教授の戯言

手品のお話とかね。

アナザー

あけましておめでとうございます。今年は例年に増して現実逃避の頻度は上がれども、それを実行に移す時間自体が減りそうで今から挫けそうです。……まあいいか、今年も宜しくお願いいたします。

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年始早々、掲題「アナザー」のお話。BLANKの、そして本作の作者でもあるタナカヒロキさんにお会いして購入いたしました。実は昨年の時点でも試作品での演技を見せて頂いており、その発想に唸っていたのですが、現物見るとあらためてやはり良いものだなと。どんなマジックかというのはMMLのページででもご覧ください。多分そのうち色々なお店で扱うのではないかと。



作者のタナカさんもお会いした際に「不思議を追求してはいない」というコンセプトを仰っていましたが、まあ多分これを見て、予言部分の不思議さに驚愕する人は正直非手品人でもあまりいないのではないかと申しますか、後段のパズル的な巧さの方に唸る割合のほうが格段に多いと思われます。これが今まで有りそうで無かったというか、盲点を突かれた思いです。


最初から出ている予言の封筒に2枚の予言が入っていて、観客が自由に止めたところのカードがそれぞれ封筒内の予言カードに繰り抜かれている、という、別にアナザーを使わなくても成立する普通の(こういうのを”普通の”とか言い出すあたり、もう既に心が汚れていることが読み取れる)トリックなのですが、本作はもう1度繰り返せるのです。予言カードは既に出ているこれなのですが、さてどう続くのか、というのが本作の肝。これは買ってのお楽しみ、ということで。



軽い、かさばらない、安い、私程度でも忘れないような手順、というのはもちろんいいのですが、個人的にこの作品の良さは”トリックそのものについて、観客がマジシャンに「してやられたもやもや感」を抱きづらい”という点にあると考えております。私個人は「よく上手いこと作れましたね!」というのが第一の感想でした(なお作者氏いわく、思いついてからそれが実現するようなデザインが完成するのにメチャメチャ大変でした、とのこと。果実だけ頂いてしまいましてスミマセンw)。そんな訳で、ちょっと風変わりな予言トリック、外国に遊びに行った時にプレゼント用にもいいなあと思って複数セット買いましたが、あと数セット買っておくのだったとちょっと後悔いたしました。

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そういえば年始に二川先生にお会いする機会があったのですが、昨年末に出したPit Hartlingの「Card Fictions」、訳者氏の不安をよそにリアルにほぼ完売状態だそうで、お買い上げ頂いた皆様、本当にありがとうございました。訳者他、関係者を代表いたしまして御礼申し上げます。



あと年末にコミケにいらして頂いた方、お寒い中、有り難う御座いました。自分で店番しているときは無駄におまけのスリーボールトリックセットをばらまいていた気がしますが、もし「もらってねーよちくしょー」という方がいたら…まあ次の機会にでも仰ってくださいw 差し上げます。まりかちゃんがあだるてぃーになっていてドキドキでした。