教授の戯言

手品のお話とかね。

SoM Vol.8&9 David Roth

最近ちょっとコインマジックでもやってみようかということで色々見たり読んだりやったりしているのですが、先日購入した「Stars of Magic」で、初めてデビッド・ロスの演技を通して見ました(部分部分なら見たことはある)。

感想としては良し悪し共にありました。欠点としてはクラシックではあるのでやや冗長な感が否めない点。ただ、それは間違いないのですが、やはり世界最強だっただけあってその技法はよどみ無く滑らかです。コインマジックはまあぶっちゃけてしまえば右手に無かったら左手、というのが大体正解なのですがかなりの頻度で幻惑されました。シェルとか使ってんだろうな、と思ったらノンギミックでガチンコだったりw

(追記:ちなみにあとで「"世界最強だった"んじゃ無くて、まだ最強といえるんじゃないかなあ?」とか知人に突っ込みを受けてしまいました。かもしれません。ちなみに今は方法を少し変えてしまっているそうなのですが、彼の昔のシャトルパスは真似の出来ない凄さだったと、往時を知る年代の方々には常々伺っており、どんな感じだったのかとても気になります。ジェフ・ラタのも十二分にキモかったのですが・・・)


Tuning Folkという演目がありました。あらましはこんな演技です。
・演者はコップとコイン4枚と音叉(Tuning Folk)を取り出します。
・音叉を机に叩きつけて、この音はコップの中に残っているんだと説明し、コップを傾けると確かに反響音がします
・同様の現象がコインでも起こると言い、まずコインをコップに投げ入れ取り出しテーブルにおきます。
・コップを左手で取り上げ、右手の立てた拳の上で水をあけるような動きをします。
・その後右手を振るとシャカシャカ音がします。しかし右手拳をあけるとコインは影も形もありません。
・2回繰り返した後、「実体化もするよ」といって右手をあけてみると、新たに硬貨が3枚出現します
・6枚を握り、シャカシャカ音がする…かと思ったら無音です。手を開けるとコインは一枚もなくなっていました。
といった流れ(微妙に違うかも)。

かなりステキ。しかも全くわかりませんでした。類推が外れている感がぷんぷんします(やろうと思ったもの以外は解説見ない事にしているので、当分のあいだ、方法を想像して遊ぶことにします)。この映像からは音がどこからするかが分からないのですが、捲り上げた袖にコイン挟んでるのかなあ。Rivast先輩が似合いそうなトリックでした。これは解説を見ようか迷っているのですが。ううう。マスターしてみたくもありしてみたくもなし。難しい。


もちろん他にもいいものも沢山ありました。ところで彼、前田さんばりに手がプルプルしてるときがあるんですが、緊張してるんですかねw あとやはり彼クラスでも、えぐい技法のときは変な動きをしていました。ユニフォーミティ・オブ・アクションはともかく、無茶なものは無茶なんだなあとか感じた次第。
(追記:のぶさんやてっペーさんといった知人から「彼、めちゃめちゃ緊張しいらしいよ、ランドのママさんが言ってた」「凄い手汗をかく人なので、練習の時は水で濡らしてやって、本番ではコインのエッジに松脂塗って戦ってた」とか、興味深いお話を伺いました。)


なお最近テレビで見た、「ボトル表面のラベルをこするとボトルの内側にいっちゃう」手品、最近のかと思ってたらかなりのクラシックなんですね。ロスが「1970年あたりに始めたよ」なんて言ってました。彼はこれを、コイン・イン・ボトルのクライマックスに使っていて、見事なルーティーンになっていました。


そして。やっぱ演者対観客が2メートル以内じゃないとコインマジックは微妙だとも思いました。小さいともうしょうがないんですけどね…。ここは覆せない感じです。