しておられた。あと話題がひどくて、とてもじゃないけど書けない。私のようにいつも「手品界が平和でありますように」とか星に祈ってる少女としてはとてもとても。こざわさんが鉄球と音叉を取り出して「まあ、鉄球です」というセリフを言って、ヤマギシさんが「アイアンボールですね」と繋げたところに、脊髄反射で「"鉄の睾丸"って奴ですね」とつい漏らす私。明らかにそれは「マスターキートン」のキートンの大学の恩師(ユーリ・スコット教授)だろという発言をしていた気もしますが誰も突っ込んでくれなかった。少女だからしょうがないよね。

カップアンドボールをこざわさん・ヤマギシさん両名がやった辺りで、ヤマギシさんが「ねえねえ、あれやんないの?やろうよ」とテトラさんに話を振り、彼も「えー、じゃ、やりますか」と応じて、セットを取り出す。もう袋にポンポンが付いてる時点で嫌な予感しかしない。で、やはりトミー・ワンダーのツーカップのルーティーンをやられててかなり綺麗に演じられていた。問題はその後、みんな徐々にテンションがおかしくなってきた辺りでヤマギシさんがまたテトラさんに水を向ける。
ヤマギシ「やっぱあれはやんないとまずいんじゃない?」 テトラ「そうですかねえ。じゃあとりあえず目隠しを…」 なんか、レナート・グリーン大好きってのは聞いていましたが、どうもあのFISMアクトを完コピされているらしく。否が応にも高まる期待。

ゲストマジシャンその2・テトラさんオンステージ。 「カード配ってくとね、消えちゃうんですよ」レーザー・ディールキターw しかもなんか普段大人しそうなのに、グリーンモード入ると、なんかノリがおかしいよこのひと(注:吹き替えではキモ面白いですが、グリーン先生本人は至極紳士です)。 「こうやって全部無くなって。出てくる!」 うわあ…。 「目隠しをしようね」お店にはそんなモノはないので、おしぼりを二つ連結させてそれで頭を一周。あの場では言わなかったけど、何かブラジャーかぶってるHENTAIみたいでしたよ!テトラさん!w その後始まる例のアクト。一昨年本人の観たけど、あれ再現できるものなんだ…と素直に感激。しかも彼の凄いのは、手品やってない時代にTVでアレを見て、どうすればできるか試行錯誤して創り上げたらしいということ。最後全部揃ったときは結構震えた。 テトラ「いや、最近新しいDVD出たじゃないですか、これ解説されているやつ。それ見たら、ここのやり方、違ってたんですよ」 こざわ「緑の人が違う、とw」 テトラ「…そか、…いや、そうですよ…、緑が間違ってますよ!w」 もうみんなテンションがおかしい。
こざわ「(緑のひとの)あの演技に衝撃を受けたり憧れたりするのは分かるよ?…が、なぜ、あれをあのままやろうと思ったかは全く理解できないよwww」 これには同意ですw



※控えめに書いていますが、こういったオンステージとか手品の間、BGMのように手品をやり続けているヤマギシさんと、口から魂が抜け出つつ店の背景に同化している私がいます。



こざわ「眠い。・・・ではAとQを使ったマジックを」 私「こざわさん!それQじゃない、K」 こざわ「…ン、あれ?眠い?」 私「起きてんですかホントに!w」 なんか眠気とかも凄いことに。 

5時過ぎ頃: こざわ「じゃあそろそろ帰りますかね」 ヤマギシ「あ、これは見せましたっけ?」(同内容の発言は推定20回目) こざわさん「ぬ、そういう事いうと、ぼくももう一個やるぞ!」という悪夢のようなコントのようなことがあり、その後やはり数回の手品往復が行われ、こざわさんのあほ手品「Okitorix」も久々に見られたし、もう私は十二分です。

ヤマギシ「いやもう、ガンガン行きますよ!」 こざわ「ていうかね、パスはね、こっちからだとね見えるんだって」 私「ごちゃごちゃうるさい、二人ともxxxでyyyする時、右脇腹に左手近づけすぎなんだよチクショウ!…ジョジョかよ!」 こざわ・ヤマギシ「「何であんたがキレてんだよ!」」 私「…君たちはいつもそうだね、意味が分からないよ!へ…へへっ」 テトラ「…きょうじゅ壊れちゃったー」 ババ様「その方がいいんじゃよ…」

お店をしめてみんなで外に出たら明るかった。朝6時だった。あとで考えると、私前日、朝からずっと歩きまわって活動していて、その後でのあの変態手品師どもの宴で、よく頑張ったよなと思った。自分で自分をほむほむ…じゃなかった、ほめてあげたい。



▼宿に戻って寝て、90分後には起きて身支度して、金沢駅で荷物預けて、10時には梅の咲き誇る兼六園を堪能していた私は我ながらよく頑張った。兼六園は意外に小さくまとまっていたので、ぐるっと回っても1時間程度でした。前日と打って変わって非常に天気にも恵まれて、汗ばむ陽気でしたが(兼六園は明日にしたらいかがですか、というヤマギシさんの助言がバッチリ活きた)、そのおかげで美しい風景を堪能いたしました。

「beeさんオススメの21世紀美術館に行きましょう」という話を先日こざわさんとしていたのですが、彼はチェックアウトに手間取ったらしく(うん、…あれ、今にして思うと寝坊でしょ、実は)美術館のフロントで一人しょんぼりしているうちにヤマギシさんから「裏箱根、二日目、始まるよ!」とか来て、「やっぱこのひとちょっとどうかしてるよ」、と思った。こざわさんと合流し、そのままヤマギシさんご夫妻と共に食事に。よかった、手品はなかった。あのメンツが揃ったらホントにまた手品が始まるんじゃないかとビクビクしていた。
その後、こざわさんはそのまま車で駅へ、私はおみやげのために近江町市場で捨ててもらい、お酒などを買って金沢駅に戻りました。
「はー疲れた。ようやく帰途だなー」と、チケット売り場に行くと見覚えのあるヒゲメガネが一人。「あれ、こざわさん?」「おー、きょうじゅ、どうしたの、こんな、金沢で」「アンタもさっきまで一緒だったでしょうがw」「あの後、奥さんにもやらされましてね、マトリックス」「うん…まあ…自ら進んでやったんだろうけど…まあいいです…お疲れ様…」



そんなこんなで、去年の箱根も疲れたけど、今年の箱根も凄く疲れました。あと金沢には割と群を抜いた手品変態がいることが分かりました。裏箱根2012も企画されているみたいなので、参加したいやらしたくないやら、というかビデオカメラだけ送るから録画だけしておいてくれればそれでw 健康に直ちに悪影響があるよ、このイベントw




▼さておき。
前回のエントリにも書きましたが、バーでしっとりとした時間を過ごしたい人、…他にお行きなさいw 地獄のような手品展開を体験したい人、バー「金沢STYLE」に行って、メガネの若いおにーさんに「マスター、なんかイキのイイヤツ頼むよ!」と一言。「ではアペリティフを…」とか言いながら、クライマックス系のネタが10個くらい続くこと請け合いw ていうか「もういいです」ってちゃんと言わないと次々と手品が始まる"わんこそば式"なので要注意です。近所にあったら月1くらいで通いたいなあ…(あの濃度で週1は私には無理ですw)。
ヤマギシさんはプロだけど、それ以前に手品が好きでたまらないマニアって感じなので、色々面白いです。まあ色々書いてまいりましたが、とても楽しかったということですよ。金沢行った暁には必ずまた寄らせて頂きます。いや、勿論手品だけじゃなく、ゆっくり旧所名跡観光をしたいんですけどもw とにもかくにもヤマギシさん・テトラさん・こざわさん、お世話様でした。まともな人が私しかいませんでした。    399150